空き家問題とは?空き家不動産に困っているオーナーがすぐ実行できる4つの解決策

空き家問題とは?空き家に困っているオーナーがすぐ実行できる4つの解決策

あなたがいま所有している空き家、どうしますか。
いまはかろうじて住める状態ですが、このままでは朽ち果てるのを待つばかり。リフォームして借家として貸すにも、借り手が見つかるかどうか分からないのでおカネをかけられない。

そのような状態でしょうか。

空き家は日本中で増えています。
もはや田舎だけの問題ではなく、都市部も巻き込んだ社会問題にまで発展しています。
つまり、あなたと同じように空き家問題に困っている人が全国にいて、続々と対策が打たれているのです。

あなたの空き家の困りごとは、解決できます。

しかも、あなたがリスクを取る必要はありません。行政が対策に乗り出していますし、空き家ビジネスを展開する企業も現れました。

すぐに実行できる4つの解決策を紹介しましょう。




解決策1:空き家ビジネスを展開している企業に売る

それまで単なるゴミだったものがリサイクル資源になるように、オーナーにとっては邪魔者でしかない空き家が宝になります。
それが空き家活用ビジネスです。
あなたが処分に困っている空き家は、空き家活用ビジネスをしている人たちに売ればいいのです。

なぜ空き家が売れるのか

東京から千葉県南房総市までは、車で2時間もかかります。そのため市の人口は流出が止まらず、空き家率は24%にも達します。100戸の住宅があったら24戸が空き家なのです。

ところがこの南房総市内の築60年の空き家が最近売れました。買ったのは都内に勤めるサラリーマンで、これまでの自宅はそのままにして、この600坪の土地付き住宅を購入したのです。

購入金額は「このサラリーマンの年収よりは低い金額」だったそうです。

別荘地でもない普通のごくありふれた田舎の古い空き家を、この方はなぜ買ったのでしょうか。
それは都会と田舎の「2地域生活」に憧れていたからです。この物件はそのままでは住めない状態でしたので、このサラリーマン一家は週末に少しずつ自分たちの手で家を直していきました。

空き家が収益物件に!? 新時代の活用術 - 記事 - NHK クローズアップ現代+
 

あなたも自分の空き家の売却に対し「こんなにボロボロになったしなあ」ですとか「人口が少ないマチだからなあ」などと諦める必要はないのです。
あなたの空き家の「良いところ」は、空き家活用ビジネスの営業パーソンたちが必ず見つけてくれるはずです。

空き家売却の一括サイトを使う

空き家を売るなら、空き家売却一括サイトが便利です。
例えば「すまいValue 大手6社だからできる安心の不動産売却」というサイトがあります。
このサイトは、野村不動産、東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井不動産リアルティ、小田急不動産の6社が共同で運営しています。

サイトを開いて空き家のある住所や敷地面積、築年数、間取りなどを入力するだけです。この時点で個人情報を尋ねられることはありません。
その後、この6社から査定結果が届きます。空き家のオーナーはその6社の中から最も条件が良い会社と交渉を進めればいいのです。査定は無料です。

市町村の移住政策に協力する

あなたの空き家が地方にある場合、行政が助けてくれるかもしれません
やはり人口減少に悩む熊本県天草市は、市を上げて移住促進に取り組んでいます。そこで天草市役所が始めたのが、格安の空き家物件を紹介することでした。

同市の「あまくさライフ 天草市移住・定住サイト」というサイトには、例えば木造2階建の9LDKの土地付き住宅が、販売価格4百万円で紹介されています。

あまくさライフ|天草市移住・定住サイト
自然豊かな熊本県天草市の移住・定住情報をご案内しています。空き家情報や移住者の紹介など様々な情報を掲載していますので、ぜひご覧ください。

この事業は天草市の「空き家等情報バンク制度」の一環で、市内の空き家オーナーに対し、都市住民への貸し出しや売却を呼びかけているのです。空き家問題と人口減少問題を同時に解決しようというのです。

天草市はこれらの空き家情報をデータベース化して、ネットで公開しています。ネットを見て興味を持った空き家購入希望者は、市役所に相談をします。市の職員がオーナーとの連絡調整をしてくれます。
ただ、契約交渉や実際の契約には、市は介入していません。つまり「お見合いをセッティングしますから、あとはご本人たちでお願いします」という仕組みなのです。

