空き家不動産を売って田舎暮らし!離島生活のススメ

突然ですが筆者は、現在離島に住んでいます。
正確に言うと、住民票は移していないのですが、元々の実家を売ったお金で購入した離島の別宅があまりにも快適で…ほとんどこちらで過ごす日々が多くなってしまったというのが実際のところです。

離島とは言っても秘境を超えた僻地にある無人島でサバイバル生活をしているわけではなく、上下水道、電気、交通網などのインフラが一通りそろっている生活に支障のないとてもいいところです。

家の前には砂浜があり、夏は貸し切りで海水浴が楽しめて、新鮮な魚を食べたいと思ったら釣竿を従えて港から釣り糸を垂れます。

時には都会の空気を吸いに、夕方島を出て歓楽街に遊びに出かけたり、朝の船で出かけてこの島を拠点に出張に行ったりします。

今年の夏は妙に仕事が忙しかったため、外に出ている期間の方が例外的に長めだったですが、住民票を置いていないこの島が自身の生活拠点であり、ホームタウンになってしまいました。

都会での生活はエキサイティングで便利ですが、一年365日ずっと都会暮らしでは心身が疲れてしまうと筆者は思いました。

時の流れを忘れるような落ち着いた時間と、秒刻みのエキサイティングな時間。このギャップを楽しむことで仕事や人間関係のストレスを和らげることができ、結果いい仕事やご縁にも巡り合うことが出来ています。

また、東京あたりで初対面の方と雑談をしていて自身が島民14人の島に現在居住しているという話をすると話題的に非常に食いつきがよく、自身に興味を持っていただくためのすばらしいツールにも島暮らしはなっています。

本項では不動産的な側面を中心に島暮らしの魅力に迫り、読者の皆様に島暮らしの魅力と、多少の不便さをかき消すほどの暮らしやすさを伝えて行きたいと思います。




日本の離島事情

日本における「島」の定義

海洋法に関する特別条約(日本は平成8年に批准)において、島とは「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面の上にあるものをいう」と定義されています。

また「島」は、「大陸」との比較における対義語ともとらえられており、世界的に見ればオーストラリア大陸より面積の小さい陸地を「島」と呼ぶのが一般的です。

この概念を用いると日本列島はすべて「島」で形成されると言えます。しかし日本では北海道・本州・四国・九州の4大島を島とは呼ばず、これに沖縄本島を加えた5島を「本土」と呼んでいます。

これら5島の周囲に存在し、本土と橋でつながっていない島をすべて「離島」と言い、日本の排他的経済水域(EEZ)や、伝統文化、自然を守る重要な国土を形成する一部という認識がなされています。

日本の「島」の数

内閣府が発表している「離島を取り巻く現状」において、日本の島嶼は全部で6,852島(平成24年1月現在)あり、このうち沖縄本島を含む本土5島を差し引いた6,847島が「離島」とされています。そしてこの中の418島が居住者のいる「有人島」で、残り6,847島が無人島です。

これら離島に関して、島国日本の領土、排他的経済水域の保全などの大義において国民的・国家的役割を維持するためにも離島振興が必要であるということから自律的発展の推進、生活の安定、福祉の向上、地域間交流の促進を目的とし、昭和28年議員立法により「離島振興法」が制定されました。

離島の発展を促すための「離島振興法」

この法律は当初、10年の時限立法でしたがその後延長・改正を重ね現在においても有効な法律として立派に存在(現在のところ平成35年まで)しています。

この法が適用されているのは法対象305島の有人島のうち、沖縄振興特別措置法に指定されている39島、奄美群島振興開発特別措置法に指定されている8島、小笠原諸島振興開発特別措置法に指定されている4島を除いた全国254島になります。

現在これらの離島においては、法の大義が示す通り地域振興・産業創出・定住促進・エネルギー関連のインフラ整備に関して重点的に国の支援がなされ、それに伴い地方自治体・外郭団体・NPO団体などが地域振興や定住促進のための積極的な事業を展開しています。

スローライフの提案は不発に終わる

かつて団塊世代の定年退職に伴う「第2の人生」を提案するビジネスモデルとして、2005年ごろから農水産業に従事しながらのんびりとスローライフを楽しむと言った「田舎暮らし」にかかる不動産売買を謳う業者が台頭しました。

