空き家は「家屋付き」と「更地」どちらが高く売れる?




「家屋付き」と「更地」ではどちらの方が有利?

かなり築年数の経過した建物が建っている土地を売却したいと考えているが、建物が建っている状態で売却した方が良いのか、それとも更地にして売却した方が良いのかわかりませんよね。

建物は新築から20年経過するとその資産価値が新築当時の1割程度になるといわれております。

この二つの選択肢で悩む売主は多いことでしょう。

今回は「家屋付き」と「更地」それぞれのメリットとデメリットを挙げてみましょう。

「家屋付き」のメリット

建物の解体費用が掛からない

家屋付きで土地を売却する場合、建物の解体費用が掛からないことが最大のメリットです。
建物を解体する費用は、坪単価3万円~が相場となっております。

30坪の土地なら90万円の解体費用が掛かります。

土地を売却する前に大きな金額を負担しなくてはなりませんので、家屋付きで売却する場合、この費用が掛かりません。

不用品の処分をしなくてもよい

最近では解体前に建物の所有者がある程度不用品の分別をして、必要なものと不必要なものに分けておくといったケースもあります。

所有者が高齢の方だった場合、身体的にも大きな負担となりますが、家屋付きで売却する場合は整理する必要ありません。

税金の軽減措置が受けられる

ある程度築年数の経過した建物は資産価値が低く、『固定資産税』や『都市計画税』の軽減措置が受けられるので、もし早期で売却できなかった場合でも所有者の金銭的負担が軽くて済みます。

「家屋付き」のデメリット

建物の瑕疵についてのトラブルが発生する可能性がある

瑕疵とは欠陥の事で、売却した建物を売却した場合、売主には瑕疵担保責任が課されて、建物に何らかの瑕疵があった場合には売主が責任を負わなければいけないという事です。

しかし、築年数の経過している建物を購入するため、初めから何らかの不具合がある事は想像できるため、買主との話し合いで瑕疵担保責任を免除してもらう契約をすることが可能です。

土地のみの購入の買主には目に留まらない

土地のみの購入を検討している買主には、土地上に建物が建っていた場合、検索から外されてしまいます。

また解体するにも費用が掛かることから、建物を建築しようと検討している買主には当てはまりません。

その為、同条件の土地に比べてなかなか売れないという事になってしまいます。

見た目があまりよくない

ある程度築年数の経過している建物は見た目が、あまり良くない印象を持たれてしまいます。

特に周りに新築がたくさん建ち並んでいるような場所では、その見た目の差は顕著に現れてしまいます。

「更地」のメリット

施工期間を短くできる

更地にして売るメリットは、建物の建築を検討している買主にとっては解体する時間が省かれてすぐにでも建築できるという事です。

また、建物の解体費用も負担することがないので、比較的購入しやすい物件として見られる事が大きなメリットです。

瑕疵担保責任を負うことはない

家屋付きのデメリットでも触れましたが、瑕疵担保責任は建物について課せられるので、建物がなければそもそも瑕疵担保責任を負う必要がありません。

「更地」のデメリット

固定資産税が高くなってしまう

更地にする最大のデメリットは、土地の固定資産税が約3~4倍になってしまうことです。
もし売れるまでに結構時間がかかった場合には固定資産税の負担が増えてしまいます。

建物の解体費用がかかる

建物の販売価格の解体費用を加算するとしても、先に建物の解体費用が必要になります、

また、建物を解体すれば建物滅失登記をする必要があり、自分でする場合は費用は必要ありませんが、司法書士などに依頼して登記をしてもらうには報酬を支払う必要があります

近隣住民に挨拶をして回らなければならない

建物の解体の工事をする場合、騒音などについて近隣住民にあいさつ回りをしておく必要があります。

メリットとデメリットを良く理解することが重要

不動産を売却する場合、メリットとデメリットが必ず存在します。

解体費用などの負担を最小限に抑えたいのであれば「家屋付き」、できるだけトラブルを避けたいというのなら「更地」にして売却することがおすすめです。

せっかく苦労して手に入れた不動産を手放すのですから、できるだけ高く売却したい、良い取引だったといいたい、など様々な理由があります。

しかし、不動産に詳しくない売主に正しい判断ができる人はどれぐらいいるでしょうか?

