【値段調査】空き家リフォームにかかる必要経費と相場

空き家をリフォームして売却価格をアップさせたいと考えている方は多いです。
リフォームの価格はあってないような不透明なものであり、相場観を知らないために大きな損をしてしまう事もあるといわれます。

20万円の修繕も、2,000万円の大改修も、どちらも一般的には「リフォーム」と呼ばれます(近年は間取り構造の変更を含むリフォームを「リノベーション」として言葉の使分けをするケースもありますが、双方共に厳密な定義は曖昧です)。

空き家不動産の所有者がその不動産物件に住む予定がない場合、物件価額アップ目的のリフォーム費用は、できれば最低限に抑えたいと考えるのは普通のことです。
リフォーム費用が予想外に嵩めば、物件価格の上昇分を利食いしてしまい、結局は赤字に陥ってしまう可能性があります。

しかしながら、建築士資格保有者から無資格者まで入り乱れて、リフォーム業者は海千山千の猛者ぞろいの業界です(そもそも物件構造をいじらないリフォーム作業には建築士資格が不要なため、レベルの低い業者の大量算入を招いてきた業界経緯がありあます)。

空き家所有者に建築予備知識がない場合、リフォーム業者に言いくるめられてどんどんリフォームする箇所が増えていき、最終的にとんでもない金額を請求されてしまうような事例がいくらでもあります。

今回はリフォーム費用の相場について執筆いたします。
空き家不動産のリフォームで食い物にされて損をしないためには、リフォーム費用の正しい相場観をもっておく必要があります。

空き家不動産をリフォームして高く売るための方法 - 費用、メリット、デメリットまで
空き家不動産を売ろうか迷った時、「少々リフォームをすれば案外高値で売れるのでは?」と誰もが1度は考えたことがあるかと思います。 当...




目次

消去法のすすめ…リフォームする場所よりも、しない場所を優先的に決める

空き家不動産のリフォームが難しいのは、所有者がその物件に住む予定がない場合です。
現在居住中の住宅リフォームであれば、生活において気になったところをすべて直していけばよいのですしょう。
一方、費用と投資収益のバランスを考えなければならない空き家不動産リフォームの場合は、そこまで徹底して家中リフォームをする必要はありません。

そこでリフォーム費用総額を抑えるために、リフォームする場所を順に決めるという考え方ではなく、まずはリフォームしない場所を決めていき、残った部分(リフォーム必要な場所)を消去法であぶりだすことをおすすめします。

この消去法ではっきりしたリフォーム不要箇所には、どんなことがあってもリフォーム費用の投資はしないようにします。

時に、海千山千のリフォーム業者は空き家所有者の不安をあおるような営業トークを使ってくることが多いので、「リフォーム業者がなんて言おうと、ここは予算を入れず現状維持にする」という決意を固めておく必要があるからです。

早速「リフォームしない場所リスト」を作成しましょう

それでは「リフォームしない場所リスト」をつくってみましょう。

このリストができれば、そのまま「リフォームする場所リスト」になり、リフォーム業者と打ち合わせをするときの資料になります。
(そしてこのリストに上がった場所のリフォームを営業マンに強引に進められたとしても「要りません」と即答することができます)。

尚、リフォームする家のパーツは大きくとらえるのではなく、可能な限り細かく捉えるようにしてください。

例えば、「水まわりをリフォームしたい」ではあまりに大雑把すぎます。
「水まわりのうち、キッチンをリフォームしたい」。更に、キッチンを「シンク、調理台、コンロ、吊戸棚、食器棚、調理器具棚、給湯器、食洗機、床、壁紙がある場所」ととらえ、どの場所のリフォームは不要なのかを選択してリストに記入していきます。

