不動産売却の「所得税控除」パーフェクトガイド

相続した空き家不動産を売却すると、所得税がかかります。
予想を上回る価格で売れると嬉しいのですが、一方で所得税がどれほど跳ね上がるのか心配になるでしょう。

しかし「上に政策あれば下に対策あり」。
我々にとっては「税金のあるところに節税あり」です。
所得税を減らすことができる控除をすべてをここでは紹介します。

相続空き家不動産だけでなく、いまお住まいの「マイホーム」を売却したときの節税についても詳しく解説いたします。




「空き家不動産」と「マイホーム」では控除内容が異なる

ここで見る空き家不動産は「相続されたもの」に限られますので、これ以降は「相続空き家不動産」のことを短く「空き家不動産」と表記します。

空き家不動産を売って得るお金についても、マイホームを売って得るお金についても、いずれも同様に「譲渡所得」と呼ばれます。
税金の法律では「売却」のことを「譲渡」と呼んでいます。

譲渡所得を得ると、所得税を払わなければならないのですが、「どのような状態の不動産を」「どのタイミングで」譲渡したかによって、所得税額が変わってきます。

税務署が、不動産を売却した人の「事情」を考慮して、「そのような事情があるのなら、税金を安くしましょう」と考えてくれるのが控除であり、所得税を安くするために大きな影響力を持つ仕組みです。

空き家不動産を売ったときも、マイホームを売ったときも、条件が合致すればその控除額は3,000万円にもなることがあります。

この控除を上手に使わないと後々納税のタイミングで「大損をした」と後悔することになりますので、しっかり覚えておきたいところです。

これ以降は、空き家不動産の売却と、マイホームの売却を別々に見ていきます。
空き家とマイホームでは控除の仕組みが違うのです。

税法上の相続空き家不動産とマイホームの厳密な区別を知る

空き家とマイホームの厳密な区別は意外に難しく、例えば、今日まで人が住んでいた家に明日から誰も住まなくなれば、一般の人の理解では「今日までがマイホーム」で「明日から空き家」になりますが、税務署はそのように考えません。

所得税の控除に関する「空き家不動産」と「マイホーム」の定義は次のようになります。

空き家不動産の定義(下記全ての条件を満たす必要があり)

  • 相続によって取得した住宅またはその住宅が建っている土地
  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された住宅
  • 区分所有建物登記がされている建物ではない
  • 相続を受けた直前に被相続人(相続してくれた親など)以外の人が住んでいなかった
  • 相続してからその住宅に誰も住んでいない

マイホームの定義(下記全ての条件を満たす必要があり)

  • 家屋を売った人が自ら住んでいた
  • 以前に住んでいて、売却するときは住んでいない場合でも、住まなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば「マイホームを売却した」と認定される

※マイホームの正式名称は「居住用財産」といいます

出典

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁
国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

空き家不動産を売ったときの3,000万円所得控除

まずは、空き家不動産を売ったときに受けられる3,000万円の所得控除について見てみます。
正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。

控除が所得税を安くする仕組みは次の章で解説します。
ここでは控除の金額が大きいと税金もそれだけ安くなるとだけ理解しておいてください。

【第一関門】まずは6条件をクリアしなければならない

空き家不動産の売却所得から3,000万円控除を使うためには、まずは次の条件にすべて該当しなければなりません

  1. 空き家不動産を2016年4月1日から2019年12月31日までの間に売る
  2. その空き家が昭和56年(1981年)5月31日以前に建設されている
  3. 区分所有建物登記がされている建物ではない
  4. 相続の開始の直前に、被相続人(あなたにその空き家不動産を相続してくれた親など)以外に住んでいなかった。被相続人のみが住んでいた
  5. 相続したときから売却(譲渡)のときまで、その空き家不動産に誰も住んでいなかった
    その空き家が耐震基準を満たしている

上記条件の1、2は空き家の売却期間についての条件なので、この期間に該当しないものはここで対象外となってしまいます。

条件4は、例えば被相続人が該当物件に孫と住んでいたら、それだけで3,000万円控除は受けられない、という意味です。
これは注意が必要で、このルールでは空き家不動産の名義変更が関係してきます。

空き家不動産の名義が父親で、その父親が亡くなった後に名義変更することなく母親が住み続けていたとします。
この状態で母親が亡くなり、そのまま子供がその空き家不動産を相続してしまったら、3,000万円控除の対象外になってしまいます。

なぜなら、被相続人(父親)から相続人(子供)に相続する間に、相続に関係のない人(母親)が住んでいたことになるからです。

こうした事態を回避するには、父親が亡くなったときに、空き家不動産の名義を母親に変えておく必要があります。

また、条件4の「被相続人のみが住んでいた」という条件も厳しく判定され、例えば被相続人が亡くなる前に老人ホームに入居して住民票も老人ホームに移してしまっていた場合、「相続開始の直前に住んでいない」とみなされて、3,000万円控除の対象から外れてしまいます

