空き家不動産トピックス|実勢価格(実勢価額)とは何か?




空き家問題でよく耳にする「実勢地価(実勢地額)」とは?

実勢価額(実勢価格)とは、不動産の取引において、売主と買主の双方で折り合いがつく時価のことを言います。簡単に言えば、実際にその場所で不動産の売り買いがなされている金額のことを指します。

近隣の売買事例であったり、固定資産税や相続税の評価額をもとに割り出されたりと不動産にはいろいろな価額要素がありますが、最も市況に近い不動産の価額が実勢価額であり、現実に売り買いをする現場では多く用いられる価額指標になります。

実勢価額は世間のその土地に対する評価や景気の浮き沈みにも連動していて、例えばメディアを通じて住みたい街ランキングの上位についた時に一時的に周辺の地価が上昇したり、物件を決め打ちで単発的に価額が上昇するような例もあります。

そのような意味を踏まえると、実勢価額はその不動産に対して一般消費者が持っている価値観をもっとも反映していて、時勢にあったタイムリーな価額、いわば消費者自ら決定しているその不動産の価値と言えるでしょう。

実際に景気のいい時はその回転力もあり、租税の評価額と比べ高い値段がついていても強気で売却することが出来ます。反面消費の冷え込む不景気時にはその価額は評価額を下回ることもあり、売り時・買い時の読みについて考える指標としては大変有用な要素であると考えられます。

実勢価額(実勢価格)の定義

上記のように、実勢価額(実勢価格)とは、実際に取引が成立している価格のことと定義できます。因みに、不動産にかかわらず、お金で売られている商品にはすべて実勢価額があるといえるでしょう。

実勢価額の対義語は、希望小売価格です。実際につけられている値段と、購入者の価値観のバランスにより実勢価額は決まっています。

多くの場合、実勢価格はは希望小売価格より低めに収まる

例えば、スーパーマーケットではほとんどの商品がメーカーの希望小売価格を下回る価格で販売されているのをご存知かと思います。

もちろん、いたずらな値下げは市場を混乱させる原因になるのでよくないことですが、定価で売れないものを仮に2割下げたら爆発的に売れ、ものの数時間で完売してしまうという例があるように、「この商品だったらこのくらいの値段が妥当」とか「この商品がこの値段で買えるなら無理してでも今買おう」というような消費者の価値観に響いているという解釈ができます。

半額にしても売れ残るような商品に関しては、そもそも消費者の価値観にそぐわない商品であるか、もしくは、消費者のライフスタイルに取り入れられていない、いわば消費者に商品本来の価値が未達となってしまう「未知の商品」と判断することが出来るでしょう。

不動産に関しても、過去に土地開発されてその利便性の向上から地価が上昇し、居住を希望する人が殺到したような時期を経つつも、住民の高齢化が進み斜陽の趣を呈してきた地域があります(東京都多摩市、神奈川県横須賀市、千葉県木更津市などが例に挙げられます)。

そのような地域については、従前のままの高額な価額相場とは打って変わった低金額で業者に空き家や土地を買い取ってもらい、そのわずかな金額を新たな新居の頭金にあてて、他の地方に引っ越してしまう人もいますね。

実勢価格が昔とくらべてぐっと下がってしまった地域で目にする日常風景です。

反対に希望小売価格を実勢価格が上回る例も稀にある

先の例とは反対に、メーカーが希望する小売価格以上に消費者の反応が良く、在庫がいつも品切れのような商品には、「プレミア」がついて商品が独り歩きするような状況が生まれます。

任天堂の据え置きゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」といった人気商品や海外のブランドバッグなどが、本来の希望小売価格よりかなり高い価格(実勢価格)で、ネット上の売買対象になっています。

空き家不動産でも時に同じことがありうるわけです。
あなたの空き家が属する区画に開発計画が立ち上がり、突然に地上げなどが横行し始めた場合、おそらく空き家の販売価格(実勢価格)は、あなたが予想する以上の価格に吊り上ってしまう事もありうるでしょう。

空き地とは話がずれますが、商業施設などの場合、物件そのものにプレミアがつくこともあります。例えば東京なら六本木ヒルズであったり東京ミッドタウンであったり、大阪ならグランフロント大阪やなんばパークス、あべのハルカスなどその周辺のレジデンスは投機目的で買い占められ、新築価額よりはるかに高い値段で取引がされます。

空き地をはじめとする不動産の実勢価額は本、リアルな消費者が需要と供給に基づいて決定している評価額であり、「このくらいお金を出してもこの空き地不動産を買取りたい」というニーズがストレートに反映されるのです。

実勢価格以外の不動産価額には、一時的トレンド要素は無影響

こういったトレンド要素は、実勢価格以外の不動産価額(※下記で「一物五価」を参照)には影響を与えないといいます。

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例えば皆さんが買い物に行かれたとき、スーパーに売っているものがみんな時価だったとしたら、いつものようにショッピングカートに欲しいもの...

