相場を知ってお得に空き家を売る -空き家不動産価格の調べ方-

相場を知ってお得に土地を売る -不動産の正しい価値-

相場を知ってお得に空き家を売る -不動産の正しい価値-

例えば皆さんが買い物に行かれたとき、スーパーに売っているものがみんな時価だったとしたら、いつものようにショッピングカートに欲しいものを詰めて、レジまでスイスイ行くことが出来ますか?

世の中にあるお金で買える物のほぼ全てに定価があります。
ところが空き家をはじめとする不動産にはこの定価と言うものがありません
しかも時勢によって大幅な値段の上げ下げがある事もしばしばです。

しかも売る価格は売主が自由に決めることが出来、買主さえ納得していればいくらで売っても個人間では何の問題もありません。

しかしそうして無秩序な売買を繰り返すことで地域の不動産市場、しいてはその地域自体に多大な損害を与えてしまう可能性があります。

そこで不動産については、その取得から維持、譲渡に至るまで様々な名目でかかる税金などを根源として、適時適正な評価額と言うものが専門家の手で定期的に決められています。

この評価額をもとに地域によって相場が設定され、不動産取引市場は均衡を保っているのです。

本コラムでは、空き家の売買取引にあたり適正な価格である相場、評価額を知る為の方法についてご説明したいと思います。




空き家不動産価格の根拠は「路線価」から始まる

土地価格の根拠は路線価から

空き家不動産価格の根拠は路線価からはじまる

空き家のみならず、不動産にはその地域や立地に応じて決められた評価額と言うものが存在します。評価額は往来のある公道に沿って決められている路線価が基準になっており、なおかつ前面道路の広さ、接道面の間口などの条件による補正値も定められています。

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通常は建屋に大きな価格月かなり空き家不動産取引にとって、路線価は五価を構成する背骨のようなものであり、路線価はすべての不動産価格のベースです。

路線価をベースに地形や接道条件を総合的に勘案して個別の物件に対し公平な評価額がつくのです。

どうして決められているのかその理由について詳細は後述の通りですが、空き家不動産にはその適正な価値に応じた評価額が諸条件を勘案した上できちんと決められているという事をまずここで押さえておいて下さい。

地区10年以下の物件を除き、空き家の売買においては、築年数の嵩んだ建屋には売買値段がつかないことがほとんどですので、土地そのものの値段が空き家の売却価格になることが多いといえます。今回の記事は建屋の値段ではなく、空き家に付随する土地を中心に、不動産価格をご自身で調べる方法をご紹介しています。

なぜ評価額が決められているのか

なぜ評価額が決められているのか

なぜ評価額が決められているのか

不動産には定価がないから

例えば自動車や家電製品など、おおかたの商品には定価と言うものがあります。

これは製品を製造して販売する会社が、その製造や販売にかかるコストに利益を足して、自分たちで決めています。対して空き家を含む不動産には定価がありません

なぜかというと、所有者自身の持ち物で、誰が作ったわけでもないからです。

勝手な値付けは相場に影響してしまうから

なので原則的には空き家不動産をいくらで売ろうが所有者の自由ですが、高く値段を付けしまうと売れません。

反対に安すぎると不当な事例をその周辺に残してしまい、近隣でその後に不動産を売却したい人に迷惑をかけてしまいます。

そうした不具合を出さないために、不動産にはそのさまざまな条件を勘案した標準価格が決められているのです。

値付けは元来プロの仕事だから

どんな商品を売るにあたっても同じことが言えますが、その商品が消費者にとって値段とのバランス上価値の低いものだと売れません。

逆にその価値が高く感じられたら、その商品はベストセラー商品になります。
但し低い値段で売ってしまうとそのイメージがついてしまい、後続で商品を作るメーカーは少ない利益率で勝負することを余儀なくされてしまいます。

