空き家をリフォーム工事する際の上手な見積依頼の方法

リフォーム見積り書




リフォーム見積り書の正しい取り方教えます

空き家を活用して、賃貸収入や売却益を得ようとお考えの方は少なくないと思います。
空き家問題が深刻化する中で、遊んでいる空き家を有効活用する事は、時代の要請でもあり、社会貢献にもなります。

しかし人が住んでいない建物は、予想以上に経年劣化が顕著に表れ、貸すにしても売るにしても、見た目がやはりどうも…今一つパッとしません。

古びた外観や、時代遅れの住宅設備、一昔前の内装では、なかなか客付けする事ができなくても不思議ではありませんので、顧客の目をひくためには、何かしらのリフォームが必要になる場面が多いと思います。

しかし、自分が住む家とは異なり、費用は極力抑えて最大の効果を得ようと思うのが普通の考えです。

リフォーム会社に見積依頼する際にも、具体的にどこをどうしたいという自分の希望よりも、どうしたら借主や買主に好印象を持ってもらえるのか、プロのアドバイスが欲しいというのが本音ではないでしょうか。

このように空き家を活用して収入を得るためのリフォームと、自分が住むためのリフォームとでは、目的が大きく異なります。すなわち、リフォーム業者への見積もりのとり方も工事の依頼のしかたも、自宅をリフォームする場合と全く同じという訳にはいきません。

一方、リフォーム会社の方も、内装が得意な業者から水回り工事が得意な業者、外壁塗装が専門の業者、修繕が得意な業者、マンションリフォーム専門会社、耐震補強が得意な業者、間取り変更を伴う大規模リフォームが得意な業者等々、様々な業者が市場にあふれています。

この様な中で、何の専門知識もない一般の方が、最適な業者を探し当て、満足度の高いリフォーム工事を行うのは至難の業の様に感じてしまいます。

言葉が少し悪いのですが、「リフォーム業者選びは全ては運しだい」といっても良い位です。

しかし、決して少なくないお金をかけてリフォームする以上、絶対に後悔したくはありません。「運」にたよるのではなく、できれば「自分の力」で成功する確率を高めたいものです。

それでは、「満足度の高い空き家リフォーム工事を行うためにはどうすれば良いのか」「上手な見積もり依頼のしかたとは何をすればよいのか」、「見積書は何をチェックすれば良いのか」から「リフォーム業者の選び方」まで、対象を空き家リフォームに絞って、主なポイントをご紹介したいと思います。

業態別リフォーム会社の実態とは…有資格者なしでも参入可能な業界であり、選別には注意が必要。

リフォーム会社から見積をとる際に、どこに見積依頼をしたら良いのかわからないという方が少なくありません。

住宅リフォーム業は、建設業に分類される事が多いと思います。
建設業法では、一定金額以上の建設工事を請け負う場合には、建設業の許可を受けなければならない事になっています。

しかし、500万円未満のリフォーム工事(建築一式工事以外の工事)では、法律にもとづく建設業許可は必ずしも必要としないので、リフォーム会社には建設業法で定められている有資格者(建築施工管理技士、建築士)を必要としていません

誰でもすぐに始められる参入障壁の低さゆえに、様々な業種・業態の事業者が個々の強みを活かして新規参入を果たしているのが今のリフォーム業界の実態です。

一方で、リフォームは新築と比べても顧客のニーズが多種多様であり、対象となる建物の構造や築年数なども様々で、それらを的確にとらえてカタチにする提案力、ノウハウ、スキル、技術力などが必要とされ、ある面では新築以上に難しいというのが、リフォーム経験のある多くの建築技術者の見解です。

この様な中にあって空き家リフォームを成功させるカギは、「業者選び」にあるといっても過言ではありません。一定規模以上のリフォーム工事であれば、建設業許可のあるリフォーム会社を探し出して依頼するべきでしょう。

一口にリフォーム業者といっても、様々な業者がいる事は先に述べた通りです。
そしてその出身業態や業種も様々です。
ここでは出身業態別に、代表的な会社のそれぞれの大まかな特徴をご紹介しておきます。

1.ハウスメーカー、建設会社のリフォーム部門

新築や住宅全体を総合的に扱っているので、大規模な増改築にも対応できます。
メーカーの既製品を多用するため、工期が早く、精度が比較的高いのが長所ですが、生産性を重視するので、無難な仕上がり(オリジナル性があまり高くない)になる傾向があります。

2.リフォーム専門会社

部分的なリフォームから総合的なリフォームまで、幅広く対応できる会社が多い様ですが、建物の構造や関連法規まで熟知しているとは限りません。中にはマンションリフォーム専門の会社もあります。

