空き家活用法のあれこれ(各対策のメリットとデメリット)

全国の空き家総数が820万戸ということは、総住宅数に占める割合(空き家率)は住戸全体の13.5%で過去最高を記録し、5年前の前回調査と比較しても63万戸増加しており、ほぼ7軒に1軒は空き家と言われており、空き家対策は急務とされています。

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空き家は放っておくだけで、維持費、税金と無駄なお金が垂れ流れていく厄介な存在ですので、一刻も早く「(損失を補てんする、もしくは、利益という意味の)現金を生み出すアクション」が必要になってきます。

今回は「空き家活用法のあれこれ」として、それぞれのメリット、デメリットを見比べながら具体的な空き家を活用法を比較検討してみたいと思います。




空き家を売るのではなく、貸すのではなく、「活用する」という考え方と具体的方法

空き家問題対策には「売る」「貸す」「活用する」の3つ方向性がありますが、「活用する」道を中心に考えてみると、以下のような具体的物件利用法が主な可能性として考えられます。

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

空き家活用法1:リロケーションサービスに登録

リロケーション(relocationとは、一般的に転勤者の留守宅を一定期間賃貸する業務サービスのことを指します。

一部の企業では、福利厚生の一環として、社名で転勤してもらう対象者の留守宅を会社で借り上げて他の社員に貸し出す「借り上げ社宅制度」をもっているところがありましたが、それ以外では留守宅が賃貸市場に出てくることはなかなかありませんでした。

理由は、一度貸してしまうと転勤解消となって自宅に戻ってくる時に留守宅の賃貸人から明け渡してもらえる保証がないというおそれがあったためです。法人契約によるリロケーションサービスもありましたが、なかなか一般的に普及しませんでした。

しかし、1992年の借地借家法の改正で「期限付き借家権」が創設されたのちに、2000年には「定期借地権」が導入されたことで、転勤者は留守宅となる自宅を期限付きの賃貸住宅として安心した状態で貸し出すことが可能となりました。

現在ではリロケーションサービスを専門とする会社もあり、リロケーション市場は年々拡大してきており、賃貸物件の1つのタイプとして認識されてきています。

リロケーションサービスの有利な点としては、借りる方にとっても、例えば5年定期借家であれば5年後の更新はできませんが、2年ごとの更新料を支払う必要がないということが挙げられます。

リロケーションサービスのメリット

  • リロケーションサービスを利用する転勤者等のオーナー側にとっては、手間のかかる賃貸人管理を業者に任せたうえで安定した家賃収入が見込めること。
  • 定期借家契約により、契約期間が過ぎれば入居者からリロケーションサービスで貸し出した家を明け渡してもらい、元の家に戻ることができること。
  • 長期間空き家の状態のままにしないために、防犯上の心配をする必要がないこと。

リロケーションサービスのデメリット

  • 一般的な賃貸に出すよりも、相場家賃を20~30%ほど安く設定しなければならない
  • 大事な家の管理を法人契約によるリロケーションとして管理会社に任せるため、その管理会社が本当に信頼できるのかといった不安がある。
  • リロケーションサービスとして転勤等で空き家となる家を貸し出す場合には、身体経営となるので毎年の確定申告が必要となる。

などが挙げられます。

このように、期間が数年と区切られた中で空き家となる恐れがある物件を貸したい場合には、リロケーションサービスへの登録が有効な方法のひとつでしょう。

空き家活用法2:借主負担型DIYをコンセプトにする

これまでの賃貸契約では、貸し主が貸し出す前に必要な修繕(リフォーム等)を行ない、借り主は勝手に自分の好きなように内装を替えることは出来ませんでした。釘一本を打つこともためらう、というような不自由さが借り主にとっての不満のタネでもあるといえます。

しかしながら、借家余りの今日、特に地方都市の古い借家の借り手不足が深刻化してきております。

そこで登場したのは、借り手が好きなようにリフォームできる、借主負担型DIY契約です。

ちなみにDIYといっても、借り主自らではせずに専門業者に依頼することも、もちろん可能です。

この借主負担型DIYという方法は、賃貸需要を少しでも後押ししようという目的で、国土交通省が示した賃貸借契約の新しいガイドラインです。簡単に特徴を見てみると、

  • 貸し主は原則として、入居前や入居中の修繕義務を負わない。(ただし、主要な構造部 分に関しては貸し主が修繕義務を負う)
  • 借り手が自己負担で修繕や模様替えを行ない、その箇所については退去時に原状回復義務を負わない。
  • (退去時に原状回復義務を負わないため)賃料は市場相場よりも安く設定される。

