空き家を狙う悪徳リフォーム会社に注意!




悪徳リフォーム会社は減った?それは大間違いです

一時、社会問題としてメディアなどでも度々取り上げられた悪徳リフォーム会社。一口に悪徳リフォーム会社と言っても、様々なケースがありますが、一般的には詐欺まがいのリフォーム工事を行うリフォーム業者の事を、悪徳リフォーム会社と呼んでいる様です。

以前、ニュースやテレビの特番などで、悪徳リフォーム被害にあった人達の悲惨な様子が頻繁に報道されていましたが、最近は、話題になる事がめっきり少なくなった様に思います。

しかし、悪徳リフォーム会社による被害は減っていないどころか、その手口は年々巧妙になっているといわれています。

少し前のデーターになりますが、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターのまとめによると、2015年の悪質業者による住宅リフォーム被害の相談件数は9852件で、前年度よりも6%増えたとの事。

悪徳リフォーム業者はまだまだ数多く存在している事がわかります。

悪徳リフォーム会社がなくならない一番の理由は、住宅リフォーム業界の実態と密接な関係がある様に思います。

建設業法では、通常建設工事を請け負うためには、建設業の許可を受けなければならない事になっていますが、一件の請負代金が500万円未満の軽微な建設工事を行う場合には、建設業の許可は不要となっています。

そしてリフォーム工事の多くが、500万円未満の工事になるため、参入障壁が非常に低く、毎年様々な業種・業態からの新規参入が増えているという背景があります。

また許可が不要なだけでなく、このような業者の中には建築技術者(建築施工管理技士、建築士)がいない事もめずらしくありません。

特別な資格がなくても誰もがすぐに始められるという事が、業界全体のモラルの低下を招いていると思われます。

また悪徳リフォーム会社の営業手法の多くは、高齢者を対象としています。

地震への不安やシロアリ被害への不安、雨漏りの不安など、不安を煽るのが常套手段で、自分で床下や屋根に上って確認する事のできない高齢者が、格好の標的になってしまうのです。

このような業者が悪徳業者と呼ばれるのは、単に施工が悪い、技術レベルが低いといった事だけでなく、実際には行う必要のない工事を勧めたり、効果の全くない工事を行ったり、手抜き工事を行ったり、それらを法外な価格で請け負ったりといった詐欺まがいの商売を行っているためです。

悪徳リフォーム会社が目を付けるポイントとその手口とは?

悪徳リフォーム業者と呼ばれる会社のほとんどは、社内にショールームや打ち合わせスペースなどを持たずに、主に訪問営業スタイルをとっています。

住宅の屋根や外壁などは外からでも劣化状態がわかるので、飛び込み営業を中心に営業活動している悪徳リフォーム会社にとって、屋根や外壁が傷んでいる住宅は恰好の標的になります。

また、人があまり入らない床下や天井裏なども、無料点検を口実に、言葉巧みに家の中に入り込んで欠陥を指摘するのに好都合です。

「すぐに修理しないと大変な事になりますよ」などと不安を煽り、高額の契約を迫るのが常套手段です。

中には自分で瓦をずらして写真を撮る、ポケットに忍ばせておいたシロアリを放って写真を撮る、他の家の写真を見せるなどの非常に悪質な手口もあるといいます。

ここでは、その具体的な手口を少しご紹介したいと思います。

悪徳リフォーム会社は、突然の訪問で最初に接触してきます。
スーツではなく、作業着を着用している事が多い様です。
また、会社案内やパンフレットなどを持たず、手ぶらで訪問する事が多いです。

  • 「近所で塗装工事を行うので、挨拶に来ました。外壁がかなり傷んでいるので、一緒に工事すれば安くしますよ。」
  • 「このあたり一帯でシロアリが発生しているので、お宅も危険ですよ。床下の点検をさせてください。」
  • 「現在、この地域を対象に無料耐震診断を行っています。この機会に耐震診断してみませんか。」
  • 「屋根がかなり傷んでいる様です。このまま放置しておくと、建物が雨で腐っ てしまって倒れてしまいますよ。」
  • 「現在モニター募集のキャンペーンを行っています。モニターになっていただけたら、格安でリフォームできますよ。」
  • 「水道局から委託されて水道の水漏れ点検に来ました。」

