空き家再生のためのリビングリフォーム、修理のポイント




はじめに

リビングは、家族にとってコミュニケーションの場となる大切な場所です。リビングの居心地次第で、家族同士のコミュニケーションが左右されます。

近年のリビングルームは、ダイニング、キッチンと一続きになったLDKが主流になりましたが、以前は食事のためのダイニング、調理のためのキッチンとは別の空間でした。

そうした古い家のリビングリフォームでは、ダイニングやキッチンと一体にする間取り変更を伴う大がかりな工事になる事も少なくありません。

リビングは家族全員が集う暮らしの中心になる場所なので、住まいの中で占める面積の割合も大きくなります。それだけに注意すべきポイントもたくさんあります。

リビングのリフォームにはどんなものがあるのか、リビングリフォームを成功させるポイントは何なのかなど、リビングリフォームを計画する上で知っておきたいポイントをご紹介したいと思います。

リビングリフォームの目的

リビングをリフォームする目的は様々だと思います。

でも、快適性を高めたい、使い勝手を良くしたい、広くしたい、収納を増やしたい、老朽化した内装を一新したいなど、現状の何らかの不満を解消するためにリフォームを検討しているのは、共通している点だと思います。

家族全員にとって居心地の良い、快適な空間にするためにリフォームするのはどんな人でも同じです。

そのために大切なのは、現状の何が不満なのか、家族にとってリビングルームはどのような存在なのかを良く検討しながら、不満を解消し、リビングと他の部屋とのつながりや動線を考えることです。

これを怠ってリビングルームだけいくら綺麗にリフォームしても、家族全員が集う団欒の場にはなりません。

ここが一番のポイントでしょう。

尚、リビングルームの不満で多いのは

  • 狭い
  • 暗い
  • 寒い
  • 収納が少なくてものが溢れている
  • 内装が古い
  • コンセントが少ない
  • インターネットが使えない

などです。

また、リビングで何をしたいのかを明確にしておくことも大切です。

これによって必要な部屋の大きさや、必要な収納、設備、家具の種類やレイアウトなどがより具体的になります。

広さの改善

リビングルームに解放感を求めるのなら、最低15帖(約25㎡)は必要だといわれています。またLDKをワンルームとして利用するなら、24帖(約40㎡)が目安です。

狭いリビングルームをリフォームで改善するためには、隣接するダイニングやキッチン、和室などの個室とリビングを一体化させて広さを確保する手法があります。

工事は多少大がかりになりますが、非常に有効な方法です。
ただし、工事には間仕切り壁や柱の撤去を伴うことが多いので、構造上の検討が必要です。適切な補強工事を行うことができる施工会社に依頼する必要があります。

またそこまで大がかりな工事を行わなくても、壁一面に天井迄の壁面収納を新設して置き家具をなくしたり、家具のレイアウトを変更するだけでも部屋が広くなることもあります。

ソファーでくつろぐ事が少ないのなら、ソファーをなくしてしまって、床にクッションを置いて床上でくつろぐ様にするのも一つの方法です。

壁際やコーナーを有効活用するなど、空間を上手に利用して工夫することも重要です。

暗さの改善

リビングを明るくするには、窓を増やすのが最も手っ取り早い方法なのですが、木造住宅の場合は、壁を減らして窓を増やすと耐震性が低くなる可能性があります。

そこで効果的なのが、既存の窓の高さを高くする方法です。

現在ある掃き出し窓(人が出入りできる高さ1.8m位の窓)を天井いっぱい迄の高さにしたり、既存の窓の上に明かり窓を新設すると効果があります。

窓が高い位置にあると、部屋の奥の方まで日差しが届くようになるので、部屋全体が明るくなるためです。

また状況によっては、トップライト(天窓)を設置する方法もあります。尚、サッシ交換を行う際には、複層ガラスにしておくことを忘れずに。

サッシ交換や新設を行わない場合でも内装材を白くしたり、全体の色を明るい色に統一するだけでも視覚的効果があります。

寒さの改善

通常リビングルームは、家の中でも最も日当たりが良い場所にあるのですが、築年数が古くなるほど断熱施工に不備が増える傾向があるので、寒い家が多くなります。

またサッシの気密性も低く、ガラスも単板ガラスなので、冬の寒さは避けられません。全体的に大がかりなリフォームを計画しているのであれば、断熱改修工事も行っておきましょう。