客観的な視点から見るためにも、仲介業者でもある不動産会社に相談してみるのも一つの手です。

家屋付きと更地で不動産を売るときの違い

不動産を売却する場合、土地だけで売却する場合と家屋付きで売却する場合がありますが、購入者によって家屋付きが良いのか、土地のみが良いのかわかりません。

家屋にはどれぐらいの価値がある?

建物付きの土地を購入する人は、建物にまだ価値が残っていると思っている人です。
例えば築10年ほどの家なら、まだまだ人が住めるため、そういう家を探している人も多いです。

しかし、築20年以上が経過していると、大幅なリフォームをしなければ住むことができない場合、建物を解体する必要があります。

この場合、建物の価値が低いため、解体費用がかかることから、更地にして売却する方が良いと考える人もいます。

更地にすると価値は上がる?

家屋付きの土地を購入するよりも、更地になっている土地を購入した方が良いと考える人も多いですが、では更地にした場合、家屋付きよりもどれぐらい価値が上がるものなのでしょうか。

もちろん家屋の大きさや、土地の広さ、土地の立地条件などによって更地にした場合の金額が変わってきます。

例えば築30年以上経過しているような建物の場合、解体しない事には土地自体に利用価値がありません。

しかし、建物を解体することによって土地自体の価値はグンと上がります。

値上がりの幅はそれぞれ異なりますが、50万円~100万円以上の値段が上がることもあるでしょう。

解体費用を差し引いたとしても建物がある状態で売却する場合よりも、高く売れる場合がありますので、不動産会社とよく相談しましょう。

更地にする際の費用は?

現在建物付きの土地を更地にして売却するかどうかを迷っているなら、更地にするための費用を調べてみましょう。

一般的に建物を取り壊す費用は、坪単価で表され以下のような相場になっております。

  • 木造住宅・・・・・・・・2万円から3万円
  • 鉄骨造り・・・・・・・・3万円から4万円
  • 鉄筋コンクリート・・・・4万円から5万円

30坪の木造住宅と鉄骨造りの住宅を解体する場合の費用の差は

  • 木造住宅 30坪×3万円=90万円
  • 鉄骨住宅 30坪×4万円=120万円

となります。

このように建物の解体には、住宅の構造によって異なるためまずは構造を調べておきましょう。

また、母屋と離れがあるような土地の場合、または庭に別棟の小屋などがある場合追加料金を請求されることもありますので、複数社の解体業者に見積もりを出してもらい決めていくと良いでしょう。

土地を整備して更地にする

土地の価値を上げるためには、建物を取壊すことも必要ですが、整地もしなければなりません。

整地は解体業者がしてくれることは少なく、別の業者に依頼することになります。

土地の広さのほかにも、盛り土をしなければならない場合や、反対に土を削ってきり度にしたりしなければならないので、費用は様々です。

簡単な整地なら10万円程度で済む場合もありますが、大きなクレーンなどを使って土を運搬しなければならないような場合だと、100万円以上かかる場合があります。

もちろん解体したままの土地より、整地されている土地の方が売れやすいので、不動産業者と相談して整地するかどうかを決めていきましょう。

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更地にするメリットとは?

建物付きの土地を更地にして売却するには様々なメリットがあります。

これまでにも色々メリットを紹介してきましたが、改めてメリットの確認をしてから更地にすることをお勧めします。

家の建築を検討している人が更地を探している

不動産物件を探している人の中には、建物付きで契約後すぐにでも住める物件を探している人もいますが、初めから土地を購入して新築住宅を建築しようと検討している人もいます。