トレンドの一時的な影響を受けるのはあくまで実勢価格のみであり、公示地価(基準地価)、固定資産評価額、相続税評価額、鑑定評価額といった、他の価額要素には変動影響を与えないとされます。

実勢価格以外の価額要素は、計画的な都市機能の高度化や人口流入の計画に基づいた普遍的なものが存在するという判断があって初めて、価格変動要素に影響します。

こういった理由から、公示価格と実勢価格は大きく乖離してしまうことが当然と考えられていることも知っておきましょう。

公示価格を調べた場合は、それだけでは片手落ちに過ぎないのです。必ず実勢価格も同様に調べておくべきでしょう。

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実勢価格の調べ方:あなたの空き家の実勢価格はいくらなのか?

国土交通省「土地情報総合システム」

国土交通省|土地情報総合システム

実勢価格は流動的なものなので、今この場で説明した実勢価格が、読者のあなたがこの記事を読んでいるときには随分と状況が変わってしまう事もあり得ます(むしろその方が自然ですね)。

実勢価格はその時々で、国土交通省の発表資料や不動産会社の出している売買情報を頼りに、自分自身で大まかな価格帯を推察するしかないのが本当のところですが、あくまで表に発表されている価格は過去のデータに過ぎないので、これから空き家を販売する人が全く同じ価格で売り抜けることができるかどうかについては別問題であるといえるので注意です。

国土交通省の土地総合情報システムを利用して実勢価格を調べる

国土交通省が運営する土地総合情報システムを利用することで、過去の不動産取引に則った実勢価格を調べることができます。現段階ではもっとも手軽でわかりやすい実勢価格の調べ方といえるでしょう。

不動産取引価格情報検索

対象空き地の地元不動産会社のウェブサイトで販売不動産広告を見る

売りたい空地を取り扱っている「地元の不動産屋」が運営するウェブサイトや実店舗に張られている販売不動産の広告をチェックして、自分の所有する空き家とほぼ同じような条件の不動産がいくらで取引されているのかを予測することができます。

さいたまの土地・戸建・マンションならリアルさいたま
リアルさいたまはさいたま市エリアを得意としています。不動産の売却査定・買取も即日対応いたします。土地・一戸建て・マンションの購入における住宅ローンシミュレーションや相続における問題解決も好評です。お気軽にご相談ください。

とはいえ、あくまでも広告で提示されている価格は、先に説明しました「希望小売価格」に該当するため、実際の取引が成立した段階では価格交渉や値引きなどで、実勢価格が希望小売価格を下回っているケース(逆に何かしらの要素で上回ったケース)も存在していることに、重々注意をしてください。

広告の価格はあくまでも広告の価格です。

あまりあっては欲しくない話ですが、不動産業界では顧客を誘因するための「おとり広告(釣り広告)」が多く存在していますので、妙に安い(高い)広告は、何かしらの業者による意図が挟まっている可能性も、常に捨てきれません。

SUUMO、HOMES、アットホームといった不動産販売ポータルサイトから実勢価格を予測する

地元の不動産だけでなく、全国規模の不動産販売ポータルサイトを活用して、同じく広告から実勢価格を読み取ることもできるでしょう。

【SUUMO】不動産売買・住宅購入・賃貸情報ならリクルートの不動産ポータルサイト
【SUUMO(スーモ)】不動産・住宅に関する総合情報サイトです。全国の賃貸情報からマンション・一戸建て・土地などの不動産売買・物件購入情報はもちろん、注文住宅、リフォーム、設備情報に至るまでの豊富な住宅情報で、あなたの幸せな住まい探しをサポートします。
http://www.homes.co.jp/
http://www.athome.co.jp/

