私道に面した空き家不動産対策と接道義務(私道持分とセットバック)

実家を相続することになりそうな知り合いから相談がありました。
既に空き家となっている実家は入り組んだ下町住宅街にあって私道にしか面していない、とのことです。
私道の幅員も狭いらしく市場価値があるかどうかも心配とのことです。
また相続の資産評価額を算定する方法についても、どうしたら良いか、と心を痛めているとのことでした。

今回は、私道に面した空き家の問題を取り上げてみます。




私道の定義とは

私道と公道の区別は大凡想像できる方が多いと思いますが、土地売買に絡む契約を前提とすると、前密にその境界をはっきり区別しておく必要があります。
空き家売却を計画してみて「え、この道路って私道だったの?」と初めて気づく方も少なくないからです。

慣習的に使用している道路を「私道」「公道」と意識で区別している通行人はほぼ皆無のケースもあり、土地所有者のみがそのことを知っているという状況も珍しくありません。

一般的に公私混同という言葉があります。
前半の公私(コウシ)は、公(オオヤケ)と私(ワタクシ)を繋げた熟語ですが、公は公共の利益、私は私利私欲というように公と私という対立概念を重ねていますが、当然、道路に関しても同様の対立概念が成り立っています。

公道と私道の区別

公道は、公(オオヤケ)の文字が示すように国や地方公共団体が管理などを実施している道なので誰でもが交通のために使用できます。

一方、私道は公共団体以外の個人や企業などが所有や管理をしている道です。
私道は個人や企業などの管理下にあるために、交通目的で使用するには私道の管理者・所有者の許可を要します。
本来は誰でもが交通できるわけではありませんが、「地域利便性のために」と昔から私道オーナーが通行自体を黙認しているというケースも存在しています。

道路、道、通路、それぞれの違い

建築基準法という空き家などの建物に関連する事項を定めた基本的な法律があります。
建築基準法第42条では道路の定義を定めていますが、この法律によれば、道路とは、幅員4m(例外的に6m)以上で所定の法律で定められた道又は建築基準法が制定される以前から道として使用されていた通路を道路として定義しています。

建築基準法での道路の定義には、公と私の区別は無く、道を作る際に政令で定める基準に適合し、特定行政庁(建築主事を置く区市町村と都道府県)からその位置の指定を受けたもの、とだけ記載されています。

建築基準法
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索して提供します。

尚、「道」とは一般用語として(上記に法規定されている)道路よりもかなり広い意味で使用できる言葉であり、道路のように法で明確に定義はされていません。
更に、「通路」とは一般的には道路よりも狭い道のことを指すことが多く、車の出入りはできないが人の往来が可能な程度の幅であっても該当できます。

私道と建築基準法上の道路の関係(位置指定道路の認定)

私道は、所有者や管理者による区別で個人や企業などの団体が所有・管理している道です。
また、法律の観点で私道を見ると、「建築基準法で規定する道路」と「法規定された道路以外の道」の2種が存在しています。

私道に面している空き家価値を考える時は、土地に接している私道の特性が問われます。
対象とする私道が接道義務を満たす道路か否、が重要なポイントとなります。

建築基準法第42条第1項第5号に位置指定道路の規定があります。

位置指定道路とは?

行政が私道の位置配置を指定することを「道路位置指定」といい、その道路位置指定を受けると、私道は建築基準法で定められた「道路」と認定されます。
認定された私道を「位置指定道路」と呼ぶわけです。

要は、別途定める法令の基準を満たす場合は、(本来は「道路」と認められない道でも)建築基準法上での「道路」と見做してよい、という規定です。
この別途定められた規定は、建築基準法施行令で第144条の4に形状その他の特性が規定されています。

私道しか面していない土地において、接道義務が満たせるかどうかは、上記に指定された「別途定める法令の基準」を満たさなければならない…ということになるのです。

もし基準を満たさない場合…最悪その空き家不動産は再建築不可物件となってしまう可能性が非常に大きいでしょう。
当然、売却するにせよ再利用するにせよ、非常に大きなデメリットと再建築制限が加えられてしまう事になってしまうのです。

再建築不可物件となってしまうと、今現在建っている建屋を解体して、新たに建築物を建てることができなくなります(※リフォームは可能)

したがって、私道に面した土地においては、私道が道路位置指定(位置指定道路)に認められるかどうかが、死活問題になってくるのです。

建築基準法施行令
電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索して提供します。
対処に困る再建築不可物件とは?相場と活用を考察
実家を相続したら、再建築不可物件と判明しました。 トホホ・・な状況に陥りますが、このまま空き家で放置しても状況は悪化するだけです。...

