空き家不動産トピックス|公示地価とは何か?

空き家トピックス|公示地価とは何か?




空き家問題でよく耳にする「公示地価」とは?

公示地価は、地価公示法という法律に基づいて、法令に準じた手続きをふみ全国各地の標準地における地価を2名以上の不動産鑑定士が鑑定し、集計されたデータを土地鑑定委員会にかけて審査し、毎年1月1日時点の各地の標準値における地価を決定し3月下旬ごろに公表する公的な不動産の価額指標の一つです。

世界的な地価公示の事情を見てみると、不動産の売買価額(実勢価額)にかかる情報公開は割とオープンであり、公示地価のベースは実勢価額である国が多く、国によっては登記簿謄本に売買価額を示すところもあります。

日本人が考える不動産に対して抱く価値観の重さに起因する様々な事情による価額のつけ方の多様性や、プライバシー保護の観点で起こりうる問題などから、日本では成約価額の公示はなかなか進みません。鑑定価額をベースにする地価公示のシステムが取られているのは世界的に珍しく、日本の地価公示制度は世界的に見ても独特なのです。

不動産の価値は一物五価と言われ、それぞれ違う観点で積み上げられた五種類の指標価格で構成されていて、公示地価はその五価のうちの一つになります。

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公示地価とは

 最初に、公示地価とはいったい何のことなのかを説明します。公示地価とは、国土交通省が日本中のあらゆるところに定めた標準地の毎年1月1日時点の価額を2名以上の不動産鑑定士が鑑定し、全国の基準点の価額データを国土交通省の土地管理委員会によって集計し精査します。こうして決まった全国の標準値における1平方メートル当たりの単価を毎年3月下旬に発表しているのが公示地価です。

公示地価の発表やその手続き、方法に関しては、地価公示法という法律によって定義されており、毎年この手続きに則った形で皆さんが新聞やニュースで見る公示地価の発表がされているのです。

実際に売り買いがなされた値段というわけではなく、実勢価格ももちろん要素の一つと捉え、市町村によって決定されている路線価や評価額、不動産の価値を構成する街の人気や生産性・収益性のデータ等、複合的に勘案された要素がすべて含まれた上でプロによってつけられている価額になります。

政府お墨付きの土地の一般的な水準価格といってよい指標と言えますね。

したがって、空き家を売却する際などには、ご自身の所有物件の公示地価についても、事前に調べておくことで、年度年度の資産価値推移を推し量ることができます。

尚、公示地価は国土交通省による「標準地・基準地検索システム」を利用することで、簡単にだれでも無料で調べることができます。国が指定した不動産鑑定士による土地鑑定評価書(2名の不動産鑑定士それぞれの鑑定証)も閲覧できますので、非常に有効なツールです

標準地・基準地検索システム〜国土交通省地価公示・都道府県地価調査〜 <システムエラー>

尚、不動産鑑定士の算出する土地鑑定価格(鑑定評価額)と公示地価には開きがありますのでご注意ください(下記ページにて「一物五価」を参照)。

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また、公示地価は専門家に選ばれた土地(標準地といいます)のみ毎年調査されて価格付けがされますが、この価格が公示されるエリアのことを「公示区域」と呼びます。公示地域は「都市計画区域」であり、且つ、「土地取引が相当程度見込まれる区域」である条件を満たさねばなりません。

土地取引が見込めないような、極端な山林地域などは公示区域に選ばれないということになりますね。

尚、標準地は平成28年では25,270地点が対象となっていますが、毎年のように標準地は入れ替えがあるそうです(不適正な土地が適性地にとってかわられるとのこと)。

公示地価はどうして必要なのでしょうか?

