空き家バンクとは?売れない物件所有者にとって空き家バンク利用メリット6つ




目次

活用法次第で使える「空き家バンク」とは?

全国に広がる空き家問題。長年空き家になっている住宅は社会のお荷物であり、近隣住民は怒っています。しかし一番困っているのは、当の空き家の所有者たちなのです。あなたも処分したくて仕方がないはずです。

空き家問題の核心的テーマは「なかなか空き家が売れない」という問題に集約するのですが、そこに救世主として登場したのが「空き家バンク」です。
全国の400ほどの市町村が開設している、空き家の売却や賃し出しを行政等がサポートするシステムです。

地方経済を担う大きな大義名分を背負って誕生した空き家バンクですが、現状はまだまだ理想的な充実度には至っていないものの、国のバックアップが2017年に決まって「これからが本腰」というステージといったところでしょうか。
一般社団法人 移住・交流推進機構と言う団体がありまして、そこでこの空き家バンクのことについてまとめた結果が出ています。

データ自体は平成26年3月に発行されているので現在この通りではないとは思いますが、盛況との報告がメディア発信されているわけでもないので、現状は大筋で横ばいです。
この報告書によると、全国1,766件の自治体のうち、67.6%に及ぶ1,193件から回答があり、物件登録件数に関しては10件未満の自治体が全体のほぼ半数を占めているそうです。

出典

空き家バンクを利用した移住・交流促進事業 自治体調査報告書

空き家バンクの設立目的

空き家バンクは主に自治体で運営している制度で、管内の空き家情報を集め、持ち主と折衝したうえで物件として提供することに合意してもらい、その情報を主に移住者の住処としてあっせんすることを目的としています。

その利用の仕方については、一般の不動産屋さんとよく似ていますが、営利目的ではないので仲介手数料等は無く、サービスに関しては無料で受けられるのが特徴です。
平均的な比率は売り物件7:3賃貸物件と言うところです。

中には移住者に対する助成制度や就労支援窓口などを兼ねている場合もあり、包括的な定住促進の部署などがあり、その中で運営しているケースが多いようです。

空き家バンク誕生の背景

ではそのように、地方自治体が事業として空き家のあっせんに乗り出す運びになったその理由は何なのでしょうか?

1.深刻な人口の減少

日本の人口が減少に転じているのは平成20年のピークからで減少に転じて8年の歳月を経た現在、ピークからの約100万人が減少しています。
このあと、2019年をピークに、世帯数の減少が始まり、住宅は供給過剰の状態になります。
もちろん新築住宅の建築もやめるわけには行きませんし、人気は新築や築浅の物件ばかりに集中している結果、空き家はどんどん増えて深刻な状況になっています。

2.都市型ライフスタイルの定着による地方の過疎化

平成14年ごろから流行りだした大都市圏での生活スタイルが定着し、そのインフラの充実度から勤労世代だけではなく、郊外や地方に住んでいた高齢者にとっても便利で安全かつコンパクトな生活として受け入れられ、都市一極集中が更に加速しています。

その結果、郊外のニュータウンや地方の集落は過疎化のスピードを速めてしまい、限界集落や消滅自治体と言った言葉も聞かれるようになりました。
空き家は閑散とした風景の中で静かに朽ちていき、やがて様々な問題を起こす元凶になりえます。

3.地方創生に必要なアイテムとしての空き家

そして空き家がもたらす諸問題がクローズアップされ、「空き家対策特別措置法」の施行に伴い地方創生に空き家を供することに援助策を定められました。

放置に関しては罰則的な制裁を含みますが、活用に関し国、地方自治体が支援の手を差し伸べると言うこの法律の施行を機に、空き家バンクの存在が今後の地方創生を担うキーになってきたことは言うまでもありません。

地方の集落に移住者を呼ぶために、まずは住むところを確保することは最優先事項です。そのために利用していない空き家をリメイクする支援まで国や自治体がしてくれる。このチャンスを逃す手はありません。