この老人ホームへの転居に引っかかる人は多いようで、注意が必要です。

条件5は、相続した後に相続した人が一時的にその物件に住んでしまったら、3,000万円控除の対象外になってしまうという意味です。
また相続した後にその家を誰かに貸しても3,000万円控除の対象外になってしまいます。

条件6は、相続した空き家が耐震基準を満たしていない場合、耐震リフォームを行った後に売却しないと3,000万円控除の対象外となる、という意味です。

そのため空き家不動産を売却する前に、「耐震リフォームの費用をかけてでも3,000万円控除を受けたほうが得なのかどうか」についてよく検討する必要があります。

空き家を取り壊した後の土地売却でも控除は使える

相続した空き家と土地のうち、空き家を取り壊して土地だけを売った場合も3,000万円控除を受けることができます。

ただし、相続のときから売却するときまでに、取り壊した空き家に誰かが住んでいたり、取り壊した後の更地を貸し駐車場などに利用していた場合は、3,000万円控除は使えません。

【第二関門】さらに4条件をクリアしなければならない

上記の6条件をクリアしても、まだ条件があります。

空き家不動産を売るときも、空き家を取り壊した後の土地だけを売るときも、3,000万円控除を使うには次の条件を満たさなければなりません。

  • 相続した日から3年目の日の属する年の12月31日までに売る
  • 売却額が1億円以下であること
  • 他の特例を受けていないこと
  • 売却先が親子や夫婦などではない

このうち「売却額が1億円以下であること」という条件は注意が必要ですので、詳しく解説します。

1億円超の空き家不動産は分割して売っても控除は使えない

空き家不動産の売却額が1億円を超えるかどうか、が問題になるのは空き家不動産を複数の子供で分割して相続したときです。

例えば、一括売却すれば9,000万円になるはずの空き家不動産を、3人の子供が均等に相続したとします。
そして3人全員が自分の分の空き家不動産をそれぞれ3,000万円で売却したとします。
このとき、3人全員が3,000万円控除を使うことができます。

1人の子供の売却額が3,000万円であり、控除額が3,000万円なので、所得は差し引きゼロ円となり、3人全員とも所得税がかかりません。

このとき税務署は「1人の子供の3,000万円の売却」を見ているのではなく、「3人の売却額の総額9,000万円」を見て、「売却額の総額が1億円超の売却ではないので、3,000万円控除が使える」と判断しているのです。

売却すれば9,000万円になる空き家不動産
子A:3,000万円分の相続 子B:3,000万円分の相続 子C:3,000万円分の相続
売却 売却 売却
セーフ(全員、3,000万円控除が使える)

もうひとつ事例を紹介します。

売却すれば1億2千万円になるはずの空き家不動産を、3人の子供が均等に相続したとします。
3人の子供のうち1人目の子供が売却しても、この段階ではまだその空き家不動産の売却代金は4,000万円なので1人目の相続人は3,000万円控除を使えます

1人目に続いて2人目の子供が売ってしまっても、まだ相続した空き家不動産の売却代金は総額8,000万円なので、2人目の子供も3,000万円控除を使えます

ところが3人目が売ってしまったら、この段階で売却代金が1億2千万円になってしまうので、先に売った2人の子供の3,000万円控除の減税効果が取り消されてしまうのです

先に3,000万円控除を使って所得税を納めた2人は、修正申告をして所得税の追加分を支払わなければならないのです。

もちろん3人目の子供も3,000万円控除を使うことはできません。

子Aと子Bの身が売却した場合(2名は控除利用可)

売れば1億2,000万円になる空き家不動産
子A:4,000万円分の相続 子B:4,000万円分の相続 子C:4,000万円分の相続
売却 売却 売却しない
セーフ(子AとBは双方3,000万円控除が使える)
子A、子Bに続いて子Cも売却した場合(全員控除利用不可)

売れば1億2,000万円になる空き家不動産
子A:4,000万円分の相続 子B:4,000万円分の相続 子C:4,000万円分の相続
売却 売却 売却
アウト(3人とも3,000万円控除が使えない)

次に見るケースは、売却すれば1億2千万円になるはずの空き家不動産を、1人が相続した場合です。

一気にすべて売ってしまうのではなく、最初に6,000万円分を売却し、そのときの所得税の計算に3,000万円控除を使ったとします。

ここまでは問題ありません。

ところが後から残りの6,000万円分を売却してしまったら、最初の売却時に使った3,000万円控除の減税効果が取り消されてしまうのです。
2回の売却を合算して「売却代金が1億円以上」とみなされてしまうからです。
この場合、所得税の修正申告をして、税金を追加して支払わなければなりません。

