空き家再生のための風呂場リフォーム、浴室修繕ポイント




はじめに

風呂・浴室のリフォームは、数あるリフォームメニューの中でも非常に人気の高いリフォームです。

近年の浴室リフォームでは、単に快適に入浴できるだけでなく、普段の掃除がラクにできること、バリアーフリー、ヒートショック対策や保温性に優れていることなど、よりたくさんの機能が求められる様になりました。

また、家族全員がほとんど毎日利用するものなので、みんなから喜んでもらえる様にする必要があります。

今回は風呂・浴室の修理、リフォームのポイントや費用の相場、費用を節約するポイントなどをご紹介したいと思います。

風呂・浴室リフォームの種類

風呂・浴室のリフォームには、水栓の修理・水漏れの補修・手摺の設置といった修繕から、床・壁・天井・浴槽・入口ドア・給湯器などを部分的にリフォームするもの、さらには浴室全体をまるごとリフォームする方法まで様々なものがあります。

近年では、浴室周囲の天井や壁に断熱材を充填して浴室全体の断熱効果を高めたり、ジェットバスやジャグジー浴槽、ミストサウナなどの最新機器をとりいれて、より安全で快適な空間へと変えることを目的にリフォームする方も増えました。

また、戸建住宅とマンション、在来工法浴室とユニットバスではリフォームの方法も費用も異なります。

そこで今回は戸建住宅を中心に、リフォームの種類ごとにポイントをご説明します。

在来工法とユニットバスの違いとメリットデメリット

1.在来工法浴室のメリットとデメリット

ユニットバスが国内に普及する前までは、在来工法の浴室が最もスタンダードな工法でした。

在来工法の浴室は、昔ながらのやり方で職人が床、壁、天井を造作し、仕上げ材や浴槽、水栓金具を自由に選んで組み合わせ、取り付けを行う風呂の事をいいます。

壁を無垢材の板張りや大理石貼りにする、猫足のバスタブやヒノキの浴槽を設置する、前面をガラス張りの浴室にするなど、まるで高級旅館やリゾートホテルの様なお風呂にすることも可能です。

また、浴室のサイズやカタチを自由に決めることができます。
自分だけのオリジナルな空間にできるのが最大のメリットでしょう。

一方、防水性や断熱性に劣るのが欠点です。

モルタルやタイル壁の在来工法で作られた浴室は、経年劣化によりタイルや目地が割れて隙間ができると、漏水により柱や土台の腐食が発生しやすくなります。

またタイルの床は冷たく、建築本体の断熱性が低いと、浴室全体が寒い風呂になります。
冬場はヒートショックを引き起こす恐れもあり、特に高齢者がいる家庭ではとても不安です。

タイル目地の汚れやカビの発生など、日頃のお手入れやメンテナンスも大変です。
他には工期が長くなるのもデメリットでしょう。

2.ユニットバスのメリットとデメリット

ユニットバスとは、床・壁・天井・浴槽・水栓金具・ドア・鏡・収納などが全てセットになって工場で生産された規格品の浴室です。

工場で生産された部品を現場に搬入し、組み立てて設置するだけなので、工期も短く、品質が安定しているのがメリットです。

気密性が高く、断熱効果があることや、水漏れの心配がほとんどない上に、日々の掃除やメンテナンスがラクなこともメリットになります。

現在では様々な住設メーカーから多くの商品が販売されているので、よほどこだわりのある方を除き、お気に入りの商品を見つけることができるでしょう。

一方、デメリットは既製品のため在来工法浴室と比較すると自由度が低くなります。

浴室サイズ(広さ)や天井高、浴槽の種類、床・壁・天井の仕上げ材の種類や色、水栓金具などの選択肢が制限されます。

サイズは、戸建用ユニットバスでは1216、1418、1616、1818、1620、1624など規格サイズの中から選ぶ様になります。(数字はユニットバスの内法寸法を示していて、1216サイズは幅×奥行が1200mm×1600mmのお風呂です)

また、ユニットバスは既存の浴室スペースの中に箱を組み立てて設置する様なものなので、通常のリフォームでは、在来工法の浴室よりもひとまわり小さくなります。

そして浴室内部の壁面に凹凸があると、デットスペースができてしまいます。

ユニットバスと在来工法の他に、「ハーフユニットバス」というものがあります。
ハーフユニットバスは、バスタブ(浴槽)と洗い場、腰下の壁だけがユニットバスの様にセットになったものです。