既存の壁の上から施工する商品や工法もあるので、他の工事内容に合わせてベストな方法を、リフォーム会社から提案してもらう様にすると良いでしょう。

窓の断熱改修は、内窓の取り付けが比較的簡単に行うことができます。窓の気密性を良くするだけでも、効果は高いです。

内装リフォームをお考えなら、同時に床暖房にする方法もあります。床上に寝転んで過ごすことが多い場合には、重宝します。

電気式と温水式がありますが、電気式ならそんなに大がかりな工事は必要ありません。
床暖房にすると足元から輻射熱で部屋全体を温めるので快適です。

収納の改善

リビングルームは、元々収納スペースが不足していることが多く、収納の確保を目的にリフォームを考えている方は多いと思います。

リビングがモノであふれていると、ゆっくりくつろげる空間にならないばかりか、来客があった場合にも印象が悪くなってしまいます。

またリビングは、映像・音響などのAV機器やパソコン、Wi-Fiモデムなどの配線もあって煩雑になりやすい場所です。

そんな場合に天井までの壁面収納を設置すれば、大量の荷物を収納することができ、テレビやAV機器なども組み込むことが可能になります。

「広さの改善」の項でも触れましたが、収納するものにあわせて壁面収納を作れば、デッドスペースをなくして効率よく収納することができるので、限られた面積でも家具を置かずにスッキリとまとまります。

リビングルーム全体のバランスを考えて色も統一すれば、デザイン的にも美しく、視覚的にも広く感じます。

さらに、収納するものによっては「見せる収納」にすることも可能なので、コレクションや趣味の品を飾ってギャラリーの様な空間にすることも可能です。

収納を考える上では、「どこに何を収納するのか」を良く検討した上で、それが「本当に必要なものなのかどうか」を考え、不要なものはリフォームを機会に思い切って処分することも必要です。

内装の改善

部屋の印象は内装によってガラリと変わります。同じ広さの部屋でも、使われている壁材や床材の色や材質、デザインなどによって部屋の広さが違って見えます。

また、壁紙やフローリングにも流行があります。
一昔前の内装のままだと、たとえ綺麗でも古臭く感じます。

ましてや古くなってはがれかけた壁紙や、汚れたカーペットでは、精神的にもゆったりとくつろぐ事はできません。

リビングを居心地の良い空間にしたいのなら、まずは内装の更新から検討しましょう。

内装をリフォームする上で大切なことは、部屋全体のカラーコーディネートです。
いくら高価な素材を選んでも、統一感がなければ落ち着かないチャランポランな部屋になってしまいます。

最も無難なのは、色数は少なめにして同系色でまとめること

ただしすべてのものが同系色だと、単調でつまらない部屋になってしまうので、カーテンやラグ、クッションなどの小物でアクセントをつけるのが素人でも失敗しないコツです。

尚、床~壁~天井と上になるほど薄い色にした方が安定するため、落ち着いた部屋になります。

また床のリフォームでは、段差解消などのバリアーフリー工事を同時におこなうケースもあります。現在、親と同居している家庭なら、将来の介護のことも検討しておいた方が良いでしょう。

それでは、床、壁、天井の部位ごとに素材選びのポイントを見ていきましょう。

1.床材

フローリング

今時のリビングルームの床材でもっとも人気が高いのは、フローリングです。

20年以上前の住宅で主流だったカーペットは、ほこりがたまりやすく、ダニの温床になりやすいため、リフォームでフローリングに変更する方が圧倒的多数です。

フローリングにも様々な種類がありますが、大きく分けると天然の無垢材のみを使った「単層無垢フローリング」「複合(複層)フローリング」があります。

単層無垢フローリングは原木からそのままフローリング用に切り出したもので、肌触りが良く、天然木がもつ表情や特徴を活かすことができます。

きちんと手入れをすることで、質感や色味などの風合いが変化し、趣豊かな経年劣化を楽しむことができるのが人気です。

しかし、天然木の特性がそのまま現れるので、温度や湿度の影響を受けます。

乾燥収縮のため継ぎ目に隙間ができたり、節や色味など素材のばらつきや反りなどがあるので、それを受け入れられない方には不向きです。

また、床暖房に適さないものもあるので注意が必要です。

複合フローリングは、基材の表面に化粧材を張り合わせたもので、工業製品です。工業製品なので品質にバラツキが少なく、安定しています。化粧材には無垢の単板や化粧シートなどが使用されます。

