空き家対策特別措置法(空き家法)とは?空き家不動産オーナーへの影響と対策を調査

近年、特定空き家という言葉がマスメディアや世間を騒がせています。
空き家問題に世間の耳目が集まるにつれて、空き家不動産のオーナーの中からは「今までのように空き家管理をルーズなままで許してもらえる時代は終わってしまった」という声が聞こえてきます。

行政に所有の不動産物件を「特定空き家」と指定されてしまうと、最終的には建屋の強制撤去を含めた行政代執行が待っていることになります。
その特定空き家を指定する根拠法が2015年に施行された空き家対策特別措置法です。
この法律の施行によって、空き家不動産オーナーには物件管理責任が厳しく問われるようになったのです。

今回は、行政の空き家対策推進を担う大型の法律、空き家対策特別措置法についてご説明いたします。




空き家対策特別措置法とは?

平成26(2014)年11月27日に空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)が公布されました。
略称として空家対策特別措置法と言われるこの法律施工をもって、日本各地で増加し続ける空き家がもたらす弊害を除去するため、行政の対策が本格的に動き始めました。

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空家対策特別措置法の背景と目的

住宅・土地統計調査という住宅と土地に関する総合的な調査が総務省によって5年ごとに行われています。
最新の平成25(2013)年のデータによると、全国の総住宅戸数は6,063(万戸)で空き家は820(万戸)と13.5%を占めています。
現在の日本では7.5 戸に1戸は空き家ということです。

統計局ホームページ/平成30年住宅・土地統計調査
「住宅・土地統計調査」(5年ごと)は、我が国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにする調査です。この調査の結果は、住生活基本法に基づいて作成される住生活基本計画、土地利用計画などの諸施策の企画、立案、評価等の基礎資料として利用されています。

空家対策特別措置法の背景とは?

現時点での最新データである平成25年住宅・土地統計調査で公表されたこの空き家率(13.5%)は、偶然にこの時点で空き家が多くなった訳ではありません。
過去の調査を見ても空き家率は増加し続けており、平成30(2018)年に実施される予定の住宅・土地統計調査でも空き家率は更に増加することが予想されています。

少子高齢化の進展で日本は完全に人口減少時代に突入しています。
人口と必要な住宅数は正の相関関係にあるのですが、人口減少社会では、社計的に必要とされる住宅数も減少します。
ですが、住宅はフローでなくストック性の高い商品です。
過去に建築された住宅が(中古住宅という形で)既に社会に存在してますので、それらは順次空き家となっていく可能性が高くなっていきます。

また、住宅に対する国民性も空家増加の背景に関係があります。
日本人は特に新築住宅を好む傾向がありますので、各ハウスメーカーや建築会社は市場ニーズを越えた膨大な数の新築住宅を施工し続けています。
したがって、まだまだ住むことができるはずの中古住宅に対しては、なかなか消費者が見向きをしないまま時間だけが過ぎ去り、多くの中古住宅が空き家予備軍となっていきます。

更に、地価の二極化が示すように利便性の高い地域へ人口移動トレンドが生じています。
地方から大都市圏へ人々が移転していますが、これが地方に空き家やその予備軍を更に大量に作り出しています。

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空き家対策特別措置法の施行目的と役割

このように、日本の少子高齢化による人口減少と地方から大都市圏への人口の移動、新築重視の国民性等が空き家を益々多く生み出しています。
また、中古住宅市場の整備も遅れ、住宅ストックが積み重なる一方です。
今後もこの傾向は加速され、多くの空き家が放置されたままに置かれることに行政は大きな危機感を募らせています。

家屋は空き家のまま放置されると急速に劣化が進み、倒壊に至る場合もあります。
また、敷地内も雑草や木々が生い茂る状態となります。
劣化が進んだ家屋や木々や雑草が生い茂った敷地は不審者や野生動物の住処にもなります。
これらにより街区の景観や治安の悪化に繋がっていきます。
また、劣化の進んだ空き家は地震の際に倒壊して消防活動や緊急援助活動の阻害要因となっていきますので、こういった空き家を巡る悪循環を行政はこれ以上放置できないと考えました

空き家対策特別措置法は、空き家がより一層増加する傾向を踏まえ、環境や治安を劣化される要因となっている、長期間放置された空き家の所有者管理実施を促進します。
また、倒壊の危険性のある空き家の撤去を地方自治体が行なえる法的権限となる法律です。