在来工法浴室の欠点となる防水性を確保しつつ、バスルーム上部の壁材や天井の高さや仕上げ、水栓は自由に選ぶことができます。ユニットバスと在来工法の長所をあわせ持った商品です。

ただし、ユニットバスの様に商品の種類が多くないので、選択の幅は少なくなります。

風呂・浴室の不具合

浴室は湿気が多く、毎日たくさんの水を使うので、傷みやすい水回りの中でも特に劣化しやすい場所です。

カビや湿気による被害の他、一昔前の在来工法の浴室では、防水不良による漏水が起きやすく、柱や土台が腐食してシロアリ被害にあっている可能性があります。

また古いユニットバスでは、壁パネルに化粧鋼板が使われていたため、表面に傷がつくと錆びが発生します。

下に挙げた不具合に気付いたら、そろそろ浴室のリフォームを検討する時期です。

  • 在来浴室のタイルのひび割れや目地の剥がれ
  • 著しいカビや汚れ
  • シーリングの亀裂や剥がれ
  • 排水口や排水管の詰まり、排水不良
  • 排水の臭い
  • 羽アリの発見
  • 換気不良
  • 浴室と隣接する洗面・脱衣室の床の傷みや腐食
  • 浴室入口ドアの建付け不良や敷居の腐食
  • 冬場の寒さ
  • 給水管からの赤水の発生
  • 給湯器、風呂釜の故障
  • 在来工法浴室の部分リフォームと費用

一昔前の在来工法でつくられた風呂は、寒くて床に段差があり、滑りやすいなど、決して快適で安全な空間とはいえませんでした。

昨今では、浴室内の部分的なリフォームも数多く行われています。
ここでは在来工法浴室の部分リフォームをご紹介します。

1.手摺の設置

浴室での転倒事故は頻繁に発生しています。特に足腰が弱った高齢者は、転倒しやすく危険です。手摺は転倒防止に効果があり、立ち座りや姿勢保持用にも役に立ちます。

浴室への出入り口、洗い場側・浴槽縁の延長線上の壁面、浴槽の側部壁面などに設置し、浴槽へのまたぎ越しの際にも利用します。

手摺は強固に固定しないとかえって危険なため、特に木造住宅の場合は、仕上げ材などのそれぞれのケースに応じた下地材の補強を十分に行う必要があります。

取り付け費(材料別途)は2か所で15,000円~20,000円程度ですが、下地補強が必要な場合は別途費用がかかります。

2.床段差の解消、床の改修

在来工法の浴室は、洗面脱衣室への水の侵入を防ぐために入口に段差がついていることが多く、高齢者がつまずいて転倒する事故が多く発生しています。

また、浴室床のタイルは滑りやすく、健常者にとっても危険です。

洗い場の床を底上げして、床を滑りにくいものに変えることで解消することができますが、洗面脱衣室に浴室の排水を侵入させないように排水ピットを設置する必要があります。

費用は15万円程度かかります。

3.浴室ドアの交換

浴室の床段差を解消する工事を行うと、入口のドア交換が必要になる場合があります。

現状の浴室ドアが開き戸の場合には、浴室側に開く構造になっていると思いますが、万一ドア付近で人が倒れるとドアが開かなくなってしまう可能性があります。

浴室ドアを交換する際には、緊急時に取り外しができるドアや、折り戸に交換しておくと安心です。また、引き戸に変更すれば開口幅を広くすることもできます。

工事費は現況によって異なるので、リフォーム会社に見積もり依頼してください。

4.浴槽の交換

古くなった浴槽を新しいものに交換する、保温性に優れてお手入れしやすい浴槽に交換する、浴槽をサイズアップする、浴槽をまたぎやすい高さに変えるなど、浴槽交換のリフォームも少なくありません。

浴槽は設置方法によって、据え置き型と半埋込型、埋込型に分類できます。浴槽によって設置方法が限られることが多いので、現況に応じた浴槽を選ぶ必要があります。

また浴槽は、素材によって特徴も価格も大きく違います。
代表的な浴槽(間口1200mm、半埋込型)の特徴と価格は下記の通りです。(価格はメーカー定価ではなく、リフォーム会社の一般的な見積金額です)

ステンレス浴槽

耐熱耐水性に優れ、手入れがしやすい。
約10万円

FRP浴槽

安価で保温性は良いが、傷つきやすく汚れやすい。
約5~6万円

人工大理石浴槽(ポリエステル系)