売れば1億2,000万円となる空き家不動産を相続
 6,000万円分を売却(売却1回目) ◎3,000万円控除が使える
 6,000万円分を売却(売却2回目) ×3,000万円控除は使えない、加えて、初回に使った3,000万円控除も取消される。

空き家売却3,000万円控除を受けるために必要な書類

空き家不動産の3,000万円控除を受けるには、様々な書類を用意しなければなりません。

必要な書類は次の通りです。

  1. 「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用] (税務署で用紙をもらい、自身で記入する)」
  2. 空き家不動産を売却した人が、その空き家不動産を相続人から相続したことを証明する書類
  3. 売却した空き家不動産が昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたことを証明する書類
  4. 売却した空き家不動産が、区分所有建物登記がされている建物でないことを証明する書類
  5. 市町村が交付する「被相続人居住用住宅等確認書」 (売却した空き家不動産に、被相続人(あなたに空き家不動産を相続してくれた親など)が住んでいて、かつ、被相続人しか住んでいなかったことを証明する書類です。 さらにこの書類は、相続したときから売却したときまで誰も使っていなかったことも証明します)
  6. 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し
  7. 売買契約書の写し(売却代金が1億円以下であることを証明します)

譲渡所得の内訳書(PDF)

被相続人居住家屋等確認書の例(埼玉県三郷市ウェブサイトより)

被相続人居住家屋等確認書の例(埼玉県三郷市ウェブサイトより)

控除が所得税を安くする仕組みについて

さてこれまでは話を単純化するために「控除は税金を安くする」とだけ説明してきました。この章では、控除と所得税の関係について解説します。

簡単な足し算と引き算、そしてほんの少し掛け算を使うだけです。

空き家不動産を売却したときの所得税は、

所得税=譲渡所得×税率

で算出します。

また、譲渡所得は下記の式で算出します。

譲渡所得=譲渡収入-譲渡費用-取得費

譲渡収入とは、空き家不動産の売却価格です。
譲渡費用は、空き家不動産を売るときに支払った仲介料や印紙代などです。
また、取得費は、あなたに空き家不動産を相続してくれた親など(被相続人)がその住宅と土地を買ったときの代金です。

つまり譲渡所得とは、空き家不動産を売って「手元に残ったお金」または「売却益」となります。

控除はここから登場します。

「3,000万円控除を使える」ことが決まった場合、所得税は次の計算式で算出します。

・所得税=課税譲渡所得×税率

譲渡所得に「課税」の文字が付き、名称が「課税譲渡所得」となっています。

課税譲渡所得の計算式は次の通りです。

課税譲渡所得=譲渡収入-譲渡費用-取得費-3,000万円控除

ここでようやく3,000万円が計算式にのったわけです。

この計算式から分かる通り、「控除」は課税譲渡所得を低くする効果があるので、それで「控除は税金を安くする」と言われるのです。

ちなみに所得税の税率は下記ようになっています。

税率
短期譲渡所得の税率 30%
長期譲渡所得の税率 15%

短期譲渡とは、所有期間が5年以下の場合の空き家不動産の譲渡(売却)のことです。
5年超所有の不動産の譲渡は長期譲渡といいます。

この「所有期間」は、被相続人(親など)と相続人(相続を受ける子など)が所有した期間の合算となります。
不動産の売却では、所得税のほかに地方税や復興特別所得税がかかります。

マイホームを売ったときの3,000万円所得控除

次に、マイホームを売却したときの3,000万円控除の解説をします。

ここでは、相続も空き家も関係ありません
自身で住み、自身で所有する住宅と土地を売ったときの所得税の計算で、3,000万円が控除される制度です。

正式名称は「居住用財産(マイホーム)を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

先にご紹介した空き家売却所得の3000万円控除としばしば混同されやすい制度ですので注意してください。

【第一関門】まずは6条件をクリアしなければならない

マイホーム売却の3,000万円所得控除を使うには、まずは次の6条件をすべてクリアしなければなりません(空き家控除と同じく、今回も2段階での条件関門があります)。

  1. 自分が住んでいるマイホームや土地を売る(いまは住んでいなくても、住まなくなった日から3年目を経過した日の属する年の12月31日までに売る)
  2. マイホームを売った前年と前々年にこのマイホーム3,000万円控除を使っていない
  3. マイホームに関連する特例を使っていない
  4. そのほかの特別控除を使っていない
  5. 災害によって滅失したマイホームは、その敷地で住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売る(東日本大震災については別途規定あり)
  6. 売却先が親子や夫婦などではない

マイホームを取り壊した後の土地を売る場合にも、マイホーム売却の3,000万円所得控除は使えます。
そのときの条件は、上記の6条件に加えて以下の2つがあります。
とくに後者には気を付けてください。