このような空き家バンク制度は島根県大田市や大分県など、全国の多くの過疎に悩む自治体でも運営しています。

解決策2:行政の補助金をもらって空き家を取り壊す

空家等対策の推進に関する特別措置法、略称「空き家法」は2015年に施行されました。施行とは「法律が動き出した」という意味です。

この法律の目玉は2つあって、1つは倒壊の危険があったり周辺の生活環境に悪影響を及ぼしていたりする空き家を、行政が除去できることです。こちらの方は後で詳しく解説します。

もうひとつの目玉は、空き家のオーナーに大きな衝撃をもたらしました。なんと、空き家の固定資産税が6倍になるのです。

行政の補助金を使う

これまで住宅が建っている土地の固定資産税は、住宅が建っていない場合の6分の1に抑えられていました。そのため老朽化した空き家とその土地を所有しているオーナーは、住めない状態になった家でも撤去せずに放置してしまっていたのです。

そこで政府は空き家法を制定し、空き家のオーナーに「固定資産税が6倍になるなら空き家を撤去して土地を売ってしまうか」と思ってもらおうと考えたのです。

こうした政府の動きに合わせて、地方自治体も空き家対策に乗り出しました。例えば東京都文京区は、空き家オーナーに対し、空き家の解体費用を最大200万円まで補助しています。
こうした制度があれば、「どうしても売れない空き家」でも、税金が増えるくらいなら撤去してしまおうと思えるのではないでしょうか。

危険な空き家、撤去促進へ優遇見直し 固定資産税
政府・与党は倒壊などの恐れがある危険な空き家の撤去を促すため、固定資産税の優遇を見直す方針を固めた。住宅が建っている土地は税額が6分の1に軽減されているが、近隣に迷惑がかかるような空き家の場合は対象

解決策3:節税のために安くてもいいから売ってしまう

「空き家」というと、老朽化してそのままでは人が住めない状態を想定しがちですが、中には住宅としての価値が十分残っている空き家もあります。
例えば、空き家が建っている場所が職場から遠く離れているので住めなかったり、売りたいけど安い価格しかつかないので踏ん切りがつかなかったり、といったケースです。

このような価値ある空き家は、親から相続したケースが多いのですが、「思い出の家だから」と所有し続けていると、意外な「損」をしかねません。

相続した空き家を売るなら3年以内に

空き家の発生を抑制するための特例措置、略称「空き家税制」が2016年4月からスタートしています。
空き家を相続した人がその空き家を売って利益が出ても、3,000万円までは特別控除で税金がかからないようになったのです。

不動産を売って出た利益のことを譲渡所得といい、この譲渡所得にかかる税率は約20%になります。つまり、相続した家が3,000万円で売れた場合、これまでは約600万円の税金を支払わなければならなかったのですが、その税金がゼロ円になるのです。

ただ、相続をした日から3年後の12月31日までに売却しないと、この「空き家税制」は使えません。
ですので、「売るなら早めに…相続してから3年以内に売ったほうがいい」ということになるのです。

相続した空き家 売れば節税になるってホント?|マネー研究所|NIKKEI STYLE
「内藤先生。相続の件も一段落ついたのでこの際、空き家になっている実家を売却しようと思っているんです」「“空き家税制”も創設されて、去年の4月からは売って利益が出ても3000万円までは特別控除で税金がかからないようになりましたからね。ただこの税制…

解決策4:その家への思い入れが強い人は「借りたい人」に貸す

いまは空き家になっていても、これまであなたやその家族が長年住んでいた家です。思い出がいっぱいつまった家を売ることは、いくら維持費や税金がかかっても抵抗があるものです。

そこで、売らずに貸すという方法もあります。

京都の伝統的民家の再活用例

京都には伝統的工法で建てられた「町屋」という民家がたくさん残っています。京都市内の不動産企業が、空き家になっていた築90年の町屋を所有者から借り、約3,000万円かけて内装を変えシェアオフィスに変身させました。
2時間500円のレンタル事務室やレンタルオフィスをつくり、起業家たちに貸すのです。

この町屋のオーナーはこれまで、「空き家になっても重要な文化財である」と思っていたので、「お荷物」ながら処分できずにいました。
ところがこの不動産企業の力を得て、外観は京都らしい風情を残しつつ、しかも町屋を手放すことなく月額45万円の家賃収入を得ることができたのです。

東京都豊島区の商店街の一角にあった元とんかつ店は、築45年の木造住宅ながら、リノベーションをして、カフェと外国人向け宿泊施設に生まれ変わりました。「民泊(みんぱく)」需要に見事にのることができたのです。