リフォームしない場所リストは、下ののような表を使って「リフォームしない場所」を二重線(=)で消していく方法でもよいでしょう。

表の一例をあげておきます。

大分類 中分類 小分類
水まわり キッチン シンク、調理台、コンロ、吊戸棚、食器棚、調理器具棚、給湯器、食洗機、床、壁紙
浴室 浴槽、滑りにくい床、シャワー、カラン、鏡、壁、黒カビ、水あか、浴室乾燥機、通気性、段差、手すり
トイレ シャワートイレ、便座、タンクレス、壁紙、紙巻器、タオル掛、化粧鏡、キャビネット、手洗カウンター、段差、手すり
洗面室 シャワー水栓、電気温水器、化粧台、壁紙
内装 リビング 壁、天井、LED照明、窓、カーテン、配線、部屋をつなげる、部屋を区切る、収納棚、壁紙、ドア、段差、手すり、壁紙
ダイニング
寝室
外観 外壁 正面、側面、裏面、玄関、ドア、庇(ひさし)、外壁素材、塗装
屋根 雨漏り、塗装、瓦(かわら)、金属屋根、カバー工法、ストレート屋根、冷暖房効果、防音効果、耐久性
外構・エクステリア 外構とは門、塀、垣根のこと、エクステリアとは建物の外側の空間や環境のこと、庭
駐車場・ガレージ 駐車場を広げる・狭める、アスファルト、コンクリート、ガレージ、シャッター、庇
大規模 増改築 増築とは平屋を2階建てにしたり、敷地内に新たな建物をつくり床面積を増やすこと、床面積を減らす「減築」もある。改築は間取りを変えること。
全面リフォーム 空き家所有者が予算を決めて、業者に全体のコーディネートを依頼する
二世帯リフォーム 玄関、トイレ、浴室などを2つつくる、2階建てを3階建てに増築する、など

所有している物件が古い場合、家中すべての場所をリフォームしたくなると思いますが、それではリフォーム費用を抑えることはできません。
リフォーム不要な個所は躊躇なく消去していくことが大事になります。

住宅には個別差があるので一概一律に言うことはできないものの、実際にリフォームが必要か、不必要かを判断する基準例について、少しご説明しておきます。

リフォームが必要?不必要?判断基準の例について

判断基準:最終的に空き家不動産を売却するなら、水まわりと内装は手をつけない

将来的に空き家不動産を売却する予定であれば、水まわり関連や内装関連に関してはリフォーム対象から外してもよいでしょう。

仮に水まわりや内装の設備に多少不具合があっても、すぐに大きな心配は無用です。
物件購入を検討している人が見学に来たときに質問やネガティブコメントをされた場合のみ、「売却が決まったならば修理しますので、ご安心ください」と説明する方法があります。

もしくは「この家を買ってくれる人の好みがあると思うので、あえて内装はいじっていないのです」と言うこともできます。

さらに「現状渡しでよければ、さらに値引くことができますよ」と営業アプローチの材料として組み立てることもできます。

では水まわりや内装に手をつけない分、どこにリフォーム費用をかけるのかというと、住宅の外観が真っ先に優先順位に挙がってきます。
一般的に、外観のリフォームは内覧希望者や不動産会社が訪問した際に大きなインパクトを与えることが多く、初見イメージでそのまま売却に結びつきやすい箇所だからです。

屋根、外壁、門、アプローチ、などエクステリアや外観が極端に汚い家の場合、内覧者にいくら「売るときまでに外観をきれいにしておきます」と言っても、内覧者はなかなか納得してくれない傾向にあります。
この点は内装と大きく異なってくるポイントです。

判断基準:将来的に自分や家族が住むなら、逆に建物外観リフォームにはまだ手をつけない

判断基準としては先のまったく逆となります。
将来的に、空き家所有者自身がその物件に住む予定があったり、子供や親族等が物件に住む予定があるのならば、外観リフォームはまだしないでおきましょう。

実際に住宅に住む人間にとっては、生活利便性に直結しない建物外観よりも、具体的な生活上不便だったり老朽化している、建物内部のリフォームの方が重要だからです(雨漏り等の申告な外観破損などは例外)。

なぜなら、家の所有者や親族であれば、多少外観が汚いとしても、長年見慣れている物件であるために「味わい」や「思い出」と解釈して大きく問題視することは少ないです。
(この点、外観インパクトを重要視する売却希望者の他人とは、住宅不動産価値の考え方に大きな違いがあります

その代わり、内装と水まわりを中心にリフォーム費用を投下しましょう。
具体的にキッチン、手洗い場、風呂場、内装のリフォームは老朽化機能の刷新化だけでなく、住む人の気持ちもリフレッシュするため、「これからずっとこの家に住みたい」という気分が大きく盛り上がります。