もし、新築の建築を考えている人が建物付きの物件を目にしたとき、まずは解体費用の事を考えるでしょう。

そうなると、同じような条件であれば土地のみを売却している方に分があります。

また、家の建築を検討している人はインターネットの物件情報サイトなどの検索条件から外されてしまいます。

家屋付きの土地を探している人より、更地で家の建築を検討している人の方が圧倒的に多いのです。

売買価格が上がる

更地にする一番の理由は価値が上がるという事です。
売主にとっては少しでもたかく買ってもらいたいというのが本音です。

今現在解体しなければならない建物が付いている場合、不動産業者から更地にしてからの売却を提案されることがあります。

上記でも説明しましたが、土地の状態などにもよって価値が数百万円も上がることがあります。そうなれば、解体費用も捻出できるので、更地にした方がお得という事にもなります。

ほとんどの場合、更地の方が高く取引されるため業者に確認してから決めていきましょう。

土地の管理がしやすくなる

建物がある状態と更地の状態では、管理のしやすさが更地の方が良いです。

建物がまだ残っている状態だと、万が一強風などで窓ガラスが割れた等の被害があった場合、修繕しなければなりませんが土地のみの場合こうした心配はありません。

土地のみにした場合、こうした空き家のメンテナンス費用が掛からないので売主の負担が少なくて済みます。

更地にした方が売りやすい理由

家屋付きの土地より更地の方が売れやすくなるのは一体なぜでしょうか?
更地の方が売れやすい理由を考えてみましょう。

購入してすぐに土地が使える

土地を購入して家を建てたいと検討している人は、できるだけ早く使える土地を欲しいと考えています。

そのような人が家屋付きの土地を購入するとは思えません。

家屋付きの土地の場合、まず建物の取り壊しをしなければなりませんし、時間も費用も掛かるため、更地ですぐにでも建築できる土地を探しているはずです。

空き家の撤去の手間が省ける

更地の土地が売れやすい理由として、空き家の解体が面倒だという人が多いです。

家屋付きの土地を多少安く購入できたとしても、建物の解体費用が掛かってしまうのでは、安く購入した意味がありません。

それなら初めから建物の建っていない更地を購入する方が、解体業者に見積もりをもらったり、依頼したりする手間が省けて効率的です。

土地を欲しい人と交渉しやすい

土地の購入を検討している人は、新築の家を建てたいと考えている人が多いです。
その為、既存の建物が建っている土地の購入はまず考えていないでしょう。

つまり更地しか探していないので、土地を欲しいと思っている人に巡り合うチャンスです。

また、空き家の解体予定がある土地よりもすでに更地になっている土地の方が交渉もしやすいでしょう。

不動産業者も更地にすることを進めてくる業者が多いのも売買交渉がスムーズになるからです。

家屋付きと更地の固定資産税と空き家対策特別措置法の影響?

現在、田舎の方で空き家が増え続けて問題になっていますが、その原因の一つが土地に対する固定資産税の特例による税負担の軽減があるからとされています。

建物が老朽化して周りに悪影響を与えていたとしても、建物を解体して更地にすることで3~4倍になる固定資産税を考えると、所有者としてはどうしても踏み切れない事情となります。

そんな空き家をどうにかしようと政府は、空き家対策を推進させるために法律を施行しました。

自治体も呼応するように空き家対策を進めているのですが、なかなか空家の撤去は進んでいない状況です。

とはいえ、いつまでも空き家を放置しておくわけにはいきませんので、限られた国土の有効活用を図るためにも、空き家対策が急がれております。

行政の空き家対策と解体費用の支援

平成27年2月26日から「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、老朽化した空き家に潜む危険の防止と、空き家や敷地の資産活用を促すために、この法律を制定しました。

この法律は基本方針を国が打ち出し、各自治体が必要な施策を行うためのガイドラインでもあり、更に自治体による措置の根拠法にもなっております。

その為、今後は空き家対策特別措置法により、空き家は各地方自治体によって整備される可能性が高くなります。

法律の定義される特定空家等とは?