建物のオーナーの両親が、そのとんかつ店を営んでいましたが、店をたたんでからは長らく空き家状態にありました。
オーナーは両親が大切にしてきたその店舗兼住宅を売ることができず、しかし毎年10万円の固定資産税の支払いに苦慮していました。

このオーナーを救ったのは、豊島区が主催した「リノベーションスクール」というイベントでした。建築家たちが、空き家の再利用についてアドバイスしてくれたのです。

「とんかつ店再利用」のビジネスモデルはこうです。

地元の内装業や建築家が「まちづくり会社」を設立し、固定資産税と改修費用を負担する契約をオーナーと結びました。その代りオーナーは、2年半にわたって家賃を無料にしたのです。2年半後から家賃収入が発生しますし、そしてなによりオーナーにとっては元とんかつ店を取り壊さないで済んだことに喜んだのでした。

空き家はなぜ増える? 現状と問題点と対策

2013年の統計によると、国内の空き家は819万5,600戸に上ります。空き家率は13.5%で、前回調査の2008年より0.4ポイント上昇しています。
ちなみに1998年の空き家は576万4,100戸で、空き家率は11.5%でした。

なぜ空き家は増えるのでしょうか。そしてなぜ空き家が増えると社会問題になるのでしょうか。この問題の背景には何があるのでしょうか。

空き家・空き家率
総務省統計局が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」における、平成10年以降の住宅総戸数、空き家数、住宅総戸数に対する空き家数の比率を都道府県別にランキングしました。

新築住宅も増えているというナゾ

日本の人口は減っています。なので住む家が不要になって、空き家になっているのでしょうか。確かにその要素はあると思います。しかし、空き家が増えると同時に「奇妙な現象」が起きているのです。

先ほど見た通り、空き家戸数の推移は以下の通りです。この15年間で42%も増えています。

調査年 空き家戸数 上昇率
1998年 576万4,100戸 42%アップ
2013年 819万5,600戸

一方、人が住んでいる家と空き家を含めた「住宅総数」は、次のようになっています。

調査年 住宅総数 上昇率
1998年 5,024万6,000戸 21%アップ
2013年 6,062万8,600戸

住宅総数も21%も増えているのです。

要するに、空き家も増えているけど新築住宅もかなり増えている状態なのです。
核家族化現象により、1戸の家に住む人数が減ったので、人口は減っても住宅の数はたくさん必要になる、という理屈です。

つまり、空き家問題を考えるときには、住宅市場の需給バランスの悪化についても検討していかなければならないのです。

中古住宅が不人気な日本特有の問題

そして空き家が増える別の要因に、日本人の「中古住宅嫌い」という性質があります。
中古車、中古ブランド、中古の衣服は、どれも市場が活況を呈しているのに、中古住宅だけは例外です。
中古住宅を買うことは「残念なこと」であり、「夢のマイホーム」は新築でなければならない、というのが一般的な日本人の感覚なのです。

ヨーロッパでは真逆です。特にイギリスでは、都会でのビジネスに成功した人は、田舎の古民家を高いおカネを出して購入し、さらに経費をかけて改装をしてガーデニングを楽しむのです。

またアメリカの住宅市場でも中古物件は人気です。それはアメリカでは「リフォームは自分で行う」という考えが浸透しているからです。リフォームの選択肢が増えると、中古物件であっても自分色に染めることができます。

もちろんこの「自分でリフォームする」の中には、自分でデザイナーや内装業者を選定して行わせることも含まれています。

リフォームローンが低調、業者に不信感も?

日本人の中古住宅嫌いは数字にも表れています。

住宅金融支援機構は2015年4月に、中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借りられる新しいタイプの住宅ローンを販売しましたが、同年4月から6月までの3カ月で30件しか契約できませんでした。

また不動産専門家は、日本国民のリフォーム業者に対する不信感も中古住宅への関心を低くさせている、と指摘しています。
国民生活センターへの相談のうち、住宅リフォームに対する苦情は増加傾向にあります。

だから日本の中古住宅はいまだに買いにくい | 街・住まい
中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借りられる、住宅金融支援機構が今年4月に導入した新しいタイプの住宅ローン「フラット35(リフォーム一体型)」の販売が低迷している。中古住宅・リフォーム市場の…

空き家問題とは、結局何が問題なの?