  1. マイホームを取り壊した日から1年以内に譲渡契約を結ぶ
  2. マイホームを取り壊してから譲渡契約を結んだ日まで、その土地を貸し駐車場などに利用していない

【第2関門】さらに3条件をクリアしなければならない

条件はまだあります。

上記の6条件をクリアできていても、売却した住宅が次の3つのタイプに当てはまった場合は、マイホーム売却の3,000万円所得控除は受けられません。

  1. マイホーム3,000万円控除を受けることだけを目的とした住宅である
  2. マイホームを新築するときに、建築中の間だけ仮住まいとして使った住宅である
  3. 別荘など、主として趣味や娯楽などで所有している住宅

マイホーム売却の3,000万円所得控除を受けるために必要な書類

マイホーム売却の3,000万円所得控除を使うには、確定申告を自身でする必要があります。
そのときに「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]」を作成しなければなりません。
この用紙は確定申告書と一緒に税務署でもらうことができます。

譲渡所得の内訳書(PDF)

また、そのマイホームに住んでいたことが証明できる住民票や戸籍の附票が必要になります。

マイホームを売ったときの税率が軽減される特例

マイホームの売却では、3,000万円所得控除に加えて、所得税の税率も軽減されます。
3,000万円控除と所得税の軽減税率が同時に使える可能性があるのです。

この所得税の軽減税率は、特にマイホームを買換えされる方にとって利用効率がよい控除の仕組みであるといえるでしょう。

※5年以上保有したマイホームを譲渡する「長期譲渡の場合」限定。

15%の所得税率が10%に軽減される

長期譲渡の通常の所得税の税率は15%ですが、売却所得のうち6,000万円分については10%に軽減されます。

計算式は以下の通りです。

課税長期譲渡所得(=A) 税額
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 6,000万円×10%+(A-6,000万円)×15%

課税長期譲渡所得は次の計算式で算出します。

・課税長期譲渡所得=譲渡収入(売却額)-譲渡費用-取得費-マイホーム3,000万円控除

この計算式から分かる通り、マイホーム売却の税率軽減は「課税長期譲渡所得が6,000万円以下のときしか使えない」のではありません。

マイホーム3,000万円控除などを差し引いて算出した課税長期譲渡所得が6,000万円を超えても、そのうちの6,000万円分については軽減した税率10%が適用され、6,000万円を超えた分は通常通りの税率15%が適用される、というわけです。

この計算式を使うと、マイホームを売ったときの課税長期譲渡所得が1億円だった場合の所得税は1,200万円になることが分かります。

計算式は以下の通りです。

・6,000万円×10%+(1億円-6,000万円)×15%=1,200万円

尚、マイホームの売却では、所得税のほかに地方税や復興特別所得税がかかります。

軽減税率が適用される条件

マイホームを売ったときの軽減税率が提供される条件は次の通りです。

  • 自分が住んでいるマイホームを売るか、マイホームと一緒にその土地も売る場合
  • 以前に住んでいたマイホームを売る場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること
  • 売った年の1月1日において、売ったマイホームや土地の所有期間が10年を超えている
  • 売った年の前年と前々年にこの軽減税率を受けていない
  • そのほかマイホーム関連の特例を受けていないこと (ただし、マイホーム3,000万円特例は、このマイホーム売却軽減税率と一緒に使える)
  • 売却先が親子や夫婦などではない

マイホームを取り壊した後の土地にも適用

住まなくなったマイホームを取り壊し、その土地を売却した場合は、次の要件にすべて該当すれば、マイホーム売却の軽減税率が適用されます。

  • その土地の所有期間が、マイホームを取り壊した日の属する年の1月1日において10年を超えていること
  • その土地の譲渡契約が、マイホームを取り壊した日から1年以内に結ばれ、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること
  • マイホームを取り壊した後、その土地を貸し駐車場などに利用していないこと

軽減税率を受けるために必要な書類

マイホーム売却の軽減税率を受けるにも確定申告が必要で、そのとき次の書類を添付します。

  1. 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
  2. 売った住宅や土地の登記事項証明書

不動産売却で損したときの特例

マイホームを含め、所有する不動産を売却したときに「損」をすることがあります。
「不動産を売っているのに損?」と思われるかもしれませんが、譲渡所得の計算式をいま一度見てください。