位置指定道路となる私道とは?

空き家敷地の前面私道が建築基準法上の道路(位置指定道路)とみなされれば、その空き家が建っている土地は再建築不可物件に該当しなくなります。

そこで、その私道が位置指定道路に該当する可能性を私道の形状に絞って検討してみましょう。

建築基準法施行令で位置指定道路と見做す条件を記載していますが、形状として、図1(1)から図1(5)までを指定しています。

基本的に私道の両端が道路に接続していることが位置指定道路の条件となります。
図1(1)のように、道路は意図する場所へのアクセスを可能とするために、道路の両端が別の道路と接していることが必要です。

私道が位置指定道路の要件を具備するために、幅員が4m以上必要です。
建築基準法42条第2項に相当する場合には、敷地面積が減少しますがセットバック処理をすることで、空き家不動産が建築不可物件となることを防げます。

私道の両端が道路に接していることが、位置指定道路の絶対条件かというと、実は必ずしもそうではなく例外が存在しています。
この例外として、下記の図1(2)から図1(5)の私道形状を条件付きで「道路」と認めています(※ただし、幅員は全てに関して4m以上必要です)。

上記の図1(2)は、袋地の道です。
位置指定道路の要件は、道路に接している他端が突き当り状態(上図では河川に突き当たっている)でも、全長が35m以内ならば位置指定道路として道路とみなすということです。

囲繞地・袋地の空き家不動産の場合、売却や土地活用は可能か?
昨年の話ですが、敷地形状が袋地の空き家を相続した知人から相談を受けました。 正直な感想は、イマドキ囲繞地や袋地なんて残っているんだ...

また、上記図1(3)の様に、私道が袋地でも他端が公園や広場などで自動車の回転が可能であれば位置指定道路として道路と見做されます。

前述の様に、私道が位置指定道路として指定されるためには、私道の全長が35m以下という条件がありました。
ですが、私道の全長が35m以上でも、上記の図1(4)に示すように途中に自動車が回転可能な広場を設けてあれば位置指定道路となります。

更に、上記の図1(5)に示すように私道の幅員が6m以上であれば、位置指定道路の要件を満たします。

私道と道路の接続部に関する重要要件(すみ切り)

道路と私道の接続部において、下記図2に示すように、道路との接続部にはすみ切りを設ける必要があります。
すみ切りのサイズとして、道路と私道それぞれ2m以上の面取りが必要です。

私道持分とは?

持分とは土地の共有部分に対する所有権の割合です。
私道は周囲の土地所有者がお金を出し合って維持管理をしている場合も多く、出資の割合に応じて持分が割り当てられます。
このそれぞれの地権者の所有権割合が私道持分と呼ばれます。

上記の図3に私道を囲むように家屋が建てられた区域を示しました。
紺色の線で囲まれた部分が私道となります。

家屋(A)から家屋(F)までの6世帯がこの私道を共有することになっています。
私道に限らず、土地共有の仕組みとして後述する様に「共有持分」と「分割持分」の二通りのパターンがあります。

私道の共有持分

上記の図4(1)に共有持ち分のモデル図を示します。
図の左側が上から見た様子で、右隣が左図のA1-A2の点線で切断した断面です。
専有部分(家屋が経っている土地)については、各所有者の持分は100%となりますが、共通部分となっている私道については、私道の「権利」を所有者で分割していると解釈すると理解しやすくなります。

決して共有私道に境界線を作って、「ここからあそこまではAさんの私道」というように物理的に土地面積を分割しているわけではありません。
繰り返しますが、すべての共有地(私道)は全員で共同管理し、権利のみが出資割合に応じて分割されているという点に留意してください。

余談になりますが、この様に私道部分の権利共有という認識を出資者全員が持つことで、一部の人間による私道の独占利用や路上駐車などを防ぐことができ、円滑なご近所づきあいをするための有効な方法となります。

共有名義(持分)空き家不動産の売却方法、分筆、売却後の確定申告
空き家となっている不動産は名義が自分一人だけになっているのであれば問題なく売却することができますが、共有名義なら話は違ってきます。 ...

