空き家リフォームで最初にすべきことは? – プロセスと工期 –




空き家リフォームにはまず何から手を付けるべきか?

  • 空き家を放置していてももったいないので、リフォームして活用したいと思っているものの、まず何から手を付けて良いのかわからない…。
  • 人に貸すためには、どんなリフォームが必要なのかわからない…。
  • リフォームして人に貸せるようにするには、いくら位かかるのか全く見当がつかない…。
  • これからリフォームを計画して、完成するのはいつ頃になるの?
  • 工事で近所にあまり迷惑をかけたくないけど、リフォームって何日くらいかかるの?

など、いざリフォームを実行しようと思っても、わからない事や不安な事だらけでなかなか実行できない方は多いと思います。

特に空き家の中に残置物がたくさんあったり、遺品整理が必要だったり、現場から遠く離れた場所に住んでいたりすると、ますます憂鬱になってしまいそうです。

そこで今回は、リフォームのプロセスや工期についてご説明したいと思います。

リフォームの計画と準備

1.リフォームの目的を明確にする

まず、リフォームの目的を明確にしましょう。

リフォームして人に貸すのか、売るのか、自分で住むのかなど、リフォーム後に空き家をどうしたいのかを、はっきりさせておく事が必要です。

また、すぐに貸したり売ったりはしないけど、「このまま放置しておけばますます老朽化が進んでしまうので、最低限のメンテナンス工事を行いたい」や「近所に迷惑を掛けない様に、庭を整備して雑草が生えない様にしたい」というのもあるでしょう。

いずれにしても、何のためにリフォームするのかが明確になっていなければ、無駄な費用をかけてしまう事にもなりかねません。

リフォームの目的によって、必要な工事も変わってしまうものなので、ここは肝心なところです。じっくり考えてから行動する様にしたいものです。

2.リフォームの資金計画を検討する

リフォームの目的を明確にしたら、同時にリフォームの資金計画も検討しておきましょう。

リフォーム費用はどれ位用意できるのか、自己資金でリフォームするのか、ローンを利用するのかなどです。

計画が詳細になるにつれて、多少資金計画の変更が必要になる場合もありますが、早い段階で予算の目途をつけておく事によって、実現性の高いリフォーム計画の立案が可能になります。

尚、資金計画を立てる上では、どんなリフォームにどの程度の費用がかかるのかを調べた上で、予算の目安を立てておく様にしましょう。

まず、自己資金でリフォームを考えている場合は、手持ちの現金や貯金などを総ざらいして、いくらまでならリフォーム費用に充てる事が可能なのかを検討します。

その際には、子供の教育費や老後の資金、いざという時に備えた生活費など、今後必要と思われるお金をしっかりと残しておく事が大切です。

はじめにリフォームの予算をきちんと立てておく事で、安心してリフォームの計画を進める事ができる様になります。

次に、手持ち資金で足りない場合は、ローンの利用を検討します。

ローンを利用する際に注意したいのは、いくら借りられるかではなく、いくらまでなら返済可能なのかを考える事です。

空き家をリフォームして人に貸そうとする場合でも、すぐに借り手が見つかるかどうかわからないので、余裕を持った返済計画を立てる必要があります。

また、リフォームの内容によっては、国や地方自治体の補助金制度を利用できるので、管轄の自治体に問い合わせてみると良いでしょう。これらの補助金制度を上手に活用できれば、リフォームコストの削減になります。

しかし、古い空き家のリフォームに使えるローン商品はまだまだ未整備で、国や自治体の補助制度も金額が小さく、制約も多いので、あくまでも自己資金で足りない分を充当するものと考えておいた方が良いでしょう。

他には、リフォームすると税金が戻ってくる制度があります。
所得税の控除、固定資産税の減額などです。一定の要件を満たせば、税務署に申告してこれらの税制面での優遇措置を受ける事ができます。

ただし、資金の使い方に応じて使える制度が違うので、リフォーム会社に相談しながらベストな方法を検討すると良いでしょう。

3.遺品や残置物を整理する

空き家をリフォームして活用するためには、室内に遺品や残置物があればそれらを片付けなければいけません。

リフォーム工事の内容によっては、片付けなくても工事可能な場合もありますが、工事中のトラブル(破損や紛失等)を避けるためにも、あらかじめ片付けておいた方が良いと思います。

