囲繞地・袋地の空き家不動産の場合、売却や土地活用は可能か?

昨年の話ですが、敷地形状が袋地の空き家を相続した知人から相談を受けました。
正直な感想は、イマドキ囲繞地や袋地なんて残っているんだなあ…だったのですが、当人の話では祖父母の代にて、親族同士の話合いで前面道路への通路が確保されていたため、自分が土地を相続するまで分からなかったようです。

ただ、知人は今後もこの状態が続くとは考えてなく、通路を提供してくれた隣人が土地を売却してしまう懸念もあるので最悪の事態を想定しているようです。

今回は、敷地形状が袋地や囲繞地である空き家を相続したら、どうすれば良いかを記事にまとめましたので、囲繞地や袋地の活用方針、売却方針でお悩みの方は参考にしてみてください。




再建築不可物件となる、袋地と囲繞地の条件

袋地(ふくろち)は兎も角、囲繞地(いにょうち)は読みも難解で一般的に馴染みの薄い言葉といえるでしょうが、土地売買をご経験された方ならば1度は聞いたことがあるかもしれません。

この袋地と囲繞地ですが、不動産所有者として心配になるのは再建築不可かどうかの点。
では、再建築不可物件となる袋地と囲繞地(囲繞地自体は再建築不可物件にはなりません)とは、どのような物件なのでしょうか?

ペアで存在する袋地と囲繞地の特徴

袋地は前面道路に接することなく、図1に示すように他人の土地に周囲を完全に囲まれている敷地です。
また囲繞地は、袋地を取り囲む敷地の呼び名です。
したがって、袋地と囲繞地はペアで存在する関係となっています。

この様な不可思議な敷地が生まれた理由の多くは、祖父母や曹祖父母の代の遺産分轄などによって起因することが多いといわれます。

相続などを理由に土地を分筆した際に、図1に示すように9分割すると真中の土地は公道と接しない袋地状態となります。
相続当時は、公道への出口の無い袋地とそれを取り囲む囲繞地に分筆しましたが、何分昔のことのために、詳細な権利関係がナアナアの時代だったり、親族間の信頼に成り立った分筆であったために、袋地から公道への出入りの際に囲繞地を通行することについても、お互いの了解の下に行なわれていたという事例は珍しくありません。

その後、例えば公道に接している囲繞地の所有者が土地を他人に売却したことにより、親戚関係では無い他者の名義の土地が誕生していくわけです。
ただ、それでも公道への出入りは「以前からの慣例」として暗黙のうちに行なわれ続けることも多いでしょう。

ところが、今後もこの様な状態が長続きするとは考えられない時代です。
袋地や囲繞地を相続したならば、こういった居住利用上の制限を解消すべく、早めに対策を打つべきです。

そして相続のタイミングは袋地・囲繞地の課題解決に着手する絶好の好機となりえます。

もちろん、袋地と囲繞地のペアは、先天的に袋地と囲繞地の関係だった土地ペアと、遺産分割などの土地の分筆により生じる後天性の土地ペアが存在します。

袋地と囲繞地の関係上生まれた「囲繞地通行権」

前述の様に、袋地と囲繞地はペアで存在します。
そこで、周りが取り囲まれ、道路にアクセスできない袋地であるが故に認められている権利があります。
それが囲繞地通行権という袋地の所有者が公道へ出入りする権利です。
これは、民法第210条-213条に規定されています。

最初から袋地と囲繞地のペアだった土地(先天的関係)

前述の補足に書いたように、先天的な関係で、元々袋地と囲繞地のペアとして成り立っていた土地も存在しています。
河川や海、崖で公道への通路が確保できない場合です。

下記の図2には河川で取り囲まれた袋地と囲繞地の例を示しています。
三方を河川で取り囲まれているので公道へのアクセスは、前面の土地を通行する手段しかありません。

河川の他に崖や海などに取り囲まれているため、公道にアクセスするのに他者の土地を経由する敷地も前節と同様に袋地と言います。

この様な場合も、袋地の所有者は民法の規定(囲繞地通行権)により、前面にある土地を通行する権利をやはり持っています。
ただし、先天的な袋地の場合には、公道へのアクセスを確保するためには必要最小限の通路を通行するとし、土地の所有者に対して通路を提供したことによって生じる損害を賠償する必要があります。