空き家の外観写真や間取り、販売価格などを掲載し、サイトを見た人が購入を希望したら、自治体職員が空き家所有者と購入希望者を引き合わせてくれます。

「売れない空き家」を売るために、自治体が「空き家のお見合い」をセッティングしてくれるというわけです。登録はもちろん無料。そこには空き家オーナーをうならす6つの利点があります。

空き家バンクの利点1:営利目的ではないので信頼しやすく利用しやすい仕組み

空き家バンクの長所のひとつは、その使いやすさと安心感でしょう。自治体主催の空き家バンクサイトを開き、気になった空き家の写真をクリックすれば、細かな情報が瞬時に現れます。この段階では、サイトの閲覧者はなんの登録も要りません。

しかも、市町村などの行政機関が運営しているので、閲覧者は安心して情報を閲覧できる上に、空き家の販売価格には中間利益が上乗せされていません。
したがって、空き家の購入希望者に、あなたの空き家情報は営利目的の民間不動産会社よりも信用をもって迎え入れられやすくなるため、あなたの空き家が売れる確率が上昇するというわけです。

分散していた同エリアの空き家情報窓口を、空き家バンクの存在が一本化

空き家バンクはその名の通り、銀行がおカネを集めるように市町村が空き家情報を集め、それをネットで公開する仕組みです。
インターネットやパソコンだけで業務が完結する仕事が増えてきたことで、「それなら都会の喧騒から離れ、田舎に移住しようかな」と考える人も増加しています。

そのような人たちは、格安の物件を見つけたいのですが、地方の小さな不動産会社の一軒一軒に問い合わせるのも非常に面倒ですが、そこを地域の空き家情報を一括して請け負う「空き家バンク」の存在が窓口の一本化につながるわけです。

さらに、人口減に悩む市町村は移住希望者たちを積極的に迎えたいと考えていますし、空き家所有者は1日でも早く処分したいと思っていますが、ウェブサイトなどのインターネットの知識が少ない、高齢の空き家オーナーも少なくありません。
この3者の希望を一気にかなえるのが、空き家バンクの重要な役割です。

本市町村が、空き家所有者と空き家購入希望者という本来はなかなか接点を持つことが容易でなかった立場の人々を「サイトでつなごう」と考えたのです。

空き家バンクの仕組み

空き家バンクの仕組み

山口県周南市の空き家バンクシステム

http://www.city.shunan.lg.jp/section/kyodo/chusankan/jutaku/index.html

民間運営の不動産業者との違いについて

ここでひとつ疑問がわくと思います。「空き家売却」は一見、民間のビジネスです。原則、営利活動を行えないはずの市町村が、特定のビジネスを後押ししていいのでしょうか。
それが許される理由は3つあります。

民間のビジネスとしては採算にのらない物件を主に扱う

ひとつ目の理由は、老朽化した空き家が周囲の危険や景観を壊していることにより、空き家対策は、公共事業として取り組まなければならない事項と考えられ始めたからです。

そして2つ目の理由は、市町村としても「空き家を撤去して更地にする」より「空き家を可能な限りそのまま使う」ほうがコストがかからず関係者の負担が少ないため、放置空き家の数を減らすことにつながりやすいという判断によります。
更に、空き家撤去時に発生するごみ処分費用を増やさないことになりますし、資源の有効活用にもなります。

そして市町村が空き家バンクを運営する3つ目の理由は、空き家ビジネスそのものが利益のでるビジネスとして成立しにくく、民間企業が積極的にタッチしたがらない傾向があるからです。

民間の不動産会社が扱う空き家は、金銭価値が高い物件に限られます。これなら苦も無く純粋にビジネスが成立します。
しかし、老朽化して「住めなくはないけど住みにくい」空き家は、売却価格が安くなるので民間不動産会社の手数料もそれだけ小さくなり、単純にビジネスになりにくいのです。

民間不動産会社も自社のサイトで多くの空き家物件を紹介していますが、決定的な空き家問題になるような毀損物件は扱っていません。
そのような物件でも再生の道を紹介するのが、空き家バンクの役割と言えます。