また、宅地に家屋が建っていると敷地の固定資産税が軽減されます。
そのため、固定資産税惜しさに空き家がそのまま放置されることが多々ありますので、そういった固定資産税の軽減措置を解除できる権限を空家対策特別措置法では定めています。

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特定空き家に対する自治体の具体的アクション内容と空き家不動産オーナーへの影響

半ば、忘れかけていた空き家の管理を強制的に思い出させるような法律ですが、空家対策特別措置法が要求する事項を詳しく見てみましょう。
この法律は、国(国土交通省・総務省)、都道府県、市町村の三者に対してそれぞれの役割を規定しています。

空家対策特別措置法における自治体等の役割

空き家問題は個別性が高く、国民にとっても非常に身近な問題なので、公的な対応は市町村をはじめとする自治体が直接担うことになります。

国の役割

国土交通大臣及び総務大臣は、空家等に関する施策の基本指針を策定します。
また、市町村が行う空家等対策の円滑な実施のために、国及び地方公共団体による空き家等に関する施策実施に必要な費用補助、地方交付税制度の拡充や、今後必要な税制上の措置等を行ないます。

空き家への対応は国による画一的な対応よりも、身近な行政が期待できる市町村ベースで、地域の特性に合わせた対応が行われることになっています。
あくまでも国は、特徴ある市町村の活動を財政的・税制的にサポートする立場ですので、直接的に空き家不動産オーナーとの折衝などに乗り出してくることは有りません。

都道府県の役割

都道府県は、市町村に対して技術的な助言、市町村相互間の連絡調整等必要な援助を行なうサポート役となります。

市町村の役割

市町村は、国の基本指針に即した空家等対策計画を策定し、協議会を設置して具体的な空き家問題対策の行動を実行します。
対策計画の内容としては、以下の4項目が挙げられます。

  1. 空家等の所在や所有者の調査
  2. 固定資産税情報の内部利用等
  3. データベースの整備等
  4. 適切な管理の促進、有効活用

市町村の具体的な活動に法的権限を付与するため、空き家の定義を明確にして、広義の空き家定義の範疇に「特定空き家」カテゴリーが作られました。
特定空き家に対しては段階的な措置の最終段階として、行政代執行による解体撤去まで規定しています。

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空き家対策特別措置法における、市町村の具体的対応内容

未管理状態の空き家を適正な管理下に置き、空き家の増加抑制と地域環境の改善・活性化に繋げることが空き家対策特別法の役目です。
そのための具体的行動内容として、市町村のミッションが規定されています。

上記の1「空家等の所在や所有者の調査」2「固定資産税情報の内部利用等」は空き家対策実務を担う市町村関係者にとっては特にインパクトのある内容です。

従来、不動産の所有者調査には、不動産登記簿に記載された内容のトレース中心に行われてきましたが(要は机上の作業だけで行われてきました)、未登記物件が多く存在していることが明らかになり、正確性に欠ける調査方法といわざるを得ませんでした。
そこで、固定資産税情報を利用することで、空き家所有者を特定できるようになりました。

空き家問題は、個別性・地域性にバラつきが見られるので実務を担当するのは市町村となります。その一方で、各市町村の空き家問題対応の現状データ交換を効果効率的に行うために、各地域での事例共有化による空き家対策や、空き家活用ノウハウの全国展開を目的とした協議会(全国空き家対策推進協議会)の設置が行われました。

空き家の活用は地域・所在・近隣の文化などに精通し、そのローカル特性を活かすノウハウが必要ですが、協議会ではそういった各自治体における空き家対策のローカル情報交換やノウハウ交換の場になることが期待されています。

報道発表資料:全国空き家対策推進協議会の設立について - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

空き家不動産オーナーへの影響(管理責任・税制控除取消)

空き家対策特別措置法の基本的な考え方が「空き家の管理は所有者自身が責をもって行なう」ということにあります。
この基本的な考え方を基にして、各市町村による空き家所有者への具体的対応策や権限が規定されるとともに、国側のミッションとして財政上及び税制上の措置を行なうとされています。
つまり、空き家管理を怠った所有者には、税制上のペナルティが課せられる可能性があるというわけです。