注意点は先の地元不動産会社を通じた広告調査と同様ではありますが、ポータルサイトでは複数の不動産屋が同じ物件を取り扱うこともあるだけに、特定の不動産屋は手数料などで価格を勉強してくれる可能性があるが、他の不動産はその限りではないといったような「価格のブレ」が介在する可能性もあります。

国が発表している地価推移概要

国土交通省などが発表している資料を読み解くと、「今はどの地域の地価が上がっているんだな(下がっているんだな)」というような全体の趨勢を俯瞰することができます。

時にはこういった資料についても目を通しながら、所有している空き家不動産の実勢価格にめどをつけていくことは、空き家オーナー自身が行わなければいけない大切な作業の1つと言えるでしょう。

例:国土交通省の発表による全国の地価推移概要

平成27年7月以降の1年間の地価について

  • 全国平均では、全用途平均は下落しているものの下落幅の縮小傾向が継続している。用途別では、住宅地及び工業地は下落しているものの下落幅の縮小傾向が継続している。また、商業地は昨年の下落から横ばいに転じた。
  • 三大都市圏をみると、住宅地は東京圏・名古屋圏で小幅な上昇を継続しているが、名古屋圏では、上昇基調の鈍化が見られる。また、商業地は総じて上昇基調を強め、特に大阪圏では上昇基調を強めている。工業地は総じて上昇基調を続け、特に東京圏では上昇基調を強めている。
  • 地方圏をみると、地方四市では全ての用途で三大都市圏を上回る上昇を示し、特に商業地では上昇基調を強めている。また、地方圏のその他の地域においては全ての用途で下落幅が縮小している。
【住宅地】

全国的に雇用情勢の改善が続く中、住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支え効果もあって、住宅地の地価は総じて底堅く推移しており、上昇ないし下落幅の縮小が見られる。

圏域別に見ると

  • 東京圏の平均変動率は3年連続して小幅な上昇となった。なお、半年毎の地価動向は、前半(H27.7~H27.12)、後半(H28.1~H28.6)ともに0.5%の上昇となった。
  • 大阪圏の平均変動率は昨年に引き続き横ばいとなった。なお、半年毎の地価動向は、前半が0.2%の上昇、後半が0.1%の上昇となった。
  • 名古屋圏の平均変動率は4年連続して小幅な上昇となった。なお、半年毎の地価動向は、前半が0.7%の上昇、後半が0.5%の上昇となった。
  • 地方圏の平均変動率は下落を続けているが、下落幅は縮小傾向を継続している。なお、半年毎の地価動向は、前半が0.3%の上昇、後半が0.4%の上昇となった。地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では、平均変動率は4年連続上昇となり、上昇幅も昨年より拡大している。なお、半年毎の地価動向は、前半が1.6 %の上昇、後半が2.1%の上昇となった。
【商業地】

外国人観光客をはじめ国内外からの来街者の増加等を背景に、主要都市の中心部などでは店舗、ホテル等の需要が旺盛であり、また、オフィスについても空室率は概ね低下傾向が続き、一部地域では賃料の改善が見られるなど、総じて商業地としての収益性の高まりが見られる。こうした中、金融緩和による法人投資家等の資金調達環境が良好なこと等もあって、不動産投資意欲は旺盛であり、商業地の地価は総じて堅調に推移している。

圏域別にみると、

  • 東京圏の平均変動率は4年連続の上昇となり、上昇幅も昨年より拡大している。なお、半年毎の地価動向は、前半が1.7%の上昇、後半が2.0%の上昇となった。
  • 大阪圏の平均変動率は4年連続の上昇となり、上昇幅も昨年より拡大している。なお、半年毎の地価動向は、前半が1.9%の上昇、後半が2.4%の上昇となった。
  • 名古屋圏の平均変動率は4年連続の上昇となり、上昇幅も昨年より拡大している。なお、半年毎の地価動向は、前半、後半ともに1.5%の上昇となった。
  • 地方圏では、平均変動率は下落を続けているが、下落幅は縮小傾向を継続している。こうした中、地方四市における平均変動率は4年連続の上昇となり、上昇幅も昨年より拡大し、三大都市圏平均を大きく上回っている。なお、地方四市における半年毎の地価動向は、前半が4.3%の上昇、後半が3.5 %の上昇となった。
【工業地】