・譲渡所得=譲渡収入-譲渡費用-取得費

つまり、不動産を売った売却金額(譲渡収入)が入ってきても、譲渡費用や取得費がより高額だった場合、譲渡所得の金額がマイナス(赤字)になります。

この状態を、所得税の計算では「損」と考えます。
損が発生したときは、「譲渡所得」と呼ばずに「譲渡損失」といいます。

・「譲渡所得」→ 計算したらマイナス金額に →「譲渡損失」

ある売却の損失を別の売却ときに控除する

不動産の売却で譲渡損失が出た場合、所得税はゼロ円になります。

これはこれで納税者としては「嬉しいこと」なのですが、譲渡損失が大きい場合、所得税がゼロ円になったくらいでは補いきれない状態に陥ります。

そこで、ある不動産売却の譲渡損失を、別の不動産売却の譲渡所得の所得税の計算に回して、所得税を減らしてもらえる仕組みがあります。

説明が回りくどくなってしまいましたが、次のシミュレーションを見ていただければ、難しくないことが分かっていただけると思います。

譲渡損失の簡易シミュレーション例

不動産Aの売却も、不動産Bの売却も、同じ人が行っています。

不動産Aは1億円で売ることができたのですが、取得したときの価格が1億9,700万円で売却したときの譲渡費用が300万円かかっています。
都合、1億円の赤字(譲渡損失)でした。

ところが2億円で売ることができた不動産Bは、9,400万円で買い譲渡費用が600万円でしたので、譲渡所得は1億円のプラスでした。

この場合の譲渡所得を見てみます。

不動産Aの売却において…

譲渡損失A=譲渡収入(売却価格)1億円-譲渡費用300万円-取得費(買ったときの価格)1億9,700万円=マイナス1億円

不動産Bの売却において…

譲渡所得B=譲渡収入(売却価格)2億円-譲渡費用600万円-取得費(買ったときの価格)9,400万円=プラス1億円

まず不動産Aの売却では「損」をしているので所得税はゼロ円になります。
そして不動産Aの譲渡損失1億円を、不動産Bの譲渡所得1億円の所得税の「控除」として使います。

・譲渡所得=譲渡収入-譲渡費用-取得費

の計算式が

・不動産Bの譲渡所得=譲渡収入-譲渡費用-取得費-不動産Aの譲渡損失1億円

と変わります。
これに実際の数字を当てはめると、

・不動産Bの譲渡所得=2億円-600万円-9,400万円-1億円=0円

譲渡所得Bもゼロ円になったので、ここでも所得税は発生しません。

「譲渡損失の控除」が「余った」場合の原則と例外

さて、先ほどのシミュレーション数値を少し変えて、下記のようにしてみました。

  • 不動産A売却:譲渡損失A=マイナス2億円
  • 不動産B売却:譲渡所得B=プラス1億円

譲渡損失が2億になり、譲渡所得の1億円を大きく上回るロスがでている状態です。
この状態となった場合は、いずれの売却にも所得税は発生しません。

それは

・譲渡所得B(1億円)-譲渡損失A(2億円)で控除=マイナス1億円

となるからであり、譲渡所得がマイナスになれば所得税がかかることはありません。

しかし上記の計算式の「マイナス1億円」は、「譲渡損失が出たのに、控除で使え切れなかった分」であるとも言い換えることができます。

控除に使えるはずの譲渡損失をすべて使い切れずに1億円も余ってしまうと、売却した人は「せっかく不動産Aの売却で損が出たのに、もったいない」という気持ちになります。

もし、不動産Aと不動産Bを売却した人が、会社員や自営業者であれば、給与所得や事業所得から「余った1億円」を控除してもらいたいという気持ちになるのも自然ですが、それは認められていません。

それは「不動産を売って得た譲渡所得」と「給与所得または事業所得」は、別々に課税計算するように定められているからです(これを分離課税方式といいます)。

残念ですがこれが「原則」です。
しかし、これにも「例外」があるのです。

次にこの例外を見てみましょう。

「余った譲渡損失の控除」を給与所得からから控除できる例外

不動産を売ったときの譲渡損失を、給与所得または事業所得から控除できる例外のことを、「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」といいます。

これはとても大切な制度なので、次の章で詳しく解説します。

マイホームを買い換えたときの特例

この章も、マイホームの売却についての解説になります。相続や空き家に限定した話ではありません。ここでは

  1. マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  2. 特定のマイホームを買い換えたときの特例

の2つについて解説します。

マイホームの買い換えで損をしたときの損益通算と繰越控除(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

マイホームの買い替えで「(昔買った値段よりも)安い値段でしか売れずに、結果的に損をしてしまった」ケースについて考えてみましょう。

一見「損益通算」や「繰越控除」と聞くと難しそうなのですが、理屈や仕組みはとても簡単ですのでご安心ください。

「譲渡損失の控除」は4回使える

AさんがマイホームAを2017年12月31日までに売り、新たにマイホームBを買ったとします。
つまりマイホームの買い換えを行ったわけです。

このとき、マイホームAの売却で譲渡損失が出たら、Aさんが会社員であれば給与所得から、Aさんが自営業者であれば事業所得から、譲渡損失の金額を控除してもらえます。

これを「損益通算」といいます。

しかも1回の「損益通算」だけでは「譲渡損失の控除額が余ってしまった」場合、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除してもらえます。