空き家調査、強制撤去等の影響

空家対策特別措置法第9条で空き家所有者の調査や物件の状況把握のために、空き家物件に立ち入って調査することができる権限を市町村が持つことになりました。

立ち入り調査5日前までに、空き家所有者にその旨通知することを立ち入り調査要件としていますが、空き家不動産オーナーにとっては、半ば忘れかけた空き家のことで市町村から通知が来たら大きなインパクトがあるのは必至です。

立入調査後に特定空き家として認定されてしまい、その後も行政の勧告指導に従わないまま空き家を放置した場合は、強制撤去という最終段階まで進んでしまう可能性が出てきてしまいます。

尚、行政の立入調査を拒否すると20万円の過料が命じられてしまいます。

空き家管理を怠った不動産所有者への税制ペナルティ

空き家管理を放置しているオーナーにとって痛いのは、所得税上及び固定資産税上の減税特例などが廃される措置であり、事実上の税制ペナルティと考えてよいでしょう。

住宅が建っている土地の固定資産税は、更地と比較して6分の1に減額されています。
(これは面積200㎡以下の小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準を6分の1に、200㎡を超える一般住宅用地では、3分の1にする措置です)。

しかし、その住宅が特定空き家に指定されてしまう事によって、固定資産税6分の1減税の特例適用が外されてしまうのです。
単純に、今までの固定資産税額が6倍になると考えてもよいでしょう。

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このペナルティ導入により、空き家解体撤去への行動を促そうとする目的があります。

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

特定空き家とは?

既に何度かこの記事でも出てきていますが、空き家対策特別措置法に空家の範疇に「特定空き家」というカテゴリーが規定されています。
空家対策特別措置法第2条2項にその要件について下記1~4の様に記載されています

  1. 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空家等

一言でいえば、特定空き家とは国が認めた「周辺に迷惑をかけている、無管理状態の空き家」ということになり、その認定によるデメリットは計り知れません。

家屋は、空き家状態に置かれると急速に劣化が進行して倒壊可能性が高くなります。
また、空き家に庭があると雑草は茂り木々は枝を大きく広げます。
この様に適切な管理がなされていない空き家があると周辺の景観、安全性、衛生面を損なう問題が生じてきます。

更に空き家であることが周囲に明らかになると、不審者やホームレスなどが集まりやすくなり周辺の安寧な生活環境を脅かします。
春から秋にかけては害虫の繁殖や野生動物の出入りがありますので、近隣から苦情を招きやすく周辺の安全性や衛生状態をより一層害します。

上記の様な状態にある空き家は「特定空き家」として、特に早急な対策が必要な物件であると行政から指定されることとなります。

「空き家」と「特定空き家」の違い~認定から強制撤去まで
かつて日本では住宅を資産と呼んでいました。 私たちが所有している空き家も当然かつては資産の1つに数えられていたはずです。 と...

特定空き家に指定された場合の行政措置プロセス(助言・指導・勧告・命令・行政代執行)

空家対策特別措置法の第14条では、特定空き家等に対する措置として第1項から第15項までの規定を定めており、市町村が特定空き家に対して行政代執行(強制撤去)を行なえる権限があることも定められています。

しかし、特定空き家が強制執行による撤去されるまでにはいくつかの段階があり、いきなり強制撤去がなされるわけではありません。
以下に、強制撤去までの段階を簡単にご説明いたします。

特定空き家に対する措置段階1:助言又は指導

空き家の除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置について、行政が空き家不動産所有者に対して種々のアドバイスを行ないます。

実際には市町村職員が電話等で空き家不動産所有者に電話で聞き取り調査などが行われ、それに対する改善案の助言と指導が行われるのが一般的ですが、所有者の管理放置状況に悪意が感じられた場合は、立入調査が実施されます。

立入調査員証

特定空き家に対する措置段階2:勧告

上記の助言と指導に従わない場合、相当の猶予期間を設けてを勧告という、より強い調子での是正誘導へと、市町村からの取り扱いが進みます。

勧告段階へと進むと、土地の固定資産税が6倍になり(減税特例が撤廃されます)、いよいよ行政側の姿勢が強硬になってきます。

勧告書には空き家の修繕箇所や修繕までの期日などの指示がかなり具体的に指示されています。

勧告書の書面例

特定空き家に対する措置段階3:命令

勧告に従わない場合、相当の猶予期間を設けて命令へと行政対応が硬化します。
命令書発効日より5日以内ならば意見書による反論が可能となっていますが、事実上は行政訴訟等をもってしないと、対抗することはできない段階に既に及んでいます。