空き家バンクの利点2:各自治体やエリアによって特徴のある空き家登録が揃っているため、物件探しが楽しい

それでは具体的に空き家バンクのサイトを見てみましょう。不動産物件は閲覧するだけでも十分楽しいのですが、空き家バンクの場合はそこに市町村の特徴が出ているので、実はなかなか見応えがあります。

※下記は2017年8月現在の内容です。

埼玉県の空き家バンクのサイトは掲載空き家数、ユーザーの利用勝手等も十分に充実しており、使い勝手が良い。

埼玉県庁の空き家バンク開設市町村が一覧できる

埼玉県庁の空き家バンク開設市町村が一覧できる

埼玉県庁のホームページには、空き家バンクを開設している市町村が一覧できるページがあり、とても便利です。しかも県内の地図が掲載してあって、とても見やすいです。

市町村空き家バンク

その中から「ちちぶ空き家バンク」と「みやしろで暮らそっ」を具体的にみてみましょう。
いずれもとてもよくできたサイトで、物件についてかなり詳しいことまで分かります。

ちちぶ空き家バンク

ちちぶ空き家バンク

ちちぶ空き家バンク -秩父地域の物件情報サイト-
秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町が協力し、これからちちぶで田舎生活を考える人と、空家・空き地をお持ちの方との橋渡しを目的として、空家・空き地の情報登録制度「ちちぶ空き家バンク」が制定されました。
■別荘にいかが?

ログハウスの物件 ちちぶ空き家バンクを開くと、こんな素敵なログハウスが現れました。

この家にたどりつくには、小高い丘を越えていかなければならないそうです。それだけに周囲は緑が多く、近くに川も流れています。別荘として使われていました。 住所は横瀬町で、価格は土地付きで700万円です。

■1市4町がタッグ

「ちちぶ空き家バンク」は、埼玉県内の秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町などが運営しています。

1件の情報量が多く、建物だけではなく周辺の写真も多数載っているので、見学をする前にある程度のイメージがつかめます。物件見学ツアーの告知や、地方の自然の魅力などのサイドメニューも充実しています。

さらに「空き家バンク専門アドバイザー」制度を導入し、かなり手厚いサポートが受けられます。

みやしろで暮らそっ

みやしろで暮らそっ

http://www.kuraso-miyashiro.com/search
■条件の絞り込みができる便利なつくり

東武動物公園があることで有名な埼玉県宮代町の空き家バンクは、パステルカラーが華やかなサイトです。
特徴的なのは、トップページに条件検索のシステムを置いてあることです。民間不動産サイトでは当たり前の機能ですが、なかなか自治体の空き家バンクでは検索システムが併設されていない中、宮代町の空き家バンクはかなり機能的です。

■新築住宅も紹介

登録物件の中で最も安かったのは、昭和46年に建てられた4LDの2階建住宅で価格は500万円です。また、2,000万円以上の高い物件を探すと新築住宅も現れました。

この「みやしろで暮らそっ」というサイトは、宮代町の委託により民間企業が運営しています。このサイトは地域の不動産会社とも提携していて、それで新築住宅もPRしているのです。

下の表は、「みやしろで暮らそっ」のページの一部(サイトナビゲーション)を切り取った画像ですが、地元の不動産会社のリンクが張ってあるのです。

これは賢い仕組みといえるでしょう。

空き家の売却では、所有者と購入希望者が直接交渉することもありますが、個人売買のトラブルを回避しようと間にプロである不動産会社を介在させることもあります。

それなら「最初から地元で信頼できる不動産会社を選びぬいて、彼らもプロジェクトの一員として仲間に入れてしまおう」ということなのでしょう。小さな地域ならではのアイデアです。

東京都内の空き家バンク運営はとても寂しい状況

23区は空き家バンク開設に消極的?