このように商品に適正な値段をつける行為を値付けと言いますが、これには長年の経験やノウハウが必要です。

空き家不動産の値付けは特に難しい

特に空き家不動産においては、売買の他に固定資産税や相続税の計算をするためにその金額を計算する必要もあり、ほかの商品と比較してもその値付けは手間がかかります。

そのために値付けのプロではない一般の不動産所有者の為に、不動産の世界には指標となる標準価格が存在するのです。

地価相場を構成する5つの価値

地価相場を構成する5つの価値

地価相場を構成する5つの価値

不動産は「一物五価」

不動産にはその観点により5種類の標準価格が存在します。
これを専門用語で一物五価と言います。

一つのものに対して5つもの価格指標が存在する商品は不動産をおいて他にはきっと無いでしょう。その価値を示す5つの要素についてその内容を説明しましょう。

不動産の価値1:「実勢価格」

これは最も一般の方が目にすることが多い、新聞の折り込みやポスティング広告などで自宅に入るチラシに書いてある近所の売り物件の価格です。

予めその周辺の査定がされた後、当該物件についての補正をして、正式な売値として決定されているもので、売買を前提とした取引においての標準価格であると言えます。

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不動産の価値2:「基準地価(公示地価)」

これは毎年国土交通省から発表される指標で、全国に2万点以上ある基準点の価値を2名以上の不動産鑑定士が鑑定し、土地鑑定委員会の審査によって正式な価格が決まります。

勿論鑑定結果についても公表されますので、基準点周辺の地価のベースとして正式な鑑定価格と言う事になります。

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不動産の価値3:「相続税評価額(相続税路線価)」

対してこちらは国税庁が毎年発表している指標で、日本全国の道路に沿ってその道路に接道している土地の平米単価を決定しています。

これを路線価と言いますが用途としては税の計算をするためのベースになる金額であり、必ずしも実勢の価格と一致するものではありません。

相続税路線価に面積を掛け、決まった補正値によって補正した金額が相続税評価額となります。

相続税評価額については地域を管轄する役所の税務課で交付してもらえる評価証明書と言う書類に記載してあります。

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不動産の価値4:「固定資産税評価額(固定資産税路線価)」

こちらも同じく国税庁が発表している指標です。相続税と同じく路線価方式になっていて、それを根拠に評価額を算定し、その評価額が固定資産税の算定基準になります。

また固定資産税評価額と相続税評価額では、その路線価が異なるため、額が違います。評価証明書にはその2つの評価額が別に記載してあるので、間違いのない様に注意してください。

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不動産の価値5:「鑑定評価額」

余程のことがない限りその出番は少ないと思いますが、例えば区画整理や民間の開発事業による立ち退きや土地の一部収用、建物の一部または全部取り壊しなど、一般売買とは違う補償を伴う場合にその根拠を示す指標になる価格です。

不動産鑑定士や土地家屋調査士がその物件を調査し、積算をして正式な価格を算定します。
こちらについてはその道の専門家の仕事なので、目安や指標と言うものはありません。

あなたも使える、プロの空き家不動産値付けツール

あなたも使える、プロの不動産値付けツール

あなたも使える、プロの不動産値付けツール

先の5つの価値のうち、専門家の仕事である鑑定評価額を除いて全て、実は誰でもその基準価額を知ることが出来ます
適正な価格を提示するうえで必要なこれらのツールをここでご紹介しましょう。

1.全国地価マップを利用する

全国地価マップ:http://www.chikamap.jp/

全国地価マップ:http://www.chikamap.jp/

こちらは一般財団法人資産評価システム研究センターのwebページで、相続税、固定資産税の路線価と基準値の公示地価をピンポイントで調査できるシステムです。

不動産業者が値付けの根拠として参照している中で、最もポピュラーであると言っても過言ではありません。

地図情報の見方

 トップページ

1の次へをクリックすると、インデックスページに進みます。

1の留意事項をクリックして参照したら、2のラジオボタンをチェックし、3の同意するをクリックすれば、地図ページに移行します。

地図の表示設定

地図トップページ

文字列から検索する場合、左上のテキストボックス(1)に検索したい住所を入力します。
検索すると上図のように候補が出ますので、表示したい住所のリンクをクリックしてください。

