空き家不動産の固定資産税を6倍も払わなくて済む4つの方法




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空き家の固定資産税を6倍も払わなくて済む4つの方法

人が住まなくなってだいぶたつ空き家をお持ちのあなたは、「固定資産税の額がこれまでの6倍になるかもしれない」という情報を新聞テレビなど経由でご存知なのではありませんか。

「知らなかった」という方はもちろんのこと、「知っているよ」という方でもまだ空き家を保有し続けている人は、これから紹介する話に少し耳を傾けてください。

あなたがその空き家を保有し続けるのは、思い入れが強すぎて手離せないからでしょうか。それとも、「もう少し待てば高く売れるかも」と考えているからでしょうか。

しかし、結論から言うと、空き家の売却はできるだけ急いだ方がいいでしょう。行政はいま着々と「固定資産税を6倍にする」ための調査を行っています。
今回の記事では、空き家オーナーのあなたが6倍もの固定資産税を払わなくて済む方法を、4つピックアップしてご紹介いたします。

その1:自分が空き家処分を急ぐべき対象者(倒壊可能性物件「特定空き家等」の所有者)であるかどうかを知る

空き家といっても、交通の便が良い土地に建ち、住宅に故障個所がなく、いつでも住めるような優良物件であれば、固定資産税が6倍になることはありません。
6倍固定資産税の対象になるのは、いまにも倒壊しそうな迷惑物件になってしまった空き家です。もしあなたが「うちの空き家もボロくなったなあ」と感じていましたら、知識をしっかり身に付けておかないと確実に大損します。

こうして空き家は固定資産税6倍の「負動産」となる

「6倍固定資産税ルール」が適用されたのは、2015年5月からです。「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律に規定されています。
6倍固定資産税のルールを解説する前に、土地の固定資産税についてまずは説明します。

土地の固定資産税の金額は、住宅がある土地と更地で異なり、更地の方を高く設定しています。「住宅がある土地に対する固定資産税は『住宅用地特例』を適用し、更地の固定資産税の6分の1にする」と定めています。

国土交通省は、更地に対する固定資産税のほうが「正価」で、住宅がある土地の固定資産税の方を「割り引き価格」と考えているのです。

住宅用地特例はこれまで、ボロボロになって人が住めないようになった空き家であっても適用されていました。

空き家とその土地の所有者としては、本当は空き家を撤去したいところですが、それには解体費用がかかりますし、空き家を撤去した後の更地が売れなければ、更地としての固定資産税を支払わなければならなくなります。

そのようなリスクをおかすくらいならは、ボロボロの空き家を置いておき、安い固定資産税を払い続け、現状のまま土地を購入してくれる人を待った方がよい、となります。

こうして「迷惑空き家」が増えていき社会問題化したため、国は6倍固定資産税ルールを盛り込んだ「空家等対策の推進に関する特別措置法」を制定したのです。

この制度では、自治体が「これは相当ひどい状態にある」と査定した空き家を「特定空家等」と認定し、特定空家等は住宅とみなさないことにしたのです。

そのため特定空家等が残っている土地は「住宅用地特例」が外されて、固定資産税の額がこれまでの6倍になるのです。

以上のことを理解しやすいように図説してみました。

「6倍固定資産税ルール」を理解するには3つの流れを知っておこう
通常のルールの流れ 空き家問題の流れ 6倍固定資産税ルールを盛り込んだ「空家等対策の推進に関する特別措置法」の流れ
1.住宅が建つ 1.所有者「住宅用特例を外されたくない」 1.行政「迷惑空き家を減らしたい」
2.その土地に住宅用地特例が適用される 2.「人が住めくなった空き家でも撤去しないことにしよう」 2.迷惑空き家を「特定空家等」と認定する制度を導入
3.その土地の固定資産税が更地の固定資産税の6分の1になる 3.迷惑空き家が増えて社会問題化 3.特定空家等と認定された建物のある土地の住宅用地特例を外す
4.固定資産税が従来の6倍になる

出典

資料「空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26 年法律第127 号)の概要」(国土交通省、2014.11.27)

