既存不適格とは?再建築不可物件に どうすればいい?違法建築との違いは?

既存不適格という言葉を聞いたことがありますか?
普段生活をしているとあまり一般的に耳にしない言葉ですが、耐震基準等が満たせないことが原因で、老舗旅館が泣く泣く廃業や身売りをしなければならなくなった…との記事を目にすることがありませんか?これは既存不適格のわかりやすい例です。

建築基準法の施行前に作られた旅館やホテルなどは、耐震基準を「現行の建築基準法や都市計画法」に適合させるための大規模な改修を要求されています。
ところが自力でこの改修が実施できないため廃業や身売りとなった訳です。
こういう物件のことを既存不適格物件といいます。

既存不適格は古いホテルや旅館だけに限った問題ではなく、古い住宅(空き家不動産)の中にも、既存不適格物件とされてしまう可能性があるものが多数あります。

今回は、所有の空き家不動産が既存不適格になり、再建築不可物件となってしまった場合の対処法をお伝えします。

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既存不適格物件にされてしまう条件は?

建築当時の法令(建築基準法、都市計画法等)に適合させて施工したはずの建築物仕様が、その後の法令改正や新たな法令施行によって、法の要求事項を満たせない状態となることがあります。
そういった物件を既存不適格(物件)と呼びます。

既存不適格物件になってしまうと、建て替えを行う際に現行の法令に従うよう求められるがゆえに、条件次第では結果的に再建築不可物件となる可能性がでてくるのです。

冒頭で触れた「既存不適格で再建築不可物件」という表現は、必ずしも正確ではありません。すべての既存不適格物件が再建築不可という訳ではなく、あくまでも原稿の法に則った建て直しならば、再建築は認められるからです。
ただ、以前の建物よりも規模を小さくしなければならなかったりするために、実用に耐えられず泣く泣く再建築を断念する場合があります。
実質的に再建築が出来なくなりますので、再建築不可物件と表記しています。

接道義務にみる既存不適格の例

建築物と既存不適格にまつわる法令改正の卑近な例は、道路にみることができます。
建築基準法の前身である市街地建築物法において、接道義務上の道路の幅員は9尺(約2.7m)以上とされていました、1938年の法改正で幅員4m以上となりました。

当然、この1938年の段階では幅員2.7mしかない道路が市街地に多数存在していましたが、法改正したからといって、そういう旧基準の道路を短期間ですべて拡張するということは社会的混乱を招くので実施不可能だったわけです。

また、昭和25(1950)年に市街地建築物法に代わり建築基準法が制定されました。
建築基準法では、幅員4m以上の道路に敷地が2m以上で接しているという接道義務が新たに規定されています。

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過去の市街地建築物法改正の基準が影響し、建築基準法施行段階の1950年において、幅員4m以下の道路は至る所に存在している状態でした。
そこで、建築基準法第42条第2項に規定される2項道路の規定を設け、法令の制定時に現に存在し、道路として使用されている道においては、特定行政庁の指定で法律上の道路と見做すとしています。

法律上の道路、2項道路についての定義はこちらの記事をご覧ください。

要は、現状の法律(建築基準法)には適合していない道路(およびそれに接道している不動産物件)だけれども、過去の法律(市街地建築物法)に適合されて作られたものなので、「今すぐ現時点での法律に適合させなさい」とは言わないが、「将来的に更地にして新たに建築する場合には、そのタイミングで現行法律に適合させなさい」と言う解釈になります。

接道義務道路の幅員に関しては、セットバックの実施による道路幅拡張の条件を満たすことが新築の条件となる、ということです。

セットバックについての詳細もこちらの記事をご覧ください。

時折、不動産広告で目にする「現況は古屋あり、セットバックあり」という物件は、旧法による基準で建てられている古家をセットバックして接道を拡張し、現行の建築基準法に対応する必要がありますよ、ということを意味しています。

建築基準法の不遡及規定について

上記で述べたように、過去の法律規制に適合して建てられた家屋が、新法や法改正の度に適合修正を迫られたならば、大きな社会的混乱を招きます。
そこで、建築基準法の改正においては適用除外の規定が第3条第2項に定められています。

一般的に新たな法律の制定で、制定前に発生した事柄が新たな規定に反することがあっても、事後の法律では罰さない、という原則です。
この条項は建築基準法における不遡及の原則を定めた条項であり、この条項の存在を根拠法として、既存不適格物件が違法建築というカテゴリーでなく、合法的存在に準じる物件として今も存在できることになっています。

建築基準法(適用の除外)

第三条 この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

2 この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

建築基準法
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既存不適格と違法建築の違い

既存不適格という言葉に対して違法建築という強い響きの言葉があります。
これらの違いを見てみましょう。

違法建築とは?