私道の分割持分

他方、分割持分という私道の所有形態もあります。
上記の図4(2)は私道の分割持分モデルを示しています。

私道部分を面積に関して均等に分割し、各家屋の所有者の持分を、あえて他の家屋の所有者の前に割り当てるという形態です。
この狙いは、前述のように特定所有者だけが私道を勝手に使用することを防ぎ、地権者全員で共同所有・共同管理する意識を高めるための方法です。

先の共有持分は権利の分割であったのに対し、こちらは物理的に私道を面積で分割することとなる点が異なっています。

私道の道幅条件とセットバック

ここまでは、私道でも位置指定道路として接道義務を満たしているとみなされる、土地形状的条件があることを見てきました。
私道を位置指定道路とみなす条件には、土地形状の条件に加えて、道幅(幅員)に対する条件と規制も存在しています。

建築基準法施行以前から存在してきた道の取扱い

道は、建築基準法が制定される以前より人々の往来を確保するものとして存在しています。
新たに法律が施行されたからといって、元々道路として機能している道を道路として扱わない事態になると社会的な混乱を招きます。

そこで、建築基準法の施行以前から道路として機能してきた私道ならば、幅員の拡張を条件に道路とみなす規定を建築基準法に取り入れました(建築基準法第42条第2項)。
そして、この規定により「道路」と定義された道を2項道路と呼んでいます。

私道の幅員を広げる「セットバック」とは?

建築基準法上の道路とみなされるためには私道に幅員4m以上が必要です(例外的に幅員6m以上必要な地域もあります)。
ですが、建築基準法が施行される以前からの古くて狭い道路には、この幅員4m規定を満たしていない場合があります。

この幅員に関する要件を満たすためだけに、国内すべての道幅を一斉拡張するというのは社会的混乱を招く上に、現実的に実行不可能なことですので、現在の家屋を建替えるタイミングをもって接面道幅の拡張をすることが、家屋建替えの必須条件としました。

接道を拡張した分、家屋がある土地が削り取られて後退することから、このことをセットバックと呼んでいます。

私道の両側に家屋がある場合のセットバック

立て込んでいる住宅街の道には、両側に家屋が狭く密集して立ち並ぶ姿が見られます。
この様な私道のセットバックを上記図5(1)に示します。
対象となる道の中心線から両側に2mの距離の位置まで土地をセットバックさせる事で、私道が「道路」として認められることになります。

道の片側が河川や崖、その反対側に家屋がある場合のセットバック

道を挟んで家屋、その反対側に河川や崖があり、住宅地として機能しない場合のセットバックは上記図5(2)のようになります。

敷地の反対側が河川などの場合は、両側に道幅を拡張することはできませんので、河川側を元に測定して4mの距離を道と敷地の境界とします。

路線価がない私道のみ接面不動産は、どのように不動産価額を算出するのか?

不動産の相続や贈与が行われる場合には、納税額を算定するために不動産の価額を評価する必要がでてきます。

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

これらの不動産価額評価法は法的に定められており、不動産評価は相続税路線価を用いて評価されることになるのが通常です。

しかし、中には路線価が設定されていない地域が存在しており、私道のみに接面する不動産は、このように路線価設定がないケースがほとんどと言えます。

このように、私道接面などを理由に路線価設定が存在しない土地では固定資産税評価額を基にした倍率法という基準で代替評価することになっています。

空き家不動産トピックス|固定資産税とは?都市計画税とは?
固定資産税と都市計画税について 固定資産税とは、全ての固定資産と呼ばれるものにかかる市町村税で、毎年1月1日時点の所有者に対して課税さ...

路線価法による土地価額評価

相続すべき敷地に路線価が付いている土地であれば、路線価法で敷地の価額を評価します。
ただし、土地の価値は面積や形状によって大きく価額差が生まれてきます。

そこで、路線価方式において価額評価を行う場合は、その土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率を敷地面積に乗じて補正した後に、その土地の路線価を乗じて計算することになっています。

空き家不動産トピックス|路線価とは何か?
不動産は「一物五価」と言い、一つのものに対して五つの価格があるという不思議な品物です。不動産には定価と言うものが無く、その値段は売主...
財産評価基準書|国税庁
財産評価基準は、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによります。