筆者は個人的に当時の提案に関し、農林水産業や田舎暮らしに知見のない都市部の商売人が、年寄りの道楽程度に地方での生活を考えた上に法外な利益をもって無知な消費者に粗末な商材を売りつけるだけのスキームでしかないと考えていました。

当然、自身を年寄り扱いされることを嫌い、定年後もエキサイティングに暮らしたい才能あふれる大多数の団塊世代の方々にこのような生活スタイルは浸透することなく、定年退職者を年寄り扱いした大多数の「第二の人生」ビジネスモデルは不発に終わってしまいます。

ちょうどこの時期にリーマンショックに伴う世界的な恐慌などと言う時代背景も手伝い、消費者の長期的ライフプランを見据えた高額品の購買意欲が全人口的に落ちてしまったことも「田舎暮らし」が認知されなかった一つの理由でしょう。

2015年から始まる空前の「移住ブーム」

しかしその後第2次安倍内閣が発足。「美しい国日本」の政策において、社会使命としての「地方創生」「観光立国」というキーワードが生まれ、これを国策として支援することが約束されました。

これらの社会使命を果たすためには農林水産業の再建は必須であり、大都市だけでは担いきれない日本の美しさを伝えるため、地方における地域振興はもはや、全国民にとっての注意義務となったのです。

それに伴い各メディアでは、地方での定住を促進するために移住のメリットや魅力を伝えるための番組を放映したり、地方創生にかかる政策を広く国民に流布しています。

地域振興にエキサイティングな魅力と、サラリーマン生活では味わえないやりがい、大きなビジネスチャンスが付加されたことが結果としてそれまでの退屈なイメージを見事に払拭することとなり、地方での移住生活は都市生活に疲れた勤労世代の若者に受け入れられることでどんどん加速していきました。

まったく新しいライフスタイルを手に入れ全国各地の地方集落で活躍する勤労世代や、やりがいを求め地方に移住した団塊世代の退職者の頑張りによって、一部居樹希望者に人気のある自治体の取り組みが優秀な地域においては、現在経済・インフラともに目覚ましい発展を遂げているところもあります。

島暮らしのメリット

 

日常の中にある非日常空間

例えば旅行に出て、船で移動するときに得られる開放感を感じたことはありませんか?

都会の喧騒を離れ、本土と橋もつながっていない場所へと向かう特別な瞬間。離島に住んでいるとこの開放感を毎日でも味わうことが出来ます。

筆者の住んでいる島は人口がたったの14人。島にある商業施設は漁家民宿が2軒とジュースの自販機1台のみです。移動手段は本島から1日3便運航している行政連絡船か、自己所有の船ということになります。

航行時間は約6分。同じく6分走れば本土の鉄道駅にもアクセスできます。また水が豊富で打ち抜き水道からはいつでも水が出て、電気も本島から海底を通って十分な容量の供給が出来ています。

仕事に出かける時も買い物に出かけるときも、船を利用して往復します。仕事や買い物などの日常生活とも切り離された空間に居住していることは、その不便さを凌ぐほどの実に刺激的でプライベート感を掻き立てる格別なライフスタイルの演出です。

かといって水道も電気もないような無人島でサバイバル生活など、21世紀の現代において普通にこなせるはずがありません。船での移動も30分や1時間ともなればむしろ苦痛に感じてくるでしょう。

日本の離島には、日常生活に必要なライフライン設備の整った、本土からすぐ近くの便利な島がたくさんあるのです。

近隣住民とのコミュニケーションで都会よりも住みやすい環境

都市生活の脆弱性として真っ先に問題になるのが、地域住民とのコミュニケーション不足です。

人口が集中していることでお付き合いの範囲がわからず、不公平さを考慮したり損得や感情の行き違いから近所付き合いがなくなってしまうケースが多く存在するようです。

対して田舎暮らしをすることにおいて、近隣住民とのコミュニケーションは必須条件です。
隣近所に住む人とのコミュニティから孤立しては自身の生活さえままなりません。

しかし田舎のコミュニティには、大都市のそれにみられるような大規模さや、様々な人との付き合いによる摩擦はほとんどなく、あくまで集落の数名の人と深く付き合うことによって地域固有の恩恵に安塚ることが出来たり、有事の際のセーフティネットになったりと、とにかくいいことづくめです。