安さを売りにする会社、提案力が売りの会社など、玉石混交の状態なので、会社により品質や顧客満足度のバラツキが大きくなる傾向があります。

3.アトリエ系建築設計事務所

大きな組織ではなく、個人で経営する数名の設計事務所です。
他にはない独創的なデザインやこだわりのインテリアなどを求める方には向いています。

施工は施工会社と別契約になる事が多い様です。
工事の品質管理が鍵になります。

4.地元の工務店、大工

直接仕事を依頼すれば安くなりますが、詳細な図面を描いてもらう事はあまり期待できません。自分でデザインや間取りを考える事ができる方なら、心強い味方になってくれるかもしれません。

また、設計士(建築士)を別途雇い、地元工務店や大工さんとタッグで仕事をしてもらうように依頼することも可能です。

5.塗装・内装・屋根工事などの専門工事会社

それぞれの専門とする工事を依頼する際には安心感があり、コスト面でも有利です。
一方、総合的なリフォーム工事はあまり得意ではありません。

6.電気・水道・ガスなどの設備工事店

個別の設備工事に関連する住宅設備機器の交換や、床暖房工事、太陽光パネルの設置などが得意で、これらの専門工事を行う際には割安感があります。

近年では、総合リフォームも手掛ける会社が増えている様です。

7.デパート、ホームセンター、家電量販店などの物販業

最近はヤマダ電機が住宅リフォームに力を入れるというニュースが流れるなど、業界の垣根を超える形でリフォームサービスを提供する場面が多くなっています。

多くは物品販売を中心としたリフォームが得意ですが、施工は下請け会社に丸投げする事が多いので、現場管理の質が鍵になります。

建物の構造部分が絡むリフォームなどは、あまり得意ではないでしょう。

8.不動産仲介会社

賃貸物件の原状回復工事や修繕、模様替えなどが得意です。
賃貸入居者のニーズを把握している事が強みになると思います。

リフォーム目的によって見積り依頼先が変わる

何となくそれぞれの会社のイメージがつかめましたでしょうか。
ただし、上記は一般的な傾向なので、全ての会社にあてはまる訳ではないことをご了承ください。

「自分がリフォームで実現したい事は何なのか」

「現在、空き家(リフォーム)に関してどんな悩みがあるのか」

をはっきりさせておくことによって、最適な見積もりの依頼先が異なります。

インターネットのリフォーム会社検索サイトなどで、見積もりの依頼先を決める際にも、それぞれの出身業態や業種ごとの特徴を覚えておいて参考にすると良いと思います。

空き家リフォームの見積もり依頼前に、まずは自分自身でやるべきことはこれ!

近年では、リフォーム会社に見積もりを依頼する際にも、インターネットの一括見積サービスを利用する方が増えている様です。

大まかなリフォームの要望を入力すると、対応可能な地域のリフォーム会社を複数紹介してもらえるので、一見非常に便利です。

しかし、そうして紹介された業者が、全て優良な信頼できる業者とは限りません。
リフォームを成功させるためには、業者を見分ける目を養う事が重要です。そのためには、リフォームの見積を依頼する前に、是非考えておいてもらいたい質問があります。

Q1.あなたは、いきなりリフォーム会社から提出された見積書を見て、言葉の意味や金額の妥当性がわかりますか?

Q2.住まいに関する最新のトレンドや(賃借り人等)顧客のニーズを把握していますか?

Q3.最終的にリフォーム会社に伝える要望やイメージはまとまっていますか?

すべて「はい」といえる方はなかなかいないのではないでしょうか。

リフォーム会社に見積依頼する前に、インターネットやリフォーム雑誌、住設・建材メーカーのカタログなどで、最低限の建築知識やリフォーム事例、商品知識などを学んでおいて欲しいのです。

また、メーカーのショールームなどで、実際の商品の色や大きさ、使い勝手、価格による機能や質感の違いなどを事前に把握しておく事で、複数のリフォーム会社から提出された見積書の比較や、それぞれの提案の違いなどがよくわかる様になります。

というのも前述した通り、空き家をリフォームして自ら居住するわけではない場合には、貸すにしても売るにしても、費用対効果を一番に考えなければいけません。

また、借主や買主となる人が「どんなニーズを持っているのか」を想定しながらリフォーム計画を立てる必要もあります。いくら安くリフォームできても、トレンドやニーズにそぐわない物件を作り上げてしまい、結局は借り手や買い手がつかないのであれば、リフォームにかけた時間もお金も何の意味を成しません。