空き家対策特別措置法では、すべての空き家を「空家等」と定義しており、その中でも早急に対策が必要な空き家を「特定空家等」と分類しております。

空家等については、その実態の管理をして、有効活用をするための対策計画の対象となっている空き家ですが、特定空家等は行政として是正措置を講じる対象となっています。

また、特定空家等は空き家対策特別措置法第2条で以下のように定義されています。

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態
  • 著しく衛生上有害となる恐れがある状態
  • 適正な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

これらの定義はあまりにも抽象的である事から、国土交通省は特定空家等の是正措置についてガイドラインを示しています。

「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)

空家等に対する措置は3つ

空き家対策特別措置法では空き家対策として規定された措置が3つあります。

特定空家等は空家等に含まれますので、特定空家等はすべての措置を受けることができます。

特定空家等に対する措置(第14条)

自治体によって対策を命じられたが空き家の所有者が対策に応じない場合、自治体が強制的に解体などをして所有者に費用請求できる措置です。

空家等に対する財政上の措置(第15条第1項)

空き家対策をしている各自治体への財源を国が支援することを盛り込まれており、最終的には空き家の所有者への補助や助成につながります。

空家等に対する税制上の措置(第15条第2項)

特定空家等への固定資産税の特例を廃止する根拠となっているもので、空き家対策による税制上の措置を自治体に認めるものです。

自治体による解体費用の補助

解体費用の補助金交付制度は空き家対策特別措置法施行以前から行われており、空き家再生等推進事業という名目で国が補助をしております。

つめり、国と自治体が補助金を出し合って解体費用の負担を軽減している代わりに、自治体に予算枠があり使い切ると申請が締め切られます。

多くの自治体で解体費用の補助は行われておりますので、自分の所有する空き家の地域で補助事業が行われていないかを確認してみましょう。

補助金の金額は自治体によって異なりますが、30万円~100万円程度までが多いようです。

なお、空き家対策特別措置法の施工により、財政的な支援基盤を得た自治体がさらに空き家対策に予算を投じると予測されるため補助金には注目です。

家屋付きと更地の固定資産税

家屋付きと更地では、固定資産税はどのように変わるのかを計算してみます。

比較するポイントは、土地に対する固定資産税が更地に代わって高くなる点と、空き家に対する固定資産税がなくなる点です。

以下に空き家と敷地の評価額を挙げておきます。

家:2,000万円 土地2万円/ 家の評価 土地の評価
例1:木造築30年 土地200㎡ 280万円 280万円
例2:木造築15年 土地300㎡ 560万円 420万円

どちらも2000万円の家を再建築価格として例に挙げており、その7割=1400万円を新築の評価額として、20年で2割の280万円まで減価償却しております。

例1では築30年なので、2割まで減価償却されておりますが、例2は築15年で減価償却が完全に終わっておらず、1400万円-15年×56万円(1年で減価償却される額)=560万円が残価となります。

土地の場合は、地価2万円/㎡を想定しており、価格の7割を4評価額としております。

例1は200㎡×2万円×0.7=280万円、例2では300㎡×2万円×0.7=420万円となっております。

例1 家屋付きの固定資産税の計算

家の固定資産税:280万円×1.4%=3.92万円

土地の固定資産税:280万円×1/6×1.4%=0.653万円

合計:4.573万円

※土地の固定資産税は200㎡までは特例で1/6に軽減されます

例1 土地のみの固定資産税の計算

土地の固定資産税=280万円×0.7×1.4%=2.744万円

例2 家屋付きの固定資産税の計算

家の固定資産税:560万円×1.4%=7.84万円

土地の固定資産税:280万円×1/6×1.4%+140万円×1/3×1.4%=1.306万円

※例2の土地では200㎡を超えているので200㎡までは特例で1/6に200㎡を超える部分については1/3の軽減になります。

例2 土地のみの固定資産税

土地の固定資産税=420万円×0.7×1.4%=4.116万円

まとめ

空家の所有者がこれからしなくてはいけないのは、空き家対策特別措置法による行政の動きと、自分の空き家が受ける影響の把握です。

また、購入希望者によって更地にして売却するのか、家屋付きのまま売却するのかを選択できるように、建物を解体しないでどちらでも対応できるように売り出すのも一つの手です。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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