空き家不動産リフォームに纏わるトラブルと解決法ベスト10




リフォームの発注前に必ず調べておきたいこと

住宅リフォームにはトラブルが多いといわれています。実際に住宅リフォームを行って、その結果に不満があったという方は約4割というデータもあります。

完成品を購入する自動車や家電などと違って、住宅のリフォームはまだカタチのない段階で契約するため、行き違いやトラブルが発生しやすくなります。

新築工事の様にたくさんの図面や資料、カタログもないので、行き違いなどがあっても完成するまで気付かないことも多い様です。

リフォームは、新築と比べても顧客のニーズがきわめて多種多様であり、対象となる建物の築年数や構造、現在のコンディションなども様々で、工事の内容や進め方は毎回異なります。

リフォームの担当者には、それらを的確にとらえてカタチにする提案力、ノウハウ、スキルが要求されます。

また、デザインや機能のみでなく、建築基準法や消防法などの法的な規制も受けるので、一定の専門知識も不可欠になります。

そのような事情があるにもかかわらず、リフォーム工事を行うのに、法律にもとづく建設業許可は必ずしも必要ではありません。(請負金額500万円未満のリフォーム工事を行う際には、建設業の許可は必要ありません)

またリフォーム会社には、建設業法で定められている有資格者(建築士、建築施工管理技士)がいなくても良いことになっています。

リフォーム事業はこの様に参入障壁の非常に低い事業なので、様々な事業者が存在しています。業者による「アタリ・ハズレ」が多いことは否定できません。

住宅リフォームでトラブルが多いのは、消費者側にも問題があります。

新築よりも価格が低い(低いといっても自動車を新車で購入するくらいの価格になることが多いのですが・・)リフォームでは、比較的安易に業者を選定してしまいがちです。

  • たまたま隣で工事をしていたから
  • ポストにチラシが入っていたから
  • 訪問してきた業者にリフォームをすすめられたから
  • 知人に紹介されたから
  • 安かったから
  • 大手だから安心できると思って

などです。

同じような金額の自動車を買う時には、自動車雑誌を見たり、ディーラーでカタログをもらったり、試乗したりしていろいろと検討するのに対し、リフォームをする際には、信頼できる相手かどうかをしっかりと見極めることなく、業者を選定していないでしょうか。

リフォーム工事のトラブルは、こうしたことが原因で発生するケースが多いと思います。

それでは実際に、リフォームでトラブルに遭遇してしまった場合には、どうすれば良いのでしょうか。今回はリフォームのトラブルで代表的なものを掲げ、その解決策をご紹介したいと思います。

リフォームのトラブルとその解決法

住宅リフォームのトラブルや不具合は様々な場面で発生します。大きく分けると、契約前、着工前、工事中、完成後です。

契約前の問題では、見積書や契約書の内容がずさん、図面に間違いや不備が多い、約束が守られないなどです。

この様な業者は、業務遂行能力が非常に低い業者といえるので、契約しないことが一番の解決策になります。無理に契約しても、トラブルは避けられないでしょう。

リフォームのトラブルを防止するために最も大切なのは、業者選定にあるといっても過言ではありません。

打ち合わせの席上や、提出された資料などで少しでも違和感を覚えたら、契約しないことが前提です。

この項では、契約後に生じるトラブルに限定してご紹介させていただきます。

(ケース1) 契約したら急に営業担当者の対応が悪くなったので解約したい

訪問販売による契約の場合には、契約書を受領した日から8日間は無条件で契約を解除(クーリングオフ)することができます。(特定商取引に関する法律 9条1項)

8日間以内であれば、たとえ工事着手後であっても解除可能です。また、すでに支払い済の金銭があれば、返還してもらうこともできます。

クーリングオフするには書面による通知が必要なので、配達証明付内容証明郵便などの記録の残る方法で通知する様にしましょう。

一方、訪問販売ではなく、自分から電話して来てもらったリフォーム会社と契約を行った場合や、リフォーム会社の営業所で契約した場合には、クーリングオフは適用されません。

しかし、民法641条により途中解約はいつでも可能です。

ただしクーリングオフと違い、それまでにかかった費用は支払わなければなりません。工事の着工前であれば、営業マンの人件費や経費にあたる金額を目安に交渉する様になると思います。