不動産には希望小売価格がないから相場基準の正常価格が必要

では、公示地価がどうして必要なのか説明します。まず最初に、不動産には定価とか希望小売価格のようなものがありません。そもそも希望をする人が一個人ないし法人なので、希望がないというよりは無数にあるというのが正当な理論でしょう。

不動産屋を介しての取引が主であるとは言っても、直接の契約当事者は素人同士です。民法では一方の申し出を一方が承諾することで契約は成立すると定義されていますので、原則的にはいくらで売ろうがいくらで買おうが当人同士さえよければそれでいいことになります。

しかしそれでは基準とする指標がないため、どんな価格が正常であり、正常でないのかを判断することができません。

そこで、特別な事情がない限り「正常である価格(正常価格)」ですよ、と国が認定する指標価格が経済取引上必要であり、それこそが公示地価なのです。

もちろん、この指標ともいえる公示地価に則って取引を行うもよし、需要がある土地なので公示地価よりはるかに高い価格や、その逆のケースで低い価格で取引を行うも自由なのは言うまでもありません(これらは「実勢価格」での取引といいます)。

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日本人の不動産への思いは世界的に見ても特殊

日本では世界のどの国よりも、資産としての不動産の意識が高く保たれています。かつて、とは言っても歴史上そんなに古くない明治時代まで、農業に従事する多くの日本人は土地を所有していませんでした。

領主や豪商から田畑を借用し、そこに家を建て家族と暮らしながら農業にいそしみ、年貢を毎年納めていました。日本人にとって不動産はその生活において重要なものであり、そこに住むこと、根を張ること、大きな土地を所有することが日本人に取ってはステイタスであり、生きる誇りだったのです。

したがって、公示地価に対しては人々の耳目がより一層集中することとなり、空き家所有者のみならず土地や不動産を取り扱うリアルエステイトビジネスの関係者にとっては、非常に重要な指標となっています。

バブル崩壊で崩れかけるも、不動産神話は今もなお健在

不動産=資産という風潮は、バブル経済の崩壊により一度は崩れかけたものの現在でも日本人の感覚の中には根強く残っており、日本人にとって居住用不動産は、人生を形作るために一番重要な資産であると考えられています。

不動産の価値の基準は、そのような意識的な背景に裏付けられて日本国内においては特定個別的なもので、一概に一般包括的な基準においては均すことの出来ない特別なものになっています。

特殊な不動産への思いが地価公示のシステムまで特殊にしている

海外では、正直そこまで感情的に資産に対して傾ける思い入れはないようです。なので不動産を必要以上に高く買ったり、安く売ったりするような話はそんなにないため実勢価額は価値を均す基準として十分に機能するようで、先進国の多くの公示地価は実勢価額が基準になっているそうです。

また、英国やシンガポールなどでは、登記簿謄本に売買価額が登記されていて、記録として残ることが売買関係者の意識につながり、適正な市場を保つ指標になっています。

日本の地価公示は鑑定価額

世界が仰天する日本の不動産の不思議は、土地に対する日本の価値文化と深く関係を保っています。たとえば同じ京都市内に100坪の売り土地が2つあるとしましょう。

かたや商売人が購入して商売に使う土地として購入、かたや自分が所有する既存の土地が隣地であるこの土地を購入することにより地型が整いきれいになると考えて購入する場合を比べてみましょう。

前者は商売をするためにこの土地を購入するわけなので、商売が赤字になるようであれば土地の購入はできません。少しでも安く買って、利益を出せる準備が必要です。対して後者は「隣の土地は高くても買え」という不動産神話に則った購入者で、限度はあるでしょうが投資としての購入ではないのでコスト意識は希薄です。

結果、前者の売買価額は1億円、後者の売買価額が1億5千万円だったとして、この実勢価額に対して諸税がかけられるとしたらどうでしょうか?その不公平感は中途半端ではないでしょう。そんな日本独自の文化に裏付けられた要因から、日本の地価公示は鑑定額に基づいた世界でも類を見ない方式に則ってつけられているのです。

公示地価が利用される場面

実勢価額とかい離することがしばしばある公示地価は、どのような場面で利用されているのでしょうか。

実際に定価というもののない不動産の流通において、極端に高い、もしくは安いというのは正常な判断からすれば特定個別の要因であり、大まかな指標とは関係のない事実であると捉え、売買に当たっての標準的な目安として利用されたり、売買関係なしにして、自身の所有する財産の世間一般的な評価を把握するための指標として参考にされていることが多いのです