筆者の場合、ご主人を亡くし子供たちは大都市圏に出てしまった一人暮らしのおばあさんから15坪2DKの平屋建ての離れを賃借しています。

賃料は月1万円で、電気水道はしっかり完備、給湯は石油ボイラーでとても安上がりです。

トイレももちろん水洗で、ウォシュレット完備です。一人暮らしなので十分すぎる空間を安く使わせて頂くことが出来ているので、一般的なサラリーマンレベルの収入でも全国出張の経費を賄いながら十分な生活をさせて頂いています。

要所要所で世話ができないので現在は行っていませんが、島中いたるところに人口が多かったころに開墾された畑が点在しており、農業を始めるにあたりまず自身で農地を購入する必要はありません。収穫した野菜や果物をおすそ分けするくらいの手間で、近隣の皆様は快く畑を貸してくれます。

逆に近隣の人が収穫してきた作物や釣ってきた魚などのおすそ分けを頂くこともあり、まず食べていくのにお金がかからない素晴らしい環境であります。

移住を決めた時点で様々な恩恵が得られた

筆者の住んでいるところでは特にそういった支援はないのですが、離島振興法の適用を受けている島には手厚い行政支援策を打ち出して移住者を募るところもたくさんあります。

移住するためにまず必要な住居を建築している自治体や、空き家バンクに登録されている家屋を住めるように改装するための資金を助成したり、地域の産業に従事したい定住者に対して充実した手当を支払いながらの研修制度を用意しています。

また、移住の祝い金を交付したり、住居をプレゼントしたり、就労に必要な道具や家畜をプレゼントしたりすると自治体も少なからず存在しています。

移住先の下見のため短期的に滞在する宿泊施設を設け、地域での暮らしをアテンドするツアーを実施している自治体もあります。

島ぐらし支援例の事例

鹿児島県・トカラ列島の例

十島村「定住促進制度」概要
定住促進生活資金交付制度 生活資金として婚姻・出生に一定額を交付、又生活資金助成金を該当者に交付
住宅資金貸付制度 付額1,500万以内、貸付利率年3%、貸付期間25年以内、等
育英奨学金貸付制度 住所を定めた日から1年以上経過した者の子弟が対象(月額2000~5000)・貸付利率無利子・貸付期間10年以内
産業振興基金貸付制度 十島村に住所を有するもので、産業の振興上必要と認める事業が対象・限度額以内
北海道・利尻町の例
転入奨励金 利尻町に生活の本拠を移し、引き続き定住が認められ法定手続きを完了した世帯に対して

単身世帯以外の世帯に100万円

児童養育奨励金 利尻町に1年以上住んでいて、引き続き定住すると認められる方が町内に第3子以上の子を養育している場合3人目以降の子供につき出生時から16歳未満までその保護者に対し1万円を支給します。
出産祝い金 利尻町に1年以上住所を有し、引き続き定住すると認められる方が3人以上出産した場合、子供3人目からその保護者に対して子1人につき25万円を支給します。

まとめ:離島に移住、別宅を買う人生は思ったよりも楽しいですよ

現在都市部にお住まいの方であれば、きっと地方での生活は不便極まりなく、新しいコミュニティを形成することも難しいことだとお考えでしょう。

また、仕事のことや生活のことなど、憧れだけでは片づけられない現実的な問題が頭の中に山積みになることかと思います。

筆者は都市部に生まれ育ち、都会の生活に疲弊しきって郊外に移住しました。その先で人の温かさや地域コミュニティのありがたさを実感し、自身が思いさえすれば、どこで何をしていても幸せに生きていくことはできることを身をもって体験したのです。

そして現在、某県の瀬戸内海に浮かぶ島民14人のこの島にある別宅で生活しながら、夜明けを迎えた地方創生ビジネスの種まきをしながら現在の仕事に従事し、日々を充実して過ごすことが出来ています。

現在の生活・これからのライフスタイル・人生の進路に悩む都市生活者の皆様に、本項を読まれることで島暮らしの魅力が伝われば筆者としては幸いです。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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