倍率法による土地価額評価

この章の冒頭でご説明したように、相続税路線価は全国津々浦々に設定されている訳ではありません。私道のみに面した不動産には、まず路線価の設定は存在しないでしょう。

路線価の設定されていない場所の価額は、固定資産税評価額に基づいて評価されます。
固定資産税評価額に評価倍率表に記載された倍率を乗じて価額を評価します。
また、家屋の評価は固定資産税評価額を用います。

私道のみに面しているので路線価がない土地をお持ちの場合は、価額評価の際にはこのような倍率法で計算しなければならないということを知っておいてください。

評価倍率について(http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_rtof.htm)

「特定路線価設定の申し出」を税務署に行うと、路線価が適時設定されることがある

私道に面することが理由で路線価がない不動産の場合、「特定路線価の設定の申出」を税務署長に対してすることができます。
これにより、特定路線価を税務署長が設定した場合には、この特定路線価を公的な路線価額とみなすことが可能になり、その道路のみに接している宅地を評価します。

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁
国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

私道付きの空き家不動産を売却する方法

私道付きの空き家不動産を売却したい場合には、私道が共有持分なのか分割持分なのか、建屋建替え時にはセットバックが必要になるのかどうか…など、様々な諸条件を鑑みながら売却交渉をしなければなりません。

一般的に不動産の売買では、売主と買主が直接相対で取引する例は少なく、多くは不動産会社を仲介して取引をします。

私道付きの不動産は法律も絡み複雑なチェックが必要になることからも、できれば不動産会社を介した売却プロセスを念頭に考えておいた方が良いでしょう。

個人売買で後から私道に絡む問題が発覚すると、訴訟沙汰にまでこじれてしまう可能性がありますので、私道にまつわる問題は売却時にすべて一旦整理整頓する心構えが必要です。

私道付き不動産の売却プロセス

不動産の売却が成立するには、一定のプロセス及び時間が必要となります。
それぞれのステップは前後の逆転やループ状に繰り返すこともありますので、概略の目安とお考え下さい。

  1. 不動産会社選定…売買の仲介依頼する不動産会社を選びます
  2. 売却準備・査定…権利関係などの調査や物件調査の実施と価格査定をします
  3. 営業資料作成…販売戦略を実施するための資料(広告含む)を作成します
  4. 営業活動…問合せ対応や内覧会を行います
  5. 売買契約成立

Step1.不動産会社の選定

何よりもまず、売却の仲介を依頼する不動産会社の選定が、私道付き空き家不動産の高値売却成功を左右します。
しかし、一生のうちに何度も繰り返し売買を繰り返すことがないのが不動産ですから、一昔前の空き家不動産売却希望者は、どういった不動産会社を選んでよいのか?という疑問を持ったまま、あちこちの不動産会社に訪問しなければなりませんでした。

しかし現在は不動産売却時の見積をWEB上で受け付ける不動産一括査定サービスが数多くの会社によって展開されています(利用は完全無料です)。

例えば、当方サイトからも一番申込みが多いNTTデータ運営の「HOME4U」では、売却希望不動産の情報をサイトの登録画面に1度入力すれば、メール等で概略価格を連絡してきます。
もちろん、詳細な見積は現地での実況見分が必要ですが利用は完全無料なので安心です。

HOME 4 U
株式会社NTTデータ 運営
550社参加
最大6社査定を一括取り寄せ可

【無料お試しOK!】最高査定額を調べてみる

空き家隊長
サービス開始が2001年と古く、不動産一括査定サービスとしては間違いなく老舗といえます。運営元もNTTグループで信頼性が高く、全国どこでも対応できる不動産ネットワークにも強みを感じます。信頼度が高い運営は広く知られており、当サイトからの登録数もNo.1ですが、私自身のお勧めランキング1位企業でもあります。

この「HOME4U」のような不動産一括査定サイトを利用することによって、複数(6-10社)の不動産会社から概略の見積を楽に入手することが出来ますので、不動産会社を比較検討する際には是非とも活用したいところです(※詳細な見積は物件の実地調査が必要です)。

不動産一括査定サービスを利用し、複数の不動産会社から入手した査定見積もり結果を比較してみると、査定価格のバラツキは想像以上に大きくなることに気づきます。
これは、不動産会社によって取り扱う物件の得手・不得手があるということです。