などが最初によく口にするセリフです。

また、偽職員を装う手口では、他に市町村の職員や消防署、東電、大手住宅メーカーの代理店や指定業者などの名前を語るケースもある様です。

挨拶や無料点検、キャンペーン、モニターなどの言葉を聞いたら要注意です。

もちろん話の内容はほとんどが嘘。
リフォーム工事代が格安になる事はありませんし(むしろ法外な金額)、そのまま放置していて建物が倒壊してしまう事もありません。

そして、このような業者のほとんどは素人なので、耐震診断や建物の点検を行う技術など持ち合わせていません。

このように、不安に付け込み、格安価格でできる事をアピールして接近してくるので、突然訪問してくる業者の話を最初からきっぱりと断る事が大切です。

最初は親切で好印象な対応の悪徳リフォーム会社の営業マン。ついつい気を許してしまいがちですが、最初の対応が肝心です!

悪徳リフォーム会社の特徴とインチキ工事の実態

悪徳リフォーム会社のほとんどが、訪問販売による営業活動を行っています。
訪問販売業者が多い理由としては、会社の実態がないケースが多い事、またトラブルやクレームになったら逃げやすい様に、会社の所在をわかりにくくしている事などがあげられます。

悪徳リフォーム会社の事務所へ訪問しようとすると、いろいろと理由をつけて避けようとするので、そんな場合は要注意です。

事務所など存在しないのかもしれません。

悪徳リフォーム会社の被害にあうのは、ほとんどが高齢者世帯。「自分はそんな手口には絶対にひっかからない」と思っていても相手もその道のプロです。
建築は素人以下でも、騙しのテクニックには自信があるはずです。

では、万一運悪く悪徳リフォーム会社と契約してしまったら、どのような被害を受けるのか、ご紹介しておきたいと思います。

1.法外な工事価格

悪徳リフォーム会社の見積もり金額は、ほとんどが法外な「ぼったくり価格」です。市場価格や相場の2倍以上になる事も、珍しくはありません。

元の金額が「ぼったくり価格」なので、キャンペーンや契約の条件と称して大幅な値引きを受けたとしても、決して安いわけではありません。

2.いつになっても始まらない工事

工事予定日になっても工事が始まらず、担当者と連絡もつかないというケースもあります。

最悪のケースでは、代金を支払ってしまったのに、工事途中で業者がいなくなってしまったなどという事例もある様です。

3.何の役にも立たない工事

床下の湿気対策と称して、床下換気扇の設置や調湿材の散布対策を必要以上に行ったり、屋根裏に必要のない換気扇を設置する例などがあります。

また、私が実際に相談を受けた事がある事例では、屋根裏や床下に耐震金具と称した大量の金物が取り付けられた事例がありました。

もちろんこれらの金物は、耐震上全く効果のないものです。

4.手抜き工事や欠陥工事

雨漏り修理と称してスレート屋根の重なり部分をシーリングしたり、防蟻工事を行う際に基礎をはつって壊したりする事によって、雨漏りする可能性が高くなったり、建物の安全性が損なわれたりする事があります。

また、塗料を薄めて使用したり、約束通りに施工を行わないといったケースは良くみられます。

悪徳リフォーム会社のほとんどが建築の素人のため、工事を行う事によって家がダメージを受けてしまうケースもあるので、本当に要注意です。

さて、空き家の場合です。

悪徳リフォーム会社が、訪問販売による営業活動を行っているのなら、人が住んでいない空き家は、被害にあう事がないと考える方が多いと思います。

しかし外観が古くて傷みが激しい空き家に、こうした悪徳リフォーム会社が目を付けないはずはありません。

彼らにとって空き家は、理想のターゲットともいえます。

「このまま放置しておくと、倒壊してご近所の方にご迷惑をかけるので、早急に手を打つ必要があります。」などは、願ってもない営業トークになるでしょう。

所有者が近くに住んでいる場合などは、物件の近所の人から情報を聞き出して、突然こうした業者が訪問してこないとも限りません。

今後ますます増加する事が予想される空き家と、年々巧妙になる悪徳リフォーム会社の手口。

現在空き家をお持ちの方や、近い将来相続などで空き家を入手する予定の方などにも、今後悪徳リフォーム会社の被害にあわない様、予備知識としてここから先も是非読み進んでおいて欲しいと思います。

悪徳リフォーム会社の契約テクニック

悪徳リフォーム会社の営業マンに対しては、はじめは皆親切で好印象を受けるケースがほとんどです。屋根の点検のついでに、雨どいの掃除までしてくれたなどという事もあるといいます。