「空き家付きの土地」と「更地」の固定資産税の違いを確認

それでは次に、固定資産税が6倍になったら、あなたの家計にどれくらいのインパクトが生じるのかを見てみましょう。

実際のシミュレーションを行う前に、細かいルールを1つだけ解説させてください。

先ほど、「住宅用地特例は土地の固定資産税を6分の1にしてくれるありがたい制度である」と説明しました。しかし6分の1が適用されるのは200㎡(平方メートル)以下の土地であり、200㎡を超える分の土地は3分の1しか減額されません。

さて、あなたの空き家が建っている土地の広さが350㎡あり、その土地の価値が3,000万円であるとします。厳密には「土地の価値」は「課税標準額」といいますが、ここでは「土地の価値」としておきます。また、古くなった住宅の固定資産税は額が小さいのでここでは住宅分はあえて考えないことにします。

通常の固定資産税の金額は、土地の価値の価格に「標準税率1.4%」をかけます。

その300㎡の土地に住宅が建っていれば、住宅用地特例が適用されます。このときの土地の固定資産税の額は10万円となります。計算式は以下の通りです。

住宅用地特例が適用された場合の固定資産税額
350㎡のうちの200㎡分
(6分の1ルール適用分)
3,000万円÷350㎡×200㎡×1/6×1.4%(標準税率) 40,000円
350㎡のうちの150㎡分
(3分の1ルール適用)
3,000万円÷350㎡×150㎡×1/3×1.4(標準税率) 60,000円
固定資産税額の合計 100,000

*350㎡の土地の場合、すべて3分の1減額になるのではなく、そのうちの200㎡分は6分の1、残りの15㎡分は3分の1になる

ところがこの土地の住宅が「特定空家等」に認定され住宅用地特例が外れると、なんと42万円にまで膨れ上がります。以下はその計算式です。

住宅用地特例が外された場合の固定資産税額
350㎡の土地 3,000万円×1.4%(標準税率) 420,000円
固定資産税額の合計 420,000

*土地の広さに関係なく、標準税率は1.4%

350㎡のうちの150㎡分については元々3分の1しか減額されていなかったので、固定資産税は「6倍」ではなく「4.2倍」になっていますが、あなたに注目していただきたいのはその衝撃度です。

これまで毎年10万円の納付で済んでいたものが、突然「特定空家等と認定されただけ」で支払う税金の額が32万円も増えるのです。

かなり家計を圧迫するのではないでしょうか。

「特定空家等」の所有者は急いで空き家の処遇を決め

迷惑空き家という不名誉な称号である「特定空家等」の認定は、市町村が行います。したがって、特定空家等と認定される前に、「うちの空き家も傷んできたな、もう誰も住まないな」と感じたら撤去の検討に着手した方が無難です。

あなたの空き家がまだ特定空家等に認定されていないのは、市町村の職員の手が回っていないからだけかもしれないからです。

さきほど、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」は「6倍固定資産税ルール」を規定した法律、と説明しました。しかしこの法律が定めたのはこれだけではないのです。

この法律が威力を発揮するのは、第14条に書かれた「特定空家等に対する措置」です。自治体が空き家の所有者に「迷惑空き家になっています、改善してください」と指示しても所有者がそれに応じない場合、自治体が強制的に解体することを認めているのです。

当然のことながら自治体は、その解体にかかった費用を所有者に請求できます。

さらに第15条の「財政上の措置」もかなり強力な内容です。空き家対策をする市町村に対し、その財源を国が支援するというのです。つまり迷惑空き家の撤去は、国策事業なのです。だから「早めの撤去がベスト」なのです。

固定資産税増税だけでなく、都市計画税も3倍に増える

これまで、固定資産税のことばかり解説してきましたが、実はもうひとつ「値上がりする税」があります。それは都市計画税です。

行政はマチの土地を、積極的に開発を進める「市街化区域」と、開発を抑制する「市街化調整区域」に分けています。そして市街化区域にある住宅用地に対して、都市計画税という税金を、「固定資産税とは別に」課しています。