建築基準法の中では違法建築について違反建築として記述されています。
建物の建築着工当時において、建築基準法や都市計画法及びそれらに基づく法令や条例に違反する建築物の総称であり、もちろん取締の対象となります。

建築確認申請と完了検査

家屋を建築する際には、建築基準法等の法令に適合した建築物であることの確認申請を施工主(一般的には建築会社が代行)が行ないます。
この建築確認申請は、建築予定地を管轄する都道府県又は市町村の建築主事に提出します。

この建築確認申請を行うことによって、建築主事により建築予定の建屋は確認申請提出時の法令に対して適法な状態にあることの確認を受けることによって、建築確認済証の交付を受けます。
この建築確認済証が無ければ、建築会社は工事の着工を行なうことができません。
つまり、建築確認済証が工事着工のゴーサインとなります。

筆者所有物件建替え時の建築確認済書

建築確認申請の記載事項と実際の工事内容が異なるような申請を行なうような(意図的な違法建築となりますね)施主や工事会社は論外ですが、設計図面と竣工後の姿が実務上の理由で結果的に異なってしまうこともあります。
このために完成後の姿が、建築基準法に適合しているかを確認するために、後日に建築完了検査が行なわれます(建物の規模によっては中間検査という工事途中の検査が必要となる場合があります)。

この建築完了検査で特に問題が無ければ、建築検査済証が交付されます。
交付される建築検査済証は、将来的に建築基準法などの改正があり対象の物件が既存不適格となった場合に、「建築当時は違法建築ではなかった」という重要な証拠になりますので、保管に注意して下さい。

尚、この完了検査の段階で違反が発見されると違法建築となり、懲役や罰金を科されることになったり、建築隅の物件が強制解体を命ぜられたりする可能性があります。

違法建築の事例

建築工事を行う際には、確認申請、中間検査、完了検査のプロセスを通じて、建築物が建築基準法などに違反していなことをチェックしています。
この各検査段階でのチェックを潜り抜けて違法建築として存在していることは、施主や工事会社などが恣意的に違法な物件を建築したということを示しています。

更に、建築時に適法な物件と検査で認められたとしても、その後に身勝手な増築や改築を行なうことで、違法建築となる場合があります。
建築基準法第6条第2項の規定で、防火及び準防火地域以外で10㎡以内の増築や改築を実施する際には、確認申請が不要と定められていますが、この点を曲解して物件所有者が違法増改築を行って、結果的に違法建築物が生まれるケースが目につきます。

例えば、建蔽率や容積率を限度一杯とした物件に9㎡前後のサンルームの様なリビングを増築した場合などです。

敷地面積が120㎡で建蔽率が60%の第1種住居専用地域に、床面積70㎡の住宅(建蔽率58.3%)を建築したとしましょう。
その後に9.5㎡のサンルーム仕様リビングを増築したとすると、合計建蔽率が60%を超え(建蔽率66.3%)、当初は適法建築物だった住居が、途端に違法建築に該当してしまいます。

既存不適格物件、違法建築物件、増改築の問題について

違法建築と既存不適格の違いを簡単にご説明しましたが、空き家不動産のように築年数が古い物件を所有されている方には重要なトピックスですので、もう少しく突っ込んで詳しい話をしてみようと思います。

違法建築では?と指摘されたときには証明が必要となる

前述の様に既存不適格とは、建築当時の建築基準法などの法令に適合した建築物が法令の改正により改正法の規定に適合できない状態となった建築物のことですので、違法建築物とは明らかに異なります。

ただし「違法建築物では?」と外部の人間より指摘された場合は、該当不動産が単なる既存不適格物件であって違法建築物ではないと認定してもらうために、建築当時の法令適合事実の証明が必要となってきます。

単純な既存不適格と証明には建築検査証明証が必要

既存不適格物件の適法性を合理的に証明できるのは、先述した建築検査済証です。
ただし、対象物件が増築や改築などを実施している場合は、証明書発行時の姿と現況の姿が異なりますので、工事完了後の追加工事有無やその内容と法令遵守を証明することが非常に難しくなってきてしまいます。

増改築リフォームを行っても、新たに建築検査証明証が発行されるわけではないので、結局は増改築時に写真などでビフォーアフターや増改築図面などをきっちり作成、保存しておくことが非常に重要になってきます。

もし、増改築を行った所有物件を売買する際などに、不動産会社からの問い合わせで「既存不適格物件か?違法建築物か?(または適性な遵法物件か)」という判断をしなければいけなくなったならば、建築工事の監理会社や設計会社に当時の資料の有無を確認するしか方法がないのが実際のところでしょう。

もし建築検査済証が見つからなかったら?

