景観を汚す空き家トラブルとその解決方法

私の知人宅近所に長いこと空き家となっている不動産物件があるのですが、どうも空き家の所有者と三軒隣が敷地や家屋の管理をめぐりトラブルになっているとのことです。

その空き家は戸建てで庭と庭木があり、手入れされていた頃は季節の花が鮮やかに咲き誇るような美しい庭を誇っていたとのことですが、最近では、雑草が生い茂り、庭木が公道や隣家に大きく張り出しているそうで、そういった空き家の景観汚染が近隣トラブルの大きな要因になっていると友人が教えてくれました。

まさに典型的な「空き家問題」のトラブル事例です。

今回は、景観を汚す空き家トラブルとその解決法についてです。




時系列でみる空き家の景観悪化問題

やたら草木がぼうぼうに生え放題で管理されていない空き家不動産を、あなたも街中で1度は見かけたことがあるのではないでしょうか。

植栽のある戸建てが空き家となると、家屋の老朽化が目立つ前に雑草と木立が際立つようになってきます。

春-夏―秋にかけては庭に雑草が生い茂り庭木は公道に覆いかぶさるように枝を伸ばし、また隣家との境界を越境して隣家の敷地の上に溢れ出ることもあります。

ここでは空き家が誕生してからお化け屋敷化するまでの典型的なパターンを、時系列のプロセスで見てみます。

景観破壊1:雑草が生い茂り木々が枝を張り出してくる

冬季は植物にとって冬眠の時期であり、雑草もあまり繁殖しませんし庭木も枝振りが大きく変わることもありません。

空き家不動産の管理で注意すべき時期は春-夏―秋のシーズンであり、この時期は手入れの間隔が長いと雑草がどんどん繁殖し、庭木が枝を広げ放題になってしまいます。

無管理状態期間が長いと、次第に景観は汚れてくる

家屋は空き家となった瞬間に近隣景観を汚すわけではありません。
景観問題に発展するまでには、一定期間「無管理状態」の時間経過が必要となります。

例えば、郵便物の転送や新聞の購読停止の手続や投函チラシの廃棄を怠っていると、郵便受けから郵便物などが溢れ出てきます。

結果、強い風雨が起こる日のタイミングで、郵便受けからはみ出たチラシなどが散乱し始めることとなり、隣三軒から清掃の要請がくるようになるでしょう。

伸び放題の雑草は「無管理空き家」の初期現象

空き家状態の初期段階では、まだ家屋自体の老朽化は目立たず、庭や植栽において変化が先に生じてきます。

旗竿地のように公道から奥まった場所に敷地がある場合には、近隣への景観の影響は比較的小さいともいえるのですが、公道に面している雑草だらけの敷地は景観に悪影響を与えます。

雑草の次に、庭木の樹形が崩れてくる

雑草問題の次に発生するのが樹木問題です。

庭木が近隣の景観と美しいハーモニーを醸し出すには、専門家による手入れが必要です。植木職人の剪定した庭木には次のシーズンの樹形が約束されます。

ですが、長期間手入れされていない庭木は樹形が崩れてきます。

やがて伸び放題の枝は、公道に覆い被さるように成長し、隣家との境界を越境して枝を伸ばします。この段階になると枝打ちに対するクレームが生じます。

民法に相隣関係という近所付き合いに関する規定が有ります。
民法233条において、竹木の枝が境界線を越えたときには、所有者に枝きりをさせることができる、と規定されています。

これは、近隣の住民は、自分で越境した枝を切断できず所有者に切断の要求を出すことを意味しています。この様な規定のために枝切りのクレームが発生します。

根の場合には近隣の住民は自分で切断できると同条第2項に規定されています。
民法
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索して提供します。

毛虫などの害虫発生

敷地にソメイヨシノの様な桜がある場合に手入れを怠ると、桜の幹や枝に毛虫などの害虫が大発生します。

やがて害虫は桜全体に群がり、枝の下一面に毛虫のフンや毛虫が散乱します。
このような害虫被害が発生すると近隣からの大クレームを巻き起こしますので、桜をはじめとする庭木にはご注意下さい。