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そしてほとんどの住宅地は市街化区域にあるので、恐らくあなたの空き家も市街化区域に建っているのではないでしょうか。

固定資産税の税率は1.4%でしたが、都市計画税は0.3%です。これも土地の価値を示す課税標準額いう金額にかけて算出します。

つまり、課税標準額が3,000万円の土地ですと、毎年12万円の都市計画税がかかるのです。

この都市計画税も、固定資産税同様にその土地に住宅が建っているうちは、税額が3分の1に減額されています。ですので「特定空家等」に認定されてしまうと、都市計画税はこれまであなたが支払っていた額の3倍に跳ね上がるのです。

「土地の価値の価格」である課税標準額について

土地の価格には2種類あって、1つは売買する価格です。土地の所有者が100万円で売りたいと思っていて、それをその金額で買う人が現れたら、その土地の価格は100万円となります。

しかし、固定資産税の金額を算出するための土地の価格は、おおよそ売買価格と同じような金額になることが多いのですが、かけ離れることもあります。

なぜなら固定資産税用の土地の価格は、国土交通省などが決めるからです。

まず、地価公示価格に70%程度をかけた「固定資産評価額」を出します。この固定資産評価額は、3年に1度見直されます。

この固定資産評価額に税率をかければ固定資産税額が出てくる――わけではないところが複雑なのです。ここに「課税評価額」という概念が出てくるのです。

本来は「固定資産評価額」と「課税評価額」は同額になるのが望ましいのです。

なぜそうならないのかというと、かつては固定資産評価額の計算方法が市町村によってばらばらでした。

そこで1994年に「固定資産評価額は地価公示価格の70%程度」と決めたのですが、そうなると固定資産税がいちじるしく上昇する土地所有者がいることから、段階的に「固定資産評価額」と「課税評価額」を同額にしていこうと決めたのです。

いまでもまだ固定資産評価額と課税評価額が異なる土地があります。

出典

固定資産の評価額と課税標準額/志摩市ホームページ
志摩市のホームページです。

空き家処分を急がなくていい人とは?

ここであらためてお断りをさせていただきます。

空き家問題を深刻にとらえなければならない人とは、迷惑空き家となっている住宅や、市町村から特定空家等に認定されそうな住宅を持っている方に限られます。

空家であってもすぐに特定空家等になるわけではなく、市町村の担当者が「空家だけどまだしっかり人が住める。周囲にも迷惑をかけていない」と認定すれば、「空家等対策の推進に関する特別措置法」による「6倍固定資産税ルール」は適用されません。固定資産税は6分の1に減額されたままです。

そこで次に市町村の担当者が、あなたの空き家のどこを見るのか探ってみたいと思います。

その2:行政はが空き家どこに注目するかを知る

この家は、地震によって建物のほとんどが崩壊した住宅です。この写真は和歌山市のホームページで「特定空家等」の見本として紹介されています。

「迷惑空き家」問題といっても、所有者になんら過失も悪意もないことがあるのです。しかしこのまま放置していては、危険ですし復興の障害にもなってしまいます。

この章では特定空家等についてじっくり解説し、空き家問題に取り組む「行政の本気度」についてもみてみます。

出典

「和歌山市 特定空家等の判断基準 (PDF 1.1MB)」(和歌山市、2017.3.14)

「特定空き家等」の定義は4つ

市町村が「特定空家等」と判定する基準は4つあります。

  1. そのまま放置すれば倒壊などいちじるしく保安上危険となるおそれのある状態
  2. そのまま放置すれば衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われていないことにより、いちじるしく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

市町村の担当者は、この4つの観点から空き家を観察します。この4項目にはさらに細かいチェックポイントがあり、それぞれに点数が付けられています。

その点数を積み上げて100点以上になってしまった空き家は特定空家等となり、その所有者には撤去を含む対策が求められるという仕組みです。空き家の所有者が市町村の求めに応じないと、大きなペナルティを課されます。