仮に「10年後ぐらいにこの空き家に戻ってこよう」と考えていた所有者でも、内装と水まわりが一新されると「いますぐ住みたい」と思うようになるかもしれません。
それくらい、居住性中心のリフォームは大きな効果を発揮します。

判断基準:空き家の不動産価値(売却額、賃料アップ)を大きく高めたい人は、細かいリフォームよりもリノベーション

空き家の不動産価値を高めたい場合、これまで解説してきた小分類ごとの検討ではなく、根本的な増改築や全面リフォーム、二世帯リフォーム(リノベーション)を検討するのも手でしょう。

コストはかかるものの、売却時(賃貸時)に大きく利益が出せる可能性が出るため、トータルの手残り利益が向上する結果に結びつくケースがあります。

近年は物件の間取りや構造変更をするような大規模のリフォームのことを「リノベーション」として区別するようになっています。
小規模改築である住宅リフォームは無資格業者でも仕事ができますが、リノベーションは建築士資格を有していない人間がいないと、受注はできません。

細かくリフォームを積み重ねていっても物件価値が上がらないならば、大きくコストをかけたリフォーム、リノベーションを行うことで大きなリターンを考えるのは誰もが考える方法ではありますので、あくまでも費用とのトータルバランスを収支計算した上で結論を考えねばなりません。

リフォーム箇所の優先度
居住者、購入者 外壁、外構(エクステリア) 内装、キッチン、風呂、
不動産屋、購入希望者
自分、家族、親類等
リフォームとリノベーションの特徴
リフォームの特徴 リノベーションの特徴
原状回復と修繕が目的 新築時並みに物件価値を高める
壁紙の張り替え、畳替え 壁や床を取り除クことが可能
壊れた設備の修理、取り換え、見た目改善 構造上の間取りを変えることができる
リフォーム・メニューを多数こなすならリノベーションしたほうが安上がりになることも デザイン性も加味すると、リノベーションコストを上回る価格で売却できることもある
大体の相場:数十万から数百万円 大体の相場:500万~1,000万円以上

リフォーム費用の一般的な価格相場

それでは次に、場所ごとのリフォーム費用の相場をみていきます。
中分類の費用の相場は、大体以下の表の通りです。

あくまでもこの表は「この場所をリフォームする人は大体これくらいの費用をかけているようです」という価格相場の目安にすぎないことに注意しておいてください。

大分類 中分類 費用の相場
水まわり キッチン 100万〜150万円
浴室 100万〜120万円
トイレ 30万〜40万円
洗面室 20万〜30万円
内装 リビング 100万〜150万円
ダイニング 30万〜60万円
寝室 60万〜80万円
外観 外壁 90万〜120万円
屋根 50万〜100万円
外構・エクステリア 60万〜90万円
駐車場・ガレージ 50万〜100万円
大規模 増改築 750万〜1,000万円
全面リフォーム 1,000万〜1,250万円
二世帯リフォーム 1,000万〜1,250万円

細分化しすぎるリフォーム予算建ては難しい

上記の表では、中分類の一般費用相場を一覧していますが、それより細かい小分類とその費用相場についてはあまりに数が多いため(数十~数百以上あります)触れていません。

小分類のアイテムの選択については、あなた自身がリフォーム業者の営業から話を聞いて、どのような種類があって、それがどのような製品特性を持っていて、いくらなのかを確認していくしかありませんので、事前に全てを正確に予算建てるのはあまり現実的ではないでしょう。

汚れにくい素材を選んだり、最新の快適設備を入れたりするだけで、1アイテムで10万円20万円は簡単に変動してしまうため、リフォームの見積り予算建ては非常に難しいのです。