肌触りが良く、手入れがしやすく、衝撃にも強い。
約10万円

高級人工大理石浴槽(アクリル系)

上記に加えて、見た目に高級感がある。
約15万円

鋳物ホーロー浴槽

耐久性に優れ、手入れしやすい。色数が多い。
約13~15万円

木製(ヒノキ等)浴槽

保温性が良く、天然木特有の香りと肌触りが魅力ですが、こまめな手入れが必要で、メンテナンスに手間がかかる。
約30~35万円

最もポピュラーな半埋込型の浴槽交換工事には、上記浴槽代金のほか、既存浴槽撤去処分費約5万円と浴槽設置費約5~6万円の合計10~11万円前後の工事代金がかかります。

5.内装リフォーム

在来工法の浴室では、タイル目地の剥がれやカビの発生、タイルの割れ、その他の壁仕上げ材の汚れなどが生じやすく、内装リフォームが必要になるケースがあります。

特に壁のひび割れや剥がれなどを放置しておくと、漏水が生じて構造躯体の腐食やシロアリの食害の原因になるので、早めに修理する必要があります。

従来の浴室内装リフォームでは、既存のタイルの撤去やタイル下地工事、新規タイル貼りなどで工期や費用がかかることが多かったのですが、現在は既存の仕上げ材を撤去せずに、上から重ね貼りできる専用の化粧パネルやシートなどが普及しているので、安価で手軽にリフォームできる様になりました。

既存の壁を撤去しないで上から重ね貼りが可能なケースの費用は、下記の通りです。

化粧パネル代等 約50,000~60,000円 + パネル取り付け費 約30,000円
=約80,000~90,000円

およそ10万円以下の費用で、壁のリフォームが完成します。(工期1~2日間)

浴室用壁パネルは、今まで在来浴室の欠点だった防水性や保温性にも優れていて、掃除もラクにできます。

また、床面のシート貼りは、

シート代等 約30,000円 + 施工費 約20,000万円 = 約50,000円

程度でリフォームすることができます。(工期0.5~1日間)

今まで冷たかったタイルの床が、冬でも温かく滑りにくい床になります。

6.その他

追い炊き機能が付いた給湯器に交換する、浴室暖房換気乾燥機を設置する、マッサージ機能が付いたシャワー水栓に交換するなど、機器を交換するだけでも手軽に風呂をグレードアップすることができます。

在来工法浴室のまるごとリフォームと費用

近年ではリフォームでもユニットバスが主流になりましたが、自由に素材が選べて、オリジナルな空間を設計することができる在来工法の浴室も根強い人気を集めています。

リフォーム費用はこだわった分だけ加算され、デザインや使用する素材にこだわると200万円~500万円かかることもめずらしくありません。

ごく一般的な仕様でも、150万円前後を目安に考えておくと良いでしょう。
また工期も2~3週間ほどみておきましょう。

工事は既存の天井・壁・床・浴槽などの解体工事、配管工事、電気工事、床・壁・天井の下地工事及び仕上げ工事、防水工事のほか、浴槽・ドア・水栓金具・収納・鏡・給湯器・照明器具・換気扇などの商品代がかかります。

これらの仕上げ材や住宅設備機器の機種やグレード、機能などによって費用が大きく変わります。既存の配管がどこまで使えるのかの判断も重要です。

また在来浴室のリフォームでは、施工中に土台や柱の腐食やシロアリ被害が見つかることがあります。

多くは浴室からの漏水が原因ですが、土台の補修や柱の根継ぎ、補強工事などで思わぬ費用が発生してしまうことがあります。

予算にはあらかじめ余裕(工事費の10%程度)をみておきましょう。

他にも浴室まわりの天井や壁に断熱材を充填する、シロアリ予防工事を行うなど、後から見えなくなってしまう部分にも手を加えておくことで、より快適で長持ちする浴室に生まれ変わります。

ユニットバスのリフォームと費用

1.ユニットバス交換

浴室全体のリフォームの中では、ユニットバスからユニットバスへ交換する場合が最も費用を抑えられる傾向があります。

防水性、気密性の高いユニットバスは、漏水している可能性が低いので、構造躯体の手直しがほとんど必要ありません。

既存のユニットバスを解体撤去し、新しいユニットバスを設置して配管を接続すれば、おおむね工事は完了です。

配管が老朽化している様なら、同時に配管交換もしておきましょう。
工期は3~5日程度です。

費用は新設するユニットバスの機種やグレードによって大きく変わりますが、0.75坪サイズ(1216タイプ)のスタンダードなユニットバスであれば、工事費込みで約60万円~程でリフォーム可能です。(給湯器交換が必要な場合はこれに加算されます)