また、契約書に違約金の記載がある場合には、原則としてそれに従いますが、消費者契約法第9条で、違約金は「平均的な損害額を超える部分は無効」とされているので、リフォーム会社から損害額の明細を出してもらい、損害額の計算方法や金額が妥当であるかどうかを確認する必要があります。

(ケース2) 工事中に近隣からクレームを受けた

工事中の近隣からのクレームに対する対応は、工事に関するものであれば基本的にはリフォーム会社が行います。
また、工事に過失があった場合には、リフォーム会社が損害賠償責任を負うことになります。

しかしリフォーム工事終了後にそこで生活をしていく上では、近隣住民とは良い関係でいたいものです。人間関係がくずれてお互いに気まずくなってしまうと、色々と生活に支障をきたしてしまいます。

工事の発注者として、誠意ある対応を心がけましょう。

また、どんなに注意しながら工事をしても、工事中は音や振動、工事車両の駐車などで近隣へは何かと迷惑をかけてしまうものです。

工事着工前に行う近隣への挨拶は、リフォーム会社の担当者任せにせず、施主の立場からも行っておいた方が良いでしょう。

(ケース3) 現場で大工さんに変更の要望を伝えたが、伝えた通りになっていない

工事中の現場を見に行くと、つい思い付きで現場にいる大工や職人に、追加工事を依頼したり、変更の要望を伝えてしまいがちです。

しかし、これが問題を引き起こす原因になることがよくあります。

大工や職人が良かれと思って引き受けたとしても、当然そこにはお金の問題が発生します。

また、要望がきちんと伝わっていなかったり、その影響で工程が大幅に狂ってしまったり、後から思いのほか高額な費用を請求されることもあります。

追加工事や途中のプラン変更は、現場の段取りや資材の手配、作業手順などにも大きな影響を与えることがあります。

本人は「ほんのわずかな変更」のつもりでも、その影響で現場が混乱してしまうことも珍しくありません。

また、要望がきちんと伝わっていなくても、責任の所在が不明確になってしまいます。

このような事態を避けるためには、着工前までにしっかりと工事内容を煮詰めて、着工後の安易な追加・変更を極力なくす様に努力する必要があります。

その上で、工事が着工した後にどうしても追加や変更したい項目が生じた時には、リフォーム会社の担当者に要望を伝え、追加・変更工事の見積書を作成してもらいましょう。

金額を確認し納得した上で発注すれば、この様なトラブルを防ぐことができます。現場の大工や職人に直接要望を伝えるのは、トラブルの原因になるので控えましょう。

また、追加工事や変更工事が発生すると、多くの場合が工期も変更になるので、併せて確認しておく様にしましょう。

(ケース4) マンションリフォームで工事中に漏水事故が起きた

マンションリフォームの工事中に水漏れを起こしてしまい、下階に重大な被害を与えてしまった場合の責任はどうなるのでしょうか。

この場合には、下階の所有者に対して、リフォーム会社が不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。

通常リフォーム会社では、この様な事態に備えて工事保険に加入しています。リフォーム会社が加入している保険を利用して補償することになるでしょう。

ただし保険が適用できるのは、あくまでも被保険者(リフォーム会社)に過失があることが前提になります。

工事施工範囲外の老朽化していた配管から、たまたまリフォーム工事中に漏水が発生してしまった場合には、リフォーム会社の工事保険は使えません。

この場合には、注文者が建物に掛けている火災保険を適用することになります。
ほとんどの火災保険が「給排水設備の事故による水漏れ損害」を補償する内容になっているので、水道管の老朽化、経年劣化が原因の水漏れ事故は補償の対象になります。

(ケース5) サービスでやってもらえると思ったら、後日追加工事を請求された

リフォーム工事では、追加工事や変更工事のトラブルは珍しくありません。

何気ない会話から、口頭で最初の予定になかった工事を依頼すると、リフォーム会社の担当者はこころよく引き受けてくれました。

特に追加工事代金の提示もなかったのでサービスだと思っていたら、後になって追加費用を請求されたというトラブルは日常的に発生しています。

本来であれば、追加・変更工事が発生し有償となる場合には、その費用についてお互いの合意の上で工事に着手しなければなりません。

ところがリフォーム会社の担当者は、「最初の見積書にないものなので、追加費用が発生するのは当然のこと」と思い、注文者は「最初からお金がかかると言ってくれれば頼まなかった」となってしまいます。