秋は落葉樹の落ち葉掃除が必要

ブナやケヤキの様な落葉樹が育成している場合には、秋から冬にかけて落ち葉が至る所に散乱し、風で隣三軒以上に拡散します。

落ち葉が放置されていると、景観への悪影響ばかりか周辺住民の民度のレベルが下に見られますので、落ち葉の清掃は秋冬の季節には適宜におこなうことがクレーム防止の要点です。

景観破壊2:お化け屋敷化していく建屋

前述のように、放置された空き家不動産は、まず最初に庭などの外回りから劣化が始まってきます。

その後、台風の様な風雨や人為的な仕業で窓ガラスが破壊されると急速に建屋の劣化が進行して次第にお化け屋敷状態となります。

夜間照明が無くなるり治安悪化を招く

空き家の放置状態が半年以上になると、門柱灯や表札灯などの外部照明が、球切れで夜間点灯しなくなります。

夜間照明が不備無く整然と輝いている状態こそが夜間の景観維持の上で必須ですので、この様な夜間灯が点灯しない空き家があると景観を著しく悪化させますし、治安防犯上もデメリットしかありません。

窓ガラスが破壊される

子供達のボール遊びや雹・霰の様な自然現象など窓ガラスが破壊される要因は種々ありますが、一箇所でも破壊されると風雪が家屋内に入り込み、建屋は急速に劣化進行します。

窓ガラスが壊れた家屋はスラム街を思い起こさせますので、その周辺の景観は一気に悪化しますので、自治会などにクレームが寄せられる要因になりえます。

お化け屋敷の完成

庭一面の雑草、樹木の枝は伸び放題、窓ガラスは破壊されて夜間は無灯状態であれば立派なお化け屋敷の完成です。

その後は外壁の倒壊が心配される特定空き家に指定されるのを待つだけです。この様な空き家が放置されている一帯の景観は、スラム街と見間違えられる可能が高まります。

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また、敷地内に看板やサインボードがある場合、読めなくなった看板、消えたサインボードは寂しさ感や哀れ感がより漂うことを知っておくべきでしょう

空き家の景観悪化を原因とする近隣トラブル事例

空き家となった時点からの景観上の推移を前節で述べました。
ここでは景観に関する近隣トラブル例を見ていきましょう。

空き家景観トラブル:ゴミの不法投棄が発生

近隣への景観や衛生上で最も問題になる事例は、汚れきった空き家不動産の敷地がゴミの不法投棄場所となることです。

レジ袋が庭に幾つか散乱しているだけでも、それをみた不法投棄者(更にリピート不法投棄者)に目を付けられてしまい、更に多くのレジ袋ゴミを集める結果につながっていくのです。

通行人によるゴミのポイ捨て

隣近所の住人が故意に空き家の敷地内にゴミを持ち込むことはほぼありえませんが、庭にレジ袋ゴミなどが堆積していると、通りすがりの通行人によるゴミのポイ捨てを誘います。

この通行人によるゴミのポイ捨てが重なり、ゴミの収集を怠ると庭一面にレジ袋や空き缶やペットボトルが散乱しはじめてきます。

やがて産業廃棄物の不法投棄が始まる

レジ袋などのゴミはあくまで家庭ゴミです。
家庭ゴミのポイ捨ても厳密には不法投棄ですが、産業廃棄物のポイ捨て場所となると厄介ごとを通り越して地域の大問題へと発展します

古くなったパソコンや小型テレビなどの廃棄だけならいざしらず、産業廃棄物の中身が重金属やヒ素やシアン系毒物である場合は処理に多大の費用を要します。

当然、長年上記の様な産業廃棄物が放置されていると、土壌汚染を誘発します。

この場合、土壌汚染の対策費用は敷地の所有者の負担となりますし、土壌汚染が判明した土地の売却は買い手を見つけるのにとても難儀します。

空き家景観トラブル:敷地内のジャングル化

前項で見たように、無管理空き家の期間が長期感にわたると、庭の手入れを怠ったことで雑草が生い茂り庭木の枝が四方八方に広がってきます。

この状態がさらに悪化するとまるでジャングルのような様相と化し、四方数キロにわたって誰もが知っているような、一種異様な雰囲気を醸し出す「有名いわくつき不動産物件」となり替わってしまいます。

「マント群落」をご存じですか?