などとなっています。

借主負担型DIYのメリット

借主負担型DIYの貸し主のメリットは、

  • 費用面の自己負担や手間をかけずに貸し出せること。
  • DIYを行なった借り主は長期間借りる可能性が高く安定した収入を期待できること。
  • 借り主退去時にはDIYでレベルアップした状態で戻ってくること。

また、借り主のメリットとしては、

  • 持ち家のように自分の好みで模様替えができること。
  • 自己負担を加味した安い賃料で借りられること。
  • 工夫しだいで自己負担の額を下げることができること。
  • DIYを行なった箇所を前の状態に戻す義務がないこと。

等が挙げることができます。

借主負担型DIYのデメリット

一方、借主負担型DIYのデメリットは、

  • DIYのために、まとまった初期費用が必要なこと。
  • DIY工事が完成するまでには、相当の時間がかかってしまい、その間、借り主は不自由な生活を余儀なくされること。
  • まだまだDIY型賃貸住宅希望者は少数派であること。

などが挙げられます。

法整備によって新しい空き家活用法が生まれた

DIY型賃貸住宅に魅力を感じる借り主は、自分らしい住空間を手に入れたいという要望を持つ、住まいに対して積極的な方々ですので、賃貸需要の多い都心ではない地方都市で古い空き家の所有者にとっては、試してみても良い賃貸の契約形態かもしれません。

空き家問題は国策問題となっている以上、借主負担型DIY住宅のように、法整備によって新たに空き家活用方法が今後も生まれてくる可能性に期待せざるを得ません。

空き家活用法3:医療・介護または福祉施設へのコンバージョン(転用)

内閣府発表の平成29年版高齢社会白書によれば、我が国の総人口は平成28(2016)年10月1日現在、1億2,693万人で65歳以上の高齢者人口は3,459万人。総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合(高齢化率)は、27.3%とされています。

総人口が減少するなかで、高齢化率は上昇し、このペースで進めば2065年には、高齢化率は38.4%に達し、約2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上という社会構造になって、現役世代(15~64歳)1.3人で1人の高齢者を支える社会が到来する、と平成29年版高齢社会白書に書かれています。

今後急増する高齢者への対応として、もはや既存の医療施設だけでは対応が不可能な状況であることは誰でも容易に予想されます。

そのために空き家の転用策として期待されているものに、既存の空き家や空き施設を利用した医療・介護または福祉施設などへの転用(コンバージョン)があります。

医療介護福祉施設コンバージョンのメリット

医療・介護または福祉施設へのコンバージョンのメリットは、

今求められている高齢化社会への対応施設として社会貢献できること。

空き家が発生する原因のひとつとして、その用途が需要に沿っていないために、需要ギャップが生まれていることが挙げられることが多いです。

高齢化社会を迎える日本には、医療・介護または福祉施設へのコンバージョンは潜在需要は多くあるといえ、オーナーとして社会貢献活動に寄与することができるでしょう。

現状により、多額の初期投資費用をかけることなく転用が可能であること。

現状が賃貸住宅のような場合には、住戸ごとにトイレ・バスが設置されていることもあり、多額の初期投資費用をかけることなく医療・介護または福祉施設への転用が可能である場合もあります。

医療介護福祉施設コンバージョンのデメリット

逆に医療・介護または福祉施設へのコンバージョンのデメリットもありますので、当然押さえておくべきでしょう。

  • 建築基準法や防火法など法的にクリアにしなければならないことが多く建物の用途変更は容易ではないこと。
  • エレベーターやバリアフリーなどの設置する必要など技術的にクリアにしなければならないことが多い