三大都市圏を中心に工業地への需要の回復が見られ、特に、インターネット通販の普及等もあり、一定の需要が見込める地域では大型物流施設に対する需要が旺盛であり、高速道路IC周辺等の物流適地では地価は総じて上昇基調で推移している。

圏域別に見ると、

  • 東京圏の平均変動率は4年連続の上昇となり、上昇幅も昨年より拡大し、大阪圏及び名古屋圏の平均変動率は2年連続小幅な上昇となった。
  • 地方圏の平均変動率は下落を続けているが、下落幅は縮小傾向を継続している。地方四市の平均変動率は4年連続上昇となり、上昇幅も昨年より拡大している。
実勢価格の上昇率順位表

平成28年度調査結果において、地価の上昇率が著しかった場所をランキングにまとめました。

住宅地
順位 都道府県 基準地番号 基準地の所在地 平成27年基準地価格(円/㎡)
倶知安-2 北海道 虻田郡倶知安町字樺山65番132外 16,500
金沢-37 石川県 金沢市本町2丁目89番 160,000
『本町2-3-29』
いわき-2 福島県 いわき市四倉町字西4丁目7番14 32,500
福岡南-12 福岡県 福岡市南区高宮2丁目100番 250,000
『高宮2-10-25』
若林-2 宮城県 仙台市若林区裏柴田町28番5外 128,000
千代田-1 東京都 千代田区六番町6番1外 3,260,000
千代田-2 東京都 千代田区三番町9番4 2,380,000
若林-7 宮城県 仙台市若林区大和町1丁目205番48 109,000
『大和町1-17-5』
いわき-63 福島県 いわき市泉ヶ丘1丁目19番16 39,200
10 福岡早良-1 福岡県 福岡市早良区城西2丁目238番 235,000

商業地
順位 基準地番号 都道府県 基準地の所在地 平成27年基準地価格(円/㎡)
中村5-4 愛知県 名古屋市中村区椿町109番1外 3,250,000
『椿町1番19号』
中村5-9 愛知県 名古屋市中村区名駅3丁目2605番 3,030,000
『名駅3丁目26番6号』
中央5-6 大阪府 大阪市中央区南船場3丁目12番9外 4,150,000
『南船場3-5-11』
浪速5-1 大阪府 大阪市浪速区日本橋3丁目34番5 663,000
中村5-11 愛知県 名古屋市中村区椿町1314番 1,000,000
『椿町13番16号』
中央5-14 東京都 中央区銀座6丁目4番13外 17,700,000
『銀座6-8-3』
伏見5-1 京都府 京都市伏見区深草稲荷御前町89番 214,000
金沢5-21 石川県 金沢市広岡1丁目112番外 395,000
『広岡1-1-18』
北5-12 大阪府 大阪市北区中之島5丁目2番1 967,000
10 中央5-13 東京都 中央区銀座二丁目2番19外 26,400,000
『銀座2-6-7』
10 下京5-5 京都府 京都市下京区四条通馬場西入立売中之町92番 3,000,000

工業地
順位 基準値番号 都道府県 基準地の所在地 平成27年基準地価格(円/㎡)
五霞9-1 茨城県 猿島郡五霞町大字江川字沖ノ内2585番1外 23,800
船橋9-1 千葉県 船橋市西浦2丁目6番2外 92,000
『西浦2-14-1』
市川9-1 千葉県 市川市高谷新町9番5外 95,000
富谷9-1 宮城県 宮城県黒川郡富谷町成田9丁目3の3 21,500
宮城野9-2 宮城県 仙台市宮城野区扇町3丁目4番20外 38,000
『扇町3-4-37』
豊見城9-1 沖縄県 豊見城市字豊崎3番62 31,500
太田9-2 東京都 大田区平和島三丁目13番3 368,000
太田9-1 東京都 大田区京浜島二丁目17番44 232,000
『京浜島2-17-3』
厚木9-2 神奈川県 厚木市酒井字前田3142番外 106,000
10 厚木9-1 神奈川県 厚木市上依知字上ノ原3014番 52,600
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空き家隊長

空き家隊長

実家の相続をきっかけに空き家問題に直面。すったもんだの末に何とか売り抜ける。その際に経験したこと、様々な外部のプロに教えて頂いた空き家問題、土地活用問題について記事にしていきます。
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