空き家の増加と放置は様々な問題を引き起こします。

  1. 建物の老朽化により危険を引き起こす問題
  2. 手入れ不備の庭木や雑草などで周囲の景観を著しく汚す問題
  3. 不審者の無断侵入など防犯上の危険を引き起こす問題
  4. 不審火や地震の倒壊といった防災上の危険を引き起こす問題
  5. 無駄な固定資産税といった税務上の不利益問題

人が住まない家は、朽ちるのが早まります。家の中の空気の循環が途絶えるので、粉塵が積ったりカビや虫がはびこったりするようになるからです。
住宅はものすごく大きな物体ですので、倒壊すると大事故を起こしますし、倒れなくても住宅の部品がはがれ落ちて台風によって飛ばされたりします。

犯罪の増加も懸念されます。空き家に問題のある人たちが住むというだけではなく、空き家が多い地域は荒廃したイメージをつくってしまうので、周辺の住民の心もすさんでしまいます。

「あんなに荒れた地域に住みたくない」という評判が立ってしまえば、当然のことながらその地域の土地や住宅などの資産価値は下落し、いわゆる「良い住民」が寄り付かなくなります。

つまり、空き家が発生して良いことは1つもなく、そして悪いことが必ず起きるのです。

空き家の強制除去もできる強力な法律

それでは国は、この空き家問題にどのように対処しているのでしょうか。ここでもう1度、空き家法こと「空家等対策の推進に関する特別措置法」を見てみます。
この法律が威力を発揮するのは「不良空き家」に対してです。

  1. 倒壊しそう
  2. 看板などが外れて落ちそう
  3. ゴミの放置で臭いや多数のネズミが発生している
  4. 多数の窓ガラスが割れたまま放置されている
  5. シロアリが大量発生して周囲に悪影響を及ぼす恐れがある

こうした空き家を「特定空き家=不良空き家」と認定し、これが認定されると市町村が所有者に除去や修繕の命令ができます。

もし所有者が市町村の命令に従わない場合、市町村が代りに除去や修繕を行い、周辺環境を整えることができるのです。
市町村が除去などを行った場合の費用は、所有者に請求します。

危険な空き家、強制除去も 26日に特措法が全面施行
全国に820万戸ある空き家対策のための特別措置法が26日に全面施行される。倒壊の恐れなどがある危険な空き家に対し、市町村が除去や修繕などの命令や強制執行をできるようになる。国は危険な空き家を判断する

田舎だけじゃない、東京23区でも深刻化

「困った空き家」と聞いて思い浮かべるのは、地方の農村地帯の昔ながらの大きな家ではないでしょうか。このような家はかつては立派だったのでしょうが、現代のバリアフリーの常識からすると「バリアばかり」で住みにくいのです。

ところが、空き家で困っているのは地方だけではありません。なんと東京23区でも大きな問題になっているのです。
東京の住宅事情は悲惨だから空き家なんて少ないのでは?というのは間違った認識と言わざるをえません。

地方の空き家状況

まずは全国の様子を見てみましょう。

空き家率とは、住宅の総数に対する空き家戸数の割合です。ある地域に100戸の住宅があり、そのうち10戸が空き家の場合「空き家率10%」となります。

2013年の空き家率の全国平均は13.5%でした。特徴のある都道府県と次の通りです。

空き家率が最も低い都道府県 宮城県の9.4%
空き家率が最も高い都道府県 長野県の19.8%
空き家戸数が前回調査(2008年)から最も増えた都道府県 愛知県、前回比22.8%増
2008年34万3,600戸→2013年42万2,000戸
空き家戸数が前回調査(2008年)から最も減った都道府県 宮城県、前回比30.0%減
2008年13万8,400戸→2013年9万6,900戸

東北の宮城県が空き家率が最も低く、なおかつ空き家の戸数も減少傾向にあります。
ちなみに青森県も2008年→2013年の増減率は-4.1%で減少しています。秋田県の増加率も2.4%と小さな増加にとどまっています。

そして、東京圏からの避暑地として人気がある長野県ですが、空き家率19.8%と47都道府県の中で最高でした。さらに、大都市名古屋を抱える愛知県は空き家戸数の増加率が全国最高でした。