などが挙げられます。

一戸建てからの医療・介護または福祉施設へのコンバージョンは、初期投資費に多額の費用が必要となり、費用対効果は見込みにくいことから現実的ではありませんが、賃貸住宅や集合住宅を1棟単位での活用を考えている方には、検討してみても良い方法でしょう。

このような状況で、役に立たなくなってきた空き家・施設を用途変更施した上に介護施設等に転用する手法は、高齢化する日本社会で今後も活発になってくることでしょう。

空き家活用法4:シェアハウスビジネス

シェアハウスとは、住まいの居住形態のひとつであり、1棟の住居を複数人で共有して住むことを指します。LDK、トイレ、浴室などを共同利用しながら、各部屋には独立して家賃を発生させる形態の賃貸住宅です。

空き家をシェアハウスにコンバージョンさせて、ビジネスに乗り出すという考え方が成り立ちます。

ルームシェアとよく混同されがちですが、ルームシェアは、1つの物件全体に対して発生する家賃を、シェアする複数人(ルームメイトと呼びます)が共同生活しながら分割して負担するものです。

それに対して、シェアハウスは各部屋の住人に対して、個別で賃貸契約を結ぶものです。

従ってシェアハウスのオーナーは、個別で賃貸人同士を管理する体制が必要になり、シェアハウスの住民は個別契約であることを認識しておく必要があります。

一般的に、主に外国人向けの安宿を指す「ゲストハウス」や、通常の賃貸マンションやアパートにプラスアルファで共用部施設があって、その共用部をシェアする「ソーシャルアパートメント」などとほぼ同義語で使われているようです。

10年前には全国で1,000棟にも満たなかったシェアハウスは、首都圏を中心に増え続けていており、今や4,500棟を超えているようです。

シェアハウスのメリット

シェアハウスに住む方のメリットとしては主に

  • 費用が安く抑えれること。
  • 家具・家電付き物件が多く、入居した日から生活が可能であること。
  • 困った時に助け合って生活できること。

といったところでしょう。
一方で、空き家オーナー(シェアハウスのオーナー)としてのメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 総収入が高くなる…単純に1人に貸すよりも、たとえ割安に貸しても複数人に貸す方が総収入は高くなります。
  • 空室リスクに強い…シェアハウスですから、賃貸人の誰かが退去しても他の賃貸人がいる限り、家賃収入は確保できます。
  • 多目的のニーズがある…シェアハウスのニーズは、日本人だけではなく外国人にもニーズがあります。外国人にはシェアハウスという住居形態に抵抗が日本人よりも低く、逆に人気がある住まい方だからです。

シェアハウスのデメリット

一方でシェアハウスに住む方のデメリットとしては下記が代表的です。

  • 苦手な人と一緒に住まないといけない可能性もあること。
  • 共用部分が汚れていることも多いこと。
  • 人数が多い分、トラブルも起きやすいこと。

一方で、空き家オーナー(シェアハウスのオーナー)としてのデメリットとしては、

  • 入居者間のトラブルの可能性が多くなる…シェアハウスは多人数が一緒に住むため、人数と比例してトラブルの可能性が増えるケースが多いようです。
  • ターゲットが限られてしまうこと…シェアハウスでは女性専用等コンセプトをもった経営方法となってしまうため、自ずとターゲット層が狭くなるおそれがあります。
  • 管理が大変になる…シェアハウスでは複数人が住むわけですから、それだけトラブルが多く、クレーム対応等通常の空き家の一軒貸しに比べて管理はかなり大変です。

などがあります。

最近では、二世帯住宅といった大き過ぎる空き家を活用したシェアハウスや、築古木造アパートを利用した外国人向けのシェアハウス、シングルマザー支援型のシェアハウスといったような、時代のニーズにマッチした新しいコンセプト型のシェアハウスが出てきています

パートナーを組む業者に注意

一般的に空き家不動産を活用してシェアハウスビジネスを始める場合、シェアハウスに長けた不動産業者や施工会社、管理会社等をパートナーとして選ぶ必要があるでしょうが、その業者選びは慎重に行うべきでしょう。

また、家屋を立て替えてシェアハウス化する場合は、初期投資としてある程度の資金を融資で金融機関から借り入れる必要も出てくるでしょう。

最近では、「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウスを商品化したサブリースをめぐる問題がマスコミで騒がれています。