マント群落(引用:https://sugakun.exblog.jp/23811981/

植生が無い土地(裸地)が草原となり、やがて森林へ変化する様子を植生の遷移と言います。

植生が遷移して安定した森林となった時に、つる性の植物が低木の上にマントの様に覆いかぶさる様子を見ることができます。これをマント群落と言います。

マント群落ができると森林の中に強風が吹きこまず、樹木や下草は安定して成長していきます。

マント群落とは「森林の周囲に発達するつる植物や小低木の群落。森林内への風の吹き込みを防いだり、日光の直射による乾燥を防いだりして、袖群落とともに森林内の環境を保つ役割をもつ。(デジタル大辞泉)」

空き家の庭にマント群落ができる

庭の植栽の管理不在が長期間に及ぶと雑草は生い茂り庭木は枝を大きく伸ばしますが、この状態が更に進むとクズやアケビなどのつる性の植物が庭木の幹に巻き付き始めます。

遂にマント群落化の始まりです。

マント群落ができるとジャングルを見る思いです。住宅街にジャングルという景観を大きく損ねる存在が生まれることとなります。

空き家の景観トラブル 発生可能性チェック

空き家による景観トラブル発生を防ぐチェックポイントを整理しました。

チェックポイントの概要

あなたの所有する空き家不動産が実際に深刻な景観トラブルに発展してしまう前に、下記のチェックポイントを管理確認してください。

郵便受けの点検

空き家不動産となった時点で、近隣の住人が最初に異変として捉えられるのが郵便受けに投函され続けるチラシ、新聞、郵便物の様子です。

無造作に差し込まれた新聞や郵便物の状態でこの家屋の住人の有無が分かりますので治安の不安を感じる十人も出てきます。

所有不動産物件が空き家となった時点で、新聞の購読停止や郵便物の転送の手続きを行うことが肝要です。無断投函のチラシに関しては「チラシお断り」の警告文をポストに添付しておくのもいいでしょう。

無断チラシ投函の効果的な食い止め方

余談ですが、無断で投函されるチラシに悩まされるのは空き家オーナーだけではありません。「チラシお断り」の警告文を無視して宣伝物を投函してくる業者は後を絶たないものです。

そこで警告文を1.「チラシ投函は警察に通報します」2.「チラシ投函は着払いですべて返送します」という2種類の文言に変更して張ったところ、圧倒的に後者の「着払いですべて返送します」という文言が効果的であり、ほとんど無断チラシが投函されなくなりました。チラシに困っている空き家オーナーは、是非1度試してみてください。

庭や門前の清掃

春-夏-秋のシーズンならば庭の雑草の状態、秋-冬-春のシーズンであれば門前の落ち葉の状態で住人の有無や管理の様子を判別できます。

また、庭にジレ袋のゴミが散乱しているならば要注意です。

庭木の状態

庭木が四方八方に枝を伸ばし、公道へ覆いかぶさる様な状態、隣家の境界を越えて枝を張り出した状態、軒下を擦るまで枝が伸びた状態はクレームを誘発します。

また、庭木にたかる毛虫などの害虫の発生状況の確認は必須です。
毛虫が発生すると、枝の下に毛虫やフンが巻き散らかされます。

この様な状態はクレームは必須ですので、害虫の発生前に対処したいものです。

割れた窓ガラス

自然災害や人為的な行為で窓ガラスが割れると、家屋へのダメージが大きくなります。
また、一箇所でも窓ガラスが壊れ、修理していない状態が続くと、他の窓ガラスが割られる可能性が高くなります。

マント群落

庭木につる性の植物が覆いかぶさる状態になるマント群落が現れたら年季の入った空き家です。

また、家屋へつる性の植物が絡みだすと家屋へのダメージも大きくなります。

看板やサイン類

店舗が空き家となった場合の注意点として、看板やサイン類が傾く状態や文字が読めない様子は景観への悪影響を与えると同時に無人の家屋であることを宣伝している状態です。

防犯上も問題となります。

空き家の景観トラブルに対する具体的対策

空き家が景観トラブルを引き起こすまでには一定の無管理期間を要します。

いざ問題を起こしてしまったら早期の対策が必要となりますが、そもそもの景観問題防止対策として、有名な「割れ窓理論」を知っておくのも良いかと思います。

割れ窓理論(ブロークンウィンドウ理論)とは?