事例:和歌山市は空き家オーナーの動向をじっくり観察する

特定空家等判定に用いる4つの観察ポイントについて、住民に親切かつ詳細かつ分かりやすく説明しているのが和歌山市です。

そこでここでは、和歌山市の事例を参考に、解説を加えていきます。
ただ他の市町村も国土交通省の通達通りに運営しているので、和歌山市都ほぼ同じ内容と考えてもらって間違いありません。

1.そのまま放置すれば倒壊などいちじるしく保安上危険となるおそれのある状態

この観点から見るのは、倒壊の具合や住宅部品の飛散の恐れなどです。

先ほど見ていただいた住宅の場合、1階部分が崩壊し、2階の屋根も大きく破損しているので和歌山市は「建物全体の撤去が望ましい」と判断しました。

住宅が建つ地面が沈下した場合は、それにともなって住宅も沈下しますが、不同沈下かどうかによって市の評価は変わります。

住宅全体が均一に沈下していればとりあえず住むことはできるので、点数は低くなります。ところが住宅の一部が深く沈み、別の部分は浅くしか沈んでいない状態のことを不同沈下といい、点数が高くなるので特定空家等に近付いてしまいます。
住宅の基礎部分は評価が厳しくなる箇所の1つです。

基礎の破損が65%以上に及んでいると、ほぼ特定空家等となるのは確実です。木造建築の土台部分の腐食は30%以上で厳しい評価が下ります。

2.そのまま放置すれば衛生上有害となるおそれのある状態

この項目は、空き家にネズミやハエなどの動物や害虫がすみついているかどうかを見ます。
また浄化槽が設置してあり、それが壊れると中の汚物や汚水が流出するおそれがある場合もこの項目でチェックします。

ゴミ屋敷化して悪臭を放っている場合も点数が上昇してしまいます。

3.適切な管理が行われていないことにより、いちじるしく景観を損なっている状態

空き家に大きな落書きがしてあり、その落書きによって新たな落書きを誘発するような場合、この「いちじるしく景観を損ねている状態」とみなされます。

そのほか、窓ガラスが割れたまま長年放置されている、元々あった看板が原型をとどめていない状態でぶら下がっている、庭の立木が空き家全体を覆いつくすほど生い茂っている場合もアウトです。

4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

この項目の解釈が一番何回かもしれません。

上記3項目が、それぞれの観点では「いちじるしく悪い」状態でなくても、総合的に見て周囲に迷惑を及ぼしている場合、この4つ目のチェック項目にひっかかる可能性があります。玉虫色の表現は役所独特ですが、空き家(オーナー)の状況により、現場の人間がいかにも対処することができるようにするための保険的な項目ともいえるのではないでしょうか?

いずれにせよ、特定空き家等への指定がされたら最後、いくら空き家オーナーが抗ってもその空き家を現状維持し続けることは難しくなった(公的な強制排除力が生まれた)ことだけは知っておきましょう。

自治体の空き家に対する調査姿勢はかなり真剣度が高い

市町村の職員の数は限られているのに、空き家は増加する一方です。
そのおかげで、あなたの空き家はまだ調べられていないかもしれませんが、自治体はかなり本気ですのでいずれ観察されることになるでしょう。

市町村の職員はまず、くまなく地域を歩き回ります。その中で特定空家等に該当しそうな物件を見つけると、その住宅の過去1年間の居住実績を調べます。その次に、電気、ガス、水道の使用状況も調査します。

これまでは個人情報の観点から、空き家所有者の情報の一部は、市町村の職員でも調べることができませんでした。ところが空き家対策ために国が方針を変更し、空き家対策の市町村職員であれば、空き家に関する情報が盛り込まれている固定資産課税台帳を閲覧できるようにしたのです。

このように「情報という武器」を手に入れた市町村は、これから次々と特定空家等を指定し所有者に改善を指示することでしょう。
所有者が改善指示に従わなかったら、市町村はその空き家を「家屋課税台帳」から抹消します。これはつまり「その土地に住宅はない」ことになり、土地の固定資産税が6倍になってしまうのです。