要は、通行させる代わりに通行料を支払うといったイメージです。

このケースの袋地から公道へのアクセスは、図2の河川に沿った破線の通路しか認められない可能性が大でしょう。

囲繞地所有者の損害を最小限に抑えるという民法の趣旨から、囲繞地の真ん中を通過する通行権の確保はまず困難です。

相続等による土地分割で袋地と囲繞地が生じた場合(後天的関係)

袋地と囲繞地が生じる後天的理由として、前述のように遺産分轄を原因とする場合があります。

下記の図3Aに示すように元々同一区画(一筆の土地)であった土地が遺産分轄で分筆された場合(図3B)には、袋地の所有者は、無償で囲繞地を通行できます
しかし、必要最小限の通路幅の確保となります。

囲繞地通行権による通路

このように、基本的には袋地が生じたとしても、袋地の住人は取り囲む土地(囲繞地)を有償又は無償で通行できます。
ただしその条件として、民法の規定上最も損害の少ない経路を選択する必要があるわけです。

他人(囲繞地の所有者)に対して、最小限の被害に抑えることを民法は要求していますので、囲繞地通行権で公道に至る通路の幅は、住人が通行できる程度に制限されます。
この場合には概ね、人の通行ができる1mに満たない通路となります。

建築基準法の要求する接道義務を考慮して、接道義務の最低限である2mの通路設定をしている土地もあるようです。
車で通行したいなら3メートル幅は事実上必要

居住利便性を考えると、袋地で自動車の通行が可能な間口には3mは確保したいところです。
この場合に囲繞地通行権をもってして、通路の対象となる囲繞地の所有者がそれに同意するかというと非常に難しい問題です。

前述の様に囲繞地通行権は、通行されるサイドの被害を最小限に抑えることを要求していますので、自動車の通行が可能となる3メートル幅サイズの通路の確保には、対象敷地の所有者とのタフな交渉が必要です。

1m幅の譲歩で良いところを、3m幅の譲歩が必要といわれしまえば、囲繞地所有者も簡単に「いいですよ」とは言えないのが普通です。
もしこうなると通路分の土地購入などで折り合いをつけるしかないでしょう。

尚、囲繞地通行権は袋地が発生した段階で発生しますので、土地売買や更なる分筆などによって、袋地が袋地状でなくなった段階で囲繞地通行権は消滅します。

また、袋地を借地した借地人にもこの囲繞地通行権は認められますし、袋地に賃貸物件がある場合の借家人にも囲繞地通行権は認められています。

建築基準法における接道義務と袋地

建物を建てる行為を規制する基本的な法律として建築基準法があります。
この法律の規定の一つに、建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していることへの要求(接道義務)が規定されています。

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前述のように袋地には囲繞地通行権が認められていますが、通行される囲繞地所有者側への配慮として、通路の幅は最低限とするよう求められています。
この囲繞地通路の幅と接道義務の関係で、袋地物件が再建築不可物件となることがあります。多くの場合、最低限の通行が可能な通路の間口として1m程度の間口の通路となることが多いので、そうなると接道義務を満たせずに袋地は再建築不可物件となってしまいます。

袋地の土地評価

相続や贈与がある場合には税務上の不動産の評価額を算定が必要となります。
その際に路線価や固定資産税評価額を用いますが、袋地の評価はどの様になるのでしょうか?

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一言に袋地といっても、実は3つの基本パターンが考えられます。

  1. 囲繞地通行権でひとが行き来できる程度の通路のある袋地
  2. 接道義務を満たす間口を備えた通路を確保した権利を設定した袋地
  3. 道路に接していない袋地

です。

ここで、2に関しては旗竿地となり、3が無道路地として評価されます。
また2の旗竿地に関しても、接道義務を満たしていない場合は再建築不可物件となり、無道路地と同様の評価となります。
無道路地は、最大で40%オフの固定資産税ディスカウントを受けることができますので、個別・具体的な事例の評価を税理士に相談することを強くお勧めします。