既存不適格物件も違法建築も、事実上は現行の法律規制に反している状態であることには違いがありませんが、上記のような建築検査済証といったように、過去の適法状況を証明できる資料がない場合は、既存不適格物件ではなく違法建築である、と判断される可能性が非常に高まります。

既存不適格物件の代表的なパターン

では次に、代表的な既存不適格を引き起こす要因と物件事例を見てみましょう。

耐震基準に関する法令改正を要因とする既存不適格物件

1978年の宮城沖地震を受け、1981年に建築基準法などの改正が行なわれ、建築物に関する耐震基準が強化されました。
1981年6月1日以降の建築確認申請分より新耐震基準が適用されていますので、1981年5月31日までの建築確認申請分は旧耐震基準で設計・施工されていることになります

上記例のように、新耐震基準の導入にり旧耐震基準の建物が既存不適格となり、増改築の際には新耐震基準に適合させる必要性が出てきます。

尚、阪神・淡路大震災を契機に建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)が制定されました
それに従って、冒頭述べた様に旅館・ホテルなどの多くの人々が集まる建物は、改築・増築に係わらず耐震性を高める改修工事が進められています。

建蔽率・容積率を要因とする既存不適格物件

建蔽率や容積率は、建屋の大きさを規定する規則です。
都市計画法による市街化区域には用途地区が定められ、建蔽率や容積率が指定されています。地域ごとに指定された建蔽率や容積率を超えた物件は、違法建築となってしまいます。

前述のような建築確認申請の不要な小規模増改築を繰り返し、結果的に建蔽率や容積率が地区指定の数値を超えたならば、それは既存不適格でなく違法建築と判断されます。

違法建築ではなく既存不適格物件になる例として、建築当時は適法だった物件が後日の用途地域指定の変更、土地収容、セットバックの実施などにより、敷地面積の減少が起こってしまったケースなどがあります。

セットバックなどが行われると、不動産敷地の容積率や建蔽率に大きな変化が発生します。こういう物件は違法建築には当たらず、既存不適格物件に留まります。

例えば、近隣商業地域の建蔽率は60%又は80%と規定されていますが、第二種住居地域の建蔽率は、50%、60%、80%です。

建築当初は近隣商業地域だったエリアにて建蔽率80%あった物件が、後日そのエリアが第二種住居地域へと用途変更となり建蔽率規定が60%になってしまっても、それは既存不適格物件になっただけで、違法建築とは言いません。

準防火地域を要因とする既存不適格物件

防火未指定地域に建物を建てたにも関わらず、後日そのエリアが準防火地域に指定された場合も既存不適格物件となりえます。

準防火地域における建築物には外壁や庇、軒などに防火仕様の材料の使用が必須となりますが、このケースだとそういった建築材料の仕様が満たされていないのが通常だからです。

高さ制限を要因とする既存不適格物件

都市計画法で定められた用途地域に第一種低層住居専用地域という区分がありますが、これは文字通り住宅専用の街区となっています。
この街区では、建物の高さが制限されており、10m又は12mの絶対高さ制限が都市計画で定められています。

これも同じく、制限導入以前に建築された構造物が、この高さ制限以上に高い物件だった場合には既存不適格物件として扱われることになります。

既存不適格物件を高く売るには?