しかし、運悪く悪徳リフォーム会社の営業トークに乗せられてしまうと、すぐに見積書を提示され、セールスを受ける事になってしまいます。

そして「今日中に契約していただければ、工事費の3割を値引きします。」などと言って、当日中に契約を迫ります。

他の会社から相見積もりを取られたり、だれかに相談されるのが怖いので、そうなる前にとにかく急いで契約したがります。

前述したように、たとえ3割や4割の値引きを受けても、そもそも最初の価格設定が法外なので、決して安くなる事はありません。

はじめからしっかりとした見積価格を提示していれば、このような値引きは絶対にありえないのです。

そして見積書の確認欄に押印を求められ、言われるまま押印すると、工事の申込書を兼ねていたなどという事例もあるので、油断はできません。

また断ると、契約するまで長時間居座って帰らないなどという迷惑行為を受ける事もあります。
ここまで来ると、もうなかなか逃げられません。
あの手この手を使って、とにかく強引に契約を迫られます。

もっとひどいケースになると、契約書などの書面を取り交わさずに、口約束で工事を始めてしまう業者もいるといいます。

契約自体は口約束でも成立しますが、建築の請負契約では、法定の要件を満たした契約書を取り交わすのが普通です。

契約書がない時点で、その業者は悪徳リフォーム業者と思って間違いありません。

そしてたとえ契約書があっても、要件を満たしていない契約書では、後日トラブルになるのを避けられないので、渡された契約書の記載内容の確認が必要です。

1.請負者の氏名、名称、住所、電話番号、代表者の氏名

また、工事金額(税込み)が500万円以上になる時は、業者の建設業許可番号を必ず確認してください。

2.契約者の氏名
3.工事名称、工事内容(契約商品に関する事項)
4.工事費の内訳と合計金額
5.工事代金の支払い方法、支払時期

工事代金の先払いは絶対にやめましょう。

6.工期(工事の着工時期、工事の完成・引き渡し時期)
7.契約締結日
8.クーリングオフの要件

以上の内容については、最低でも契約書に記載が必要な内容なので、必ず確認を行い、記載のない契約書には絶対に署名・捺印してはいけません。

また、着工や完成が遅れた場合の遅延金の支払いや、工事が契約通りに行われなかった場合の対応なども契約書に記載してもらう様にしましょう。

もし悪徳リフォーム会社と契約してしまった場合には?

契約したいと思わなくても、契約するまで何時間も居座られたり、強引な方法で契約を強要されたりすると、早くその場を逃れようとするあまりに契約してしまう方もいます。

特に高齢者が狙われやすいので、親族、知人に高齢者がいる方は注意してあげる事が必要です。

私が以前、悪徳リフォーム会社の被害にあって相談を受けた家も、狙われたのはひとり暮らしのおばあちゃんでした。

外壁の塗り替えと屋根の葺き替えで500万円を超える工事でしたが、工事費は相場の2倍以上で、請け負った会社は建設業の許可を取得していなかったため、契約書を2つに分ける念の入れようでした。

完全な確信犯です。

契約書を取り交わし、工事が着工してから、たまたま訪れた息子さんが見積書を見て不審に思い、問い合わせしてきたものです。

おばあちゃんも契約後に不審に思ったそうですが、担当者が親切だった事と、騙されたのが恥ずかしいと思い、誰にも相談できなかったそうです。

この様なケースは他にもたくさんあると思われ、実際のリフォーム詐欺の被害件数は、一般に知られているよりもかなり多いと思います。

万一、訪問販売でリフォーム会社と契約してしまった場合でも、契約の書面を受け取った日から8日以内であれば、「クーリングオフ」で解約する事ができます。

また、期間が過ぎてしまっても、契約の際にリフォーム会社がクーリングオフについての要件を記載した書面を発行して、その説明を行っていなければ、たとえ工事が着工してからでも解約可能です。

クーリングオフ可能な期間は、あくまでクーリングオフの書面を受け取った日から8日間なので、書面を受け取っていなければいつまでもクーリングオフする事ができるのです。

ここでクーリングオフについての要件についてまとめておきましょう。以下の通りになるので、覚えておくと良いでしょう。

  • クーリングオフ要件についての書面受領日から8日間は、書面により、撤回・解除ができること(ただし、電話による意思表示は不可。内容証明郵便等が好ましい)
  • その効力は書面を発した日に発生すること
  • 違約金等を請求できないこと
  • 既払い金は速やかに返還すること