尚、リフォーム会社の見積書に提示されるユニットバス本体の値段は、メーカー定価から2~4割程度割り引かれているのが一般的です。(リフォーム会社、メーカー、商品によって割引率が異なります)

ユニットバスは、同じメーカーから様々なグレードの商品が販売されていて、グレードによって同じ1坪サイズでも、70万円台のものから150万円近いものまであるので、ショールームなどで実際の商品を良く見比べて選んでほしいと思います。

2.在来工法浴室からユニットバスへ変更

リフォームでは、在来工法浴室からユニットバスへ変更するのが最も多いパターンです。

在来浴室からユニットバスへのリフォームでは、既存の浴槽や水栓金具、床のモルタル、配管などを撤去し、新設するユニットバスの設置スペースを確保します。
この時、必要に応じて天井や壁の仕上げ材も撤去します。

次にユニットバスの指定位置に給水・給湯・排水管を配管し、床にコンクリートを打設します。後は新しいユニットバスを組み立てて、配管を接続すればほぼ完成です。

また、土台や柱に腐食があれば、ユニットバス設置前に補修して補強工事を行っておくのを忘れない様にしましょう。

工期は1週間~10日間程度ですが、途中コンクリートが乾くまで作業ができない日があります。

費用はユニットバスからユニットバスへ交換するよりも20万円程度多くかかります。給湯器交換を含めて約100万円~程が目安です。

風呂・浴室リフォームを安く抑える方法

在来工法の浴室では、比較的安い費用で見た目を新品のユニットバス風にリフォームすることもできます。

既存の浴槽がFRPやホーロー浴槽であれば、交換しないで塗装で再生する方法もあります。作業は1日で費用は10万円くらいです。

しかし、塗装面の下地処理を入念に行わないと、塗膜の剥がれや亀裂などの不具合が生じる可能性があるので、作業は実績のある専門業者に依頼する必要があります。

これに併せて、前述した壁のパネル貼りと床のシート貼りを行えば、30万円以下で浴室全体のリフォームが可能です。

また、現状がユニットバスの場合にも、同様に浴槽の塗装と壁、床のシート貼りでリフォームすることができます。

配管や構造躯体には手を加えることができませんが、比較的築年数が浅い場合や、傷みが少ない場合には有効な方法です。

まとめ

近年のお風呂には、ただ入浴するだけではなく、省エネ性や安全性、メンテナンス性、耐久性など様々な機能が求められる様になりました。

また、ジェットバスやジャグジー、ミストサウナなど、一日の疲れを癒すリラクゼーションスペースとしての役割をお風呂に求める方も増えています。

また、浴室内でのヒートショックの事故や転倒事故も増えているので、その予防策として断熱効果を高めるためのリフォームや、段差解消・手摺の設置・滑りにくい床材への変更なども軽視できないことは前述した通りです。

一方、TOTOの高断熱や節水、LIXILの洗濯用風呂水利用システム、タカラの耐震システムバスやホーローパネル、パナソニックの美容対策、ノーリツの浴槽自動洗浄機能など、各住設メーカーのユニットバス(システムバス)は、それぞれの得意分野を活かした独自の機能を持っています。

また、在来浴室の防水性も施工方法の改善によって現在は大きく向上し、保温性が高く滑りにくい床タイルや掃除がしやすい壁パネルなども登場して、在来工法のデメリットも今ではずいぶん少なくなっています。

浴室をリフォームする際には、「部分リフォームで済ませるのか、全体をそっくりリフォームするのか」、「ユニットバスと在来工法のどちらが良いのか」という問題は、それぞれ異なるメリットとデメリットがあるので、どちらが良いとは一概には言えません。

一人ひとり異なる要望を叶えるためにはどんな方法が良いのか、この記事を参考にして、それぞれにとって最適な方法を見つけて欲しいと思います。

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益子公博

益子公博

住宅会社で20年以上リフォーム事業の責任者経験があり、リフォーム業界、住宅建築業界の裏事情やリフォーム現場には精通。ホームインスペクション(住宅診断)の専門会社を経営、住宅診断、欠陥住宅相談、リフォーム会社への社員研修など実施しています。
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