出典

「固定資産課税台帳の情報の利用について」(一般財団法人土地総合研究所、2017.6.1)

「和歌山市 特定空家等の判断基準 (PDF 1.1MB)」(和歌山市、2017.3.14)

その3:節税の原則「売れる空き家は今すぐ売る」。先延ばしにすればするほど売れなくなり、税コストも嵩む。

所有の空き家をどうしても売りたくないという理由がない場合は、住む予定がない空き家とその土地は、早めに処分してしまったほうがいいでしょう。
ましてや「将来的にいつか売る方向で考えたい」と思っているとしたら、問題を先延ばしせずに今すぐに行動に移すことをおすすめします。

「かつての土地神話は幻想」待てば待つほど損が膨らむ?

あなたが住む予定のない空き家を手放せないのは、もしかしたら「再び土地が値上がりするのでは」と考えているからではないでしょうか。そうした淡い期待のことを「土地神話」といいます。
国土が狭い日本では古くから「土地は優良財産」と思われていました。さらにバブル時代のあの土地価格の上昇ぶりを覚えている人は、いまだに土地神話の再来を強く願っています。

日本の人口は減る一方で、経済活動もなかなか再生できていません。土地を必要とするビジネスが広がらないということです。

あなたにもし「更地であれば買い手が見つかりそう」という手ごたえがあれば、早めに空き家を解体して売却のプロセスを進めた方が得策といえるでしょう。

もちろん、土地が値上がりする可能性は必ずしもゼロではありません。しかしバブル時代のレベルまで上がるとみている経済ウォッチャーは少ないようです。

また例えば北海道ニセコ町は、大都市・札幌から遠く離れていて交通の便が悪く、しかも有名な豪雪地です。そのニセコの土地の価格は上昇しています。
それは、オーストラリア人の間でニセコのスキー場がブームになり、外国人向けビジネスが突如活発になったからです。
使わない空き家や土地を維持し続けることは、こうした特需をひたすら待つことに他なりませんが、それはあなた自身でコントロールできる要素ではないはずです。

地価が上がっても、結局は損する仕組みとは

また、土地の値段が上がっても、一気に急上昇するのではなく、少ししか値上がりしなかったならば…結果的にはただ固定資産税が高くなるだけというケースもありえます。

「これだけの長い間売らずに待った。その間固定資産税だけを納め続けた。その分を取り戻せるくらい地価が上がるまでさらに待つ」

このような引くに引けず進むに進めない状態に陥ったら、悲惨としかいいようがありません。

その4:自治体の助けを借りて空き家処分する方法を知る

空き家の処分を決断したら、すぐにお住まいの市町村に相談に行きましょう。空き家撤去の費用を助成してくれるかもしれません。

東京都文京区は解体費を助成

東京都文京区は、特定空家等と評価された空き家を所有者が撤去し、なおかつ、その空き家があった土地を文京区が無償で10年間借り上げる契約を結んだ場合、撤去費用の一部、最大200万円まで補助します。

文京区としては空き家問題が減る上に、土地を区の事業のために10年間無償で使えます。
所有者は撤去費用が軽減される上に、10年後にはその土地を売却できます。
まさにWIN=WINの関係といえるでしょう。

出典

文京区 空家等対策事業

福島県会津若松市は福祉利用で固定資産税を減免

さらに一歩進んだ取り組みをしているのは、福島県会津若松市です。

まだまだ使用に耐えうる空き家を、市の社会福祉協議会に貸し出すと、所有者は固定資産税の減免が受けられます。社会福祉協議会は、その空き家を福祉の拠点に使います。
さらに、空き家をバリアフリー化するための改装費を30万円まで助成してくれます。所有者としては税金が安くなるうえに、社会貢献もできるというわけです。

出典

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170810-195057.php

空き家を売るには「不動産売却一括査定サイト」が便利

実際の空き家売却価格を調べることから始める

空き家を処分する決意を固めたオーナーが、何を置いてもまずやらなければならないことは、所有する空き家とその土地のリアルな売却価格を調べることです。
この値段を正確に知っておかないと、家計へのインパクトを計ることができません。