いつかは片付けが必要になると思うので、リフォームを機会に思い切って整理してしまいましょう。

まず、保管する必要があるものと処分するものに分け、処分するものの中でもまだ使用できるものは、リサイクルショップに持っていく、公共団体に寄付するなどの方法もあります。

使用不可能な家具や家電は、自治体で粗大ごみとして出すか、不用品回収業者に引き取りをお願いします。

中には、一人や少人数ではできない作業もあるので、あまり無理をしない様にしましょう。

一方、空き家から遠く離れて住んでいる、片付けする時間がないといった場合には、片付け業者に依頼する方法もあります。

近年では、空き家に特化した空き家整理業者もある様です。

処分品と残しておくものの仕分け、不用品の回収から部屋の清掃まで一貫して行ってくれる様なので安心です。

料金は地域や家の広さ、荷物の量などによって大きく幅がある様ですが、3LDKの間取りで170,000円から500,000円が目安だそうです。

決して安い金額ではありませんが、自力で行う労力と時間を考えると、検討する余地はあると思います。

リフォームの資金計画と併せて検討しましょう。

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STEP2.リフォーム計画を実行する

1.空き家の原状の問題点を具体化し、リフォーム会社に見積もりを依頼する

リフォームを実現するためには、まずリフォームプランを立てる必要がありますが、その前に、建物の状態を把握しておく必要があります。

リフォームの目的を果たす上で、最低限必要な工事は何なのか、予算に余裕があればやっておきたい工事は何なのかなど、工事の優先順位を付ける上でも非常に重要な作業です。

また、リフォーム後に人に貸すにしても売るにしても、自分が住む場合に支障がある点は、この機会に改善しておく必要があります。

そして、リフォームプランの立案には、専門家のアドバイスが不可欠です。
リフォーム会社に現場調査を依頼して、希望するリフォーム内容を伝え、一緒に現場を確認する様にしましょう。

尚、その際には、リフォームの目的と予算は必ず伝えておく様にします。

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現場を見ながらリフォーム会社からアドバイスをもらい、工事が必要と判断したら見積もりを依頼します。見積依頼は、比較する意味でも3社程度に依頼する事をお奨めします。

しかしその場合でも、複数社同時に現場調査を依頼せず、1社ずつ単独で調査してもらう様にしましょう。

手間を惜しんで同時に調査を依頼すると、最も大切な各社とのコミュニケーションが不十分になってしまいます。

また中には、リフォーム会社から必要でない工事を提案される、反対に必要な工事を省かれるなどの不安を持つ方もいると思います。

そんな場合には、事前に第三者のホームインスペクターにホームインスペクション(建物診断・調査)を依頼し、アドバイスを受けるという方法もあります。

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ホームインスペクションとは、住宅の専門家が目視で建物の劣化度合いや不具合などのコンディションを調査し、依頼者に報告するという業務です。

調査を行った建物がどの程度傷んでいるのか、補修する必要があるかどうかを、第三者の専門家の立場で判定し、依頼者が判断する手助けを行うものです。

費用はおおむね5~6万円程度なので、利用する価値はあると思います。

リフォームに関するアドバイスを受けられると共に、リフォーム会社の見積もりチェックや、打ち合わせ同席などを行ってくれるインスペクターもいます。(ただし別途費用がかかります)

2.リフォームの依頼先を決定し、契約する

リフォーム会社から見積書が提出されたら、その内容を確認します。
また、数社に見積もりを依頼した場合には、それぞれの見積もり内容を比較検討します。

単に金額の高い、安いのみを比較するのではなく、内容をじっくりと吟味してください。

どの会社の見積書に、限られた予算の中で、最も目的に合った提案が数多く盛り込まれているのかを良く見極める事が大切です。

また、補助金制度や税制面での優遇制度などについて、親身になってアドバイスしてくれる会社であれば、頼もしい存在になります。その他様々な観点から、最も要望にあった業者を選んでください。