素材や色、価格、用途(高齢者向け、水回り用、ペット用、床暖房用、マンション用など)のバリエーションが豊富です。

フローリングのリフォームには、既存の床材を撤去して張り替える方法と、既存の床材の上に重ねて施工する方法があるので、状況によって使い分けます。

カーペット

断熱性が高く、冬場でも寒さを感じずに床に寝転んでも温かな肌触りを感じる、吸音性や吸湿性が高くソフトで歩きやすい、フローリングと比べてはるかに色・柄が豊富、などの理由から、いまだに一部の方には根強い人気があります。

フローリングと比較して張り替えが容易なのもメリットです。

また、他の硬い床材とは異なり、万が一転倒しても大けがを負うリスクが低いので、高齢者や小さな子供のいる家庭には向いています。

下階への防音のためにフローリングへのリフォームが禁止されているマンションでは、カーペットのリフォームも少なくありません。

従来欠点だったダニや汚れ、夏の不快感などにも対応した、防ダニ加工や防汚加工されたものや、夏も快適なウール100%のカーペットも生産されています。

ただし、素材によって大きく価格が異なるので要注意です。

その他の床材

粒状のコルク樫の樹皮を30cm角程度のタイルもしくはフローリングに加工したコルクタイルは、適度な弾力性があり、耐久性、吸音性、断熱性にも優れているので、個人的にはおススメの床材です。

ビニール床タイルやクッションフロアなどは掃除がラクで比較的安価な床材です。

耐水性があり、色やデザインが豊富で施工性も良いのですが、高級感に欠けるので、リビングにはあまりお奨めできません。

タイルや石(大理石など)は耐水性、耐久性に優れ、高級感を演出するには良い素材ですが、冬場は冷たいので対策が必要です。

ペットや観葉植物用コーナーに部分的に使用するなど、工夫すれば空間に変化をつけることができます。

その他では、リビングルームの一部を畳敷きにする方法などもリフォームでは時々行われている手法です。

2.壁・天井材

ビニールクロス

壁・天井の仕上げ材には、ビニールクロスが最も多く使われています。

壁紙には、布・紙・ビニールなどの種類がありますが、現在では色柄が豊富で安価なビニール製壁紙が一般的です。

近年では防火だけでなく、抗菌・消臭効果や調湿機能、防汚機能などがついた機能壁紙も多く、用途に応じた使い分けができるようになりました。

リビングルームにはこのような機能壁紙は好都合です。

下地をやり替えずにビニールクロスだけを貼り替える場合には、薄くて凹凸のないクロスを選ぶと下地の不陸が目立ちやすいので、リフォームに適した壁紙を選ぶようにしてください。(メーカーによってはリフォーム用クロス専用の見本帳があります)

できるだけ厚手の壁紙を選んだ方が下地の影響を受けにくく、仕上がりがきれいです。

またビニールクロスの色や柄を選ぶ際には、見本帳の小さなサンプルから選ぶのはやめましょう。見本帳から気に入ったものをいくつかピックアップしたら、施工会社に伝えて尺角サンプル(30cm×30cm程度のサンプル)を取り寄せてもらい、それを見て決める様にしてください。