このように、地方や都心部に関わらず空き家問題は全国にまんべんなく広がっているのです。
そしてこの中に名前は出ていないものの、実は最も問題が多いのは東京圏なのです

空き家問題とは都市問題

東京都の2013年の空き家率は11.1%で、全国平均の13.5%を下回ります。また空き家戸数の増加率も8.9%と、全国平均の8.3%と変わりありません。

ではなぜ東京都が「空き家問題先進地」なのかというと、その際立つ空き家戸数の多さが原因なのです。

※2013年調査 住宅総数 空き家戸数 増加率 空き家率 上昇ポイント
東京都 735万9,400戸(全国に占める割合は12.1%) 81万7,100戸 8.9% 11.1% 0.0ポイント
全国 6,062万8,600戸 819万5,600戸 8.3% 13.5% 0.4ポイント↑

東京都の空き家戸数は、全国最多の81万7,100戸に及びます。2位の大阪府ですら約68万戸ですから、東京の空き家の数は圧倒的です。
全国の空き家に占める東京都の空き家の割合は12.1%に達します。1つの都道府県が、全国の1割以上の空き家をもっていることになります。

空き家の戸数の多さトップ10の3位以下は次の通りとなっています。

3位:神奈川県:約49万戸

4位:愛知県:約42万戸

5位:北海道:39万戸

6位:千葉県:37万戸

7位:兵庫県:35.7万戸

8位:埼玉県:35.5万戸

9位:福岡県:32万戸

10位:静岡県:27万戸

東京圏はすべてトップ10入りしていますし、札幌市や福岡市といった100万人都市を抱えた北海道、福岡県も入っています。
つまり空き家問題は「地方に限らない」どころか「都市問題そのもの」なのです。

マンションも空き家になる時代

空き家問題はなにも戸建て住宅に限りません。「マンションのスラム化」といった言葉があるくらい、集合住宅でも空き家が問題になっています。

マンションの場合問題になるのが、老朽化して住めない状態になったときの影響力が大きいことです。戸建てが空き家になっても1世帯分ですが、マンションの場合数百人規模の居住地が無用になるのです。

国内の築40年以上のマンションは2015年には51万戸でしたが、2025年には151万戸、2035年には296万戸に達する見込みです。
2035年の空きマンションは、2015年の5.8倍にも達するのです。

老朽化した戸建てを撤去する場合、1人の所有者に了解を取ればいいのですが、老朽マンションを撤去する場合は区分所有者全員の了承が必要になります。
マンション全体が人が住めないほど雨漏りが激しくなったりインフラ設備が壊れたりすれば、区分所有者たちも解体には反対しないかもしれません。

しかしその解体費を出せと言われたら、了承するでしょうか。

この入り組んだ所有権関係は、今度大きな火種になることは必至で、フランスでは老朽化したマンションを税金を使って解体しています。

東京都はマンションの管理組合に維持管理の徹底を促していますが、それですら、きちんとした管理組合があるマンションに限定されます。
マンションの老朽化とともに住民も高齢化するわけですから、維持管理や資産価値を上げるためのリノベーションにどれだけ力を入れられるか疑問符が付きます。

分譲マンションのスラム化、激増の兆候…老朽化と空室多数で管理不能、売却も建替も困難
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停滞ぎみの首都圏マンションの建設が、再び増勢に転じる。不動産経済研究所の2017年の予測では、3年ぶりに供給が増えるという。その一方で、懸念されているのがマンション空き家率の上昇だ。すでに、東京・霞が関や大手町、新宿といったビジネス街までの通勤に1時間とかからない、世田谷区のマンションの空き家率が12.8%に上っている...

今後さらに悪化も、2033年問題とは

NHKの番組などで住宅問題に関するコメントをしている野村総合研究所の榊原渉・上級コンサルタントは「2033年の国内の空き家率は30%を超える」と予想しています。
2013年が13.5%ですから、まだまだ空き家は増えます。

30%の空き家率とは、あなたのお住まいの住宅の両隣のどちらかが空き家という状態です。防犯面、防災面での対策が必要になります。
榊原氏は、空き家社会にしないためには、リフォームローンの拡充により中古住宅を買いやすくする施策が欠かせないといいます。
また、大規模な人口移動が必要であるとも提言しています。

https://www.nri.com/jp/publicity/n_letter/2016/nl201607.html

まとめ トラブル回避ために処分に着手を

空き家問題の難しさは、経済問題であると同時に生活問題であることです。不良空き家が増えることは、生活をおびやかすことになるのです。

もしあなたの空き家が周辺の人たちに迷惑をかけていたら、大きなトラブルに発展しかねません。
ですのであなたも、所有している「困った空き家」や「貸せない空き家」の処分にすぐにでも着手した方がいいといえるでしょう。

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空き家隊長

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実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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