このような首都圏を中心に大量供給された安かろう悪かろうというシェアハウスや、住宅や事務所を改良しただけの、シェアハウスとは名ばかりの「脱法ハウス」といったようなシェアハウスづくりから、他物件と差別化を図ったコンセプト型のシェアハウスづくりへの転換が求められています。

シェアハウスの原点に戻った本来の魅力あるシェアハウスとして空き家を活用する方法をしていきたいものです。

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空き家活用法5:民泊(Air Bed and Breakfast)を開始する

民泊(Air Bed and Breakfast)とは、B&B(Bed and breakfast 朝食付き民宿)という言葉から派生したビジネスモデルで、住宅(戸建住宅やマンションなどの共同住宅等)の全部または一部を活用して、旅行者などに宿泊サービスを提供することを指すします。

民泊の仲介業者(エアビーが有名です)にあなたの空き家を登録し、自分自身で一泊の料金やその他付帯価格を決めることができ、宿泊希望者は仲介業者のサイトからあなたの空き家を検索して、宿泊予約を行うことができます。

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有償、無償は問いませんが、一般的には、宿泊することで” 宿泊者が対価を支払う”といった有償の場合に用いられるというのが民泊の捉え方です。

空き家を使った民泊ビジネスのメリット

では、空き家を活用して民泊ビジネスを行うメリットです。

手軽に始められること。

今、空いている部屋や家に、利用者(ゲスト)用のベットや布団を準備するだけで手軽に始めることが可能です。そのため初期費用がほとんどかからないということです。

顧客集めや予約管理も仲介業者サイトへの登録のみで行われるのが一般的です。清掃業務についても、民泊専門の管理清掃会社が多数存在しています。

資産の有効活用が可能なこと

自分が使っていない部屋や家、マンションなどを使うため、遊休資産の活用ができるということになります。

今までお金を生み出さなかった空間が利益をもたらしてくれるのは空き家のオーナーとしては最大のメリットといえます。

インバウンド中心にすれば外国の方々と交流が可能であること。

インバウンド(外国人観光客)の方からすると民泊はありがたい存在です。

元々日本のホテルは諸外国に比べて料金が高いといわれているので、通常のホテル一室を借りる費用に比べると、民泊の利用料はかなり安く感謝されていることでしょう。

これは趣味の範疇になるかもしれませんが、外国人に対しても積極的に話す機会が多くなるでしょう。インバウンド(外国人観光客)を通じて外国人に対する偏見がなくなり、平等に見ることができるかもしれません。

空き家を使った民泊ビジネスのデメリット

一方、民泊のデメリットしては下記のようなものがあげられます。

品や家具等の持ち帰りや破損が多いこと。

ホテル等の宿泊施設なら用意されているアメニティグッズを持ち帰られた方も多いことでしょう。

それと同じ感覚(インバウンド、つまり外国人観光客なら文化・考え方の違いなのかもしれませんが…)で滞在した民泊内の備品や家具等を持ち帰られるケースや、破損しても連絡することなく平気で後にする事も少なくないようです。

犯罪の温床になりうる可能性があること。

インバウンド(外国人観光客)の方を中心に民泊の予約は、インターネットを通して行われることのほうが多いです。

顔の見えないインターネット上での利用予約だけに、誰が使うかも何が起こるかも予測の範囲内に収まらないのが民泊です。

オーナーは、滞在中は部屋に入ることはまずありませんから、中で何が行われているか知るすべがないのを利用して犯罪や盗難に巻き込まれる恐れも十分あります。

日本人は、諸外国の人々に比べて、何かと性善説に立って物事を考えやすい国民性だ、といわれることがあります。民泊しに来るインバウンド(外国人観光客)は、宿泊目的で利用して、そのまま誠実に原状回復してくれると考えがちです。

世界中の不特定多数が利用できる状況下で、すべての人が単なる宿泊目的の観光客なのでしょうか?民泊と称して空き家や空き部屋を借りて、そこで犯罪行為が行われる可能性も大いにあるわけです。

【民泊最前線#10】民泊は犯罪の温床なのか バラバラ殺人、遺体発見、カード偽造… 相次ぐ事件報道と民泊の市民権 | 民泊大学
民泊施設を現場となった事件報道が相次いでいる。民泊は犯罪の温床なのか。2018年2月24日、大阪府西成区の「ヤミ民泊」施設で兵庫県三田市の女性会社員(27)のものとみられる頭部が発見された。新聞やテレビの報道では民泊が事件の舞台になった理由について、本人確認をしなかったり、防犯カメラが無かったりするなどによる追跡性の問...