このケースでは、双方に過失があったといえるでしょう。

当初締結した契約時の図面や見積書にない追加工事や変更工事を依頼する際には、費用が発生するという意識を持って、書面による取り交わしを常に心がけましょう。

(ケース6) 出来上がりが自分のイメージと違っていた

完成した現場に行ってみたら、「イメージと違う」というトラブルもリフォームでは数多く発生しています。

雑誌の写真を見せて「こんなイメージにして欲しい」と伝えたのに全く違っていた、リフォーム前の家は高級な材料がたくさん使われていて、同じ様になると思っていたのにリフォームで使用された材料のグレードが低い・・・などです。

リフォームでは、新築住宅を建てる時の様にたくさんの図面や仕様書などを作成しないことが多いので、この様なトラブルが発生しやすくなります。

また、たとえ図面や見積書などに寸法や材料名がきちんと記載されていたとしても、素人では完成品を見ないとわからなかったり、材料の名前まで知らなかったりするため、図面や見積書を見てもわからないという側面もあります。

図面や見積書通りに施工されていれば、リフォーム会社に過失があったとは言えませんが、リフォーム会社は建築の素人である注文主のイメージギャップを防ぐため、契約内容を十分に説明するべきであり、説明が不足している場合には説明義務違反等が問題となる可能性があります。

一方注文主は、特にこだわりのある部分については、リフォーム会社任せにせず、不明な点は理解できるまで質問することが必要です。

(ケース7) 修理を依頼したのに直らないので解約したい

家の修理を依頼したのに何度工事をやり直しても直らない場合には、解約することはできるのでしょうか。

たとえば、「床鳴りするので修理を依頼したのに直らない」、「雨漏り修理を依頼したのに半年経っても直らない」などです。

床鳴りや雨漏り修理は、長期化することが珍しくありません。原因を究明するだけで長い時間がかかってしまうケースもあります。

前述した様に民法641条により、途中解約することはいつでも可能です。問題となるのは、それまでにかかった費用をどうするかということでしょう。

契約の目的が達成されないことなどを理由に、リフォーム会社自らが、それまでにかかった費用を放棄してくれれば問題ないのですが、そうでない場合はお互いの主張を調整しなければなりません。

雨漏りや床鳴りは、修理に時間がかかったり、原因を究明するまでに予想以上の費用がかかってしまう可能性があることをあらかじめ理解し、万が一の事態に備えて細かな取り決めをしておいた方が良いでしょう。

(ケース8) 工事の仕上がりが悪いのでやり直しを希望したが、対応してもらえない

たとえば、ビニールクロスの貼り換えを依頼したが、仕上がりが綺麗ではなかったので、リフォーム会社にやり直しを求めたところ、「仕上がりが悪いのは下地に問題があるからだ」と言って手直し工事に応じてもらえないケースです。

この様な時にはどうすれば良いのでしょうかという話です。

何もないところから新たに家を建てる新築工事と違って、リフォームでは既存の下地や構造などを利用するので、この様な問題は起こりがちです。

下地からやりなおせば仕上がりはきれいになっても、当然お金がかかるので、なるべく既存の下地を使う様にしようとするのが普通の考えです。

工事の仕上がりに対する評価は人によって異なりますが、契約上・社会通念上求められた品質・性能を欠くものであれば明らかに瑕疵といえるので、工事のやり直しを要求できますが、そうでない場合には「腕の悪い職人」に依頼してしまったと思ってあきらめるしかないかもしれません。

しかし明らかに下地に問題があって、そのまま施工すれば仕上がりが悪くなるのが明らかなのに、プロとしてのアドバイスが何もなかった場合には、説明義務違反を追求できる可能性があります。

また、工事に納得がいかないことを理由に、工事代金の支払いを行わないままでいると、リフォーム会社から法的な措置をとられる可能性もあります。早急にリフォーム会社と話し合いの場をつくる様にしましょう。