以上のことがらを赤枠・赤字・8ポイント以上の活字で記載しなければならないとなっています。しかし、年々巧妙になっている悪徳リフォーム会社は、なかなか抜け目がありません。

クーリングオフについての説明を怠らないケースもあります。
前述した私が相談を受けたケースもそうでした。

契約を白紙に戻したいと思った時、業者に不安を感じた時、おかしいと思った時には、できるだけ早いうちに、「財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」の住まいるダイヤルや、「国民生活センター」の消費者ホットライン、地方公共団体におけるリフォーム相談窓口などの然るべき機関や、建築の専門家に相談して欲しいと思います。

決してひとりで悩まない…そんな姿勢が大切です。

住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、国土交通省の所管する公益法人として、住宅の取得やリフォームをお考えの方に、是非知っておいていただきたい情報の提供を行っています。また、住宅品質確保促進法に基づく住宅紛争処理支援センターとして、住宅に関するご相談の受付や弁護士会が行う紛争処理の支援など通じて住宅購入者等の利...
消費者ホットライン | 消費者庁

前述したケースでは、業者と粘り強く交渉を行い、工事代金の一部(決して少なくない額)を返金してもらう事ができました。

そして、一度でも悪徳リフォーム会社の被害にあうと、その後も同じような業者が度々訪問してくる様になります。

それは、家の表札、郵便ポスト、電気メーターなどに、住人の情報(性別、年齢、家族構成など)を仲間に知らせるマーキングという行為が行われているためです。

マーキングの例

表札やポストを時々点検し、意味不明のシールや目印を見つけたら、ターゲットとしてマークされている可能性大です。
至急、取り除く様にしましょう。

まとめ

「空き家を何とかして活用したい」と思っても、長い間放置された家はそのままではなかなか活用できません。活用するためには、ほとんどの空き家では、何らかの修理が必要になると思います。

悪徳リフォーム会社にとっても、今後空き家は、格好のターゲットになる可能性があります。
目を付けるポイントが盛りだくさんで、つけいる隙だらけだからです。

空き家が被害にあわないためにも、悪徳リフォーム対策を再度まとめておきます。
これを見て、十分注意する様にしてください。

  1. 突然訪問してくる業者の話に乗らない、無料でも点検させない
  2. 大幅な値引きやモニターキャンペーンなどをチラつかせて契約を迫られても、すぐに契約しない。必ず他の業者からも見積もりをとったり、家族や専門家に相談する。
  3. どんな小さな工事でも、必ず契約書を取り交わす。
  4. 契約するまで居座って帰らないなどの迷惑行為を受けたら、会話を録音しておく。それでも強引に契約を迫られる様なら、110番通報。
  5. 契約する場合には、契約書の内容を十分にチェックする。
  6. 工事代金を絶対に先に支払わない。
  7. 契約後でもおかしいと思ったら、すぐにクーリングオフで解約する。
  8. 工事代金支払い前には、必ず完了検査に立ち会って、仕上がりをチェックし、納得してから支払いを行う。
  9. 高齢者の家族や知人がいる場合には、被害にあわない様に十分注意する。
  10. 万一悪徳リフォーム被害にあってしまったら、早めに各種相談窓口へ相談する
  11. 家の表札やポストなどに不審なマークを見つけたら、すぐに撤去する。

悪徳リフォーム会社の手口は、今後ますます巧妙になっていくと思われます。これまでの事例をもとに対策を立てると共に、さらに予防策を考える必要があります。

悪徳リフォーム会社は、不安につけこみ、言葉巧みに契約を迫ろうとするのが代表的な手口です。

中でも、屋根や外壁などの雨水の侵入を防止する部分、耐震や省エネなどの住宅性能、床下や小屋裏などの状態、給排水設備の水漏れに関しては、信頼できる専門家により定期的に点検を受け、常に家のコンディションを把握しておく事が大切です。

これは空き家でも例外ではありません。

こうする事によって、悪徳リフォーム会社につけいる隙を与えない事が最大の予防につながると思います。

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益子公博

益子公博

住宅会社で20年以上リフォーム事業の責任者経験があり、リフォーム業界、住宅建築業界の裏事情やリフォーム現場には精通。ホームインスペクション(住宅診断)の専門会社を経営、住宅診断、欠陥住宅相談、リフォーム会社への社員研修など実施しています。
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