まだまだ日本では規制緩和や法整備が不十分であること。

民泊が問題視されるのは、マンションなどの集合住宅での民泊業務(管理組合等で民泊が禁止される)のケースが目立ちますが、一戸建て物件でも、宿泊した顧客が夜通し大騒ぎをしたり、日々全く異なる人たちが多数出入りすると、非常に大きな不安と不信感を持つ近隣住民が出てくることは予想に難しくありません。

そもそも民泊は許認可制となっておりますが、自治体によっては条例規制で民泊を認めない、もしくは、営業上何かしらの制限があるというケースもあるわけです。

当然、無許可で運営すれば、ヤミ民泊業者とみなされてしまいます。

宿泊者数が10人未満の施設の場合は、客室延床面積が1人辺り3.3平方メートル以上の基準(10人以上の場合は合計で33平方メートル以上)を満たしていれば営業許可が受けられ、玄関帳場(フロント)の設置も必要ない(ただし条例で規制も可能) - From Wikipedia

マスコミで民泊の文字を目にしない日がないほど、注目されているビジネスモデルであることは間違いないのですが、やはり素人がいきなり未経験で手を出して成功するには、ハードルが高いことも自覚しておきましょう。

空き家を利用して話題の民泊やったけど…現実は非常に厳しかった =失敗体験記=
当記事は2018年6月15日施行の民泊新法(住宅宿泊事業法)施行前の記事となります。尚、同法制定により民泊は特区限定の事業から全国で解禁...

ただし、日本の観光立国化は国策として定められているうえ、インバウンド(外国人観光客)にとっては「民泊があたりまえ」になっていることも現実ですので、ニーズそのものは非常に高い活用方法と考えられるでしょう。

ただし、民泊物件でも人気のある家(エリア)、人気のない家(エリア)があるわけですから、儲かるかどうかは普通のビジネスと同じく、市場の競争原理に沿って決められていくこととなります。

補足:営業日は年間180日以内、1時間以上の不在は法律違反(!)民泊新法(住宅宿泊事業法)によって、民泊ビジネスは青息吐息状態に

2018年6月に民泊事業の一斉解禁とともに、そのルールを定める民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されました。

これによって、民泊は届け出制となり、日本が海外並みの民泊大国になってくるか…とおもいきや、行政による現場実務を無視したナンセンスな規制がてんこ盛りとなっており、実質民泊事業から撤退する家主が大量発生しています。

家主の不在は1時間まで 民泊、ビックリ規制で激減|オリパラ|NIKKEI STYLE
住宅に旅行者などを有料で泊める民泊が6月15日に解禁されるが、事業者の登録届け出が低調だ。1カ月前の時点でも全国で約720件にとどまり、ゼロという地域さえある。数万件以上が営業していた従来とは様変わりだ。解禁を機に民泊をやめるという人たちに理由…

現場実務を無視した新ルールとしては

  • 管理家主は物件を1時間以上留守状態にしてはならない
  • 営業日は年間180日以内に限定
  • 苦情対応などの業務を必ず外部委託しなければならない
  • 火災報知機の設置や緊急時の避難経路を示す照明器具の設置が義務
  • 結果的に、建築士と相談して膨大な資料の作成が必要である
  • 自治体毎に異なる個別ローカルルールに運営が左右される(上乗せ規制)
  • 結果として膨大なコスト増と宿泊価格設定への悪影響

正直、行政による悪法の施行としか業界内外はみておらず、観光立国を目指す日本の国策からは程遠い結果を招くことになるでしょう。

実際、今まで民泊を問題なく運営してきた多くの優良家主が、この悪法施行と同時に民泊ビジネスから撤退してしまいました。相変わらず我が国の官僚のやることなすことは、民間実需の実態を机上の空論でしか把握することができていないことが露呈し、大変情けない限りです。