シンクの選択だけで70万円の価格差

最終的にリフォーム業者に支払う金額は、次のように2段構えで決めていくことになります。

  1. まずは中分類の費用の相場をつかんで予算を決める
  2. 最終的なリフォーム価格は小分類アイテム選択の積上げで決まる

キッチンをリフォームする場合、具体的にどのようにして2段階で費用を決めていくのかの事例を見てみましょう。

下記の表は、リフォーム費用の相場表と大分類・中分類・小分類表の中からキッチンを抜き出して合体させたものです。

大分類 中分類 小分類 費用相場
水まわり キッチン シンク、調理台、コンロ、吊戸棚、食器棚、調理器具棚、給湯器、食洗機、床、壁紙 100万〜150万円

キッチンの費用の相場は100万~150万円と、50万円も差があります。

上記表だけでも費用を決める項目が「シンク、調理台、コンロ、吊戸棚、食器棚、調理器具棚、給湯器、食洗機、床、壁紙」と10個もあるため、価格幅が出るからです。

例えば同じメーカー(LIXIL)のシンクと調理台とコンロのセットについて、具体的アイテムをざっと2種類見ただけでも、安いほうは89,860円、高いほうは777,065円と、価格差が約70万円も出ています。

サンウェーブ 取り替えキッチン パッとりくん (水栓穴なし) GKシリーズ W1650サイズ(89,860円

システムキッチン リクシル リシェルSI 扉カラー:シュガーホワイト 3口ガスコンロ (777,065円

後者のシステムキッチンは高給価格帯であり、流行りの対面式のアイランドシステムキッチンという面でも非常に売れている商品ですが、リフォームするにしても単純な価格だけでの比較がいかに難しいかがよくわかると思います。

人間は不思議なもので、1度キッチンリフォームにお金を出すと決めると、うせならばより良いアイテムを導入したいという欲が増幅してしまうものです。

例えば「食洗機をキッチンにビルトインしたシステムがいい」と考えると、この追加オプションだけで88,000円~150,000円もの価格差がさらに発生します。
洗うスピードや大きさが違うだけで、簡単に6万円以上の差がついてきます。

パナソニック NP-45MD7S(88,000円)、NP-45MD7S(150,000円)

リフォームは細かなアイテムの変更が数多く積み重なる事によって、当初予定していた予算を大幅に超えてしまう可能性があります(当然、営業マンは総額かさ上げを狙って様々なオプションや追加リフォーム箇所を進めてくるでしょう)。

ですので、最初に決めた「リフォームをしないリスト」を遵守して、ついその場の勢いや雰囲気で高額なリフォームプランに流されてしまう事を、堅く戒めなければなりません。

空き家不動産のリフォームには上限価格の遵守が必須

売却や賃貸を予定した空き家不動産リフォームならば、常に最低限必要なところだけにコストを投入することを考えてください。
したがって、全体リフォームを消去表で決めた後は、個別アイテムやリフォーム箇所については「これ以上は費用を出さない」という上限価格を設定します。

例えば、キッチンのリフォームは100万円以内に収める等の個別上限価格を決めてから、必ずその価格範囲内で収まるアイテムやリフォーム方法を選択するように努めます。

リフォーム予算は2種類用意。業者には絶対に秘密。

リフォームプランが決まったら、全体予算の資金繰りです。
予算額によっても異なりますが、自己資金内で行うかローンを使うかが決まります。

リフォーム業界が大きくなるにつれ、多くの金融機関でリフォーム専用ローンが商品として用意されるようになりました。

また、予算を決めたら絶対にリフォーム業者に明かさないようにしてください
これには大きな意味があります。

支払い上限予算と理想枠内予算の2種類を用意

リフォーム予算は「絶対にこれ以上支払うことができない額(支払い上限予算)」と「できればこれくらいで抑えておきたい額(理想枠内予算)」の2種類を用意しておきましょう。

安く済んで数十万円、通常は数百万円単位の予算が必要となる不動産のリフォームは扱う金額が大きいため、普段なら100円、1,000円の節約に敏感な人でも、営業マンに上手に言いくるめられると、10万円、100万円の増額オプションの支払いになぜか抵抗感がなくなってしまう事があります。

車や住宅など大きな金額の買い物をする際、その購入物は高額だが価値のあるものである」という先入観があるため、大きな心理的財布と表現されることがあります。
リフォーム営業マンとの交渉では、この大きな心理的財布を、心の中から意図的に消去するように努めるのがポイントです。