これらのニーズをしっかりと把握しているリフォーム会社に依頼するのがベストです。

見積依頼の際には、自宅をリフォームする場合が「自らの要望を具体的にまとめて業者に伝える事」が大切なのに対し、空き家リフォームでは、「最低限の要望のみ伝えて、それから先は業者に積極的な提案してもらう」というスタンスが必要になると思います。

もちろんリフォームニーズを1から100まで事細かに自分で把握しているから大丈夫という方は、要望を細かく書面にまとめて業者に伝えても何の問題もありません。

しかし一般の方が、不慣れなリフォームに関するニーズ(しかも空き家という特殊事情のある物件リフォーム)を明確に把握しているケースはごく稀でしょう。
当然各社の見積内容が同じにはならないので、見積もり金額に差が出ます。

それらを比較して吟味するためには、事前に最低限のリフォームに関する情報収集が必要になるのです。

また、「実際に見積もりをとってみたら、予想以上に高額だった」などという事を避けるためにも、あらかじめリフォームの相場を把握した上で、要望を伝えたいものです。

他には、建物の構造によるリフォームの制約や、最低限の建築法規などを知っていると、リフォーム会社のいいなりにならずに済みます

リフォーム会社の中にも、構造や法律知識に無知な業者もいるので、注意していただきたいと思います。

リフォーム見積もり依頼、実際の重要ポイント

事前に最低限の建築知識や商品知識、住宅のトレンドなどを学習したら、いよいよリフォーム会社に見積もり依頼を行います。

業者を選ぶ方法は、雑誌、インターネット、チラシ、知人の紹介、地元の業者、リフォーム会社の紹介サイトなど様々ですが、前述した業種・業態ごとの特徴などを参考に、自分の要望にあいそうな業者を選んで依頼します。

また、施工事例などがあれば、必ず目を通しておきましょう。

リフォームの見積もりは、比較するために複数の業者から相見積もりをとるのが普通ですが、あまり多すぎるのはお奨めできません。

デメリットは、数多くのリフォーム会社との打ち合わせに時間をとられるだけではありません。

見積もり作成は無料で行う会社がほとんどですが、リフォーム会社の担当者にとっては非常に手間のかかる面倒な作業です。

そして受注できなければ、せっかく時間をかけても全て無駄な作業になってしまいます。6社も7社も相見積もりをとっていると知ったら、できるだけ手間をかけずに簡単に見積書を作成して、他のもっと受注できる可能性の高いお客様のプラン作成や見積に時間をかけようとするのが人情です。

中には「たとえ内容に漏れがあっても、なるべく安い金額を提示しておいて、後で追加工事を請求して帳尻をあわせよう」と考える業者もいるかもしれません。

そんなことにならない様にするためには、3社程度に絞った方が良いと思います。

また3社程度に絞るのは不安だと思う方は、初めから見積もり依頼するのではなく、最初にリフォーム相談を行い、対応の良し悪しや、担当者との相性などを考慮して、見積もり依頼先を決めるのもひとつの方法だと思います。

ただこの時に、匿名で相談するのはできるだけ避けたほうが無難です。
匿名相談だと、本気で相談に乗ってもらえない可能性もあります。
人気の高いリフォーム会社ほどこうした傾向があるので、注意が必要です。

そして見積もりを依頼する際には、リフォームの目的を必ず業者に伝えてください
リフォーム後に売却するのか、賃貸するのかなどです。

リフォームの目的次第で、リフォーム会社が作成するプランも異なるので、ここは重要なポイントです。

また、目的を明確にする事によって、リフォーム会社からの積極的な提案が期待できます。
「こうすればもっと良くなりますよ」などの自分では思いもよらなかった発想や、プラスアルファの提案が受けられれば良い参考になります。

空き家リフォームでは、自宅のリフォームと違い、あまり細かな要望まで伝える必要はないと思いますが、予算ははっきりと伝えておくようにしましょう。

希望する工事が全てできるのが理想ですが、予算には限度があるので、予算に応じたベストな提案をしてもらう意味でも、必ず押さえておきたいところです。

他にも、どうしても気になる点や、ここだけは直して欲しい点、リフォーム後のイメージなどがあれば、忘れずに伝えましょう。

また、売却するなら販売希望価格、賃貸するなら希望の家賃なども伝えておくと良いと思います。そして賃貸予定の場合、希望する顧客ターゲットがある時は、その年代層や家族構成なども忘れずに伝えておきます。