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袋地や囲繞地にある空き家売却のデメリット

所有の空き家が袋地や囲繞地である場合、その売却デメリットは「敷地の利用に制限が加わること」に他なりません。
袋地の場合、囲繞地の場合では敷地利用に関する制限が異なってきます。

袋地の空き家不動産に関する土地活用制限

所有空き家が袋地の場合には、囲繞地通行権により、公道への通路は確保されているものの、既に説明したように、接道義務を満たす間口の通路を確保できている例は稀でしょう。

接道義務を満たさない場合には、問答無用で再建築不可物件となってしまい、空き家を取り壊して新築の家屋を建てることはできませんので、古屋を壊して賃貸用アパートを建てるといった土地活用の道は完全に閉ざされます。

ただしリフォームは可能です。
特に住宅として空き家をリフォームする場合には、大規模なリフォームやリノベーションを行うことによって不動産価値を建て直し、賃貸に出すなどの活用方法が考えられます。

再建築不可物件から抜け出すためには

再建築不可物件から抜け出すためには幅員4m以上の道路へ至る幅2m以上の通路を確保する必要があります。
このためには囲繞地の住人から、通路として使用する土地の利用を許可して頂く以上の行為が必要です。
具体的には通路としての土地を購入するなり、借りるなどの方法です。

ところが現実問題として、近隣の方が対象となる部分をやすやすと売るなり、貸すなりの行為を行なうことは稀とも言えますので、再建築不可物件からの脱却は容易ではありません。

囲繞地の空き家不動産に関する土地活用制限

空き家敷地が囲繞地である場合は、自分の家の敷地内に囲繞地通行権を設定されてしまうために、敷地を100%自由に利用できないことです。
囲繞地の所有者に対して、民法は被害を最小限に留めることを要求しているとはいえ、幅1-2mの敷地の利用が制限されてしまえば、建築物の物理的大きさはもとより、月極駐車場等の通行出入りが激しい土地活用にも直接的な支障が出る可能性も考えられます。

また、囲繞地通行権は、無償・有償に係わらず袋地となった時点で権利が発生し、袋地でなくなった時点で囲繞地通行権は消滅します。
したがって、囲繞地の所有者が囲繞地通行権を認める、認めないという個人的意見によるジャッジに全く左右されない、袋地所有者独特の権利です。

囲繞地の所有者からしてみれば、「自分の土地なのに自分が自由に使えない」という感情的な問題を抱え続けることが、実は大きな制限事項の1つにも値するのかもしれません。

袋地や囲繞地の空き家不動産を高く売る方法

現在の日本は地価の二極化が進んでいます。
利便性が高い人気のエリアでは地価は上昇し、利便性が高くない地域では現状維持どころか下落しています。
少子高齢化で人口減少時代に突入しましたので、この傾向は更に加速されるでしょう。
この様なトレンドの中で、果たして売れ難い袋地や囲繞地を高値で売却することは可能でしょうか?その方法を探ってみます。

袋地の高値売却は囲繞との「共同売却」がカギ

袋地は接道義務を満たさない無道路地ですので、高値売却どころか売却も困難な物件です。
ただし、袋地の所在地や囲繞地の所有者の意向により周辺の整形地と同等程度かそれ以上の価格での売却が可能となる場合があります。

袋地単独の売却は難度が高い問題ですが、前述のように袋地と囲繞地のペアでの売却(共同売却)を考えると展望が開けてきます。

下記の図4に共同売却の例を示します。
図4Aが袋地と囲繞地及び囲繞地通行権が発生している状態です。
通常は、袋地及び囲繞地ともに周辺相場より安価な評価額となります。

ここで、図4Bに示すように袋地と囲繞地の所有者が共同で売却すれば、周辺相場と同等で売却可能となります。
また、二つの土地をまとめることで利用価値が向上すれば、相場以上での売却が可能となります。

さらに下記図5に示すような周辺の道路状況であれば、もう1段階異なる展開が可能となってきます。

袋地と囲繞地はそれぞれ単独で評価すると、利用制限があることから周辺相場と比較して安価に評価されます。
しかし、袋地と囲繞地をペアで一体として見做すと利用価値が著しく向上する場合があることは先にふれました。
これをもう1ステップ好条件の売却にするには、更に周辺の土地との共同利用を追加想定していくことです(昔の地上げ屋や不動産屋が得意とする発想ですね)。