高額な車や新築マンションを購入する際、いつの間にか余計なオプションを沢山つけられてしまい、考えてもみなかった高額契約をしてしまう顧客心理と全く同類です。

したがって、自分自身が商談でこの枠内に収められれば良しと納得する予算額(理想枠内予算)と、もし何かしらの理由で値段が釣り上がってもこれ以上は出さないという断固決意をした価格(支払い上限予算)の2段階予算という形で、まだ営業マンと面会していない頭が冷静なうちに準備をしておくことをお勧めします。

尚、支払い上限予算は理想枠内予算の3割増し程度に抑えておきましょう。
もしも営業マンと面会の上、支払い上限予算の3割を超える見積りに達しそうならば、すぐに心の中にアラートサインが成るように準備しておくべきです。

海千山千のリフォーム業者が一旦顧客の予算を知ると、その中から最大限の支払額を引き出そうと画策してくる

先にも触れましたが、空き家不動産に関わる予算額(支払い上限予算、理想枠内予算の双方)は一切リフォーム会社の営業マンに教えてはいけません。

世知に長けたリフォーム業者は、先に説明した顧客の心の財布という考え方を熟知しています。
あなたが理想枠内予算を仮にストレートに伝えてしまうと、そのた途端に、業者は「あと2~3割は出せるということだな」と皮算用を始めます
そして更に2~3割増しの金額を請求できるリフォーム内容を組み立ててくるはずです。

リフォーム会社からすると、優秀な営業マンほどこういった顧客心理に長けているわけですから、社内成績も良いはずです。
顧客視点としては、営業成績がよく、業歴が長く、外見上も信頼できそうな営業マン程注意をしておくべきでしょう。

当然、支払い上限予算もリフォーム業者に教えてはいけません。

リフォーム業者が予算上限額を知った場合、その金額をいくらか上回る見積りを作成した上で「本来はこれくらいかかるのですが、今回は特別にご予算内で工事を請け負わせていただきます」と見せかけの値引きをしてくる可能性があります。

逆に良心的なリフォーム業者の場合、顧客から上限予算額を聞いた場合には「今回の(空き家)リフォームならば、そこまで費用をかける必要はないと思います」と建設的で誠実な対応をしてくれる可能性もありますが、必ずしもそういった良質な業者に出会えるとも限りませんので、まずは自己防衛重視の対策をして臨むことをお勧めいたします。

リフォームローンを借りて資金調達をする場合

銀行等の金融機関では活況な不動産建築業界に着目して、リフォームローン商品を競うように提案しています。
リフォームローンは住宅ローン等よりも金額が低いので、貸付審査も非常に簡易的です。

もし手元に当座の支払い金がない場合、リフォーム費用を全額ローンで支払うことは十分可能な状況なのですが、金利が少々高いというデメリットがあります。

リフォームローンの金利

例えば三菱東京UFJ銀行の場合、新築の住宅を買うときの住宅ローンの金利は1%を大きく下回るのですが、リフォームローンの金利は1.99~2.875%と設定されています(2017年12月調査時点)。

どの金融機関をみても、新築向けの住宅ローンに比べて、中古住宅向けのリフォームローンの金利はおよそ2~3倍程度に設定されているようです。

三菱東京UFJ銀行のローン金利
商品名 金利
リフォーム向け ネットDEリフォームローン 年1.99~2.875%
新築住宅向け プレミアム住宅ローン 固定3年 年0.45%
固定10年 年0.75%

なぜリフォームローンの金利高いのか?

新築の住宅ローンと比較して、中古住宅のリフォームローンの金利が高い理由は、単純に新築住宅と中古住宅の担保資産価値の差であり、銀行等金融機関にとってリフォーム融資はリスクが比較的に高い案件となるからです。

金融機関は融資した資金の返済が滞った場合、担保資産を売却して残金を回収するのはご存じのとおりですが、通常は建設予定(リフォーム予定)の住宅不動産が担保となるでしょう。

新築住宅であれば、担保資産となる住宅を市場で転売することは比較的容易ですが、空き家を含む中古住宅の場合、担保転売して現金回収するにはより時間とリスクが伴います(転売できても、リフォーム融資全額の回収ができないケースも多いでしょう)。

ローンを組んでまでリフォームすべきなのか?