ところで、将来気には劇的に空き家の数は増えるといわれている東京都の空き家バンク状況なのですが、東京23区においては、残念ながらあまり空き家バンクには積極的ではないようです。

http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=52838?site=nli

例えば荒川区は、区内に13,700戸もの空き家があるにも関わらず、空き家バンク自体がいまだに存在していません。荒川区のホームページには、ただ「一般社団法人移住・住みかえ支援機構」への外部リンク案内が掲載されているだけです。

トップページ 荒川区公式ホームページ
一般社団法人 移住・住みかえ支援機構
移住・住みかえ支援機構は、持ち家の終身借り上げで、シニアの移住・住みかえと夢を応援します。
空き家バンクが存在していても…奥多摩町で7件、青梅市は1件しか空き家物件登録がない

23区以外の東京都内の市町村では、奥多摩町や青梅市が空き家バンクを持っていますが、いずれもそれほど熱がこもったものではありません。
奥多摩町の空き家バンクには7件しか紹介されていませんし、青梅市に至っては1件しか載っていません。

東京都の空き家問題は相当に深刻なはず、しかも23区外の奥多摩や青梅には空き家問題は全く無縁でいられない地域なのは間違いないはずですが…あくまでも空きバンクは自治体それぞれの熱量の多寡に依存した事業であることがよくわかる例です。

青梅市/青梅市空家バンク
奥多摩町/空家バンク

「移住希望者の羨望地」北海道は空き家バンクがかなり充実

歴史的にも移住の地である北海道は、「よそ者」が住みやすい地域です。市町村や住民も移住者を昔から大歓迎してきた長い歴史と文化があります。

そんな北海道の中でも小樽やニセコといった全国的に知られた「後志(しりべし)地方」は、19市町村が一致団結して「しりべし空き家BANK」を立ち上げています。

自治体だけでなく、サイトの運営には不動産会社や建築会社、司法書士なども加わっていて、まさに官民を挙げて空き家バンクを盛り立てています。

=TOP= of しりべし空き家BANK
■空き家の現況を検査しているからリフォームを検討しやすい

物件を紹介する前に、この空き家バンクに「誠実さ」を感じたところを紹介します。
それは「インスペクション制度」を導入していることです。

インスペクションは、建築士による中古住宅の現況検査のことです。しりべし空き家BANKでは、国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」にのっとってインスペクションを行った物件に、「インスペクション済み」と記しています。

購入希望者は、インスペクションによってリフォームする場所の優先順位が分かりますので、どこまでリフォームをやるかを決めることができます。
空き家の購入金額以外の費用が分かることは、購入希望者にとっては重要なことです。

■長いエントランス、大きな車庫、敷地内で家庭菜園も

それでは、しりべし空き家BANKに掲載されている物件を見てみましょう。

果物の生産で有名な仁木町で売りに出されているこの物件は、とにかく敷地面積が広いことが魅力です。建物は1階77㎡、2階57㎡の4LDKの「普通に広い家」なのですが、敷地面積は570㎡もあります。裏庭で家庭菜園ができます。

上の写真でも分かる通り、エントランスがとても長く立派な植木もあります。さらにシャッター付きの車庫まであります。
築年数は36年ですが、リーズナブルな空き家を探している人にとっては、許容範囲ではないでしょうか。7年前にリフォーム済みです。

気になる価格は300万円した。もちろんインスペクション済みです。

空き家バンクの利点3:民間でなく自治体に登録する安心感は不審な業者の介入を防ぐ力がある

空き家所有者が空き家バンクを活用する最大のメリットは、市町村などの行政がかかわってくれることです。購入希望者は市町村に登録をしなければならず、このとき市町村は身元を確認します。
行政機関が購入希望者のことを把握しているというだけで、空き家所有者は安心できるのではないでしょうか。

購入希望者とっても行政関与の安心感はメリットになる

また、空き家バンクに物件を掲載してもらうには、空き家所有者も市町村に登録しなければなりません。空き家所有者も市町村に身元を明かすわけです。

一見面倒な作業に感じるかもしれませんが、この登録により購入希望者と販売者双方の個人属性がはっきりすることで、魑魅魍魎ともいえる不動産業界にうごめく「胡散臭い輩」が介入してくる事態を未然に防ぐことができます。

空き家バンクの利点4:不動産査定サイトとの相性ばっちり

さて、空き家バンクの魅力や使用方法をご理解いただけたところで、もうひとつ重要な作業があります。ここで「もうひと手間」加えることで、あなたの空き家の売却はより一層確実なものになります。

それは空き家バンクの利用と並行して「不動産一括査定サイト」への登録を行う事です。
ここではNTTデータが運営している「不動産売却 HOME 4U」を例にとって説明します。

Q:なぜ空き家バンクと同時に不動産一括査定サイトにも登録すべきか?