割れ窓理論という犯行者の心理と環境を関連付けた理論があります。
米国ニューヨークの景観問題を一掃するためのもととなった考え方として、一躍有名になった考え方です。

建物の窓ガラスが壊れた状態で放置されていると、それ即ち「この建物の周囲のひとは誰もこの建物に注意を払っていない」というメッセージとなり、やがて全ての窓ガラスも他の第三者によって結果的に割られてしまう、というテーゼです。

割れ窓理論とは

要は、些細な悪事が横行していると、「俺だって少しくらい同じことをしてもいいや」という心理に陥る、ということです。

誰もがやっているのだから「もう一人ぐらい増えてもたいしたことでない」という気持ちになるので、少しでも汚れた街や建物は更にその汚れが時間漸増的に悪化してく結果となります。

別の言い方をするとすれば、小さな不正が横行している地域には、大きな不正が生じやすいということです。

不正を根絶するには、小さな不正を見逃さずに規律を守り抜く地味な努力が必要です。

空き家の景観悪化と割れ窓理論の関係

老朽化した空き家は、割れ窓理論の証明に最適な状態です。

割れた窓を放置していると他の窓も割られやすくなり、不審者の立入や、不法投棄などの不正を誘発します。

逆に、割れた窓を放置せずに修理しておけば、次の窓が破られることは無くなります。
最初の1枚の窓を割らせない、最初のゴミを放置しないという考え方が、いかに重要になってくるのかがよくわかります。

ゴミだらけの空き家不動産には更にゴミが捨てられやすく、きれいに維持されている敷地にゴミを最初に投棄するのは気が引ける…ということこそが、人間の行動に関して割れ窓理論から導かれる結論です。

空き家といえどもメンテナンスが行届いてさえいれば、人為的な要因で景観を悪化させるような状況となる可能性は低くなります。

当たり前の管理を当たり前のように定期実行すること、これが一番大事です。

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管理実務上の対策例(ゴミ対策、台風時掃除、他)

景観問題発生を防ぐための有効な管理対策をご紹介します。

庭の手入れ(草むしり、剪定、伐採、防虫処理)

空き家は、徐々に老朽化し滅失していきますが、材料や構成により老朽化の進行度合いが異なります。

初期段階として老朽化の兆候が表れるのが庭です。庭の劣化の兆しとして雑草の繁殖や害虫の発生です。この問題はストレートに管理不在の現れです。

庭の手入れとして春-夏のシーズンには、最低でも1回/月程の頻度で空き家の雑草取りを行いたいものです(この頻度で空き家の室内換気を同時に行えば家屋の劣化も遅らせることが可能です)。

ただ、プランターがある場合には、このシーズンでは1回/日の水遣りが必要となりますので、プランターは処分してしまう事をお勧めします。

冬季の清掃は落ち葉処理が中心

秋-冬-春のシーズンは庭木や雑草は冬眠で特に問題にはなりません。
ですが、桜やブナなどの落葉樹が敷地にある場合には要注意です。
木々の葉が敷地内外に次々と散在することで問題を引き起こします。

落ち葉が敷地内にある場合には、それ程の問題と認識されませんが、隣家や公道へ落ち葉が拡散した場合にはクレームの要因となります。

空き家物件前の公道上の落ち葉を清掃してこそ管理が満足できるレベルといえます。
落ち葉の問題は、毎月2回程の清掃を必要とします。

台風通過後などは臨時の清掃を行うこと

台風や爆弾低気圧による強烈な風雨の後では、空き家の点検と近隣の清掃が必要なります。空き家の屋根や窓に台風がダメージを与えると、風雨が室内に侵入すると空き家の劣化は急速に進行します。

空き家が常に健全な状態に保たれていることをチェックする為に、台風や爆弾低気圧が通過した後には空き家のチェックと清掃は欠かせません。

ゴミ不法投棄の防止施策(ダミー監視カメラの設置告知など)

雑草や庭木に管理を前節で述べた状態で管理しても、突発的なゴミの不法投棄を防止できない場合があります。

これは、庭に雑掌が繁殖していなくとも、庭木の枝が伸び放題でなくとも空き家であることが判明した際に、ゴミの不法投棄者によって「人気のない良い場所が見つかった」と目を付けられてしまう事により発生します。