平成28年の公示地価

平成28年の公示地価は、前年比で主に三大都市圏・地方中枢都市での緩やかな上向きの変動が見られたほか、地方の山村部、島嶼部では一部を除いて下向きな変動が大きく、平均は下落傾向にあります。

圏域別・用途別対前年平均変動率

(変動率:%)

用途別 住宅地 商業地 工業地
公示年別 H27年 H28年 H27年 H28年 H27年 H28年
圏域別・地域別 変動率 変動率 地点数 変動率 変動率 地点数 変動率 変動率 地点数
東京圏 0.5 0.6 4,210 2.0 2.7 1,430 0.9 1.6 192
大阪圏 0.0 0.1 2,151 1.5 3.3 626 △ 0.2 0.4 169
名古屋圏 0.8 0.8 1,106 1.4 2.7 423 △ 0.2 0.1 89
三大都市圏平均 0.4 0.5 7,467 1.8 2.9 2,479 0.2 0.9 450
地方中枢都市 1.5 2.3 847 2.7 5.7 349 1.1 1.8 39
その他 △ 1.3 △ 1.0 8,014 △ 1.8 △ 1.3 3,021 △ 1.7 △ 1.2 419
地方平均 △ 1.1 △ 0.7 8,861 △ 1.4 △ 0.5 3,370 △ 1.5 △ 0.9 458
全国平均 △ 0.4 △ 0.2 16,328 0.0 0.9 5,849 △ 0.6 0.0 908