A:空き家バンクだけでは販売機会が狭く、より広い販売ルートは自分自身で確保する必要があるから

空き家バンクには、行政機関が運営しているからこその良い点と、行政機関が運営しているがために生じる物足りない点が同居しています。

その詳細はのちほど解説いたしますが、基本的に空き家バンクの足りない機能をどこかで補う必要があります。具体的には空き家売却ルートの間口と利益獲得機会です。

行政が取り仕切っているだけあって安心感と信頼性が空き家バンクのメリットである点は既にふれましたが、残念ながらまだまだ一般への浸透度は低く、空き家バンクの存在自体を知らない人は大勢いますので、うまく売却が進まない場合は、空き家情報を登録しただけで物件が塩漬けになってしまう可能性があるわけです。

従って、公的施策である空き家バンク登録を活用するとともに、低い認知度を補ってスピーディーな空き家売却を実現させるために、民間企業があなたの空き家を無料価格査定してくれるサービスも同時利用する重要性がでてくるわけです。

その視点だと「不動産一括査定サイト」は空き家バンクの補強にうってつけといえます。

Q:不動産査定サイトの使い方は?

A:物件内容、売り方の希望、連絡先を入力するだけ

「不動産一括査定サイト」の使い方はいたってシンプルです。「不動産売却 HOME 4U」なら、

  • 物件内容
  • 売り方の希望
  • あなたの連絡先

を入力するだけです。入力は1分程度で終わります。
当然、利用は無料ですので、躊躇なく登録を行っておくべきでしょう。

Q:なぜ「NTTのHOME 4U」がおススメなの?

A:メガ不動産会社から地域密着企業までそろっているから

今回「不動産一括査定サイト」の使い方の説明で、「不動産売却 HOME 4U」を例示したのは、NTTデータという安心できる大企業が運営しているからです。

もうひとつの大きな理由は「HOME 4U」に登録している企業の充実ぶりです。
大成建設グループ、東急リバブル、野村の仲介、阪急不動産、三菱UFJ不動産販売といった、メガ不動産会社が名を連ねます。

さらに、こうした大企業の他に、地域密着型の地元のローカル不動産会社も「HOME 4U」に登録しています。登録している企業数は550社です。

「HOME 4U」はあなたに、大手企業と地域密着型企業の両方に査定を依頼することをおすすめしています。それはあなたが、次の2つのメリットを同時に得られるからです。

  1. メガ不動産会社に査定を依頼するメリット…大規模な広告であなたの空き家を売り出してくれる
  2. 地域密着型不動産会社に査定を依頼するメリット…独自ルートで購入者を探してくれる

Q:なぜ複数の不動産会社に査定してもらう必要があるの?

A:査定額の差が大きいから。590万円損することも

下のイラストは、「HOME 4U」のサイトに掲載されている、ある事例の紹介です。ある人が「HOME 4U」に不動産の査定依頼を出したところ、4社が査定をしてくれました。

同じ物件に対する査定なのですが、最高額の4,380万円を出した会社と、最低額の3,790万円を出した会社がありました。その差は590万円にも及びます。

https://www.home4u.jp

もしこの人が「面倒だから1社に頼めばいいや」と思い、その会社が最低額を提示していたら590万円も損するところだったのです。
複数社に査定を依頼することは、空き家所有者がやらなければならない最低限の行動といえるでしょう。