空き家不動産のリフォームを考えた場合、自己利用目的でないのならば、できるだけコストは抑えたリフォームメニューにすることを先にご提案いたしました。

実際、高い金利を支払い、場合によっては追加担保を入れたりまでしてローンを組んでリフォーム資金調達をするのは、よほど空き家不動産の売却(もしくは賃貸、土地活用)で収益確保に自信が持てない方には、安易にお勧めできません。

自己資金にはある程度の余裕があるが現金支出を控えたい方や、仮に売却や賃貸という出口戦略がうまくいかなくとも、自分や親族で空き家活用できるから問題ない…というケースの方以外は、無理なリフォームローンの資金調達には慎重になってください。

その上で不動産売却等に勝算ありと判断できるならば、リフォームローンは有意義な資金調達方法の1つとなり得るでしょう。

大手リフォーム業者と地元中小リフォーム業者、どちらに業務を依頼するべきか?

住宅リフォーム工事は、大手建設会社系列のリフォーム専門企業や地場の工務店といった中小零細企業まで、それこそ山のような数の業者が事業を手掛けています。

基本的に建設業界はピラミッド型の下請け構造が確立されていますので、誰もが名前を知っているような大手企業(の冠の付いた子会社)やテレビCMでよく見る企業にリフォーム発注をしても、実際に現場仕事を手掛けるのは彼ら大手企業の下請け、もしくは、孫請け企業ということが多いでしょう。

一般的にリフォーム費用は、大手から下請けへ、下請けから孫請けへと発注業務が移管していく度に膨らんでいきます(それぞれの会社が利益を取るからです)ので、大手の会社ほどリフォーム総額が膨らむ傾向にあります。

一方、地場工務店の場合は下請けではなくあなたからの直受け仕事になりますので、不要な中間マージンがとられない分、リフォーム価格は少なく済む傾向があります。

その反面、大手企業のような洗練されたデザインに対応できなかったり、経営状態が悪い中小零細企業の場合は、工事でトラブルやミスあった際に問題が大きくなってしまったり、返金対応がされないまま会社ごと行方不明になってしまったり、という懸念も一部考えられます。

地元の工務店の力量を知ることは難しい

特に空き家不動産のリフォームとなると、できるだけコストを掛けないよう工夫が必要となりますが、リフォーム会社の選定時に安い業者、特に地元工務店に値段だけを基準で発注して良いのでしょうか。

実際のところ、リフォーム会社や工務店の力量を外部の一般人が推し量ることはとても難しく、地元企業ならば過去に仕事を発注したことがある方に評判を聞いてみたり、ネット上で企業評判を検索してみたりするしか方法はありません。

ところが地場の零細工務店の場合、何かしらの評判や口コミが見つかる大手リフォーム会社と異なり、顧客の口コミそのものが一切見つからないケースも考えられます。

したがって、地元工務店の客観的な業務評価を探すことは案外難儀な作業になることを、最初から理解をしておくべきでしょう。

良心的なリフォーム業者と出会うためのにはどうればよいか?

良心的で技術もあり適正価格でリフォーム工事をしてくれる業者を探すには次の3つの方法がありますのが、それぞれをご紹介しておきます。

  1. 最近リフォームをした近所の人に業者の評判を聞く
  2. 複数の業者とコンタクトを取り、見積書を出してもらう
  3. 一括見積もり比較サイトを利用して、複数の業者を一気に相対比較する

先にふれたように、1が最も確実な方法ですが、リフォームする空き家不動産が遠方にあったりする場合など、リフォーム業者の情報を持っている近所の人を探すだけでも大変です。
また、調べたいリフォーム会社に関する発注経験を持っている人が都合よく見つかるかどうかはとても難しいところです。

2は見積書依頼をするすべての業者と面談をして、現場となる不動産を案内しなければならないため、遠方の空き家所有者にとっては特に負担が大きいです。
現在お住まいの住宅を売る場合でも、何社ものリフォーム会社営業と面談するだけで休日が何日もつぶれてしまいますので、非常に面倒かつ時間のかかるやり方です。