既存不適格物件を売却する際、できるだけ高値で売却を成功させるための方法と対策を検討してみましょう。

物件売却における既存不適格物件のデメリットを知る

不動産売却において売主が直接買主を探し出し、売買契約をまとめることは稀な方法です。
多くの場合は不動産会社に売買仲介を依頼することになります。
そして仲介に立った不動産会社は、売買契約成立前に重要事項の説明を物件買主に行う義務があります。

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重要事項の説明内容は宅建業法に規定されており、不動産物件の使用上制限事項は買主に説明しなければなりません。
例えば、機能的に瑕疵(機能不全)があったり、過去に事件や事故が起こった物件だったりする場合は、その旨を買主に説明しなければなりません。
そして、既存不適格物件である旨は不動産買主に説明すべき内容に該当しています

買主にとって魅力的な物件に映っても、仲介不動産会社による重用事項説明の際に「既存不適格でリフォーム、改築、建替えに制限が掛ります」との話を聞くと、やはり印象が悪くなってしまうのは避けられません。

更に不動産購入者にとって、既存不適格は金融機関からの融資が難しい場合があります。
通常の物件に比較して担保としての価値が低く、融資が認められても充分な金額とならない場合がありますので、その分自己資金の準備が必要です。

既存不適格物件は買い手にとっても住宅ローンを組むという点で、購入ハードルが存在する物件であることを認識しておく必要があります。

既存不適格物件や再建築不可物件を得意とする不動産会社を探し出す

何よりもまず重要なのが、ここまで書いてきたようなデメリットを有する既存不適格物件や再建築不可物件を販売することが得意な不動産業者を見つけ出すことです。

優秀な不動産会社の見つけ方は案外難しく、1件1件の不動産会社と面談しながら、数多くの会社を相対比較してみた上で、その中から「既存不適格は得意ですよ」と提案してくれる会社を見つけ出す必要がありますので、時間とコストがかかります。

もし、できるだけ早急に手間を掛けずに適役な不動産会社を見つけ出したい場合は、不動産一括査定サイトなどで10社程度の不動産会社にまとめて声を掛けてみることです。

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不動産一括査定サイトを上手に利用すれば、大凡の物件販売価格がすぐにわかるだけでなく、既存不適格物件という特殊な条件を持つ物件販売が得意な会社を、無料で容易にみつけることができる可能性が一気に高まります。

現在、日本にはかなりの数の不動産一括査定サイトが存在していますが、既存不適格物件といった難しい案件を売却したいオーナーさんこそ、最も利用価値が高いサービスであることは間違いありません。

既存不適格物件を魅力的な物件に転換することは可能か?

土地の価値は所在地に大きく影響され、家屋の価値は築年と構造に相関します。
特に家屋が30年を超える築年であれば、不動産広告上の表現は「現況古屋あり」となります。
すなわち、売却に際して家屋の価値は考慮しない状態と言えます。

通常、既存不適格物件はそれなりに築年数を経た建屋であることがほとんどですから、猶更不動産販売戦略上では難しい立場に立つことになるのです。
こういった条件の空き家不動産を、「魅力的な物件」に転換することは可能なのでしょうか?

物件エリア分析を行い不動産価値へと換骨奪胎する

既存不適格が問題となる不動産であれば、売却時の現状建屋評価額は期待しないことを前提に考えた方がよいでしょう。
となると、土地の魅力を前面に押し出すことができるように、物件所在地と近隣の特徴を分析しておくことが基本戦略となります。

分析のポイントは、

  1. 利便性(最寄駅からの距離)
  2. 生活容易性(商業施設)
  3. 公共施設の有無(病院・図書館・学校・公園など)
  4. 嫌悪施設の有無(ゴミ焼却施設や高圧電線鉄塔など)
  5. 耐災害性(ハザードマップ調査)
  6. 近隣の住民層の特性(年齢層、家族構成、所得など)

を徹底的に調べあげて、メリットとなるエリア特性を土地そのもののメリットに換骨奪胎して営業アピールすることです。
具体的なセールストークにまで言語化して落とし込むことができるようならば、まだまだ売却可能性を有した不動産であると言えます。

更地化、セットバックなどで既存不適格を外してから販売する

建屋を解体する予算があるならば、一度解体および更地化をして、セットバックなどの方法をとって既存不適格を外してから物件販売に臨むのは最も手早い方法です。

更地方針を選択するのであれば、金融機関の懸念する担保価値の低下も防止できますので、買い手にとっては融資審査に対する問題が無くなります。

更に売却の前段階として行った空き家の撤去費用は経費に計上できますので、不動産売却後の確定申告の際には、売却必要費用として譲渡益から控除することができます。

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解体は行わず、建屋付きで高値売却したい場合

既存不適格物件でもリフォームやリノベーションをして外見を綺麗でおしゃれな物件に生まれ変わらせることは可能です。
ならば、できるだけコストを掛けない範囲でリフォーム、リノベーションを行って、魅力的な物件へと転換させて販売する方法も考えられます。

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一定規模以上の改修や更地にして新築する際には現行規制に適合した建物とする必要があります。