目標物から探すのリンクをクリックすることにより、近隣のランドマーク周辺を表示することが出来ます。

検索結果のリンクをクリックすると、そのランドマークを中心とした路線価図が見れます。

一覧から検索する場合

探したい都道府県をクリックします。

左記の一覧(1)、または地図上の検索したい部分(2)をクリックすると町字選択画面にジャンプします。

町名、番地と順番に選択したら、下記の詳細図へとジャンプします。


また、上部のタブをクリックすることで地図表示が切り替わります。

固定資産税路線価タブ

相続税路線価タブ

公示地価タブ

2.土地総合情報システム

土地総合情報システム:http://www.land.mlit.go.jp/webland/

土地総合情報システム:http://www.land.mlit.go.jp/webland/

土地総合情報システム:http://www.land.mlit.go.jp/webland/

こちらは国土交通省が提供しているシステムで、全国の基準値における公示地価と、宅建業者から寄せられた売買事例をもとにした実勢価格を地図上のポイントから検索、閲覧できます。

TOPページ

まず、左上の種類を選択し、地図か左下のテキストボックスから検索したい地域をクリックします。選択された地域の地図上に、基準点がポイントで表示されているので、見たいポイントをクリックすれば、基準点の詳細が表示されます。

3.REINS MARKET INFORMATION

こちらは公益財団法人不動産流通機構加盟企業から寄せられた売買事例を検索、閲覧できるwebページです。

マンションと戸建てに分かれており、テキストボックスの地域を選択して検索ボタンをクリックするだけです。

上記のように一覧で近隣の売買事例が表示されます。

値付けのイレギュラーにはこう対応する

補正値について

相続税や固定資産税の算定において、該当する土地の路線価がなかったり、土地が借地であったりして、路線価だけではその土地の価値を測れないことも多く有ります

こういった場合、その価格の補正値が予め決まっています。

相続税の場合、路線価図を見れば近隣の路線価から借地権割合に応じた補正値の計算方法がありますし、路線価が無い場合は法務局や役所に出向いて評価額の根拠について質問し、回答を貰えばよいでしょう。

補正が必要なケース

間口が狭く、奥行きが長い土地

このような土地の評価額を算定する場合、路線価に奥行価格補正率を掛けて、更に間口狭小補正率を掛け、その値に地積を掛けて求めます。国税庁がまとめている補正率表は以下の通りです。

旗竿地・不整形地

このような土地の評価額を算定する場合、この土地が整形地であった場合を仮定して、実際の地積でその仮定の地積を割った数字×100(かげ地割合)に路線価を掛けて求めます。

各々の補正値に関しては、以下の一覧のとおりです。
詳細は、国税庁のホームページにて確認できます。

実勢価格の開きに対応するには

実勢価格について大きな開きがある場合は、ほかの3価(もしくは4価)と照合し、最も適当と思われる価格を参考にするのがよいと思います。

もしくはより多くの売買事例を集め、偏差の集中しているところを基準にするとよいでしょう。

最高額と最低額の間を取ってしまう事が決して適当な方法ではないので注意が必要です。

まとめ

原則的には自由な空き家不動産の価格の付け方が基本ですので、空き家物件売主ご自身が自由に付ければよい物なのですが、そうは言われても「市場で売れない値段」を付けても意味がないわけで…なかなか空き家の値付けというものは難しいものです。

それに対して、きちんと専門家による指標が示された便利なツールがたくさん用意されています。それを参考にして少し手間をかけるだけで、皆さんにプロの値付けの知恵が宿るようにできているのです。

勿論プロに丸ごとお任せすると言う事も出来ますが、こんなに大きなお金が動くシーンにおいて、その金額の誤差に興味がわかないと言う事の方が考え難いと筆者はそう感じます。

空き家不動産取引で動くお金、その誤差だけ見ても日ごろの節約の比ではない金額です。
小さくても10万円単位。大きければ何百万円にもなります。

ご自身で正しい金額を理解できていれば、このような誤差にも気づき、修正をすることで月収単位のお金を浮かすことが出来るのに、筆者の経験上それを実際にされる方は少なく感じます。

現実に実勢価格だけを見て値付けをしてしまうとなかなか手離れしなかったり、税金で損をしてしまったりいろんな問題が生じます。

譲渡所得税や住民税の負担を考えると高く売れたらいいと言い切れたものでもないので、そのあたりについてはすべての構成要素を踏まえて慎重に調べる必要があると言えます。

読者の皆さんが本コラムによって空き家不動産価格の調査において満足行く知識を得ることが出来ていれば、筆者として光栄に思います。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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