命令書通知の前には以下の事項が実施されます。

  • 命令の中身である措置及びその事由を通知書を交付
  • 所有者に対し、意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付
  • 所有者又は代理人に対し、意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を付与

命令書の例

特定空き家に対する措置段階4:行政代執行

この段階に達すると、空き家不動産オーナーの費用負担で、空き家の強制撤去を行政代執行されることに至ります。

解体は常に空き家全体に及ぶというわけではなく、一連の行政措置を通じて「問題であると指摘されてきた箇所」に限定しての強制撤去となります。

強制撤去をちらつかせる空き家法に対し、空き家不動産オーナーはどう対策をするべきか

日本国で不動産を所有するということは、あらゆる面で課税対象にされる運命と維持管理コストを継続的に負担し続ける運命を受け入れなければなりません。
不動産の購入、保有維持、売却、どのステージにおいても税金が多額に課せられます。

空き家不動産も例外ではありません。
しかも空き家の場合は、ただ保有しているだけで固定資産税の特例が撤廃される可能性があり、更に空き家対策特別措置法による厳しい管理責任が問われることになりました。

空き家不動産オーナーの方は、こういった時流の変化を常にとらえながら、現実的なソリューションを考えておかねばなりません。

不動産の市場調査と相場ウォッチングは必須

2020年の東京オリンピックまでは地価高騰が続き、その後は長期のダウントレンドに入るという不動産経済予測は、誰もがどこかで耳にしたことがあるかと思います。
こういった専門家による予測が当たるかあらなないかは別として、空き家不動産に対する種々の問題対策をする際には、市場調査と不動産相場ウオッチングが必須です。
客観的な市場調に基づく、主観的な判断無くして、空き家不動産の利用価値有無の判断や売却時の顧客層が特定は行うことができません。

相場を知ってお得に空き家を売る -空き家不動産価格の調べ方-
例えば皆さんが買い物に行かれたとき、スーパーに売っているものがみんな時価だったとしたら、いつものようにショッピングカートに欲しいもの...

不動産市場調査のポイントは、路線価や実勢価格といった外部から得られるデータだけでなく、自らの足で調査することによってわかるデータが最も力を発揮することに注意です。

例えば、ご自身が所有する物件における、交通の利便性、商業施設・病院・学校などとの距離、嫌悪施設の有無や所在地の近隣の特性(住宅街・商業地・田園)や近隣住人の属性(若夫婦・老夫婦・単身者/世帯収入など)です。

これらを自らの足で調査して把握することで、空き家不動産の利用価値の有無や利用方法に関する方策のヒントに繋がってきます。

空き家不動産の処理には、家族の気持ちを確認することが肝要

一番簡単な空き家不動産の対応策は、即時の売却・譲渡となります。
しかしながら、なぜ多くの人が相続した空き家(その多くが実家でしょう)を簡単に手放せないままでいるか、その感情的理由を理解することが必要です。

例えばあなたの配偶者が空き家不動産を相続した場合、「そんな古い実家なんかすぐに売ったほうがいい」と、あなたが気軽に口にした言葉は、大きく配偶者の心情を傷つける可能性があります。
あなたにとっては単なる古い家屋かもしれませんが、相続人であるあなたの配偶者にとっては、子供のころからそこで生まれ育った記憶、思い出が詰まった、大切な故郷の象徴こそが、その空き家不動産なのかもしれません。

単純に不動産売却価格の多寡で折り合いがつくというものではない、という感情面の空き家不動産保持理由については、しっかりと家族が理解してあげる必要があります。

現実的には、空き家対策特別措置法等によって、感情的理由で空き家不動産を処分できないでいるオーナーはドンドン追い詰められつつあるのが現実ですし、経済的負担も時がたてばますます増えていくでしょう。

しかし、そういった経済的負担を担ってでも、実家をできるだけ長く維持したいと考える気持ちは極自然なこと。だったら、できるだけ負担を小さくしながら維持していくという方針を貫くのも1つの手段です。

空き家不動産の処理は売却だけが唯一の方策ではありません。

家族が売却に反対の場合、強硬的に売却実施しても良い結果とはなりません。
家族全員で賛成できる方策を考えることこそが最も大切です、その上で、下記のように土地活用や売却といった手段を取るようにしてください。