また、不動産会社に売買仲介を依頼した場合、媒介手数料は成功報酬となります。
売買契約が成立しない限り、不動産会社は仲介手数料を受取ることができません。
それ故、見積価格に差が表れます。

標準と外れた物件を取り合い使い、規格外の物件売却のノウハウを有する不動産会社は、ある程度の価格で物件を売り切る自信があるため、相対的に高値の見積りを出してくるでしょう。
したがって、私道付き不動産の売却を得意とする企業かどうかの推測をたてることが期待できます。

空き家を高く売るための良心的不動産会社の選び方(不動産一括査定サイト一覧比較付)
あなたの(空き家)不動産の最高額売価を即座に知る方法が1つだけあります。 空き家不動産に限らず、土地、一戸建て、マンションなどの不動産...

Step2.売却準備・査定

不動産売却の準備は、種々の項目があり不動産会社の選定前に済ませておくべきものもあります。例えば、土地権利関係やローン残債の調査や隣地境界杭の確認です。
これらは、相続処理の段階で行なうべき事項ですので必ず実行してください。

「隣地境界」の問題は空き家不動産の売却障害になる
あなたの空き家、隣地との境界はきっちりと登記されていますか? 空き家に限らず、不動産の難しいところというのは、人と人との関係や約束事を...
相続した空き家不動産に住宅ローン残債があった場合はどうする?
相続は争族とならないよう事前の準備が必要です。 準備万端で、相続は揉めることなく遺産分割が完了となり、空き家となった実家を相続する...

土地権利関係の確認は、管轄する法務局にて登記簿(登記事項証明書)の発行(オンラインサービスも有ります)を受けて抵当権や地役権などの他者が有する権利の有無を確認します。

http://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/index.html

また、物件売却を決断したら対象の物件がある地域の特性を把握して下さい。
要は対象物件に対する市場調査です。

駅近で利便性の高い地域だったり、最寄り駅から徒歩10分から15分圏だが、スーパー・コンビニなどの商業施設や病院や学校が近所にあるので安心、といった地域の特性や住民の属性を理解することで、不動産屋との値段交渉条件に利用できないか思案してみてください。

不動産一括査定サイトを通じて得られる見積はあくまで概算です。
実際の売り出し価格は現物不動産のチェック後に依頼者の希望価格を踏まえて決定されますので、その希望価格交渉時に上記の実地調査で得られた地域特性を「交渉カード」として利用するわけです。

Step3.営業資料作成

不動産会社の営業活動でのビジネストークの元となる資料です。
この資料にも前述した地域の特性や住民の属性が反映されるようにします。
私道にしか接面していなくとも、如何に魅力的な物件であることをアピールします。

ここで、注意すべき点は、どんなにデメリットになってしまう特徴があったとしても、事実は事実として正確に実情を資料上で説明することです。
その事実を基に、デメリットをメリットに変えるビジネストークを作り上げるのが肝要です。
ものは考えようで、白が黒に、黒が白にオセロのごとく反転します。

例えば、最寄り駅からは多少距離はあるが、スーパーに近くにあれば、閑静な住宅街で生活の利便性は高い、といったセールストーク内容を創ることができます。

更に注意点としては、所在地近辺の住民の属性から想定される想定顧客層(想定買主)へアピールできる営業資料とすることです。
ファミリー向けに適したエリアに学生単身者向けの営業トークがミスマッチなのは、誰にでもわかること。どんな人があなたの物件に住むのか、具体的な顧客層をイメージしながら営業資料を作成する(作成してもらう)ことが重要です。

Step4.営業活動

営業活動そのものは完全に不動産会社の役割です。
ここで依頼主のすべきことは、不動産会社の営業活動を逐次チェックすることになります。
実質的にどのレベルまで営業活動しているかを確認しましょう。
実務を伴った営業活動をしていれば、問合せや内覧(現地見学)の要望が自然発生します。
まったく問い合わせがない場合、まずは不動産会社の営業内容を疑ってみることです。

問合せや内覧会の実施要望の有無をヒアリングして不動産会社の営業活動をチェックし、もしも動いていないならば、不動産会社を変更してください。

ここで、手数料を要求するような会社であれば、契約破棄を相手に告げて都道府県庁の宅地や住宅を管轄する担当課に相談することで、監督処分の対象としてもらえることもあります。

都道府県宅建協会・不動産無料相談所一覧 | 全宅連
全宅連都道府県宅建協会一覧から、各都道府県宅建協会のホームページ、物件検索、法定講習、入会案内をご覧いただくことができます。