(ケース9) 手直し工事が終了していないのに、工事代金の支払いを請求された

民法では、「報酬は仕事の目的物の引き渡しと同時に支払わなければならない」と定めています。(633条)よって、工事代金の支払いと引き渡しは同時履行が原則です。

また、リフォーム工事の引き渡しが行われるためには、工事が完成していることが前提になります。

リフォーム会社は、仕事が完成していなければ工事代金を請求することができません(契約書に着工金や中間金などの特約がある場合はそれに従います)。

ここで、手直し工事が残っている状態では、工事が完成したとはいえないのではないかという問題が生じます。

しかし裁判の判例では、「請負工事が予定された最後の工程まで一応終了した場合は完成にあたる」としていて、「それが不完全で修補を要するときは瑕疵にあたる」としているので、手直し工事が残っているからという理由で、一方的に工事代金の支払いを拒否することはできません。

この場合には、リフォーム会社からの工事代金支払いの請求に応じる必要があります。

そうはいうものの、代金を支払ってしまったら、手直し工事(瑕疵の補修)をおこなってもらえなくなるのではないかという不安が残ります。

代金を支払う際には、手直し工事の内容や施工方法、期限などを取り決めた書面を取り交わしておくようにすると良いと思います。

また、手直し工事がたくさんある場合などは、リフォーム会社と交渉し、お互いに合意の上で代金の一部を留保するという方法もあります。

(ケース10) 引き渡し後に発生した不具合に対応してもらえない

リフォームが終わってしばらくすると、建具の建付けが狂ってきた、床がギシギシときしむようになった、天井に雨漏れと思われる水染みが発見されたなど、不具合が生じることがあります。

完成後の工事の欠陥は、瑕疵担保責任の問題になります。

通常では、リフォーム会社が発行する保証書の保証規準に基づき、リフォーム会社に対して無償での修理、補修などを請求することができます。

また、保証書を受け取っていない場合でも、民法の定めによる瑕疵担保責任に基づき、引き渡しから1年は補修等の請求をすることができます。

万一、リフォーム会社が対応してくれない場合には、保証期間内に修補請求を行った証拠が残る様に、内容証明郵便などを送付しておきましょう。

内容証明郵便は、相手方の心理的なプレッシャーにもなるので、何らかの行動を起こさざるをえなくなることも期待できます。

それでも対応してもらえない場合には、瑕疵の修補に代えて損害賠償請求をすることも可能です。

交渉や対応方法については、早めに弁護士や建築士などに相談し、助言をしてもらうと良いでしょう。

この様なトラブルをできるだけ避けるためには、引き渡し時には工事保証書を必ず受け取り、保証期間や保証内容について十分に確認しておくことが大切です。

まとめ

家づくりは一般の消費者にとって、一生に一度あるかないかの大事業です。そしてそれは新築工事に限らず、住宅のリフォームでも同じです。

新築するほどのお金はかからないといっても、一般消費財を購入するのと比べて、はるかに高額な費用がかかります。

しかし、インターネットの掲示板などを見るとわかる様に、住宅リフォームのトラブルは決して少なくありません。

これには冒頭でお伝えした様に、リフォーム業界の特殊性が深く関わっていると思います。

また一方では、一般の方が得られる情報量の不足や、リフォーム会社と消費者の専門知識の格差から、誤解や行き違いが生じてしまうケースも多いと思われます。

不幸にもトラブルに巻き込まれてしまった場合には、あまり感情的にならずに冷静に対応することが大切です。インターネットのブログなどで、一方的にリフォーム会社に対する非難を書きこむのは得策とはいえません。

万一訴訟沙汰になっても、思ったような結果にならない事が多いと思います。
できる限り話し合いで解決する様に努力しましょう。

弁護士や建築家などの専門家から助言してもらう事ができる「住まいるダイヤル 0570-016-100」などの電話サービスを利用したり、裁判手続きによらずに紛争解決を目指すADR(裁判外紛争解決制度)を利用してみるのもひとつの方法だと思います。

住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、国土交通省の所管する公益法人として、住宅の取得やリフォームをお考えの方に、是非知っておいていただきたい情報の提供を行っています。また、住宅品質確保促進法に基づく住宅紛争処理支援センターとして、住宅に関するご相談の受付や弁護士会が行う紛争処理の支援など通じて住宅購入者等の利...

しかしトラブルを避けるための一番の対策は、慎重にリフォーム会社を選定することです。

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益子公博

益子公博

住宅会社で20年以上リフォーム事業の責任者経験があり、リフォーム業界、住宅建築業界の裏事情やリフォーム現場には精通。ホームインスペクション(住宅診断)の専門会社を経営、住宅診断、欠陥住宅相談、リフォーム会社への社員研修など実施しています。
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