3回繰り越せるので、「譲渡損失」による控除は合計4回使えることになります。
譲渡損失の控除を繰り越すことを「繰越控除」といいます。

源泉徴収された所得税が丸々戻ってくることもある

更に、1度源泉徴収された所得税が返ってくることもあります。
会社員の方は給与から事前に所得税が差し引かれていることはご存じでしょう、つまり税金の還付を受けられる可能性についてです。

早速シミュレーションしてみましょう。

会社員Aさんの2017、2018、2019、2020年の各年の給与所得は500万円で、会社から給与所得税を毎年11万円源泉徴収されています。

Aさんは2008年にマンションAを1億円で購入し、それを2017年3月に売却しました。このとき譲渡損失が2,000万円出てしまいました。

そしてAさんは新たにマンションBを購入しました。これで買い替えが成立しました。

この場合に損益通算と繰越控除を使うことができ、毎年の給与所得500万円にかかる所得税が、実質ゼロ円になるのです。

2017年分のAさん損益通算と給与所得税

・給与所得500万円-譲渡損失2,000万円控除=-1,500万円(翌年に繰り越す譲渡損失)

※2017年は会社の源泉徴収で徴収された11万円が全額還付されます(戻ってきます)。

2018年分のAさん損益通算と給与所得税

・給与所得500万円-譲渡損失1,500万円控除=-1,000万円(翌年に繰り越す譲渡損失)

※2018年は会社の源泉徴収で徴収された11万円が全額還付されます(戻ってきます)。

2019年分のAさん損益通算と給与所得税

・給与所得500万円-譲渡損失1,000万円控除=-500万円(翌年に繰り越す譲渡損失)

※2019年は会社の源泉徴収で徴収された11万円が全額還付されます(戻ってきます)。

2020年分のAさん損益通算と給与所得税

・給与所得500万円-譲渡損失500万円控除=0万円(翌年に繰り越す譲渡損失)

※2020年は会社の源泉徴収で徴収された11万円が全額還付されます(戻ってきます)。

Aさんは2017年~2020年にかけて、給与所得分の所得税をまったく支払わずに済むのです。
ちなみに2017年分の損益通算は翌年の2018年2~3月に確定申告のときに行い、2017年分の所得税の還付も2018年内となります。

また繰越控除は「譲渡の年の翌年以後3年内」なので、2020年の時点で「翌年に繰り越す譲渡損失」が余っていても、2021年には使えません。

損益通算と繰越控除が使える条件

さて、このように非常にお得な「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」ですが、特例を利用するにはやはり条件が存在していますので、こちらにご紹介いたします。

  1. 自分が住んでいるマイホーム譲渡(売却)すること
  2. 以前住んでいたマイホームは、住まなくなった日から3年目の12月31日までに譲渡すること
  3. 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えていること
  4. 買い替え時期:譲渡の年の前年の1月1日から譲渡の年の翌年の12月31日までの間に、住宅の床面積が50㎡以上のマイホームを取得すること
  5. 新しいマイホームを取得した年の翌年の12月31日までに住むこと
  6. 新しいマイホームについて返済期間10年以上の住宅ローンがあること

以上の6条件をすべてクリアしなければなりません。

また、住まなくなったマイホームを取り壊した場合でも、マイホームの買い替えをするのであれば、以下の3項目をクリアすれば譲渡損失の損益通算と繰越控除を使うことができます。

  1. その土地の所有期間が、マイホームを取り壊した日が属する年の1月1日において5年を超えていること
  2. その土地の譲渡契約が、マイホームを取り壊した日から1年以内に結ばれ、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること
  3. マイホームを取り壊してから譲渡契約を結んだ日まで、その土地を貸し駐車場などに利用していないこと

損益通算と繰越控除が使えないケース

先ほど紹介した6条件をクリアしていても、次の項目に当てはまってしまう人は、損益通算や繰越控除が使えません。

繰越控除が使えなくなるケース(損益通算は利用可能)

売却したマイホームの敷地面積が500㎡を超える場合は、500㎡を超える部分の譲渡損失の金額は繰越控除できません。

また、繰越控除を使う年の12月31日までに、新しいマイホームについて返済期間10年以上のローンを組んでいない場合も、繰越控除の対象外となってしまいます。

さらに給与所得と事業所得と譲渡所得の合計所得金額が3,000万円を超えた年は、繰越控除が使えません。

※別の年に3,000万円以下になれば繰越控除を使えます。
損益通算と繰越控除の両方が使えなくなるケース

マイホームを親子や夫婦などに売却したときは、そもそも対象外となります。
また、マイホームを売却した年の前年と前々年にマイホーム関連の特例を使っていた場合も、損益計算、繰越控除ともに使えません。