工事を依頼する業者が決定したら、いよいよ契約です。

そして、工事代金の支払いにリフォーム会社の提携リフォームローンを利用する場合には、契約前までに融資承認をとっておきます。

数社から相見積もりをとった場合には、発注先以外の業者にも早めに連絡し、今回は発注を見送る事を見積もりのお礼も兼ねて、きちんと伝えておきましょう。

リフォーム会社と契約する際には、契約に必要な書面の内容を確認します。
リフォーム工事の契約に必要な主な書面は以下の通りです。
不足しているものがないか、良く確認しましょう。
(リフォームの規模や内容によっては、必ずしも全て必要ではないので、事前に相手先に確認してください。)

見積書

最終的に決定した工事内容と金額が明記されているもの

設計図書

図面一式、仕様書、仕上げ表など

工事請負契約書

発注者名、請負者名、工事名、工事場所、工期(着工日、完成日、引き渡し日)
請負代金の額、代金の支払い方法、契約日等が明記されているもの

契約約款

契約書にはない重要事項が記載されているもの

契約時にはリフォーム会社の担当者が必ず契約書や約款に記載された内容について説明を行います。

内容に間違いや記入漏れがないか、設計図書の内容と見積書の内容が一致しているか、契約書の請負金額と見積書の金額は一致しているか、他に不明な点はないかなどを入念にチェックしてから契約書に署名、捺印する様にしてください。

万一、その場でチェックしきれない様なら、一度持ち帰ってチェック後に改めて契約書を取り交わすくらいの慎重さが必要です。

3.工事着工前準備

無事契約が終了し、工事着工予定日が決まったら、着工1週間前を目安に、近所に挨拶にいきましょう。

工事中は、工事車両の駐停車や、振動、音、臭いなどで何かと近隣に迷惑をかけるものです。工事を円滑に進める上でも、近隣への事前の挨拶は欠かせません。

ほとんどのリフォーム会社では、担当者が近隣への挨拶を行いますが、施主としても挨拶しておいた方が良いでしょう。

4.仕様打ち合わせ、色決め

使用する住宅設備機器や建材の色決めや、壁紙などを決定します。

また、プラン変更や仕様変更などの要望があれば、着工前までに伝えて、金額の取り決めまで行っておく事が後々のトラブル防止に繋がります。

5.各種届出

補助金の申請などで、着工日前までに提出が必要な書類があれば、作成して提出します。
補助金によっては、着工後の申請は受け付けてもらえないので、注意が必要です。

6.工事着工

着工後はリフォーム会社が作成する工程表に沿って工事が行われます。
出来る限り、現場を定期的にチェックすると共に、現場の職人さん達とコミュニケーションをとっておくと良いでしょう。

そして、万一現場で気になる点があったら、早めにリフォーム会社の担当者に伝えてください。

スイッチやコンセントの数や位置、棚や収納の高さ、内装材や建具・水回り設備機器の色や種類など、完成してからだと是正が困難になってしまう事もあります。

また、資材の保管方法や、近隣に迷惑をかけていないかなど、早めに指摘する事でトラブル防止にもなります。(ただし、現場の職人に直接伝えるのは、トラブルの元になるので、なるべく避けましょう)

また、工事代金の中間支払いがある場合には、契約書の支払い条件にもとづき代金の支払いを行います。

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7.工事完成

工事が完成したら、引き渡し前に、リフォーム会社の担当者と一緒に完成検査を行いましょう。気になる点や、打ち合わせと違う点などがあれば、遠慮しないで指摘しましょう。

また、キズや汚れなどの不具合は、引き渡しが終わると対応してもらえない事が多いので、注意しましょう。(工事中についたキズや汚れなのか、引き渡し後についたものなのか、わからなくなってしまうためです。)