小さなサンプルでは、全体像がよくわかりません。

塗り壁

近年では消臭・調湿性に優れた自然素材や健康建材が注目される様になりました。その代表的なものが、昔ながらの「しっくい」「珪藻土」などの塗り壁です。

リビングルームは、多人数が長時間過ごす空間なので、室内環境を良い状態に保つことは重要になります。

「しっくい」は消石灰に砂と糊とスサなどを混ぜて水で練ったもので、調湿性・断熱性・防火性などに優れています。

日本古来の壁材料のひとつですが、和風の部屋だけでなく、洋室にもあわせることができます。

「珪藻土」は、植物性プランクトンが化石化した自然素材で、昔から七輪などの材料に使われ、吸放湿性や耐熱性、保温性などが高い塗り壁材です。

DIY向けの建材としても販売されていますが、中には珪藻土を数パーセントしか含まない粗悪品が流通しているので、注意が必要です。

色のバリエーションも豊富なので、和洋問わずにリビングルームにも採用できます。

その他の壁材

リビングの壁や天井を塗装にしたり、板張りにするのも、他の家と違った部屋にしたい方には好まれています。

また、壁の1面のみを調湿機能や空気清浄力の高いタイル状の建材にしたり、腰壁のみを板張りにするなど、部屋のアクセントにする方法もあります。

コンセント・スイッチとインターネット配線

壁のリフォームをおこなうなら、同時にコンセント・スイッチの数や位置、インターネット配線なども見直して、必要なら増設や移動を行っておきましょう。

現代の住宅では、数十年前の住宅と比較して家電や電化製品が増えているので、コンセントが不足しているのが普通です。

エアコンやAV機器、パソコン、携帯端末の充電用など、リフォーム後の家具の配置や家族の使い勝手を考えて、必要な場所に必要な数を用意しましょう。

また床のリフォームをおこなうなら、フロアコンセントを設置しておくと何かと便利です。

その他の改善

照明器具の耐用年数は10年程度が目安です。リビングの内装リフォームを行うなら、照明器具も交換しておきたいものです。

照明器具を変えるだけでも、部屋の雰囲気は大きく変わります。
また壁紙に接するエアコンも、交換時期が迫っている様なら交換を検討しましょう。

照明は部屋を明るくするだけでなく、時には間接照明にしたり、演出効果の高い照明に切り替えられる様にしておくと、リラックスできる落ち着いた空間にすることも可能になります。

また長寿命で明るいLED照明への交換は、省エネ・電気代の節約にもつながります。

その他では、カーテンやカーテンレールの交換も、リビングルームの雰囲気を変えるのに効果的です。カーテンの色合いひとつで印象が大きく変わるので、意外と重要なポイントになります。

ここでも大切なのは、部屋全体のカラーコーディネートです。

リビングリフォーム予算に関する注意点

リビングルームなど居室のリフォームを住みながら行う場合には、新築工事や入居前の工事と比べて作業効率が低下します。工期や費用も新築工事と比べて、割増しになるのは仕方のないことです。

また、水回りと比べて傷みやすい場所ではないのですが、築年数が古くなると工事中に構造躯体の腐食やシロアリ被害など、予期せぬ事態に遭遇する可能性はゼロではありません。

予算には多少余裕をみておく必要があるのは、他のリフォームと同じです。リビングのリフォームは工事範囲が広くなるので、大規模になりがちです。

また、間取り変更や水回り(主にキッチン)位置の変更を伴うことも多いので、たとえ500万円未満の工事でも、建設業許可を取得しているリフォーム業者に依頼した方が安心です。

ホームページなどで建設業許可番号が記載されているかどうかを確認しましょう。

まとめ

リビングルームの歴史は日本ではまだ浅く、第二次大戦後のアメリカ文化の急速な普及とともに広まったといわれています。

和室中心だった日本の住宅に、洋式の生活スタイルをとりいれようとしたのが始まりです。

一方、一昔前の家には応接室があり、来客があると応接室に招くのが普通でした。現在の新築住宅では応接室はほとんどなくなり、家族が集まる場所であるリビングルームが応接室も兼用するようになりました。

この様な背景から、リビングルームの役割も少しずつ変わってきていて、現在では多目的に使われることが多くなっています。

ここ数年ではLDKを仕切らず大きなワンルームにしてフレキシブルに利用する傾向が強く、リフォームでもその様な空間作りが増えています。

「家族がリビングにいる時間が長いほど円満な家庭」というイメージがある様に、リビングが家族全員にとって快適な空間であるかどうかは、住まいづくりの上で最重要事項だと思います。

また、リビングでの暮らし方も家庭によって様々です。

ソファーの上で過ごす事が多い家庭や、ソファーなしで床の上でくつろぐ事が多い家庭、ダイニングテーブルを囲むことが多い家庭など、それぞれの暮らしぶりに合わせた空間をリフォームで実現することが大切です。

家族みんなが集うリビング。
リフォームで居心地の良いリビングを手に入れましょう。

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益子公博

益子公博

住宅会社で20年以上リフォーム事業の責任者経験があり、リフォーム業界、住宅建築業界の裏事情やリフォーム現場には精通。ホームインスペクション(住宅診断)の専門会社を経営、住宅診断、欠陥住宅相談、リフォーム会社への社員研修など実施しています。
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