そうなると、道路状況によっては角地として生まれ変わる場合もあります。
当然、角地は土地評価額が高いので、単独では売るに売れない袋地でも、土地をまとめることによって一気に高価格な不動産価値をたたき出せる可能性があるわけです。

この様に周辺の土地所有者を巻き込む売却プロジェクトを成功させるには、日頃から近隣の住人と良好な関係を築くことが肝要です。
優良なコミュニケーションを継続的に涵養することで、共同プロジェクト化へのトリガーを引ける可能性が高まります。

また、売却ではなくあなた自身が袋地を利用するならば、いくら囲繞地通行権があると言っても隣人の協力が無ければ快適な住生活の維持はできません。
そして、将来的な(売却を含めた)展開の時に隣人との関係が障害となることがありますので、常日頃から近隣との人間関係には注意して下さい。

不動産査定一括サイトの利用

不動産会社すべてが、袋地のような再建築不可物件の売却ノウハウを有している訳ではありません。

むしろ、袋地のようなマイノリティかつハンディキャップを有する物件の売却ノウハウを有する不動産会社は比較的少数派です。

少数派の不動産会社を探しに店頭を訪問し状況を説明するのは大変に骨の折れる作業で、期待する成果が得られる確率も大きくはありません。

そうした中で、ネット上に不動産の売却価格の査定を行うサービス(不動産一括査定サービス)が展開されており人気を得ています。

これは、売却したい物件を登録すると、複数(6-10社)の不動産会社からに査定結果(売却の見積)を入手することが出来ます。

不動産一括査定サービスで入手した見積を比較することで、エントリーしてきた会社の得手・不得手がある程度判明します。
不動産の売却手数料(仲介手数料)は成功報酬ですので査定は無料です。
即ち、依頼された物件が売却できなければ仲介手数料は発生しませんので、不動産会社の収入はありません。

不動産一括さてーサービス経由で「自社は他社より高額で売却可能ですよ」といってきた不動産会社には、売る切る自信がある=袋地・囲繞地の販売ノウハウを持っている、と判断できることになりますので、非常に重宝するはずです。

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袋地や囲繞地を売るには、独自のセールスポイントを考え抜くことが必要

ここまで見てきたように、ハンディを背負った袋地や囲繞地の空き家不動産売却には、通常の矩形地売却以上に工夫と熱意が必要になってきます。
旗竿地の記事事例でも書きましたが、デメリットをメリットに転換させる発想で、セールスポイントとして成り立たせる発想は、袋地・囲繞地売却でも必要となってくるでしょう。

袋地や囲繞地の売却時のセールスポイントは、利用上の制限があるために価格的にディスカウントが効くということです。
特に人気のエリアでは周辺相場に比較して安価であることが、セールスポイントとなってきますので、売主としてはこの視点はずらさないように価格設定をしなければなりません。

再建築不可物件となった袋地のセールスポイント

袋地は周辺相場に比較して利用上の制限(再建築不可物件)があるために価格的にディスカウントされていますが、囲繞地よりその傾向が強いため、人気のエリアの敷地を安価で入手可能ということに繋がります。

更に空き家が大規模なリフォームに耐えられるような仕様ならば、再建築不可物件というハンディキャップは想定よりも大きな問題に捉えない買主も一定数存在するでしょう。

袋地のもう一つのセールスポイントとして固定資産税が周辺に比較して安価になります。前述のように袋地の評価額はディスカウントされていますので、当然固定資産税評価額も安価になります。即ち袋地は保有コストの低い物件です。

囲繞地のセールスポイント

囲繞地には袋地のための囲繞地通行権が発生しています。
そのために囲繞地には土地利用上の制限があり、デメリットとして見られています。
ただ、袋地と囲繞地をセットで見るという考え方にすると、購入者にとって比較的広い敷地を低コストで入手することが可能です。