固定資産税や解体費用、売却時の手数料や諸費用といった「出ていくおカネ」と、売却益の「入ってくるおカネ」を明確にすることが、正しい財産管理といえるでしょう。

空き家や土地の価格を調べるのはとても簡単です。というのも空き家処分を専門にする企業がたくさんあるからです…とはいえ、空き家を買い取ってくれる価格そのものは各不動産会社によって査定額が異なりますので、無料で複数の不動産会社の買取査定額を算出してくれる一括サイトを利用するのが最も手軽で堅実な方法といえるでしょう。

例えば、NTT関連会社が運営する「HOME 4 U」ならば、大手企業なので全国どのエリアの不空き家でも無料審査してくれるので、非常に利便性が高くて便利です。

「HOME 4 U」にて、ある物件の査定を複数社にお願いしたところ、最高額9,500万円、最低額8,500万円となったそうです。もし最低額を出した不動産会社とだけ取り引きしていたら、1,000万円も損をしていたのです。

これほどまで査定額に差が出るのは、その不動産会社がどれくらいその空き家と土地を必要としているかで違ってくるためです。

あなたも空き家を売却するときは、必ず複数社を同時に比較した上で、最も高く査定額を出してくれる不動産業者を見つけるようにしてください。

こうした不動産売却一括査定サイトは「HOME 4 U」に限らず、様々な会社が運営していますが「必ず」どこか1社は利用するようにしてください。「近所のローカル不動産屋さん」だけを頼りにしてしまうと、空き家売却の相場にズレが出たまま売却することにもなりかねず、あとで後悔することになりかねません。

空き家オーナーは怒っている

さて、ここまで「不要になった空き家の売り方」を見てきましたが、ここで少し立ち止まって考えてみたいことがあります。

それは、空き家オーナーの心情です。

突如市町村の職員がやってきて、空き家の壊れ具合をチェックされ、「迷惑空き家」と認定され、「撤去しないと税金を6倍にする」と言われるのは、納得できないことではないでしょうか。ネットでも「横暴な印象がある」とう意見が絶えません。

親からお屋敷並みの空き家と広大な敷地を相続したある人は、次のように述べています。

「自分は幸い、需要のある場所の土地を相続したので、取り壊し費用や造成費用、売却益の税金などをまかなうことができたが、これが田舎だったらと想像したらゾッとした。売るに売れない空き家や土地を持っている人に対し、突如『固定資産税を6倍にする』と言うのは暴論であると思う」

たしかに空き家問題は無視できない社会問題ですが、しかし個人の財産が絡んでくるだけに、問題が複雑化しているようです。

私自身は家族の都合(父の逝去)で空き家となった実家を売却することになりましたが、これがあくまでも家族の問題ではなく、行政問題としての空き家処理として「命じられる」形で実家売却に至ったと想像すると、何とも居たたまれない気分になります。

空き家の固定資産税を6倍も払わなくて済む4つの方法のまとめ

「空き家の売却に苦労する」

この日本でこんな事態が起きようとは、1980年代のバブル時代には想像すらできなかったでしょう。バブルが崩壊して土地の価格が下がり続けても、ここまで悲惨な状態になるとは誰も想像していなかったはずです。

空き家問題は30年以上かけてゆっくり膨らみ続け、とうとう2010年代になって行政が無視できない状況にまで悪化していたことが発覚したのです。

空き家の所有者からすると、「6倍固定資産税ルール」は突如降りかかってきた火の粉のような存在ですが、しかしのその火種はかなり前から存在していたのです。

空き家、特に生まれ育った実家に住民がいなくなった場合、割り切って売却することができないという心情はとてもよくわかります。しかし、問題を先延ばしにすることで、更に行政から固定資産税以外の増税圧迫などが今後でてこないともかぎりません。

もし、将来的には空き家を処分しなければならないと方針が決まっている方ならば、できるだけその処理は前倒しで行っておくことが、どうしても避けららない状況になっているのだけは間違いがなさそうです。

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空き家隊長

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実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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