つまり「不動産売却 HOME 4U」のような信頼できる不動産一括査定サイトと、これまで見てきた空き家バンクを併用することが「正しい空き家の売り方」といえるのです。

空き家バンクの利点5:補助金獲得、固定資産税の減税につながる可能性がある

先にも触れましたが、生き残りに真剣な市町村自治体は移住者をできるだけ多く受け入れたいと考えています。そのために、地域の空き家を買ってもらいたいと思っています。
そのような気持ちが強い市町村は、購入希望者が空き家を買いやすいように税制面や補助金などで助けてくれます。

空き家所有者も市町村の税制動向には着目しておく

市町村が用意している空き家購入支援は、補助金を出したり、固定資産税を減らしたりすることです。例えば、北海道厚真町は、空き家バンクを経由して空き家を購入した場合、リフォーム費用として最大100万円を助成してくれます。

「購入希望者が買いやすくなる」ということは、「空き家所有者が売りやすくなる」ということですので、あなたも市町村の情報を入手しておき、購入希望者が現れたときに教えてあげられると、大変喜ばれるでしょう。

出典

空き家バンク - 厚真町住まいサポート【アツマイホーム】
空き家バンク - 厚真町住まいサポート【アツマイホーム】

空き家バンクの利点6:国土交通省が本腰を入れた

国土交通省はウェブサイトで「空き家と空き地の流通の活性化を推進」すると明言しています。中央官庁の暗黙ルールとして、ウェブサイトに掲載した事業には自治体(県)レベルからの問いかけにも現場応対する必要がでてきます。

2017年6月には空き家バンクの全国版公開構想を明示しました。

建設産業・不動産業:空き家・空き地等の流通の活性化の推進 - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

また国土交通省は、空き家対策に乗り出す市町村に予算措置を行う方針です。
つまり、国が空き家対策の自治体負担費用の一部を負担することになりますので、空き家バンクは相当に本気度が高い国策事業の1つになっているといえるでしょう。

空き家バンク「全国版」構想とは

現在の空き家バンクは、全国の市町村がいわば「自由気まま」に構築し運営しています。
地域の独自性が出るメリットはありますが、力が入っていない自治体や、サイトデザインが異なることによる閲覧者の混乱といった負の面も少なからず発生しています。

そこで国土交通省が、きちんと制度化されたルールに則る形で全国の空き家と空き地の情報を集約する、空き家バンク「全国版」をつくることにしたのです。
同省としては、「全国版」サイトが立ち上げることで不動産ビジネスを活性化させようという狙いもあります。

出典

「国土交通省 全国版空き家・空き地バンクの構築運営に関するモデル事業の実施事業者の選定について」(国土交通省、株式会社価値総合研究所、2017.6.16)

全国の空き家情報集約 国交省、検索・売買簡単に
国土交通省は全国の空き家や空き地の情報を集約し、購入希望者がインターネット上で条件に合う物件を見つけやすくする。地方自治体が個別に運営する「空き家バンク」の情報を一元化する。地方の人口減少や団塊世代

空き家所有者の登録の手順

あなたの空き家を、空き家バンクに掲載するための手順を見てみましょう。
ここでは先ほど紹介した埼玉県の「ちちぶ空き家バンク」の登録の仕方を紹介しますが、他の市町村の空き家バンクも似たような手順を踏んでいます。

ちちぶ空き家バンク -秩父地域の物件情報サイト-
秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町が協力し、これからちちぶで田舎生活を考える人と、空家・空き地をお持ちの方との橋渡しを目的として、空家・空き地の情報登録制度「ちちぶ空き家バンク」が制定されました。

全体の流れは以下の通りです。

  1. 物件登録の申し込み
  2. 物件確認・査定
  3. 物件登録完了
  4. 物件情報の提供
  5. 売主と買主の条件一致
  6. 売買の決定、契約、サイト物件登録の抹消

Step1.物件登録の申し込み

最初のステップは書類を用意することです。まずは市町村から渡される「登録申込書」「登録カード」に必要事項を記入します。
「登録申込書」は、「契約には自治体は関与しない。トラブルが発生したら所有者と購入希望者間で解決する」といった内容の同意書を兼ねています。