市町村合併が発生した市区の平成27年変動率は、合併前の旧市区町村の平成27年公示の地点から再集計されたものです。

  • 三大都市圏とは、東京圏・大阪圏・名古屋圏を言います。
  • 地方中枢都市とは、北海道札幌市・宮城県仙台市・広島県広島市・福岡県福岡市を言います。
  • その他とは、三大都市圏及び地方中枢都市を除いた市町村の区域を言います。
地方別・用途別前年対比平均変動率
用途別 住宅地 商業地 工業地
公示年別 H27年 H28年 H27年 H28年 H27年 H28年
圏域別・地域別 変動率 変動率 地点数 変動率 変動率 地点数 変動率 変動率 地点数
北海道地方 △1.0 △0.5 890 △0.9 1.2 340 △1.3 △1.0 51
東北地方 0.0 0.1 1,517 △1.0 △0.5 540 △ 0.8 △0.4 62
関東地方(東京圏を除く)
△1.7 △1.2 1,378 △2.0 △1.4 480 △ 2.2 △1.2 49
北陸地方 △1.1 △0.7 360 △1.0 0.2 161 △1.2 △0.8 18
中部地方(名古屋圏を除く)
△1.2 △1.1 939 △1.1 △1.0 346 △1.4 △1.4 71
近畿地方(大阪圏を除く) △ 1.3 △ 1.2 685 △ 1.1 △0.8 241 △ 1.2 △ 0.7 38
中国地方 △ 1.5 △ 0.9 1,061 △ 1.5 △0.6 396 △2.1 △1.1 65
四国地方 △ 2.0 △ 1.5 448 △2.4 △1.7 193 △ 2.2 △1.5 26
九州・沖縄地方 △0.8 △0.3 1,583 △1.2 △0.3 667 △1.2 △0.6 78
都道府県別・用途別対前年平均変動率
公示年別 H27年 H28年 H27年 H28年 H27年 H28年
圏域別・
地域別
変動率 変動率 地点数 変動率 変動率 地点数 変動率 変動率 地点数
全国 △0.4 △0.2 16.328 0.0 0.9 5.849 △0.6 0.0 908
北海道 △1.0 △0.5 890 △0.9 1.2 340 △1.3 △1.0 51
青森県 △2.9 △1.9 170 △3.1 △2.3 67 △3.1 △2.1 13
岩手県 △0.4 △0.4 125 △2.2 △1.7 52 △4.2 △2.7 3
宮城県 2.3 1.9 387 2.3 3.2 135 3.1 2.6 11
秋田県 △4.2 △3.5 127 △5.0 △4.2 46 △7.1 △5.1 4
山形県 △1.4 △0.8 123 △2.2 △1.7 59 △1.7 △0.9 6
福島県 2.9 2.9 288 0.8 0.9 90 1.7 2.0 13
茨城県 △1.6 △1.2 505 △2.1 △1.6 122 △2.1 △1.6 18
栃木県 △1.7 △1.2 309 △2.1 △1.3 85 △2.0 △0.8 16
群馬県 △1.6 △1.2 235 △1.9 △1.2 101 △2.4 △1.5 10
埼玉県 0.0 0.0 919 0.5 0.7 201 0.5 1.2 38
千葉県 0.1 0.2 853 0.6 0.9 190 1.0 1.5 60
東京都 1.3 1.6 1,352 2.9 4.1 751 1.1 1.9 31
神奈川県 0.4 0.1 1,122 1.4 1.4 317 1.0 2.1 58
新潟県 △1.7 △1.6 297 △2.8 △2.5 97 △2.0 △1.6 12
富山県 △0.2 △0.2 136 △0.1 △0.1 66 △0.1 0.0 6
石川県 △1.3 △0.7 143 △1.2 1.6 59 △1.9 △1.2 8
福井県 △2.0 △1.7 81 △2.3 △1.7 36 △1.5 △1.1 4
山梨県 △2.3 △2.0 100 △2.3 △1.8 46 △2.4 △1.2 4
長野県 △1.8 △1.3 193 △2.5 △1.9 97 △2.1 △1.3 6
岐阜県 △1.2 △0.9 236 △1.2 △0.9 90 △1.1 △0.5 15
静岡県 △0.9 △0.9 435 △0.8 △0.7 150 △1.1 △1.2 37
愛知県 0.8 0.8 1,103 1.4 2.7 426 △0.2 △0.2 84
三重県 △1.6 △1.7 271 △1.5 △1.5 103 △2.1 △2.2 24
滋賀県 △0.4 △0.5 234 0.2 0.2 77 0.5 0.7 12
京都府 △0.3 △0.1 407 1.2 3.2 135 △0.4 0.7 24
大阪府 △0.1 0.0 1,017 2.0 4.2 336 △0.3 0.2 100
兵庫県 △0.3 △0.3 777 △0.1 0.5 197 △0.5 0.2 60
奈良県 △0.3 △0.3 290 △0.3 0.0 66 △0.1 0.1 8
和歌山県 △2.6 △2.0 111 △2.1 △1.3 56 △5.4 △2.8 3
鳥取県 △2.8 △2.0 85 △3.6 △2.4 29 △4.4 △2.1 4
島根県 △2.1 △1.6 90 △3.3 △2.6 37 △2.3 △2.1 2
岡山県 △1.0 △0.9 275 △0.7 △0.3 104 △1.2 △0.9 9
広島県 △1.2 △0.3 430 △0.5 0.8 141 △1.4 △0.1 31
山口県 △1.9 △1.3 91 △2.8 △1.8 85 △3.2 △2.4 19
徳島県 △1.6 △1.0 95 △2.2 △1.2 26 △1.8 △0.8 5
香川県 △2.1 △1.4 109 △2.5 △1.5 51 △2.8 △2.0 9
愛媛県 △2.2 △1.9 153 △2.3 △2.1 71 △1.7 △1.4 10
高知県 △1.9 △1.3 91 △2.6 △1.8 85 △3.3 △2.0 2
福岡県 0.1 0.5 592 0.0 1.1 224 △0.3 0.0 35
佐賀県 △2.5 △1.8 86 △3.2 △2.4 40 △0.3 0.0 3
長崎県 △1.5 △1.1 169 △1.3 △0.6 69 △2.5 △2.1 8
熊本県 △0.4 0.1 156 △1.2 △0.2 69 △1.2 △0.4 8
大分県 △1.2 △0.7 140 △2.0 △0.8 70 △3.5 △2.4 9
宮崎県 △1.2 △0.9 143 △2.9 △2.1 63 △1.7 △1.0 7
鹿児島県 △2.8 △2.3 190 △3.3 △2.7 82 △3.5 △2.7 4
沖縄県 0.6 1.7 107 0.8 2.0 50 1.4 3.5 4

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空き家隊長

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実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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