損益通算を受けるために必要な書類

損益通算の手続きは確定申告のタイミングで行い、そのとき必要になる書類は次の通りです。

  • 「住宅用財産の譲渡損失の金額の計算書(確定申告書付表)」
    (住宅用財産とは、売却したマイホームのことです)
  • 「住宅用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書」
  • 売却したマイホームに関する書類
    (売ったマイホームにかつて自分が住んでいたことを証明するもの、登記事項証明や売買契約書など5年超所有していたことを証明するもの)
  • 買い替えた新しいマイホームに関する書類
    (登記事項証明書など新しいマイホームの床面積が分かるもの、年末における住宅借入金の残高証明書、確定申告時に新しいマイホームに住んでいない場合は、入居予定日を記載したもの)

計算書が2種類ありますが、税務署職員の指示に従って金額を記入するだけなので難しくはありません。

以上は損益通算をするときに必要な書類ですが、翌年以降に繰越控除をする場合は、「損失申告用の確定申告書」「受託借入金の残高証明書」を添付する必要があります。

マイホームを買い換えたときに「所得税の先延ばし」ができる

マイホームを売って新しいマイホームを買う「マイホームの買い換え」では、もうひとつ別の特例があります。

「特定の居住用財産(マイホーム)の買い換えの特例」といい、これは税金を先延ばしにできる仕組みであって、税金が安くなるわけではありません。

所得税の支払いを先延ばししてくれる制度

税金を先延ばしすることを「課税繰り延べ」といいます。
早速シミュレーションをしてみましょう。

話をシンプルにするため、住宅の減価償却や譲渡費用を考慮しないでおきます。

1.最初のマイホームを1,000万円で購入しました。

2.買い換え目的でそのマイホームを売却したところ、5,000万円で売れました。

所得税の通常のルールでは、売却価格の5,000万円から購入価格の1,000万を引いた4,000万円の譲渡所得に税率をかけた所得税を支払わなければならないのですが、このとき「特定マイホーム買い換え特例」を使うと、所得税の支払いを先延ばし(繰り延べ)することができます。

3.次のマイホームを7,000万円で購入しました。これで買い換えが成立しました。

4.更にそのマイホームを8,000万円で売りました。

7,000万円で買って8,000万円で売れたので売却による譲渡所得は1,000万円ですが、このときの所得税の額は、この1,000万円に先延ばしした譲渡所得4,000万円を加えた、5,000万円に税率をかけて算出します。

課税繰り延べの特例が使える条件

マイホームを買い換えたときの「課税繰り延べ特例」を受けるための条件は次の通りです。

  1. 自分が住んでいるマイホームを売るか、マイホームとその土地を売る(売却するときに住んでいなくても、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ればよい)
  2. 売った年の前年と前々年に、マイホームを譲渡した場合の「3,000万円控除」や「軽減税率」などの特例を使っていない
  3. 売ったマイホームについて、そのほかの特例を使っていない
  4. 売却代金が1億円以下である
  5. 売ったマイホームに10年以上住み、かつ、売った年の1月1日時点で保有期間が10年を超える
  6. 買い換えるマイホームの床面積が50㎡以上あり、且つ、買い換える土地の面積は500㎡以下である
  7. マイホームを売った年の前年から、マイホームを売った年の翌年までの3年間に次のマイホームを買い換える
  8. 買い換えるマイホームが耐火建築物の中古住宅の場合、取得の日以前25年以内に建築されたものである(耐火建築物以外の中古住宅には建築年数の制限はない)
  9. 親子や夫婦などに売却していない

以上の9の条件にすべて当てはまらないと「課税繰り延べ特例」を使うことはできません。

なお、住んでいたマイホームを取り壊して土地だけを売却するときも、次の条件に当てはまれば「課税繰り延べ特例」を使うことができます。

  • その土地の所有期間が、マイホームを取り壊した日の属する年の1月1日時点で10年を超えている
  • その土地の譲渡契約が、マイホームを取り壊した日から1年以内に結ばれ、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売る
  • マイホームを取り壊してから譲渡契約を結ぶまで、その土地を貸し駐車場などに利用していない

課税繰り延べ特例を受けるために必要な書類

マイホーム買い換えの課税繰り延べ特例を受けるには、確定申告のときに次の書類を用意する必要があります。

  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
  • 売ったマイホームに関する書類(自分が10年以上住んでいたことを証明する書類など)
  • 売ったマイホームの登記事項証明書
  • 買い換えたマイホームの登記事項証明書や売買契約書の写し(マイホームの床面積が分かるもの、売却代金が1億円以下であることが分かるもの)
  • 買い換えたマイホームが耐火建築物の場合、取得の日以前25年以内に建築されたことが分かる書類