ゴミが投げ込まれたらゴミの回収を行なうなどの小まめな管理が必要となりますが、監視カメラの設置と監視カメラがあることを知らせる看板(ダミーでもOK)も有効です。

空き家景観問題に対する行政の対応

重症化する空き家問題に総合的に対応するために、空き家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空き家問題特別措置法)が施行されました。これにより従来の市町村の対応に法的な裏付けと財政的・税務的な措置が講じられています。

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また、景観の保持・整備が地域の振興に不可欠との認識から景観法が制定されています。

この法律には、景観の保持・整備に関する総合的な取組みを促進する仕組みがありますので、地域の景観を保全するためにも役立ちます。

空き家対策特別措置法で指定される「特定空き家」とは?

空き家対策特別措置法の第2条第2項に特定空き家というカテゴリーが定義されていますので、少し以下に引用します。

第2条第2項

この法律において「特定空き家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空き家等をいう。

上記の引用部分の下線が引かれた部分に注目してください。
近隣の景観に悪影響を与える空き家は、自治体によって特定空き家に指定されてしまう可能性があるわけです。

行政は問題のある不動産物件を特定空き家に指定することで、指導・助言・勧告等の行政指導(という名の立入検査)が可能となるばかりか、行政代執行による解体撤去という最終手段も可能となります。

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一方で、空き家を解体撤去の対象ばかりでなく利活用の対象としても、この法律では捉えている一面があります。民間事業者を通じて地域の振興や住宅弱者・災害の避難者用のシェルターとしての利用も視野に入れています。

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空き家の所有者となったら、空き家の所在地の市町村へ相談することで新たな道が開ける可能性がありますので、景観問題を含んだ空き家オーナーの方は、積極的に行政相談することをお勧めします。

空家等対策の推進に関する特別措置法
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索して提供します。
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かつて日本では住宅を資産と呼んでいました。 私たちが所有している空き家も当然かつては資産の1つに数えられていたはずです。 と...

景観法の役割について

景観法についても少し触れておきましょう。

景観の保全や整備を通じて地域の活性化を促進する司令塔的な役割を担う「景観法」
地域独自の景観の保持・整備に関する条例に法的な裏付けを付与するものです。

景観法は前述の空き家対策特別措置法のように個々の空き家の状況に応じて対策を講じることを前提とした法規制ではありませんし、特定の地域の景観の保持・整備が前提となっています。

しかしながら、下記の取り組み例(埼玉県戸田市の取組み)にある様に、近所付き合いの中で景観の保持・整備を推進していくことも可能です。

近隣が一体となって景観の保持・整備を行うことが、空き家対策には必要となっている時代に私たちは突入しています。

景観法
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索して提供します。

http://www.mlit.go.jp/crd/townscape/keikan/pdf/keikanhou-gaiyou050901.pdf

まとめ – 空き家巡回サービスを使ってでも景観維持を保つのがオーナーの責任です。

現在のところ、生活上でも法律上でも空き家不動産は、景観に関してトラブルを引起す加害者として目されています。

空き家不動産の所在地だけが適切管理されずに植栽が荒れ放題になってくると、その周囲が整然と整備されていたとしても、不思議とエリア単位での景観美観レベルが埋没します。

その一方で、空き家不動産には被害者的な側面もあります。
不法投棄の絶好な場所として、意図せず悪用されていしまう可能性があるからです。

ただしそれも空き家管理者のしっかりとした防止策があれば、かなりの角度で防ぐことができるでしょう。

空き家の景観に対する悪影響を断ち切るには、庭の低入れや家屋のメンテナンスを定期的に実直実施するしかありません。

もしオーナー自身での管理が難しい場合、第三者により空き家巡回サービスや管理サービスに申し込むことによって、空き家のお化け屋敷化、ジャングル化、スラム化は防ぐこともできますので、時には積極利用を考えてみてください。

空き家不動産の巡回サービスの業務内容は? 企業別サービス10社比較
空き家対策特別措置法が設置されて以来、空き家不動産の管理責任がより厳しく問われる時代になりました。 したがって、所謂「迷惑空き...
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空き家隊長

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実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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