最も時間と手間がかからず、手っ取り早い方法は、3でしょう。
1つのサイト(一括見積もり比較サイト)に申し込むだけで、対象物件近くの複数リフォーム会社から大凡の見積りが届き、それぞれを無料で相対比較することができます。

私が利用をお勧めしたいリフォームの一括見積サイトには、次のようなものがあります。

リフォーム一括見積サイトおすすめTop3

タウンライフリフォーム
タウンライフリフォーム
ダーウィンシステム株式会社 運営
全国対応可
無料で3つのリフォーム提案書が届く

【無料】リフォーム相場チェックと見積り提案を受ける

リショップナビ
リショップナビ
株式会社アイアンドシー・クルーズ
全国対応可
最大5社のリフォーム会社から提案

【無料】リフォーム相場チェックと見積り提案を受ける

ベスト@リフォーム
ベスト@リフォーム
株式会社ウェイブダッシュ
大手リフォーム会社のみ多数参加
入力1分で簡単複数見積り

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リフォーム見積書を理解する3つのポイント

上記でご紹介した一括見積もりサイト等を利用することで複数業者から見積書を提案されても、不動産所有者のあなた自身が見積書の内容をよく理解できない限り、良心的な業者を選ぶことはできないでしょう。

簡単に見積り書から業者の良し悪しを見破るためのポイントをご説明します。

見積り金額が安い業者=良心的とは限らないので注意をする

まず見積書は細目まで注意して比較検討をした方が良いでしょう。
案外、総額だけを気にして、細かな内容まで目を通さない方は少なくありませんが、見積り総額が安いからと言って、それが誠実な業者である証左にはならないことを知っておきましょう。

例えば見積り総額で100万円を提示したA社と90万円を提示したB社があるとします。
A社は良い工事をして良い建材を使っているのですが、値引き率を高くして120万円の仕事を100万円で見積もり提示してくれた一方、B社は安い材料を安い工法や経験少ない若い社員で賄う行うため、値引きなしの90万円で見積もりが作成されたかもしれません。

この場合、わずか10万円の差であれば、A社を選択するのが賢い選択となります。
それらは全て、詳細な見積もり細目を比較検討しなければ判断しかねます。

尚、リフォームの見積り書細目を比較する際は、下記の3点を抑えてください。

  1. 使う建材のメーカー名、商品名、品番、単価が書かれてあるか
  2. 施工費が他社と比較して不当に高くないか
  3. 内容不明な細目(不透明なサービス諸経費等)が差し込まれていないか

見積り書チェック1.使う建材のメーカー名、商品名、品番、単価が書かれてあるか

例えばキッチン全体のリフォームで、システムキッチンを入れ替えて、床をフローリングにする提案を受けたとします。

この際、見積書にシステムキッチンとフローリング材のメーカー名、商品名、品番、単価が書かれてあれば、別途にインターネットで調べたり、メーカーに問い合わせたりすることで、商品のグレードや販売相場が分かります。

仮に同じ上記オーダーで3社に見積もり依頼を出したところ、3社とも異なるシステムキッチンと異なるフローリング材を提案してきたとします。

そうすると、グレードが高いシステムキッチンやフローリング材を提案しているわけでもないのに、単純に見積総額低い業者に目が行きがちになってしまいます。
したがって、見積もり詳細内容をきっちりと比較した上で、どの会社の見積りが最もニーズにマッチしているかをきっちり見極めることは大変に重要です。

見積り書チェック2.施工費が他社と比較して不当に高くないか

見積書に書かれてあるシステムキッチンやフローリング材などの価格には、リフォーム業者の利益が上乗せされていますが、それよりも彼らのメインとなる収益は施工費です。

リフォーム業者にとって施工費は利益の源泉であるが故に、不誠実なリフォーム業者は施行費がやたら高額だったり、(実体は単純な作業なのに)複雑な施行工程を理由にして、高額な請求をかけてくるところも存在しています。

たしかし、より丁寧な工法を採用しているため施工費が高いことは当然あるのですが、こういった正当に高額な施行価格と、不誠実に高額な施行価格を見極めるのは素人には難しい面がああります。

最も適切な見積も価格判断方法は、建築業界に勤める知り合い等にセカンドオピニオンとして見積り書をチェックしてもらうことですが、難しい場合はできるだけ複数の見積りを取ることで、それぞれの会社が出してくる相場観をつかんだ上で、高い施工費を提示した業者には