空き家活用法6:太陽光発電システムの導入

太陽光発電とは、住宅の屋根や敷地に専用の半導体ソーラーパネルを設置して、太陽エネルギーを吸収して電気に変換するものです。

変換した電気は電力会社と契約の上、売却することができます(ただし近年では売電価格が低下傾向にあるのと、必ずしも契約そのものが締結できわけではないという点を理解しておきましょう)。

日当たりが良い土地と一定の不動産敷地面積が必要ですが、一時は投資家の間でも非常に注目を浴びた土地活用方法が太陽光発電でした。

太陽光発電のメリット

太陽光発電のメリットです。

発電した電力を売って収益が得られる

太陽光発電システムで発電した電力を電力会社が買い取ってくれます(要契約締結)。

最初から売電を目的にして太陽光発電システムを設置すれば、発電した電力をすべて売却する全量買取方式で利益を得ることができます。

地球環境に貢献できる

太陽光は自然のエネルギーですので、地球温暖化の原因のひとつとなるCO2が発生しないと考えられています。太陽光発電システムで温暖化抑制に効果があるクリーンエネルギーを作ることで地球環境に貢献することができます。

自治体からの補助金がもらえる場合がある

太陽光発電システム設置の条件等が自治体の基準を満たせれば、自治体からの補助金がもらえる場合があります。

太陽光発でのデメリット

一方で太陽光発電のデメリットとしては、以下のようなものが代表的です

発電量が安定しない

天気の変化が激しい地域では、日照時間が短いために、シュミレーション通りの安定した発電量が確保できないケースも多くあります。

また暴風雨や不審者侵入によるパネル破損が起こると、当然発電量は当初のプラン通りにいかなくなってきます(それに加えて、修理費が必要になるのはもちろんです)

太陽光発電システム導入する初期費用も必ずしも安くないこと。

太陽光発電システム導入する初期費用は戸建住宅で100~200万円といわれており補助金があったとしても決して安い金額とはいえません。

太陽光発電パネルの耐久年数がまだよくわからないこと。

太陽光発電パネルの耐久年数は、一般的におよそ20年前後といわれています。定期メンテナンスをどのくらいの間隔ですればよいか、それによってどのくらい耐久年数が変わるかよくわかっていないこともあります。

しかも耐用年数を超えた先、一般の不動産投資のような「売却(EXIT)」ができるかどうかは非常に不透明です。

太陽光発電システムの歴史がまだ浅い今日、家庭用の太陽光発電システムが高温多湿の日本の環境下で耐久年数が実証されていないのが現状です。

空き家やその敷地に太陽光発電システムすることで売電収入を得て、収益をあげることは有効な空き家対策になることはまちがいでしょう。

住んでいる家で太陽光発電システムを導入した場合は余剰分しか電力会社に売れませんが、空き家なら全量買取方式でまるまる利益をあげることも可能です。

しかしながら、まだ太陽光投資で「しっかりとした予定通りの利益を出して、投資pろじぇくとを終結できた」と締めくくっている人はほぼいない(少数?)状況であることは、しっかりと理解しておくべきでしょう。

まとめ – 空き家活用方法は一長一短だが、まずは「垂れ流れる経費を補う」ことを優先に決断をする

これまで見てきたように、単に空き家を賃貸住宅や店舗として貸し出す以外にも様々な活用法があるのですが、それぞれにメリットデメリットが同居しており、一長一短であるというのが正直なところです。

それだけ空き家問題は根深く、一挙に解決できるような妙案が存在していないというのが実際のところでもあります。

とはいえ、空き家はただ所有しているだけでドンドンと維持費用が垂れ流れてしまう厄介な存在ですので、オーナーがまず優先すべきことは、出血(経費流出)をいち早くとめるべく、一定の現金収入を生み出す存在へと、空き家を生まれ変わらせることでしょう。

その目的さえ達せられれば、活用方法それ自体は問題となりません。

ただ、それすら難しい条件の空き家不動産をお持ちの場合は、素直に不動産一括査定サイトなどを通じて、高値売却の道を探る方が現実的ではなかろうかと思います。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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