8.引き渡し

完成検査で指摘した手直しが終了すると引き渡しになります。
保証書や機器の取り扱い説明書などは、引き渡し時に忘れずに受け取る様にしてください。

またこの時に受け取った書類は、契約書や設計図書、見積書などと共に、大切に保管しておく様にしてください。

9.工事代金の支払い

手直し工事が全て終了している事が確認できたら、工事代金(残金)の支払いを行います。
尚、建物の引き渡しと工事代金の支払いは同時に行うのが原則です。

10.補助金申請書類の提出

工事代金の領収書、工事中の写真などの必要書類を添付して、自治体の窓口などで申請を行います。

11.アフターサービス

住み始めてから設備機器が故障する、完成検査で見落としていた不具合が見つかるなど、後から問題が発生する事が時々あります。

不具合が見つかったら、早めにリフォーム会社の担当者へ連絡しましょう。

また、保証書に記載された一定の期間内に生じた不具合に対しては、リフォーム会社に対して無償で補修を請求する事ができます。

保証期間や保証内容などについては、リフォーム会社により異なるので、保証書を確認する様にしてください。

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12.その他

所得税の控除などの税制優遇措置を受ける場合には、税務署などに申告する必要があります。
申告期限に遅れない様に注意しましょう。

以上が空き家リフォームを行う際の、大まかな流れになります。
大切な事は、途中で疑問な点や不安な点が生じたら、その場その場で解決しておく事です。

住宅リフォームでは、問題をそのまま放っておくと、後で何倍もの大きな問題になってしまう事が多いので、くれぐれも注意する様にしてください。

空き家リフォームの工期について

空き家リフォームのプロセスについては、おおむね理解していただけたと思います。次に、リフォームに必要な工期についてご紹介させていただきます。

以下でご紹介するのは、空き家リフォームの代表的な工事の工期の目安です。

1.外壁のリフォーム(延床面積30坪程度、2階建ての場合)
  • 外壁塗り替え…約10日~2週間
  • サイディング貼り替え…約2週間
2.屋根のリフォーム(延床面積30坪程度、2階建ての場合)
  • 化粧スレート屋根の塗装…約1週間
  • 化粧スレート屋根の葺き替え…約10日間
  • 瓦屋根の葺き替え…約10日~2週間

外壁・屋根のリフォームには、足場掛け、足場解体を含みます。ただし、雨天で作業ができない場合は、その分工期が延びます。

3.玄関ドアの交換(カバー工法)…約1~2日間
4.2重窓工事(樹脂内窓の取り付け)…3~4か所/日
5.ビニールクロス貼り替え(延床30坪程度 全室天井、壁貼り換えの場合)…約5日間
6.床フローリング貼り(12帖)…約1~2日間
7.押し入れをクロゼットに変更…約2日間
8.キッチンセット交換…約3~5日間
9.在来浴室からシステムバスへの変更(0.75坪)…約2週間

※途中作業ができない日があります。

10.システムバス交換…約3~5日間
11.洋風便器交換…約1日
12.和式トイレから洋式トイレへの変更…約2~3日間
13.洗面化粧台交換…約1日~2日間
14.給湯器交換…約半日間
15.防蟻工事…約1~2日間
16.階段手摺取り付け…約半日間
17.和室から洋室に変更(6帖)…約4~5日間
18.壁面収納取り付け(既製品)…約1~2日間
19.門扉の交換…約1~2日間
20.ウッドデッキの取り付け(木製無垢材)…約3~4日間

以上が標準的な工期になります。

ただし現場の条件(狭小地、道路からの高低差あり、建物の劣化大など)によって多少異なる事があります。

リフォームの完成までには、現場での工期の他に、STEP2,3でご紹介したプロセスが必要になります。

リフォームを思い立ってから完成するまでの期間は、短くても1か月、長いものでは1年以上かかる事もめずらしくありません。

リフォームの計画は、余裕を持って進める様にしましょう。

まとめ

今回は、空き家をリフォームする際の準備やリフォーム計画の立案、工事の実施から完成・引き渡し、アフターサービスまでのプロセスと、その過程ごとの注意点などを中心にご紹介させていただきました。

また、空き家リフォームに多い工事の工期の目安についても触れています。

「空き家を何とかしたい」と思っていても、どのように活用したら良いのかわからない、このまま放置し続けていたらそのうちボロ屋敷になってしまう、などのお悩みを持っている空き家所有者の方は多いと思います。

それらの悩みを解決するための有効な手段のひとつが、リフォームです。

これを読んでいただいた方が、リフォームに対する不安や疑問を解消し、リフォームに一歩足を踏み出していただけたら幸いです。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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