以上の事をまとめると、見積もり依頼のポイントは次の5点になります。

リフォーム見積り依頼の重要5ポイント

  1. 相見積もりをとるのは3社程度に絞る
  2. 見積もりをとる業者の施工事例を事前に確認する
  3. 事前相談する場合には、なるべく匿名を避ける
  4. リフォームの目的と予算は必ず伝える
  5. できれば販売希望価格や希望賃料、賃貸するなら顧客ターゲットなど、リフォーム後の活用方法を伝えておく

物件の現地調査を依頼する

見積もりを依頼する業者を選定したら、さっそく現地を見てもらいます。
現地調査はリフォーム会社にとっても業務遂行上とても重要なプロセスです。

現地調査によって「できる工事とできない工事」、「絶対に必要となる工事」、「追加で発生する可能性の高い工事」などの判断を行うので、精度の高い見積書やリフォームプランを作成するためには不可欠です。

またこの時に、精度の高い正確な調査ができるかどうかで、リフォーム会社の技量を判断する目安にもなります。

一度リフォーム会社の社員が現地調査を行ったのに、後日大工や職人を引き連れて再度現地調査を行う様な事があれば、見積もりは下請け業者の見積もりに自社の利益を乗せただけで、工事は丸投げの可能性が高いと思います。

現地調査では、お互いに現地を確認しながら再度要望を伝えたり、リフォーム会社からヒアリングを受ける事もあります。

この時のやりとりなどは、必ずメモをとっておきましょう。

また、後から想定外の追加工事が発生する事がないように、次の点を必ず確認するようにして下さい。

  1. 工事範囲
  2. 使用する住宅設備機器(キッチン、ユニットバス、便器等)の機能やグレード
  3. 建材(建具やフローリングなど)の種類や色、デザイン等
  4. 工事の優先順位
  5. 予算に余裕があればやりたい工事
  6. 追加で発生する可能性のある工事と費用

リフォームのトラブルで最も多いのが、「言った、言わない」のトラブルです。「伝えたはずの事がきちんと伝わっていなかった」、「こんなふうになるとは思わなかった」、「これもやってもらえると思っていた」などの行き違いや伝達漏れによるトラブルは頻繁に発生しているので、ここは重要なポイントです。

受け取った見積もり書を確認する際の重要事項

リフォーム会社から見積書を受け取る際には、必ずリフォーム会社から見積もり内容の説明を対面で直接受ける様にしてください。

決して書面の郵送だけで済ませてはいけません。

必要な工事が含まれているか、不要な工事が含まれていないか、不明な工事項目はないか、わからない用語はないか、建材・設備等のグレードや品番等が記入されているか、指定商品の品番に間違いはないか、別途工事の内容は何か、二重計上はないか、経費の内訳は理解できるか、などがチェックポイントです。

また、プロとしてプラスアルファの提案が盛り込まれているかどうかも確認しましょう。

相見積もりの目的は、最も安い業者を探す事ではありません。
特に空き家の有効活用のためのリフォームであれば、費用対効果が最も重要です。
どの会社が、最も顧客の立場で親身になって考えてくれそうなのかを、提案内容から見極める事が大切だと思います。

是非、単に価格の安さだけではなく、内容をじっくり吟味して業者を決めて欲しいと思います。

尚、見積書を他の会社に渡して価格交渉の材料にする行為や、他の会社のプランを値段の安い会社に渡して、再度見積もりをとる行為はマナー違反です。

リフォームを成功させるためには、リフォーム会社との信頼関係が不可欠なので、この様な信頼関係を損ねる行為は絶対にやめた方が良いでしょう。

まとめ – 誠実なリフォーム業者を探すために

リフォーム現場で起きる様々なトラブルやクレーム。この原因の多くが、完成したものと思い描いていたイメージとのギャップから発生しています。

そして、リフォーム会社に見積もり依頼をした時から、すでにトラブルの種がまかれていたという事が少なくありません。「見積を依頼する際の要望の伝え方」の重要さを実感させられます。

リフォームを成功させるためには、注文者とリフォーム会社の担当者とのコミュニケーションが絶対に欠かせません。そしてコミュニケーションツールとして重要なのが見積書と図面です。

見積書の中身には専門用語が多く、一般の方が理解するのは非常に大変だと思いますが、お互いの共通言語となるものなので、見積書の理解は不可欠です。

どうか見積書の内容に、注文者とリフォーム会社との認識違いがない様に、納得いくまで良く確認して欲しいと思います。

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益子公博

益子公博

住宅会社で20年以上リフォーム事業の責任者経験があり、リフォーム業界、住宅建築業界の裏事情やリフォーム現場には精通。ホームインスペクション(住宅診断)の専門会社を経営、住宅診断、欠陥住宅相談、リフォーム会社への社員研修など実施しています。
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