「登録カード」に物件の詳細を記入します。
所有者の連絡先、空き家の延べ床面積、構造、補修の要否、補修の費用負担、築年数、希望売却価格、希望賃貸料、放置して何年が経過しているか、電気やガス、風呂などの設備の状態など、かなり細かく尋ねられます。

不動産物件ですから、以下のような瑕疵事項、事故物件歴に関する質問も当然あります(実際の登録カードからコピーしたもの)。

後々のトラブルを避けるためにも、瑕疵に関する質問や事故歴については、正直に記入するようにしてください。

その他に必要な書類は、以下の通りとなっています。

空き家の登録に必要な書類

・建物登記簿謄本
・固定資産税評価証明書
・建物図面

空き地の登録に必要な書類

・土地登記簿謄本
・固定資産税評価証明書
・公図
・道路台帳
・上下水道図面
・測量図

Step2.物件確認・査定

登録が完了すると、市町村の職員と宅建協会の担当者が、現地を訪れて空き家物件を目視確認します。このときサイトにアップする写真撮影などを行います。

査定といっても空き家所有者に「いくらで売りなさい」と言うためのものではありません。「さすがにこれでは空き家バンクで紹介するわけにはいかない」という物件でないかどうかを査定するのです。
つまり、この物件確認・査定によっては、空き家バンクに登録できないことがあります。

Step3.物件登録完了

査定の結果「掲載OK」となったら、ちちぶ空き家バンクのサイトに、あなたの空き家が写真付きで掲載されます。周辺の住環境の様子も記載されます。

この状態になれば、日本国中の「ちちぶに移住したい人」が、あなたの空き家の様子を知ることができるのです。

Step4.空き家物件情報の提供

空き家所有者は、サイトの掲載内容を変更したいときはいつでも変更依頼をかけることができます。もちろん、「やはり売らないことにする」と決めた場合、空き家物件登録を取り下げることも可能です。

Step5.売主と買主の条件一致

ちちぶ空き家バンクに掲載されたあなたの空き家物件を見て「買いたい」という購入希望者が現れたら、市町村職員からあなたに連絡が行きます。
あなたと購入希望者が連絡を取り合った時点で、行政の仕事は終了となります。

しかし、ちちぶ空き家バンクは、地元の業者団体「埼玉県宅地見物取引業協会秩父支部」と提携しているので、売買の仲介をしてくれる不動産会社を紹介してもらえます。

ここからは通常の不動産売買手続きになるので、契約が成立したときは不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
空き家バンク制度は、地元の不動産ビジネスを支援する役割もあるのです。

公益社団法人 埼玉県宅地建物取引業協会 秩父支部

Step6.空き家物件売買の決定、契約、登録抹消

売買契約が成立したら、ちちぶ空き家バンクへの登録を抹消します。

出典

ちちぶ空き家バンク -物件情報ポータルサイト-

残念ながら空き家バンクには「限界」がある

それぞれの市町村がバラバラに運営している現行の「空き家バンク」事業には限界もあります。第一に、実施している市町村が少ないことと、空き家バンクに対する取り組みの熱量に各自治体で大きく隔たりがあるということです。

先ほど東京23区と東京都内市町村の空き家バンクの状況を見た通り、埼玉県や北海道の自治体に比べると、明らかに熱心さが欠けています。

サイトの登録物件数「0件」が1割も

一般社団法人移住・交流推進機構の調査によると、空き家バンクを開設している市町村は400自治体ほどしかありません。

また、そのうちの80%の空き家バンクが、登録物件数が20件以下でした。これでは購入希望者の意欲がそがれます。しかも空き家バンクサイトの10%は、登録物件数が0件なのです。

稼働実態が不明の空き家バンクも存在している

また、空き家バンクの中には「これで空き家バンクといえるのか?」と疑問に感じるサイトもありました。

確かに市町村が空き家バンクの事務局に名を連ねているのですが、運営は完全に民間企業任せなのです。サイト内の物件をクリックすると、なんと不動産会社のサイトに飛ぶのです。もちろんその物件の連絡先は市町村ではなく、その不動産会社です。