不動産を特殊な事情で売ったときに利用できる4つの控除

空き家やマイホームに限らず、不動産を売るときに「特殊な事情」が発生すると、控除が受けられることがあります。

ここでいう「特殊な事情」とは、国などの行政の都合であったり、世界経済を大きく揺るがす事象を起きた場合などのことです。
不動産を売却した人の個人的な事情は対象となりません、文字通り特殊なケースのみに適用が許される税控除のシステムです。

公共事業のために不動産を売却すると5,000万円所得控除

公共事業の用地のために住宅や土地を売った場合、所得税の計算をするときに5,000万円が控除されます。

また公共事業の用地のための売却では、控除以外にも、住宅や土地を売ったお金で別の住宅や土地を買った場合、「その売却をなかったことにしてくれる」特例もあります。当然、所得税が発生しません。

この「5,000万円控除」または「売却がなかったことになる特例」はどちらか一方を使うことができます。

それぞれの条件は以下の通りです。

  • 「5,000万円控除」を受けるには、売った住宅や土地が「固定資産である」必要があります(ちなみに「固定資産ではない」とは、不動産会社が売買目的で保有している不動産のことです)。
  • 公共事業の事業者から住宅や土地の買い取り要請を受けてから、6カ月以内に売却しなければなりません。
  • 「売却がなかったことになる特例」も、売った住宅と土地が固定資産税でなければなりません。
  • 住宅を売ったら住宅を買う、土地を売ったら土地を買うといったように、同じ種類の不動産を買い換える必要があります。
  • 買い換えは、住宅や土地を売ってから2年以内に実施しなければなりません。

出典

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁
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特定土地区画整理のために売却すると2,000万円控除

前の章で見た「公共事業のための売却」と似ているのですが、こちらは「特定土地区画整理」のために住宅と土地を売った場合、2,000万円の控除が受けられます。

特定土地区画整理とは、国や独立行政法人都市再生機構などが行う事業です。

出典

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特定住宅地造成のために売却すると1,500万円控除

特定住宅造成とは、都道府県や市区町村、独立行政法人中小企業基盤整備機構、独立行政法人都市再生機構などが、住宅をつくったり宅地を造成したりする事業のことです。

特定住宅造成のために住宅や土地の買い取りを要請され、住宅や土地を売った場合、1,500万円の控除が受けられます。

出典

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2009、2010年(平成21年、22年)に買った土地を売却すると1,000万円控除

2009年と2010年に土地を取得し、その後に売却した場合、1,000万円の控除が受けられます。売却時期は、2009年に土地を買った人は2015年以降、2010年に買った人は2016年以降でなければなりません。

2008年に世界経済を揺るがすリーマンショックが発生し、日本の不動産業界も大きな影響を受けました。そこで政府がこの1,000万円の特別控除を実施し、土地の流動性を高めようとしたのです。

ただし以下の場合は適用外となります。

  • 親子や親族、特殊な関係にある法人などから取得した土地
  • 相続や贈与で取得した土地
  • 収用等の場合の特別控除、事業用資産買換え課税の繰り延べに適用している場合は、同時に税控除をすることはできません

出典

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

農地合理化のために売却すると1,500万円控除

最後に紹介する控除は、農地の売却に関するものです。

政府は農業の担い手を支援するため、農地保有の合理化を進めています。規模縮小を考えている農家が、規模拡大を考えている農業者に農地を売りやすくするために、農地を売却したときの所得税の計算で最大1,500万円の控除を行います。

「農地中間管理機構」または「農地利用集積円滑化団体」という組織に農地を売却した場合は、1,500万円の控除が受けられます。
市町村長などと協議して農地を売った場合の控除額は800万となっています。

引用:農林水産省資料(http://www.maff.go.jp/j/aid/zeisei/nou/pdf/260401_01.pdf)

引用:農林水産省資料(http://www.maff.go.jp/j/aid/zeisei/nou/pdf/260401_01.pdf)

まとめ:譲渡所得税控除の知識を深めて、大きく節税をすることは不動産売却の第一歩

譲渡所得に関する控除は様々な種類があるうえ、それぞれに細かく適用条件が決められているので、非常に複雑に見えます。

しかし税務署の職員は親切ですので、質問をすれば何でも答えてくれますので、積極的にわからないことは質問をして、節税に努めるべきでしょう。

ただし、税務署職員が、あなたが空き家不動産を売却したことを聞きつけて自主的にアドバイスしてくれるわけではありません。
あくまで、あなた自身が「確かこのような不動産売却では、お得な控除があったはず」ということは知っておかなければなりませんし、その基礎知識に基づいて、税務署員を自主的に質問攻めにしながら上手く活用すべきなのです。

そのために今回の記事がお役にたてれば幸甚です。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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