Step5.売買契約成立

売買契約が成立したら、プロジェクトは終了です。
あなたが選択した不動産会社は優秀な活動をした証として売買契約が成立しましたので、契約通りの手数料額を支払います。

私道付き空き家不動産がどうしても売れない場合

売却が成功しない場合には、契約が成立しない原因を調べます。
この原因を把握することにより自身でその敷地と空き家を活用するアイデアを導き出すことにも繋がりますが、売却から方針をきりかえて、土地活用に活路を見出す方法もあります。

自宅として不動産活用

ライフステージや家族構成により空き家が自宅として利用可能ならば、自宅利用がもっとも手早く簡単な不動産活用方法となります。
また、すでに自宅を別途所有しているならば、家族で通勤や通学上で空き家をセカンドハウスとして利用する方法もあります。

特に戸建ての家屋は空き家期間があると急激に傷んできますので、家族親類知人の誰かしらが住む場所として維持管理を兼ねて利用可能ならば、住宅として利用したいものです。

空き家不動産の維持管理に必須メニュー6選
諸事情により相続した実家住宅が空き家になってしまうことは止むを得ないとしても、それが「迷惑空き家」となって近隣住民に悪影響を及ぼして...

賃貸物件としての活用

土地と家屋は保有しているだけで固定資産税や都市計画税、維持管理費用が発生します。
誰も住まない空き家のまま放置していても、固定資産税等が課税されるだけでなく、建屋は傷みが進行し、特定空き家などに指定されたうえで解体が必要となる場合もあります。

「空き家」と「特定空き家」の違い~認定から強制撤去まで
かつて日本では住宅を資産と呼んでいました。 私たちが所有している空き家も当然かつては資産の1つに数えられていたはずです。 と...

前述した物件市場調査において賃貸物件としてのニーズを見出せたなら、賃貸物件として活用してみましょう。
戸建ての物件はファミリー層向けの賃貸物件としての利用がまず考えられますが、ライフスタイルの多様化や家族意識の変化により、個室は専有部分でキッチントイレのみを共有化したシェアハウス形式の賃貸物件にすることも有望な選択肢となりえるでしょう。

月極駐車場、コインパーキング等への不動産活用

国内での自動車販売数は低迷していますが、駐車場のニーズは根強いものがあります。
前述したように不動産は保有しているだけでも費用が発生します。
この出て行くお金だけでも回収したいものですが、そこで、空き家を取り壊し月極駐車場やコインパーキングとして利用できるか検討しましょう。

特に、公道と私道が接する場所が敷地であれば、近隣への迷惑も低減できます。
また、同様角地ならトランクルームとしての利用の可能性も有ります。

駐車場やトランクルームと利用できるなら、空き家を解体撤去することで、危険な空き家(特定空き家)となることも防止できます。

月極駐車場・コインパーキングの経営で空き家不動産を活用する方法
空き家跡地の活用での「駐車場経営」を考える 空き家が売れなくて困っている人や、空き家を解体して何か別の方法で土地ごと有効利用できないか...

まとめ

敷地が私道のみに面している空き家を相続した場合、特に注意すべき点は、私道が建築基準法で定義される道路(位置指定道路)となっているかです。
私道が位置指定道路とみなされれば、空き家は再建築不可物件には該当しないので、売却でも土地活用でもいくらでも将来的な光明が見えてきます。

再建築不可物件でないならば売却活動そのものも比較的容易となります。
できる事ならば、空き家不動産の所在地特性を自らの足で実地調査し、不動産購入者層のペルソナ(人物像)をイメージングしながらマーケティングすることで、タッグを組む不動産会社が物件を販売しやすくなるような力添えを、あなた自身も行うことはとても大切なことなのを知っておいてください。

いくら実力のある不動産会社と契約したからといって、すべてを相手に丸投げしたままのスタンスでは、売れるものも満足に売れず、希望する販売価格には全く届かないような値段で妥協売却しなければならなくなってしまう可能性もあります。
こういった失策だけは避けたいものですので、私道と関連法の特徴、所有不動産と周辺エリアの独自情報収集だけは怠らないよう、気を付けておいてください。

The following two tabs change content below.
空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
スポンサーリンク

土地・家・マンションの無料一括査定サイト40社