売却がNGならば、空き家の有効活用を考えてみる

空き家の活用方法で最も簡単なのは自己活用です。
家族や親族の住居として使用したり、賃貸やシェアハウスとして貸し出すなどの定番利用方法がまず最初に考え付くと思いますが、自分自身で活用法が難しい場合、行政や外部のアイデアを借りるという方法もあります。

例えば行政が運営する空き家バンク等に登録して、賃借り人を探してもらうという方法は非常に手軽で有効な手段になりえます。

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参考 空き家所有者情報提供による空き家利活用推進事業

更地での不動産利用

空き家となった期間が長期にわたると、建屋が重度の劣化状態となります。
この状態が続くと特定空家に指定されかねません。
最終的に行政執行による解体撤去となるくらいなら、積極的に解体に着手して更地化したうえでの土地活用に取り組むのも一計です。

前述の市場調査で駐車場・駐輪場やトランクルームなどで活用できるなら固定資産税の支払いも楽になります。
都市部の狭小地では、バイク専用駐車場という形態も非常に注目が集まっています。

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あくまで空き家を維持するなら…外部の管理会社の力を借りる

感情的理由などでやはり空き家をこれからも維持していきたい…との方針ならば、面倒な維持管理を外部の空き家巡回サービス業者に委託するという手段もあります。

空き家巡回サービスとは、本来ならば空き家不動産オーナーが自分自身で行わなければならない空き家不動産の掃除、水廻りの通水や換気を含めた損傷毀損点検、庭の管理、周辺への挨拶、郵便物の回収転送などを代行してくれるサービスです。

掃除や管理状況はメールなどで都度レポートしてくれる上に、代行企業によっては台風などの災害時に臨時派遣を行ってくれるオプションも有しています。

空き家不動産の巡回サービスの業務内容は? 企業別サービス10社比較
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どうしても管理活用が難しい場合は、売却を視野に入れる

空き家不動産のオーナーに聞き取りをしてみると、できる事ならば空き家不動産を維持していきたいが、経済的負担を考えるとそれは難しいだろう…という本音を吐露する方が非常に多いことがわかります。

家族の思い出が詰まった空き家不動産だが、利用価値の有無というより、利用自体が諸事情によりできない状況ならば、気持ちの整理をした上での不動産売却をお勧めします。
特に、前述した市場調査によって物件売却の優位性が見出せるのならば、不動産が負動産とならないうちに売却を進めるのが賢明な選択でしょう。

また、更地の方が売却が容易ですので、費用的余裕がある場合は空き家を解体撤去して敷地を売り出すのも手です(空き家の解体費用は売却時の経費として計上できますので、税務対策上有利になります)。

更に、空き家売却時には諸条件を整えることで、譲渡所得額に対し最高3000万円までの控除を受けることができますので、所得税控除の対象期間内となる売却を行うことをお勧めします。

不動産売却の「所得税控除」パーフェクトガイド
相続した空き家不動産を売却すると、所得税がかかります。 予想を上回る価格で売れると嬉しいのですが、一方で所得税がどれほど跳ね上がる...

尚、「隣の土地は倍(三倍)でも買え」という不動産にまつわる諺があります。
もし空き家不動産の売却を決心したのならば、まずはお隣・前後の住人に購入意向を聞いてみるとよいかもしれません。
地形にもよりますが、隣接する土地価格の総合価格向上が見込めますので、購入に積極的になってくれる近隣の方がみつかる可能性もあるでしょう。

まとめ

増え続ける空き家問題は、国や地方自治体にとっても捨て置けないレベルにまで問題拡大してしまい、行政代執行可能な空き家対策特別措置法という法律施行に至るまでになりました。

ここに至っては、空き家不動産オーナーが無管理のまま物件を放置し続けるという選択肢は100%なくなってしまった現実を受け入れ、新たにコストをかけた上での空き家維持管理を今後も続けるのか、売却や他の土地活用といった積極的な関与に方針をきりかえるかの2択となっています。

空き家管理特別措置法では税金控除の特例撤去など、厳しい措置が盛り込まれていますが、今後はさらに厳しいペナルティが盛り込まれていく可能性もあります。
いずれにせよ、今まで先送りしてきた空き家問題を解決するには1日でも早い方が良いというのが、間違いなさそうです。

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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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