リフォーム可能性の検討

家屋が築浅で解体撤去しがたい場合や解体コストが気になる場合、既存不適格物件をリフォームしてみた場合のコスト計算を行います。

一般的にリフォームコストは数十万~数百万円レベルのコスト相場が多く、建物構造や間取りまで手を入れる大規模リフォーム(リノベーション)はそれ以上、1000万円レベルまでコストを掛けるケースがあります。
また、1500万円以上コストを掛けるならば、むしろ建替えを思い切って行ってしまった方が、結局は費用対効果が同等になるといえるでしょう。

リフォームの特徴 リノベーションの特徴
原状回復と修繕が目的 新築時並みに物件価値を高める
壁紙の張り替え、畳替え 壁や床を取り除く
壊れた設備の修理、取り換え、見た目改善 構造上の間取りを変えることができる
リフォーム・メニューを多数こなすならリノベーションしたほうが安上がりになることも デザイン性も加味すると、リノベーションコストを上回る価格で売却できることもある
大体の相場:数十万から数百万円 大体の相場:500万~1,000万円以上

既存不適格物件が売れない場合の不動産活用

どうしても販売条件が整わない既存不適格物件の場合は、空き家不動産の所有者本人が自分で利用するのが本筋ですが、居住地が離れているなど種々の事情で本人利用が難しい場合もあるでしょう。

そのような場合は賃貸等、別の不動産活用方法を探ることになります。

賃貸物件として活用

ある程度利便性の高い所在地に対象物件があるならば、賃貸物件として活用しましょう。
既存不適格といっても通常の生活上では問題となりませんので、賃貸に出すこと自体は全く問題視されることはありません。

不動産は所有しているだけでも固定資産税、維持管理費、修繕費用などの様々なコストを発生させますので、空き家状態のままで維持することが最も無駄な選択肢になります。
相場より安い賃料でもいいので、賃貸物件として活用することで、一番無駄なお金ともいえる固定資産税の回収も可能となります。

尚、賃貸物件として利用可能性を調べる方法として、賃貸物件サブリース会社に相談してみるのもよいでしょう。
サブリース契約は、家賃保証となりますので、家賃の収集リスクは業者負担になり、賃貸に初めて参入する大家さんには非常に便利な存在です。

ただし、サブリース会社の契約は数年ごとに見直しをされる条項が契約内容に入っていることがほとんどです。
契約当初数年は家賃を保証してもらえたとしても、数年後の見直しの際に契約を一方的に切られてしまうというトラブルが頻発していますので、契約締結前にこの部分はよくチェックしておいてください。

空き家バンク登録、空き家協議会に相談しよう

空き家問題特別対策措置法に規定されている協議会が市町村に設置されています。
この協議会のミッションとして「空き家の活用促進」が掲げられていますので、協議会との相談を通じて民間事業者の知恵による空き家の活用方法を提案してくれることがあります。

また、市町村自治体が運営する空き家バンクに登録をすることで、空き家不動産を借りたい人と貸したい人(物件)とのマッチングを代行してもらえます。
是非利用を考えてみましょう。

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まとめ – 既存不適格物件を売るには「対策」が必要

既存不適格物件を軽く考える傾向にありますが、何分古い建築物ですので建築検査証が紛失されているケースも珍しくなく、そうなると違法建築でなく既存不適格であることを証明することに難儀しますし、不動産売却においても大きな支障となってきます。

もし増築や改築を行っていない物件ならば、新築時に必ず施工会社から渡されているはずの建築検査済証の有りかを探しましょう。
みつからないようならば、建築を行った工事会社や設計会社早急に問い合わせをしましょう。
古い物件でもきちんとした会社ならば、複写を保存している可能性があります。

既存不適格物件とは、そこに住むだけなら問題はなくとも、一旦、物件の売却を決めたときには、まるで不利な条件ばかりに取り囲まれたような案件となってしまうのは間違いありません。

物件売却を目指す場合は、必ずそれなりの「対策」を持ち、既存不適格物件の取り扱いを得意とする不動産会社とタッグを組むことが望ましいでしょう。

しかしながら一方で、既存不適格物件を相続する際には、不動産評価額が低くなりますので相続税的には有利な材料です。
不動産売却を行わず、ご自身でそのまま物件利用を考えている方にとっては、相続税が安い非常にお得なメリットを持つ不動産物件でもあるといえるのです。

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空き家隊長

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実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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