これでは市町村が不動産会社のサイトを無料で肩代わりPRしているだけです。空き家問題は全国的な社会問題となっているのですが、市町村の温度差はかなり大きいといえそうです。

まとめ:空き家バンクに登録、動向を見守りつつも、不動産一括査定などの民間サービスも併用しておく

最後に少しだけネガティブな話をしましたが、それでもなお、空き家所有者のあなたが、公的事業である空き家バンクを使わない理由はないでしょう。これでうまくいけば、中間業者に大きな利益を抜かれない状態で空き家を売ることができます。

空き家バンクへの登録は、市町村という役所を有効活用することに他なりません。
市町村は多くの優良情報を持っているので、あなたが市町村職員と接触するだけでも売却に1歩近づくことができます。

一般ビジネスの土俵にのらない空き家を扱ってくれるのが、空き家バンクの最大の長所です。市町村側も「もっと我々を上手に使ってください」という気持ちを持っています。

と同時に、先に述べたように「不動産一括査定サイト」などの民間サービスを併用することで、できるだけ所有空き家物件を「捌くことができる間口」を広げておくことが重要になってくるでしょう。

空き家バンクを利用して古民家を手に入れた外国人と日本人夫婦

2017年8月26日の神戸新聞ウェブサイトに、兵庫県の空き家バンクを利用して100年モノの古民家を手に入れて喜んでいる、外国人と日本人夫婦の記事が掲載されていました。

神戸新聞NEXTより

神戸新聞NEXTより

そもそも「土地代込み5万円」という破格の安さで話題になった物件ですので、全国から300件もの購入希望者から問い合わせが舞い込み、最終的に空き家オーナーはこの外国人夫婦に空き家を譲り渡すことに決めたそうです。

神戸新聞NEXTより

神戸新聞NEXTより

それにしても、対象となる物件が過疎地山間集落にあった取り壊し予定の木造2階建て物件。通常では購入者に「どんなに安くてもいらない」と遠慮されてしまう物件ですが、外国人にとっては「100年の歴史がある日本古民家なんてすばらしい!」という高評価だったそうです。

なにか「空き家問題解決のためのヒント」を見たような気がしました。

地方移住ブームの起爆となることを期待

2015年以降、現行内閣の施政の柱として打ち出された地方創生、観光立国のスタンスに共鳴するような形で、地方が元気を取り戻し、都会に暮らし非正規で働いている勤労世代の若者を中心に移住ブームが広がっています。

また、いち早く移住を決め、信念をもって退職した上場企業の元サラリーマンは、その洗練されたアイディアや行動パターンで会社勤めよりも数倍速いスピードで城を築き成功を収めています。有名リゾート地でのインバウンド増加に伴い、次の仕掛けを過疎部や離島に求め、外国資本の流入が目立ち始めました。

新しいアクティビティや構想を持ち込み、リゾートを自身の手で一から作り上げたい資産家が何もないけど特別な場所を探し求めているのです。
観光客が集まれば労働力も同時に集まります。そこにアクティビティがあれば、バックパッカーの気ままな1年のルーティンに今の過疎地が加えられる可能性だってあるのです。

空き家を空き家で放置するのは所有者の勝手ともいえますが、それだけのビジネスを展開する資本になりうる空き家をこれ以上放置し、無駄な税金を支払い続けることにどのようなメリットがあるのでしょうか?

地方創生の足を現状引っ張っているのは、地域住民の非協力が一番の原因だそうです。とは言ってもなんでもポーズだけで告知能力に欠ける役人さんばかりでは、その波を見つける事すら難しいかもしれませんね。

役場の役人の尻をどんどん叩き、資産をどんどん活用して、各地の過疎地に熱気が集まるようになることを、筆者はとても楽しみにしながら、田舎暮らしのメリットを移住希望者にも伝えていきたいと思います。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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