更に、袋地と囲繞地を一体と見做して囲繞地を所有して、その後袋地を購入すれば低コストで比較的広い敷地の所有が可能ですし、一体化することで利用価値も向上します。

どうしても売れない場合の袋地・囲繞地活用方法

公道へのアクセスが無いために、矩形地等同様の袋地一般利用は困難です。
また、売却も袋地と囲繞地それぞれ単独では難度の高い問題となりますので、共同販売戦略をお勧めしてきました…が、それでも土地が売れない場合が多々あります。

しかし、袋地・囲繞地の所在地が人気のエリア内で空き家があれば、自宅や賃貸物件として活用する方法もありますので、売却までの時間稼ぎ目的でもいいので検討してみるべきです。
空き家の管理放置は特定空き家指定につながる恐れがあるからです。

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自宅としての活用

まずは最もオーソドックスな土地活用として、自宅として自己活用の可能性を検討します。
残存建築物の状態次第では、たとえ人気のエリア内でも活用に適さないケースがあるでしょうが、多くの場合はリフォームにより解決できるでしょう。

自宅として活用する場合は、ある程度長期間の利用想定となります。
もし、そうであるならば、並行して袋地の問題の解決に向けて努力することをお勧めします。
公道へのアクセスを接道義務を満たした状態で確保することです。

一般的には、囲繞地の所有者に公道へのアクセス通路となる土地の売却を持ちかけても肯定的な返事はあまり期待できません。
土地の目減りがネックとなるからです。
また、購入側としてもまとまった土地購入資金を用意する必要があります。

双方が持つ問題を早期解決する方法として、敷地の等価交換という方法があります。
上記図6に等価交換で袋地の問題点である公道へのアクセス問題を解決した様子を示します。等価交換であれば土地購入資金の用意や敷地の目減りと言った問題を避けて通れます。

また、隣人であれば不動産会社の仲介を要せずに交換も可能です。
そうすれば、バカにならない仲介手数料の節約にもなります。

賃貸物件として活用

空き家が個人宅様式であっても、ファミリー向け戸建て賃貸の可能性はあります。
再建築不可物件であってもリフォームは可能なのが救いとなります。

袋地とは言え、公道への通行は囲繞地通行権で確保されますし、賃借人にとって袋地や再建築不可物件という特徴は、物件探しにとって大きな要因とはなりません。
地域の利便性・仕様と賃貸料のバランスが重要です。

ただし、ファミリー層を賃借人ターゲットとした場合には、ファミリーの構成により設備の仕様や間取りのニーズが異なります。
ファミリー層顧客は細かい注文が多い傾向があるので、あまりに特定の顧客ニーズに偏ったリフォームをしてしまうと、その家族が退出後の客づけに苦労してしまうという、難解な空室リスクが発生してしまいます。

そこで、あえてファミリー層へのターゲティングを取りやめ、戸建ての住宅であっても単身者向けのシェアハウスといった利用法を検討するのもありでしょう。

若年層と高齢者向けのシェアハウスは地域利便性・仕様と賃貸料のバランスが重視されます。
また立地によっては、単身者(若年層・高年齢層)向けシェアハウスは「賃借り人が内装を自由に変更して良い」など、特徴ある物件として貸し出した方が客付け率が高まります。

賃貸に出す場合、囲繞地通行権による賃借人の通行について、通行する土地の所有者と事前の了解を取り付けることが後々のトラブル防止に繋がります。
その際に、通行料などの金銭での解決も視野に入れておくべきでしょう。

まとめ

街角を散歩しているとき、袋地や囲繞地に接する機会はあまり無いようですが、道路に接している間口の狭い路地がある家屋を見かけることがあります。
この間口の狭い通路の先が袋地です。

普段はあまり気づかないものの、街角を細かく観察してみると、住宅街の中でひと一人が行き交うことができる程度の路地が散見できますので、住宅地では思いのほか袋地の存在は多いようです。

再建築不可物件となった袋地の価格は周辺相場よりも低いため、一定の不動産投資家にとっては利回りの良い物件として考えられてもいます。
特に築浅の空き家だったリフォーム直後だったりすると「掘り出しものの投資物件」として考えられる向きもありますので、袋地や囲繞地の空き家物件でも、工夫次第でいくらでも売却、土地活用の道が開かれていることを知っておいてください。

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空き家隊長

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実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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