「他社さんより施工費が高いようなのですが、特別な工法を採用しているのでしょうか?」

とストレートに尋ねることで、価格交渉をすることでしょう。

施工費は「手間賃」や「工事費」と書かれている場合もあります。

見積り書チェック3.内容不明な細目(不透明なサービス諸経費等)が差し込まれていないか

まず言語道断なのは、顧客が素人だと見くびり全く内容が伴わない不透明な諸経費などが差し込まれているケースです。
見積り総額だけ目にして細目を細かく読むことを嫌う(面倒がる)人は確かに一定の数存在していますので、いい加減な費用でも何となくそれらしい名前を付けてしまえば、気付かれずにそのまま支払われてしまう事があります。

不透明な細目例は、、〇〇診断費用といった内容そのものがよくわからないものから、材料費などを「材料費一式」というような形でひとくくりにしてしまうケースです。

尚、リフォーム見積書の諸経費は、工事作業管理、交通費、総務部門の経費などの総称として使われていることも多いので、このあたりも具体的に内容をはっきりとさせたいところです。

実際、慣例的にリフォーム見積書を作成する社員は、まず顧客のリフォームオーダーに関わる全ての金額を算出した後、全体額の10%を諸経費として請求するといったルールで計算している会社が多いようです。

この諸経費ついても細かい内容が明らかならば正確な金額を出すことができるので、場合によっては「御社の諸経費は少し高くないですか?」と尋ねることができます。

諸経費の率の割り出し方法

見積書の記載内容が次の通りだったとします。

材料費 1,000,000円
施工費 300,000円
諸経費 130,000円
小計 1,430,000円
消費税 114,400円
総額 1,544,400円

小計(1,430,000円)のうち、諸経費(130,000円)を除外した金額は1,300,000円です。
諸経費額を1,300,000円で乗算して%に直せば、この1,300,000円に占める諸経費(130,000円)割合は10%と算出することができます。

130,000÷(1,430,000ー130,000)×100=10(%)

後日の追加料金有無は必ず確認する

最後に、見積書を受け取った追加料金が発生する条件を必ず確認しておいてください。
悪徳業者はリフォームに着工はじめてから「追加工事が必要になった」「見積もり段階では想定できない事態が発生した」などと、後出しで言い出すことがあるからです。

リフォーム業者が「追加料金は発生しませんよ」と言った場合、その内容を必ず見積書もしくは覚書で別途書面に落としてもらうことを忘れないでください。

追加料金の未発生を書面に落とすことを嫌がるリフォーム業者が中にはいますが、その場合は良心的な会社ではないサインの1つとして注意が必要になります。
最終的な業者選びのときに外す候補に挙げておいてください。

既に他界した私の父も生前は一級建築士でしたが、実家や私の今の住まいを施工依頼した会社に対し、細かな施行条件や営業会話中にかわされた約束ごとのすべてに対し、逐一書面に覚え書きとして書かせていたのを強く記憶しております。
それだけこの業界で口約束は役に立たないということを、父は熟知していたのだと覆います。

まとめ – リフォーム費用と相場を知ることが悪徳業者からの自己防衛につながる

空き家に関わらず、一戸建て不動産のリフォーム発注でトラブルが多く発生したり悪徳業者が存在したりするのには理由があります。

  • 大きなお金が動くのに価格設定が明瞭でない
  • 見た目だけを繕う手抜き工事が簡単にできる
  • 業界を規制するルールが曖昧

住宅リフォームは何度も繰り返し発注するサービスではないため、なかなかそのサービス概要や業界の内情を素人が知ることは難しいのですが、せめてまずはリフォーム費用と相場を調ベル方法を学んでおき、不誠実な業者に対する自己防衛ができるようにしておきたいものです。

少なくとも、たまたま営業された1社のリフォーム会社だけと商談をするような危険なまねは避けて、複数業者(最低3社)から見積もりをとって、相対比較する事だけは心がけてください。

これだけでも、リフォームは会社によってずいぶんと「差」があるのだな、ということを実感することができるでしょう。

参考資料

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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